
マンションを売る方法!売れないマンションを高く売却する流れ・成功のコツ
マンション売却を成功させるためには、以下の2通りの方向性で売っていくようになるかと思います。
- マンションを高く売る
- マンションを早く売る
まず、多くの方がマンションの高額売却を望んでいるかと思います。
少しでもマンションを売ることで、その後の引っ越し費用や生活費などに捻出することもできます。
一方、マンションを早く売りたいということを目標にしている方も多いでしょう。
転勤まで時間がない方などは、通常は時間のかかりがちなマンション売却を平均時間よりも早く進めていく必要があります。
マンションを高く売るか、早く売るかによって方向性が大きく変わるので、どちらを一番に目指すかは早めに決定しておくことをおすすめします。

マンションを高く早く売る方法
マンション売却を成功させるためには、以下の2通りの方向性で売っていくようになるかと思います。
- マンションを高く売る
- マンションを早く売る
まず、多くの方がマンションの高額売却を望んでいるかと思います。
少しでもマンションを売ることで、その後の引っ越し費用や生活費などに捻出することもできます。
一方、マンションを早く売りたいということを目標にしている方も多いでしょう。
転勤まで時間がない方などは、通常は時間のかかりがちなマンション売却を平均時間よりも早く進めていく必要があります。
マンションを高く売るか、早く売るかによって方向性が大きく変わるので、どちらを一番に目指すかは早めに決定しておくことをおすすめします。
マンションを高く売る方法
マンションを相場以上で高く売るためには、高く売ってくれる業者に依頼をして、じっくりと待つことが大切です。
どの業者もマンションを高額売却できる実力がある訳ではないので、まずは高額売却が可能な業者を見つける必要があります。
ただ、マンションを相場以上で高く売る場合、周辺の競合物件に比べて明らかに金額が高かったりすると成約までに時間がかかってしまうので、長めのスケジュールを立てておく必要があります。
ここからは、マンションを高く売りたい方に向けて、高額売却の方法・ポイントを詳しく解説していきます。
→マンションを高く売るコツ11ヶ条!高値がつくマンションの条件とは?
不動産一括査定サイトを活用する
マンションを最大限高く売る場合は、複数社の査定額を比較する手続きが不可欠です。
不動産会社の査定額は各社が「ウチならこれくらいの金額で売れる」という意思表示なので、比較して高額査定をしてくれた業者に依頼をすれば、その分だけマンションが高く売れやすくなります。
つまり、出来るだけ多くの不動産会社の査定額を比較できるかどうかが、高額売却のポイントとなってくるのです。
複数社の査定額を比較するためには、一括査定サイトを活用しましょう。
一括査定サイトを活用することで、マンションの査定に対応する複数社へ一括で査定依頼をすることができます。
自力で周辺業者に査定を依頼することもできますが、マンション売却に対応する優良業者は他県にいたりもするので、1社ずつ連絡を取っていくと見落としてしまいます。
優良業者を見落とさず、かつスムーズに業者を比較するためにも、無料の一括査定サイトをスムーズに活用していきましょう!
売り出し価格を高く設定する
マンションの売却価格は、必ずしも査定額に沿って設定しなければいけない訳ではありません。
査定額をある程度は度外視して、売主の希望に合わせて売り出し価格を決めることもできます。
ただ、余りにも査定額と売り出し価格がかけ離れている場合は、不動産会社の側で売却のストップをかけてくる可能性があります。
売れ残りを防ぐためには不動産会社の意見も一理ありますが、少ない可能性にかけて高額売却を成立させるためには、短期間でも良いので高めに売り出す必要があります。
この金額で高く売る根拠は何か、勝算はあるのか、売れ残った場合はどう対応するのかなどを事前に考えておきましょう。
掃除・整理整頓を徹底する
マンションを高く売るには、掃除や整理整頓に力を入れる必要があります。
マンションを掃除したところで、プロの目から見た物件の評価は高まる訳ではありません。
ただ、実際にマンションを買ってくれる買主は不動産知識は素人なので、キレイな外見のマンションにどうしても惹かれてしまうものです。
マンションを相場以上で高く売り出す際は、掃除に力を入れて、高くつけた金額に外見が釣り合うようなイメージにもっていくことをおすすめします。
高く売れるタイミングで売却する
マンションは売却時期によって、同じ条件でも価格が上下するようになります。
好況のタイミングや、周辺で都市開発や道路開通、大型ショッピングモールの建設などが進んでいるタイミングではマンションが高く売れやすくなります。
逆に周辺エリアで少子高齢化が進んでいる場合や、隣町に同じブランドのマンションが建築されているタイミングは高値で売れにくいので注意が必要です。
タイミングに気を付けて売ることで、マンションを相場より高く売ることができます。
不動産会社からの連絡には素早く回答する
不動産の営業マンは人・会社によっては顧客のために時間を一切取れず、忙しい間をぬって連絡してきている可能性も十分あります。
不動産会社が連絡をしてきたら、出来るだけ1時間以内に回答をするようにしましょう。
回答時間が少し遅れることで、営業マンの行動が数営業日遅れ、それが募り募って、成約時期が数週間ズレる可能性もあります。
事前に必要書類を揃えておく
査定報告書、住民票、売買契約書など、交渉・契約前には必要書類をそつなく集めるのが大切ですが、必要書類にも以下の2点を準備するのをおすすめします。
- マンションの管理規約書
- 新築時のパンフレット
マンションの管理規約は、ペッの飼育の有無、室内での喫煙の可否など、利用する上でのさまざまなルールが記載されています。これがあると買い手が引っ越し後の生活をイメージしやすくなり、契約を結びやすくなります。
次に持っておきたいが、マンションが新築されたときのパンフレットです。
広告代理店などのプロが書いているで、物件PRの参考になりますし、間取りや構造などを相手に伝えやすいです。
買い手が気になるのは、マンションの間取りや面積だけではありません。
どこで買い物をすれば良いのか、辺りは静かか、趣味をエンジョイできる環境かなど、引っ越し先の地域についても気になっています。
そこでおすすめしたいのが、自分の好きな場所の写真や、お店のパンフレットなども用意しておき、契約時に見せてあげる方法です。
買い手は引っ越し後の生活により期待を膨らませることができ、高値で落札される可能性も高まりますよ!
部屋の修繕履歴をまとめておく
マンションの購入を検討している方は、もしかしたら購入後に高い費用の支払いが発生するのではないか?と心配しています。
表面上は良いマンションに見えても、設備の劣化が激しければ購入後すぐに修繕費用がかかってしまい、結果的に損をしてしまいますよね?
こうした不安を取り除くために、売却前にこれまでの修繕履歴を簡単にまとめてあげましょう。
その内容を購入希望者に共有すれば、大体いつ、いくら必要になるのかが分かります。
ご近所づきあいを改善しておく
マンションの部屋を購入するリスクとして、気の合わない住民が住んでいるかも知れないという点があげられます。
一戸建て住宅と違い、近所との距離が近いのが難しいところです。
実際、購入希望者はかなり詳しく近隣住民はどんな人か、騒音には厳しくないかなどを聞いてきます。
もしあなた自身が近隣との関係を気づけていない場合、何を言っても嘘っぽく聞こえてしまいます。
逆に近所付き合いが良ければ、事前に購入希望者へ合わせて、グッと成約に近づけることもできます。
成約の最後のポイントとして、ご近所づきあいが関わってくるケースは意外に多いのです。
内覧の対応は女性側(妻)を立てるべし
家に対する評価の仕方は、男性が理想的・女性が現実的な傾向にあると言われています。
実際、内覧でチェックされるのは台所の広さや水回りなど、女性のほうが目を配っている箇所のほうが多いです。
夫婦のどちらか一方が内覧の代表に立てる場合は、妻を立てることをおすすめします。
内覧の導線・シナリオを立てる
内覧はまず玄関を入って、リビング・キッチンを確認し、そこから奥の部屋を見ていく流れになります。
訪問者がどんな行動をするか100%は予想できませんが、ある程度のシナリオを立てることはできる訳です。
例えばどうしても見せたい部屋や眺めがあるなら、そこに向けて引き付けをすることもできます。
こうしたシミュレーションが、本番にはかなり役立ちます。
2022年はマンションを売るのにベストなタイミング?
「マンションを売りたい!」といっても売るタイミングによってお得に売却できたり損する売却になることがあります。
そこで今回は2022年にマンションを売却しても得するのか調査しました。
国土交通省のデータを元に、分かりやすく解説するので必見です。
2022年はマンションを高く売ることが可能
国土交通省は2022年4月に不動産価格指数の公表をしており、マンション価格の上昇が著しいことが分かりました。
下記の表は2022年1月分のデータになります。
地域 | 不動産価格指数 | 対前月比(%) |
---|---|---|
北海道地方 | 260.1 | 4.1 |
東北地方 | 226.2 | ▲ 1.3 |
関東地方 | 164.5 | 0.3 |
北陸地方 | (198.2) | (3.0) |
中部地方 | 184.7 | 4.5 |
近畿地方 | 176.4 | 0.7 |
中国地方 | (187.3) | (▲1.2) |
四国地方 | (190.1) | (10.1) |
九州・沖縄地方 | 223.9 | 3.0 |
引用元:国土交通省
全国的に見ても先月と比べて上昇している地域が多く、年単位で比較していると確実にマンション価格は上昇しています。
※不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産取引価格情報に基づいて、全国/ブロック別/都市圏別/都道府県別に不動産価格の動向を数値化したもの
2020年の新型コロナウィルス感染拡大によって、一部地域の地価が下がることもありましたが、コロナを織り込んで不動産を購入する人も居たため、北海道等は地価が上昇しました。
マンションは土地の所有権は戸数で分ける為、土地の占める割合が小さくなり地価が下落してもあまり影響を受けません。
よって今後新型コロナウィルスの感染が拡大しても、マンション価格がいきなり下がる可能性は低いです。
ただし、地域によってはマンション価格が上昇していないケースもある為、心配な人は不動産会社の査定で価格を把握しておきましょう。
マンション価格が上昇し続ける要因
日本国内では現在、金融緩和による低金利政策を行っている為、住宅ローンが低金利になっています。
多くの銀行が低金利で住宅ローンを提供している現状が、マンションを購入しやすい環境になっています。
低金利によってマンション需要は高まっており、価格が年々上昇しています。
築年数による価格下落よりマンション価格の上昇が強い
マンション価格は、築年数によって下落していきます。
通常であれば、築10年前後で売るタイミングが来ると言われており、法定耐用年数を過ぎると資産価値はゼロになります。
マンションの場合は多くの場合、築47年になっています。
法定耐用年数を過ぎると売ろうとしても買主が見つかりづらくなるので、築47年になるまえに売却する必要があります。
また築10年経つと修繕積立金が値上がるタイミングが来てしまう為、固定費が値上がる前に売却すると買主に修繕積立金が高いと思わせず好印象で売れる可能性があります。
また日本のマンション価格は上昇し続けている為、築年数によって下落する価格よりマンション価格上昇の勢いが強めです。
上記のことから2022年の状況であれば、築年数関係なくマンションを納得できる価格で売ることができます。
2022年後は「2022年問題」の影響を受ける可能性がある
毎年上昇しているマンション価格ですが「2022年問題」によってマンション価格が下落してしまう可能性もあります。
2022年問題とは、1992年に市街化築にある農地を「宅地化農地」「生産緑地」に分類し、生産緑地に指定された場合30年間、固定資産税が安くなり相続税の納税を猶予されるようになっていました。
そして2022年、生産緑地と指定された三大都市圏の約80%は2022年に期限を迎える予定です。
生産緑地の指定によって固定資産税が安くなり、相続税の納税を猶予されるようになるには農業を営む義務があり、高齢化が進んでいる現代では一斉に売却するのではないかと懸念されています。
よって生産緑地に指定されている郊外のファミリー向けマンション価格は大きく下落してしまう可能性があります。
2022年問題の煽りを受けずに売却を検討したいという人は、早めに不動産会社に査定依頼することをおすすめします。
2023年3月の引っ越しシーズンに合わせて11月に売るのもおすすめ!
マンションを高く売るには、引っ越しシーズンに合わせて売却することが重要です。
マンション需要が上がるタイミングは引っ越しシーズンといわれており、3月までに売却を目標にすると高く売れる可能性があります。
上記に加えて新築マンションの価格変動もチェックしましょう。
価格が上昇していると中古マンションの需要が高くなるので、引っ越しシーズンと合わせるとより高い価格で売ることができます。
マンションの売却が完了するには約半年かかると言われているので、今年売りたいと考えている人は11月頃から動き出しましょう。
マンション売却の流れ
- 査定依頼
- 媒介契約
- 販売活動
- 内覧
- 契約
- 決済
マンション売却の流れは、以上の6ステップで進んでいきます。
今回は、特にはじめてマンション売却に取り組む方に向けて、手続きの流れと一つ一つの手続きの方法を詳しく紹介していきます。
①査定を仲介業者へ依頼
まず、売りたいマンションがいくらで売れそうか、不動産会社に査定をしてもらいます。
どの不動産会社に依頼をしても査定額は出してくれますが、マンション売却は査定➝価格が気に入れば契約の流れで進むので、査定を依頼する業者は契約先の候補であるべきです。
単に近場の業者というだけでなく、検査・保証サービスや担当者の人柄などもしっかり考慮して査定依頼をしましょう。
査定を依頼してから媒介契約まで約1~2週間かかりますが、このときに以下の3点を意識するのが大事です。
- マンション売却の理由を整理し、本当に売るべきか考える
- 住宅ローンの残債を確認
- 必要書類の準備
②媒介契約を結ぶ
複数の業者に査定を依頼したら、金額を見比べて契約する業者を選びます。
そして、販売活動を業者に委託する代わりに、成約のあかつきには仲介手数料を支払うという契約(媒介契約)を結びます。
媒介契約には3種類の方法がありますが、以下のような内容の違いがあります。
契約の種類 | 契約の有効期間 | 売り手自身が買い手を見つけること | 依頼可能な業者数 | 仲介業者からの報告※ |
---|---|---|---|---|
専属専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に1回、メールか文書で連絡 |
専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に1回、メールか文書で連絡 |
一般媒介契約 | 3ヶ月以内 | 可能 | 複数社と契約可能(契約数の上限なし) | なし |
※あくまで最低限の報告義務であり、業者によってはそれ以上連絡があるところもあります。
業者は1社契約してくれた人の物件を優先的に扱うので、よっぽどのことがない限りは(専属)専任媒介契約がおすすめです。
ただ、立地が良かったりデザインが優れていたりする場合、一般媒介契約をおすすめするケースもあります。
媒介契約時の必要書類まとめ
媒介契約時の必要書類 | 具体的な提出物 |
---|---|
①本人確認資料 |
|
②権利関係書類 | 登記済権利書、または登記識別情報 |
③建物に関する書類 |
|
③販売活動
媒介契約を結ぶと、約2ヶ月から1年の販売活動期間に入ります。
広告掲載や問い合わせへの対応は仲介業者がおこなってくれますが、売り手自身もすべきことがてんこもりです。
その中でも特に重要な手続きが、売り出し価格の設定です。
売り出し価格は売り手自身の独断で決めることができますが、それによって利益と成約にかかる期間が大きく変化するので注意が必要です。
オーソドックスなのが、査定額と同じ価格で売り出す方法です。
適正額ということで買い手も納得しやすいですし、プロのお墨付きがあるので説得力が増します。
利益にこだわりたいなら、査定額よりも高値に設定して売り出すこともできます。
この方法で売れるのが理想ですが、「面積・間取り・立地に対して価格が高すぎる」と思われ、売れ残るリスクもあります。
逆に、査定額より価格を下げて売り出す方法もあります。
金銭的には損ですが、お得物件なので早期に買い手がつきやすく、急な転勤がある方などにおすすめの方法です。
自分はどの方法が良いのか、しっかり考えていきたいですね。
④内覧準備
広告をポータルサイトなどに掲載してしばらく経つと、仲介業者に内覧希望の問い合わせが来ます。
「その日は都合がつかない」などあるでしょうが、売買は買い手が気に入ってお金を出してくれないと成立しないので、なるべく彼らのスケジュールに合わせて時間を空けましょう。
マンションの内覧は、主に以下のようなところが見られます。
- 入室時の第一印象(明るさ・広さ・においなど)
- 眺めの良さ
- 方角・日当たり・風通し
- 水回り
- キッチンの広さ・位置
- 天井・壁のキズや汚れ
- 床の傾き・軋み
- バルコニーの広さ
- ドア・窓をスムーズに開閉できるか
- 水栓
- 給湯器
逆に言えば、こうした良く見られるポイントは事前に改善しておき、当日はPRできるくらいの余裕が欲しいですね。
→マンション売却時の内覧準備のポイント16選!前日・当日はこれをすべし!
⑤売買契約~決済・引き渡し
内覧が終わり、買い手が納得をすると次に価格交渉・売買契約がおこなわれます。
まず価格交渉に関してですが、基本的に買い手優位で進むのである程度の値下げは覚悟しましょう。
→マンション売買の引き渡しの注意点!契約内容・キャンセル・手付金に気を付けよう
ただ、後述しますがパンフレットなど客観的な書類を多く持っていると、値段にケチを付けられたときに反論しやすいのでおすすめです。
売買契約は、買い手と売り手が集まり、契約書を読み上げて最終確認をします。
確認する内容は主に以下の項目です。
- 売買物件の表示
- 代金や手付金などの支払い日
- 土地の実測・土地代金の精算
- 所有権の移転・引き渡し
- 付帯設備の引継ぎについて(例:エアコン等の処分)
- 税金の精算
- 手付の解除
- 引き渡し後に天災等があった場合の取り決め
- 契約違反時のペナルティ
- ローン特約
- 瑕疵担保責任
また、売買契約には以下の必要物を持参していきます。忘れがないようにしましょう。
手付金など | 代金の2割程度を領収書とともに持参するのが一般的。契約解除が起きた際の処理に使う |
---|---|
印紙 | 売買契約書に貼る。 |
印鑑 | なるべく実印を持参 |
仲介手数料 | 現金・振込・小切手のいづれかが一般的 |
本人確認書類 | 運転免許証か健康保険証などが一般的 |

マンションを売る時にかかる税金・費用
マンションを所有していると固定資産税、都市計画税、場合によっては相続税などがかかりますが、売却する場合も新たに税金が課されます。
マンションを売る際にかかる税金・費用は、以下の5つです。
- 印紙税
- 登録免許税
- 譲渡所得税
- 消費税
- 仲介手数料
ここからは、それぞれの税金の内容について解説していきます。
印紙税
印紙税は、売買契約書に印紙を貼って提出します。
課税額はマンションの売却額に比例して、以下のようになります。
売却額 | 課税額 |
---|---|
10万円~50万円 | 400円 |
50万円~100万円 | 1,000円 |
100万円~500万円 | 2,000円 |
500万円~1,000万円 | >1万円 |
1,000万円~5,000万円 | 2万円 |
5,000万円~1億円 | 6万円 |
1億円~5億円 | 10万円 |
5億円~10億円 | 20万円 |
10億円~50億円 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
印紙は買い手に提出する分と自分が保管する分に貼るのが一般的なので、上の金額を2倍したのが出費となります。
自分の保管分には印紙のコピーを貼って節税することもできますが、この場合、書類の証明力は落ちるので注意しましょう。
登録免許税
中古マンションを売却するときに住宅ローンがまだ残っているケースはかなり多いです。
住宅ローンは建物を担保にしているので、買い手に渡すときにはこの担保を外さなければいけません。
単純にローンを完済するだけでは担保は外れず、抵当権抹消登記という手続きをおこなうのですが、その際に登録免許税として土地・建物合わせて2,000円がかかります。
さらに、住み替えの場合は住所変更登記も必要ですが、この際も免許登録税として1,000円がかかります。
譲渡所得税
マンション売却利益が出た場合、すなわち購入費よりも売却額が大きかった場合、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税は譲渡所得×税率で求められますが、肝心の譲渡所得は以下の計算式で算出されます。
取得費用とは、マンションの購入価格や、購入手続きにかかった費用(仲介手数料、登記費用など)の合計額です。
マンションは価値が築年数の経過により低下するので、その分(減価償却費)を差し引きます。
※不動産の減価償却に関する詳しい情報はこちら!
更に、譲渡所得にかけられる税率ですが、これはマンションの所有期間が5年を超えるかどうかで大きく変わります。
詳しくはこちらをご覧ください
譲渡所得税は確定申告をして納める
譲渡所得税というのは通称で、実際は所得税と住民税に加算されるのがこの税金の特徴です。
譲渡所得税が発生したら、引き渡し年の翌2~3月に確定申告をおこないます。
➝不動産売却後の確定申告の流れ!申告時期から必要書類の書き方までわかりやすく解説
確定申告のタイミングで、まず所得税を支払います。
その後、5月頃に住民税納付書が届きます。こちらに納税額の記載があるので、基本的には6月・8月・10月・翌1月の末日に、年4期に分けて納付をします。
ちなみに、末日が土日の場合は翌月曜日が納付期限となります。
消費税
投資用マンションを売却すると、建物の部分に消費税がかかります。
ただ、納付をするかどうかは、2年前の課税売上が1,000万円超である場合のみです。
普段買い物をするときは消費税はあまり気になりませんが、中古マンションが1,000万円で売れたら8%の80万円を支払わなければいけません。
売却検討者は、事前にこうしたリスクを理解しておきましょう。
仲介手数料
譲渡所得税は高額ですが、課税は売却費用>購入費の場合のみです。
通常は築年数が経過すればマンションの価値はその分下がるので、税金がかかるケースは滅多にありません。
その一方で、不動産にマンションを売るよう依頼した全ての方にかかってくるのが仲介手数料です。
仲介してくれた業者に報酬として支払う手数料で、売却価格に比例して費用は高額になっていきます。
取引額 | 仲介手数料(法定の上限額) |
---|---|
200万円以下 | 売却額×5% |
200万円超400万円以下 | 売却額×4%+2万円 |
400万円超 | 売却額×3%+6万円 |
マンションが500万円で売れた場合、仲介手数料は500万円×3%+6万円=21万円となります。
上で挙げたのは法定の上限額(仲介手数料として顧客から取れる最高額)ですが、慣例上この金額をピッタリ払うケースがほとんどです。
→仲介手数料の相場はいくら?なぜ払うの?根拠・計算方法・値引きのコツマンション売却でかかる税金・費用を節約するコツ
マンションを売る多くの人が気をつけたい2大コストは、譲渡所得税と仲介手数料です。
まず仲介手数料について説明しますが、こちらは3つの方法で節約することが可能です。
- 値引き交渉を成功させる
- 大手業者の値引き特典を使う
- 季節のキャンペーンを利用する
素人がプロに値引き交渉をするのは難しいので、最初から値引きサービス・キャンペーンが用意されているところと契約するのが最もスムーズでしょう。
次に譲渡所得税ですが、一番シンプルな節税方法は取得から売り出しまでの時間をおく方法です。
所得税 | 住民税 | 合計税率 | |
---|---|---|---|
短期譲渡所得(5年以内) | 30% | 9% | 39% |
長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% | 20% |
税率は所有期間5年を超えると上のように半減するので、これを待つのも一つの手です。
更に、所有期間が10年を超えると軽減税率の特例でさらに課税額が下がります。
譲渡所得(円) | 住民税の税率 | 所得税の税率 |
---|---|---|
6000万円以下 | 10% | 4% |
6000万円超 | (譲渡所得-6000万円)×15%+600万円 | (譲渡所得-6000万円)×5%+240万円 |
その他にも、今のマンションを売って新居に住み替える場合は、買い換え(交換)特例を使い、所得と損益通算することができます。
利用できる条件が買い換え特例は厳しいので、こちらを事前にチェックしておきましょう。
→不動産売却で損失が発生したら税金に注意!繰越控除特例で節税しようマンション売却を成功させるための不動産会社選びのコツ
ここでマンション売却に関わる苦労を少しでも減らすために、どのようにすればストレスなく売ることができるかについて書いていきたいと思います。
マンション売却において1番大切なことはなんといっても不動産会社の選択です。
これは大手の不動産会社を選べばいいというものではないので、大変難しいです。
受動的に仲介先を選ばない
よくある失敗の例として折込チラシなどで「資産家の息子さんがこのあたりの~という条件のマンションを探しています」などの文句に飛びついてしまう場合が挙げられます。
これはほとんどが詐欺であり、ただの宣伝文句なのでつられてしまわないように注意しましょう。これにつられてしまうと前述したような悪循環に陥ってしまう場合があります。
同じように「地域No1!」などの広告文句にも注意しましょう。不動産の情報というのは会社同士で共有されているので明確な地域No1というものは決めようがありません。
基本的に派手な宣伝文句ばかりを発している会社は信用しないほうが無難でしょう。
実績と人柄を冷静に観察し、信頼できる営業マンを見つけることが苦労の少ないマンション売却への近道です。
中古マンションの売却が得意な業者を選ぶ
では、中古マンションの売買仲介におすすめの不動産会社はどこなのでしょうか。
こちらで紹介されているように、2017年、中古マンションの売買件数が多かったTOP3は三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブルと全て大手でした。
➝マンション売却でおすすめの仲介業者は?評判の会社ランキング・業者選びのコツ
やはり、テレビCMの放送量も多く、有名な不動産会社に多くの人が依頼するようですね。
知名度だけではなく、こうした大手業者は地方の中堅会社にはないような検査・保証サービスを提供しているので、築年数の経った中古マンションも安心して預けられます。
売り上げ実績だけでマンションの仲介先を選ぶのは危険
上で紹介した大手業者は実績も十分なので、依頼をすれば良い値段でスムーズに売ってくれることでしょう。
ただ、売上実績だけで仲介先を決めるのは非常に危険です。
なぜなら、この実績というのは個人の物件を仲介だけでなく、法人の物件(ビルなど)の売上高も入っているからです。
居住用マンションよりもビルを売ったほうが高額利益は発生するので、大手業者ほど法人物件の仲介を重視する傾向があります。
仲介業者を検討する際は、総売上高の他に個人用物件の仲介実績はどうか、過去に利用した方の口コミ・評判はどうかなどもチェックしましょう。
マンション売却の注意点
マンションを売る理由は人によってさまざまですが、その分置かれている環境も違います。
それぞれ注意しなければいけないポイントも異なるため、事前にしっかり確認する必要があります。
ここからは、マンション売却の注意点をケース別に解説していきます。
①マンションに住宅ローンが残っている場合は完済が必要
住宅ローンが残っているマンションでも売却は可能です。
ただし、引き渡し時は売却代金をつかって完済しなければいけないので注意が必要です。
つまり、査定をした段階でローン残高を払えるかどうかチェックをする必要があります。
また、ローンを一括返済する場合、銀行に電話をしなければいけません。
また、一括返済手数料が別途かかるので注意しましょう。
②相続したマンションを売る場合はタイミングに注意
相続発生前にマンションを売る場合は、現金化後に遺産分割ができるのでスムーズというメリットがあります。
ただ、相続税の課税は土地・建物ではなく時価にかかるので、割高になってしまいがちです。どちらを優先するか考えましょう。
また、遺産分割協議が終了する前に売ることもできますが、相続人全ての同意書が必要になって面倒です。
最後に、所有人の名義を売主本人に変えておくことが必須になります。
③賃貸しているマンションを売る方法は2通り
賃貸しているマンションを売る際は、賃貸中のまま売る方法と、現在住んでいる人に立ち退いてもらって売る方法の2通りです。
賃貸マンションに居住者がいる場合は、入居者はそのままでマンションの所有権を売買する方法があります。
これをオーナーチェンジと言います。
その一方、賃貸利用者をマンションから立ち退かせて、空室になってから売却する方法もあります。
この方法は高く売れやすいですが、その分、入居者を説得させる手間と立退料がかかるので注意しましょう。
④遠方のマンションを売る際は代理人を立てるとスムーズ
遠方のマンションを売る際は、現地の不動産会社に仲介を頼まなければいけません。
また、売却前には散らかったマンションの清掃・整理整頓が必要になるので、現地に行く時間のない方は大変になります。
都合がつかない場合は、親族や知人などに代理人を依頼する必要があります。
また、遠方のマンションを売る場合は交通費や郵送料などがかかってくるので、こちらも頭に入れておきましょう。
⑤入居中のマンションを売る際は空室にしてからが良い?
住んだままでもマンションを売ることができますが、いつもより掃除や整理整頓はしておく必要があります。
住んだままマンションを売る時に、最大の関門になるのが内覧です。
住みながら売りに出している場合は同席が必要ですし、子どもが走り回ったりしていると成約率が下がってしまいます。
逆に、どれだけ住み心地が良いかをPRできれば良い結果が生まれることも多いです。
⑥マンションを買い替える方法は売り先行と買い先行
今の住まいを売って新居を購入する場合、売却と購入の手続きを同時にこなさなければいけません。
この時、先に住まいを売ってから新居探しをする売り先行と、先に新居を購入してから売る買い先行の2パターンがあります。
基本的におすすめなのは売り先行です。
最初に売却価格がわかることで新居購入にかけられる予算がわかり、新居選びの幅が広がるのが大きなメリットです。
ただ、住まいを売ってから新居を見つけ、契約を結ぶまでの時間は数か月間しかないので、緻密な計画を立てる必要があります。
⑦共有のマンションを売る際は3つの方法がある
夫婦や親族で共有しているマンションを売る場合は、まず持ち分の割合をチェックする必要があります。
その上で、売り方を以下の3種類から選んでいきます。
- 片方の持ち分を売る
- 全員の持ち分を売る
- 共有者全員の同意を得てマンションを売る
合同で売却する場合が手間は一番かかりますが、その分利益も高まります。

マンション売却に関するよくある質問
はじめてのマンション売却は分からないことばかりで苦戦することが多いと思います。
そこでここからは、マンション売却に関するよくある質問に対して回答していきます!
Q1.フローリングのキズや壁の汚れはそのままでも売れる?
売る前にリフォームすべきか否かはマンションを売る際に最も多い質問の一つです。
結論から言うと、そのまま売り出してOKです。なぜなら、中古マンションの購入希望者はリフォーム前提で物件を探しているので、逆に売り手の好みで壁紙を張り替えるのは危険です。
また、不動産会社も築年数やアクセスなどを重視するので、査定額にも影響はありません。
ただ、ハウスクリーニングなどで綺麗にしておけば、内覧時のウケは良くなるので、しっかり準備していきましょう。
Q2.分譲を売るときは角部屋のほうが有利?
賃貸の場合、角部屋から決まっていくのが一般的ですが、中古売買でもこの傾向はあります。
ただ、例えば3階建てのマンションなら、1階の角部屋よりは3階の中部屋のほうが売れやすいです。
角部屋はあくまで同じ階の他の部屋より売れやすいという程度です。
Q3.部屋でペットを飼っていたんだけど伝えるべき?
ペットの飼育が可能なマンションは、同じ築年数・間取りの物件の中でも高額売却されやすいです。
ただ、売り手がペットを長年飼っていた場合は、ニオイやひっかきキズが目立ち、内覧時に嫌な顔をされることがあります。
消臭スプレーをしても、クロスの裏側までニオイが染み込んでしまう場合もあるので、売却前からニオイが付かないように消臭クロスを敷いておくのがおすすめです。
基本的に聞かれなければ自分からペットを飼っていたと伝えなくてもOKです。
もしニオイやキズが取れない場合はしっかり申告して値下げをしましょう。「確かにデメリットはあるけどこの値段なら買います!」という方は待っていれば必ずあらわれます。
Q4.電気などインフラの切り替えは売る側がするの?
ご契約の電気、水道、ガス会社にはもちろん引っ越し前に売り手自身が連絡するようにしましょう。
もし電気の契約停止を忘れ、引き渡し後も高いプランのままという場合は、応急処置としてアンペアを下げるという方法もありますが、トラブルになりかねないので必ず手続きをしておきましょう。
Q5.住宅ローンが残っているマンションでも売れる?
これも良く質問されますが、残債があってもマンションを売ることは可能です。
ただ、この場合は買い手から代金をもらったらその場でローンを完済しなければいけません。
また、住宅ローンを借りている場合、マンション自体が担保となっているので、それを外す手続き(抵当権抹消登記)が必要です。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください!
Q6.過去に人が亡くなった部屋も売ることは可能?
一緒に住んでいた親がその部屋で亡くなったという場合も、問題なく売却することができます。
ただ、孤独死で長年放置していた部屋を相続した場合などは、伝える以前に、ニオイの付いた壁紙の貼り替えなどが必要でしょう。
自然死ではなく自殺が起こった場合は、買い手の穏やかな生活を阻害する恐れがあるので、必ず伝えるようにしましょう。
Q7.兄弟で分割相続したマンションはどうすれば売れる?
親のマンションを家族で分割相続した場合、あなたの独断で売りに出すことはもちろん出来ません。
他の家族(共有名義人)としっかり話し合い、満場一致で売る方針になったなら、代表者が手続きをおこない、代金を分割するのがセオリーです。
ただ、人によっては売ることに反対だったりして、議論すればするほど関係に亀裂が入ることもあります。
こうならないように、不動産会社や弁護士を立てて話し合うのも1つの手です。
Q8.ある業者に相談したら別の会社から電話がしつこく来る…
ネットで査定申し込みをしたり、不動産会社に相談したりといったことが一度でもあると、なぜかその後、多数の不動産会社から勧誘の電話が来ることがあります。
おそらく、極秘のマンション保有リストにあなたの物件情報が登録され、流出したのが原因です。
腹立たしいですが、実は、リストの売買自体は違法ではなく、実際に名簿屋というリスト売買を生業にする業者も存在しています。
ただ、不動産会社がしつこい勧誘をすることは違法なので、警察や国民生活センターに必ず相談しましょう。
Q9.契約の直前で売るのをキャンセルするのは可能?
売買契約を結ぶ前の段階なら、売るのを取りやめることもできます。
この段階なら、賠償金も発生せず、リスクは0です。
ただ、売買契約を交わし、これからカギの受け渡しという段階でキャンセルをすると、賠償金が発生します。
買い手1人に対してならまだ良いですが、彼が買い換えのために他の業者と契約していたりすると、賠償金が膨れ上がる可能性もあるので注意しましょう。
Q10.売却代金の受け取りは振込?現金?
マンションの売却代金は口座振込か小切手でもらうのが一般的ですが、希望して買い手の許可が出れば現金受け取りも可能です。
ただ、大金を持ち歩くのはリスクが高く、その辺のカフェやファミレスで授受するのは禁止されています。
基本的には不動産会社の事務所でおこなうようになるので、業者の許可も取っておきましょう。
