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ローン残債があるマンションも売却できる?ローンが残る物件を売る流れ・注意点をケース別に解説

【更新日】2023-11-24
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ローンの残ったマンションも売れる?売却の流れ・注意点を解説
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離婚や引っ越し、転勤などで今まで住んでいたマンションがきゅうにいらなくなった時でも、売ってお金にする方法があります。

ただ、多くの人は人生の中で不動産の売買を何度も経験することはありません。

実際に売却する際は様々な疑問・問題が生じてしまいます。

はじめて不動産を売る人からの質問で特に多いのが「住宅ローンを残したまま売っても良いのか」というものです。

不動産売却を成功させるためには、絶対知っておくべきポイントがあります。

そこで今回この記事では、ローンの残っているマンションはそもそも売ることが出来るのか、また売る際は具体的にどんな手続きを進めていくのかを注意点と合わせて徹底解説していきます。

ローンの残ったマンションの売却を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

マンション買取の注意点とは?損するリスクと失敗しないためのポイント
この記事の監修
井上信一

井上信一

価値生活研究室代表 CFP、福祉住環境コーディネーター

10年強に渡FP事業会社等での経験を経て2010年に独立。

依頼、「誰でもライフプランに基づくキャッシュフローを自分でつくれる世の中へ。FPの仕事はその先」をモットーに、企業や労組の福利厚生支援をはじめ、企業・自治体・金融機関等向けのセミナー・個別相談・各種コラム執筆や監修にも多数従事。

地域の福士活動も活発におこなっており、成年後見人としても受任中。

ローンの残るマンションを売却する2つのパターン

ローンの残るマンションを売却できるのか?という質問を良く受けますが、結論から言うと売却自体は可能です。

ただし、マンションの売却代金がローン残債を上回る場合と下回る場合が存在し、それぞれ売れる条件が異なるということを抑えておく必要があります。

ここからは、パターン別の売れる条件を紹介していきます。

売却代金がローン残債を上回るケース

売却代金がローン残債を上回る場合、引き渡し時に受け取った売却代金でローンを完済し、抵当権抹消登記によって設定されている抵当権を取り外して引き渡しをおこないます。

この場合は特に問題なく、マンションの売却が可能です。

売却代金がローン残債を下回るケース

ローン残債が2,000万円なのに売却して1,500万円にしかならなかったというように、売却代金が残債を下回るケースもあります。

この時は、自己資金の有無によって更に2つのパターンへと分かれます。

売却代金+自己資金でローン残債を処理できるケース

そもそもローンの残るマンションを売る際は、売却代金でローンを完済しなければならないという決まりはありません。

売却代金が足りなくても、自身の貯蓄から不足分を補填できるのであれば何の問題もないのです。

ただ、引っ越し・新居購入を伴う売却の場合、予想外に自己資金を支払ってしまうことで全ての計画が台無しになる恐れもあるので注意が必要です。

売却代金+自己資金でローン残債を処理できないケース

マンションの売却代金が残債に届かず、加えて自己資金を合わせても完済できない場合、売買は原則不成立となってしまいます。

ただ、不動産会社もいくらで売れればローンを完済できるかは把握しているので、売買契約の段階でようやく売買不成立に気付くというよりも、最初から完済できる価格で売り出すので、買い手が全くつかないケースのほうが多くなります。

住み替えの場合は住み替えローンを利用し、残ってしまったローンを新居のローンに組み込むことで、完済した扱いにすることもできます。

ただ、あまりに高額の住宅ローンを組み込むと後々の負担が大きくなるだけなので、実施の際は注意が必要です。

ローンの残るマンションを売る流れ!全8手順を解説

ローンの残るマンションを売る流れ!全8手順を解説

ローンの残るマンションとローンが無い物件では、手順が少し異なります。

ここからは、ローンの残る物件を売る際はどんな手順を踏めばよいか、わかりやすく解説していきます。

ちなみに、ローンの残るマンションの売る流れを簡単にまとめると、以下のようになります。

  1. 相場調査
  2. 不動産会社選び
  3. 媒介契約
  4. 管理会社へ連絡
  5. 販売活動
  6. 売買契約
  7. 銀行へ連絡
  8. 決済・引き渡し

分譲マンション売却の流れと賢いスケジュールの組み方

【①相場調査】ローン完済の目星をつける

ローンの残るマンションは完済して引き渡すのが前提ですが、不動産には定価がないので自分で相場を調べなければいけません。

売却価格の相場を調べるには、こちらの3つのサイトを利用するのがおすすめです。

  • 総合サイトの売出し物件情報を調査する
  • マンション専用サイトに掲載されている相場情報をチェックする
  • 国土交通省「土地総合情報システム」を使う

サイトを使って売却価格の予測を立てたら、ローン残高と照らし合わせて、売って返せるかどうか計算してみましょう。

※相場の調べ方については、こちらに詳しくまとめています。

分譲マンションの売却相場を知りたい!専門家が使っている3つの方法を紹介

【②不動産会社選び】複数社の査定額を比較

相場がつかめたら、実際に不動産会社へ査定を依頼します。

「相場を調べる前に不動産会社に査定してもらうほうが楽じゃない?」と思うでしょうが、不動産屋の中には査定額を高く吊り上げ、契約をもぎ取ろうとする悪徳業者も存在します。

不動産会社のおこなう無料査定は法的根拠のない各社の私見なので、算出方法が違っていたり、金額がバラバラだったりしても構わないのです。

そのため、いくら査定額が高くても、それが物件の立地、面積、築年数から見て「常識の範囲内か」を考える必要があります。

検査・保証サービスの比較も忘れずに

業者選びは、査定額の高さだけを参考にしてはいけません。

査定額と同じくらい重要なのが、保証・検査サービスです。

中古のマンションは、住む人が気付かないうちにどこかに欠陥が出てしまうものです。

不動産会社の中には売る前に検査をおこなってくれるところがあるので、こうした業者と契約するのがおすすめです。

検査でOKが出れば、安心して売れるだけでなく、プロから優良物件のお墨付きをもらえるので買主から選ばれやすくなります。

一括査定サイトを使うのがおすすめ

最も手っ取り早く査定依頼できるのが一括査定サイトのサービスを活用する方法です。

査定したい物件の簡単な情報を記入・送信すれば、最大6社以上の対応業者に査定を依頼することができます。

サイトの詳しい利用方法はこちらにまとめてあるので、ぜひ参考にしてください。

不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気15社を厳選紹介【2023年最新】

【③媒介契約】専任媒介契約がおすすめ

契約する業者が決定したら、媒介契約を結びます。

これは、不動産の広告作成や販売営業を業者に依頼する代わりに、成約時に売り上げの一部を仲介手数料として支払うことを約束するものです。

この媒介契約には3種類の方法があり、それぞれ契約内容が異なります。

契約の種類 契約の有効期間 売り手自身が買い手を見つけること 依頼可能な業者数 仲介業者からの報告※ 業者からの拘束力
専属専任媒介契約 3ヶ月以内 できない 1社のみ 1週間に1回以上、メールか文書で連絡 非常に強い
専任媒介契約 3ヶ月以内 可能 1社のみ 2週間に1回以上、メールか文書で連絡強い
一般媒介契約 原則、3ヶ月以内 可能 複数社と契約可能(契約数の上限なし) なし 弱い

基本的には、専任媒介契約がおすすめです。一般媒介契約は複数社と契約できるのが魅力ですが、仲介手数料を支払うのは成約した1社だけなので、契約した会社は営業コストをかけにくいです。

広告作成などの販売にかかる費用は、不動産会社の自腹になります。そのため、仲介手数料をもらえないと会社は赤字になってしまうのです。

一方、専任媒介契約なら、成約すれば仲介手数料がもらえるのは決まっていますし、頑張って売った分だけ収益が高くなるので、業者のモチベーションも高いです。

ただ、マンションの最上階角部屋やデザイナーズマンションなどは一般媒介契約のほうが高く売れることもあります。

一般媒介と専任媒介の違いは、こちらに詳しくまとめています。

不動産売却時の媒介契約とは?専任媒介と一般媒介の違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説

【④管理会社へ連絡】売る報告は早目にやっておこう

マンションのオーナーは管理組合に所属しています。部屋を売る際はこの組合を抜ける連絡をしなければいけません。

ではどこに連絡するかですが、ほとんどの場合、マンション管理会社が窓口になっています。こちらに「組合員の資格喪失届」を提出して、退会をおこないます。

その他にも、管理規約などの重要資料を、管理組合からもらう必要があります。退会時の規約などもそれぞれ違う内容な可能性もあるので、早目に確認しておきましょう。

【⑤販売活動】掃除をして内覧に備える

契約が済めば、いよいよ販売活動が始まります。

広告作成や他店への営業は仲介業者がおこない、売主は報告を待つ形となります。

ただ、その間売主はボーっとしているのではなく、やるべきことがあります。

それは、部屋の掃除・整理整頓です。「そんなこと?」と思うかもしれませんが、マンションを高く早く売るためには非常に重要な作業です。

査定額は築年数や立地などである程度決まってしまいますが、買主は素人なので部屋の第一印象が良ければ多少古い部屋でも心を動かされます。

部屋を清掃する際は、「生活感を消す」ことを意識しましょう。いくら中古といえ、買い手は新生活の期待をしながら新居を選んでいます。

売主は、広告写真を見て膨らんだ期待を裏切ることのないように、積極的に部屋を綺麗にしていきましょう。

特に、キッチンや洗面所などの水回りは、水垢などの汚れが目立ちやすいので重点的に掃除していきましょう。

【⑥売買契約】値引き交渉に注意!

内覧で気に入ってもらったら、その後、売買契約を結びます。

売買契約では、売主と買主の他にどちらか一方の仲介業者に同席してもらい、契約事項の確認を行います。

それ自体に問題はないのですが、この時に買主が値下げを要求してくることがあります。

こちらからしたら腹立たしいですが、不動産売買は中古物件に高額のお金を支払ってくれる買主がどうしても優位となります。

過去の事例を見てみると、査定額の最大1割程度までは下げることが多いです。ただ、あまりに値下げ幅が大きいとせっかく売り出した意味がなくなるので、「これ以上の値下げはダメ」という限界を自分の中で作っておくようにしましょう。

【⑦銀行へ連絡】一括返済手数料を確認しよう

売買契約が済むと、引き渡し日をいつにするか決定します。

これが決まれば、ローンを借りている金融機関へ一括返済の申し込みをします。

この時、必ず確認しておきたいのが一括返済手数料です。一括返済は残高をそのまま返済するのではなく、残高に加えて一括返済手数料も合わせて支払う必要があります。

※詳しくは後述します。

手数料は返済期間によっても変わる可能性があるので、必ず事前に確認しましょう。

【⑧決済・引き渡し】代金の支払い・ローン返済・引き渡しは1日でおこなう

最後に、税金・手数料の決済、住宅ローンの返済、物件の引き渡しを1日でおこないます。

決済は、ローンを借りている金融機関の一室で1~2時間程度でおこなわれます。当日の詳しい流れは、このようになっています。

  1. 本人確認と書類の確認
  2. ローン融資を買い手がおこなう
  3. 税金などの精算
  4. 売り手から買い手へ領収書の発行
  5. 仲介手数料の支払い
  6. 司法書士への報酬支払い
  7. 売り手のローン返済手続き
  8. 抵当権の抹消登記完了
  9. 鍵や重要事項説明書などの引き渡し

詳しくはこちらの記事にまとめています。合わせてご覧ください。

不動産売却時の決済の流れ!場所や時間・必要書類を詳しく解説

ローンの残るマンションの売却を成功させるポイント

ローンの残るマンション売却は、不動産会社との連絡・手続きの他に金融機関との連絡も進めていかないといけないのが難点です。

また、売却価格の見込みを間違えると、ローンが残る上にマンションが戻ってこないという最悪のケースになりかねません。

ここからは、売却時の失敗を防ぐために注意してほしい3つのポイントを解説していきます。

①マンションのローン残高を確認する

マンションの売却価格がローン残高を下回る時は、基本的に取引が成立しません。

そのため、まずはローン残高を知った上で査定額を比較し、完済できそうか見極める必要があります。

マンションのローン残高は、契約時に金融機関から送られた返済予定表を見ればわかります。

ただ、若干の変更・修正が途中であったかも知れないので、直接金融機関へ問い合わせたほうが無難です。

この時、本人確認のために登録している引き落とし口座の番号などを聞かれるので、通帳やメモをしっかり準備しておきましょう。

②銀行に事前確認をする

ローンの残るマンションを売る際は、銀行へ連絡する必要があります。

銀行連絡で確認しておきたい内容は、以下の3点です。

  • 現在のローン残高
  • 一括返済手数料
  • 抵当権抹消登記の申請

住宅ローンを30年で組んでも、その間に会社から転勤を命じられれば行かざるを得ません。

銀行もその辺は理解しているので、返済途中で売っても怒りはしません。

ただ、上記3点の確認の他に「途中で事情があり、売ることになりました」などの断りを事前に入れたほうが、円滑に事が進んでいきますよ。

③マンション売却にかかる税金・費用を把握しておく

ローン残高が2000万円、査定額が2500万円だったからといって、確実に完済可能といいきれるでしょうか?

答えはNOです。なぜなら、売却にかかる様々な税金・費用・手数料の存在を忘れているからです。

マンション売却にかかる税金・費用・手数料
  • 譲渡所得税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 仲介手数料
  • ハウスクリーニング費用
  • その他諸費用

その他にも、住替えの際には引っ越し費用などがかかってきます。マンションの売却価格にもよりますが、総額100万円を超えることもあり得ます

ローンの残るマンションを売る際は、ローン残高+各種税金・費用を査定額で払いきれるかのチェックが必要です。

※マンション売却にかかる費用・税金の計算方法はこちらにまとめています。

ローンの残るマンションを売る際の注意点を解説!返済中に売却したい方必見

④税金優遇制度を利用してマンション売却の手残りを増やす

マンションの売却代金で住宅ローン残債を完済する場合、売主の手残りを増やす意識も大切です。

2,000万円で売れて500万円引かれるのと、1,900万円で売れて300万円引かれるのでは、後者のほうが利益は大きくなるためです。

マンション売却で税金が発生した際に利用できる課税の軽減措置としては、3000万円特別控除が最も一般的です。

居住の用に供しているマンションなら最大3000万円まで控除できるので、ほとんどの場合で税金を0にすることも可能です。

また、万一、売却益が3000万円を超えても、所定の要件を満たす住み替えであれば、別途、買換え特例を活用して課税を繰延べることもできます。

一方、売却損が出た場合でも、所定要件を満たす場合には、他の所得と損益通算、および損失の繰越し控除をすることで、総合的に減税することができます。

例えばオーバーローンによる譲渡損失が500万円、給与所得が1000万円の場合、1000万円から500万円を控除することで、本来は給与所得に係る税額分を減らせます。

ローンの残っているマンションを高く売るコツ

ローンの残るマンションは、残債よりも高く売ることが理想です。

しかし、単に不動産会社へ依頼をすれば高く売ってくれるほど、マンション売却は甘くありません。

ローンの残るマンションを高く売るために抑えておきたいポイントを紹介します。

分譲マンションを高く売る全知識!3割増で売却するためのポイント11選

地域の特色やターゲット層を把握する

どんな中古マンションの需要が大きいかは、地域によって大きく変わります。

近くに小学校・中学校が多いエリアなら、子供部屋のあるファミリー向けマンションが人気を集めるでしょう。

中には、マンションの設備や周辺の商業施設の有無よりも、治安の良さや学校の評判を重視する方も多いでしょう。

このように、エリアが変われば人気のマンションも変わってきます。

逆に言えば、ターゲットを設定して、彼らに購入してもらうようなPRはないか考えることが大切です。

内覧対策を徹底的におこなう

高く売ろうとしてマンションを割高に設定した場合、やはり購入希望者の数は減少してしまいます。

それでも売却を成立させるには、掃除・整理整頓といった内覧対策を徹底的におこない、第一印象をアップさせることが不可欠です。

特にトイレや浴槽、キッチンなどの水回りは第一印象に大きく関わるので、時にはハウスクリーニング業者に依頼するなどして、力を入れて清掃しましょう。

その他、内覧前日~当日には以下のことを意識する必要があります。

  • 最小限のものしか置かない
  • 採光を見直す
  • 家事のしやすさなど女性目線で対応する
  • 質問ははぐらかさず丁寧に回答する
  • エピソードを交えて住みやすさをPRする

ホームインスペクション(住宅診断)を実施する

ホームインスペクションとは、ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれる人が住宅の状態を見極めた上で、アドバイスや結果をもらうサービスです。

どこの修繕が必要なのか、修繕費用はいくらなのかが分かるだけでなく、何の欠陥もない場合は安全なマンションというお墨付きをもらえるので、売却しやすくなります。

以前は知名度の低かったホームインスペクションも近年はだんだん一般化しており、数万円程度の費用がかかっても依頼することで大きなメリットが見込めます。媒介依頼する不動産会社にて付帯サービスを行うこともあるので、事前に確認・相談しておくと良いでしょう。

売却価格の設定

物件価格の設定も重要なポイントです。

適正な価格を設定するためには、近隣の同種の物件の売却価格や市場価格の調査が必要です。

市場価格の調べ方

  • 不動産一括査定サイトの活用
  • AI査定シミュレーションの利用
  • 国土交通省「土地総合情報システム」の使用など

また、適正な価格設定は、売却のスピードと売却価格のバランスを取るのに必要なことです。

そもそも不動産の資産価値は、時間を経るごとに減額していきます。

売却活動を始めた時の価格と、6ヶ月が経過してから再度査定したときとでは、数百万円もの差額が生じているケースもあります。

つまり、不動産売却は、高値で売却することよりも、早期売却に繋げることに注力することが大切というわけです。

そのきっかけを生むのが、適正価格の設定や前後述した施策に繋がってくるのです。

マンション売却と築年数の関係性とは?築年数で見る売却価格の推移とベストな売り時

不動産会社に相談する

販売のタイミングや物件価格、物件の状態や特徴を強調するための戦略など、マンション売却に関する全ての決定については、不動産関連の知識が豊富な不動産会社など、その道のプロから専門的なアドバイスを得て決行に移しましょう。

ローンが残っているマンションの売却についても、不動産会社や弁護士などからアドバイスを得ることで、より有利な条件で売却できます。

また不動産会社に相談するとき、実績や取り扱いが得意な物件種別を加味しながら、地元の不動産動向に関する情報を網羅している会社に相談するのも1つの手です。

地域密着型の中には、独自の情報網を形成している会社がありますので、全国規模で支店を展開している会社とは違った視点でプランを提案してくれます。

【2023年】マンション価格の推移を解説!最新の市場動向と今後の下落の可能性(グラフ・データ付き)

マンションを売却してもローンが残った時の対策

マンションを売却しても住宅ローンを支払いきれない場合は”オーバーローン”といって、残りの残高を支払う必要があります。

ローン残債が残った状態で売却するのは困難なので、住宅ローン残債を完済する対策を考えていきましょう。

ローンを完済する方法は大きく分けて3つあります。

    住み替えローンを活用する

    任意売却

    資金を用意して補う

これから対策を詳しく解説していくので「オーバーローンになって困っている」という人は参考にしてください。

住み替えローンを活用する

住み替えローンは、マンションを売却する時に住み替えローンを組む事によって、売ったマンションのローンと新居の住宅ローンをまとめて組むことができます。

残ったローンと新居で組んだローンを一括にまとめられる所が魅力です。

しかし住み替えローンは二重ローンになるので、普通の住宅ローンより審査が厳しくなります。

住み替えローンの審査では基本的に下記項目がチェックされます。

  • 年齢
  • 年収
  • ローン残高
  • 新居の物件価格・担保評価額
  • 借り入れ状況
  • ローン延滞の有無

住み替えローンを組もうと考えている人は、収入と収支のバランスを考えて無理な借り入れを防ぎましょう。

住み替えローンの返済計画を事前に立てた上で申し込むことが好ましいです。

任意売却

残ったローンの支払いが難しい人は”任意売却”という手段もあります。

住宅ローンを組んでいる金融機関と交渉して任意売却の可否を決めます。

金融機関の対応によっては任意売却することが出来ないケースもあるので、最初から検討する手段ではありません。

任意売却は、金融機関がローンを組んでいる人の情報を調べて抵当権を外しますが、任意売却を行う事によって信用情報に傷がつく可能性があります。

また任意売却を行って抵当権を外しても、残ったローンは支払って行かなければならないので、任意売却を検討する場合はしっかり相談して判断しましょう。

資金を別途用意する

まず、マンションを売ってもローンが残った場合で簡単に処理する方法は資金を用意して補填することです。

マンションを売却した際に発生する売却資金と追加資金を合算すればローンを完済することができます。

追加資金の財源として、自分の貯金から下ろしたり両親からお金を借りたりと、手段は様々ありますが、この方法を実行する場合は、今後のライフプランに与える影響なども慎重に検討する必要があります。

ローンの残るマンションを売る際の注意点

ローンの残るマンションを売る際は、通常のマンション売却とは異なる注意点があります。

ここからは、ローン残債のあるマンションを売る際の注意点を解説していきます。

不動産売却のメリット・デメリットと見落としの多いリスクを紹介

ダブルローンになってしまう時は条件を満たしている必要がある

住宅ローンの借入を検討する際に注意したいのが、1世帯あたりで複数の住宅ローンを組む、ダブルローン状態です。

この状態では住宅ローン審査に通りにくいので回避する必要がありますが、親族が居住する目的の場合やセカンドハウス用の物件でローンを組む場合はダブルローンが認められるケースがあります。

また、今のマンションを売却譲渡する前に新居のローンを組む場合も一時的にダブルローン状態になりますが、この場合は金融機関も“一時的なもの”と理解しているため、審査に大きな悪影響を及ぼす訳ではありません。

ただ、一時的だとしてもローンの返済は増加するので、それを支払い切れる収入があるかどうかは審査で厳しくチェックされます。

ダブルローンは基本的にNGですが、どうしてもその状態になってしまう場合は条件をクリアできているかどうかをチェックしましょう。

売却費用は完璧に把握しておいたほうが良い

マンションの売却代金+自己資金でローンを完済できるかギリギリの場合、支払う費用次第では完済できないケースも出てきます。

ローンの残るマンションを売るかどうかは査定価格を参考にして決めるので、この段階で費用・税金がいくらかかるのかを理解した上で、トータルで完済できるかどうかを判断していく必要があります。

面倒な作業ではありますが、ここを疎かにしてしまうと最終的に売買不成立となる可能性が出てきてしまいます。

不動産会社選びは徹底的におこなう

ローンの残るマンションを売る際は、完済してなお余裕があるくらい高く売るのが理想です。

この時、売主がいくら「高く売るぞ!」と意気込んでも、実際の販売活動の9割は仲介業者がおこなうので、業者選びを疎かにしてしまったら高く売れる可能性は低いです。

まずは不動産一括査定サイトを用いて複数社の査定額を比較し、その上で実績や保障・検査などもチェックした上で最適な業者をえらびましょう。

マンション売却でローンが残っている時の対策に関するQ&A

マンション売却でローンが残っている時の対策に関するQ&Aをまとめました。

Q.ローンが残っていてもマンション売却はできる?

ローンが残っていてもマンションは売却することができます。

ただし、ローン残債がマンションの売却が上回っている場合は、抵当権を外すために差額の支払いが必須です。

差額の準備が出来ない場合は、抵当権を外すことができず、マンションを売却することができません。

ローン返済中の不動産売却のポイント!ローン残債がついたまま売る際の注意点

Q.ローンが残っているマンションを高く売るコツはありますか?

マンションを高く売るコツとして、複数の不動産会社に査定を依頼する方法があります。

1社のみの査定で売却を進めていると、他の不動産会社の方が高く売ることができて損をしてしまうリスクが発生します。

また、複数の不動産会社に査定を依頼すると売りたい物件の市場相場がわかるので、売却をスムーズに進めて行くこともできます。

マンションを高く売るコツ11ヶ条!高額売却成功のノウハウを公開

Q.ローンが残っているマンションを売る流れは?

ローンが残っているマンションを売る流れは次の8ステップです。

  • 相場調査
  • 不動産会社選び
  • 媒介契約
  • 管理会社へ連絡
  • 販売活動
  • 売買契約
  • 銀行へ連絡
  • 決済・引き渡し

ローン残債があるマンションの場合は、売買契約を行う前に管理会社への連絡が必要です。

分譲マンション売却の流れと賢いスケジュールの組み方

Q.住み替えローンってなに?

住み替えローンは新居に住む際に、売る予定のマンションのローンと合算してローンを組むことができます。

マンションの売却益でローンを仕払ってもローンが完済できない場合に利用できます。

ローンが残ったままでも新居に住めるメリットがありますが、ローンの返済が厳しくなるケースもあるので注意しましょう。

ローンの残っている家を売って新居を買いたい!住み替えの流れ・ローンが残る家の売却方法を紹介

まずは査定でマンションがいくらで売れるか把握しよう

ローンの完済が終わっていないマンションの売却は、まず査定価格を見てどのようにローンを完済するか決めましょう。

マンションを売却してもローンを完済出来ない場合は、住み替えローンや任意売却を活用することによって、マンションを売却することも可能です。

まずは不動産会社に査定を依頼して相談してみましょう。

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