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不動産売却時の媒介契約とは?専任媒介と一般媒介の違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説

【更新日】2022-08-12
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不動産売却時の媒介契約

不動産売却における仲介業者との媒介契約方法には3種類あります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任契約

主に、独占契約か複数契約かが、大きな違いとなりますが、はじめて不動産売却を行う人は、どの契約方法でも良いように思うでしょう。

しかし、それぞれの違いを理解した上で最適な契約方法を選ばなければ、損せず最良の不動産売却をすることはできません。

この記事では、契約方法の違いと、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

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専属専任媒介契約の仕組み

専属専任媒介契約は不動産会社と依頼者の拘束が最も厳しく、以下のような義務が発生します。

  • 契約後5日以内にレインズの登録が必要
  • 1週間に最低1回は進捗の報告が必要
  • 依頼者は他社と取引してはいけない
  • 依頼者は自分で買主を発見してはいけない

不動産売却時は近隣住民へ取引の話を持ち掛けたりするケースが地方・郊外を中心に少なくありませんが、専属専任媒介契約だとこうした自己発見取引が出来なくなるので注意しましょう。

条件面だけ見ると依頼者にとってのメリットが見えませんが、業者にとっては成約時、確実に仲介手数料を得ることができる契約なので、専属専任媒介契約を結んだ方に対して優先的に特典やサービスを提供する業者も少なくありません。

専属専任媒介契約のメリット

業者・担当者のモチベーションが高まる

専属専任媒介契約は確実に業者の手柄で成約を結べますから、頑張って高く売れば、その分だけ高額の仲介手数料が会社に入る計算となります。

人気の不動産屋だと1人の担当者が複数の案件を抱えているケースも少なくありませんが、専属専任媒介契約の案件は最優先で対応してくれる可能性が高いです。

不動産屋の給与体系は、基本給に加えて、成約1件につき成果報酬を得られる仕組みのところも多いです。

専属専任媒介契約を結べば、担当者も目の色を変えて売却を進めてくれます。

レインズへ確実に登録してくれる

正規の不動産業者は全てレインズという物件データベースに登録することができ、そこから他社の担当物件も紹介することができます。

不動産会社が全国の物件を紹介できるのはレインズを利用しているからこそであり、早めに登録するほど成約の可能性は増します。

悪徳業者はレインズへの登録をせずに情報を制限し、自社の購入希望者と結びつけるため販売を遅らせる、囲い込みという手法を使うことがあります。

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専属専任媒介契約ではレインズの5日以内の登録が義務化されているので安心です。

専属専任媒介契約のデメリット

客観的に業者の良し悪しを判断できない

専属専任媒介契約を結ぶと不動産会社1社とのつながりが厳しいルールで継続されるようになり、契約した業者の判断を仰ぎながら進めていくようになります。

前述の通り担当者のモチベーションは高くなりますが、業者の質はピンキリな部分もあり、専属専任媒介契約を結んでも失敗する事例は少なくありません。

1社とのつながりが強くなるので、他社と比較しながら客観的に業者の質を比較するのも難しくなります。

専属専任媒介契約を結ぶ際は、業者を比較しながら慎重におこなうことをおすすめします。

専任媒介契約の仕組み

専任媒介契約も1社のみとの契約になりますが、専属専任媒介よりも拘束力は弱くなります。

  • 7日以内にレインズへの登録が必要
  • 最低2週間に1回の報告義務が発生
  • 他社との契約は禁止

専任媒介契約のメリット

自分で買主を見つけることができる

専属専任媒介契約で禁止されていた、自分で買主を見つけることが可能です。

意外と知られていないですが、近隣住民は不動産を購入することで自分の敷地を拡張することも出来るので、実は売却できる可能性が高いターゲットになります。

2つのフローで売却を進めていけるので、成約の可能性も高まります。

業者変更・売却キャンセルが比較的やりやすい

本来、不動産会社との媒介契約の解除は、結果が出ていない業者に対しては必要な手続きです。

ただ、専属専任媒介契約の場合は結びつきが強い上に様々な付帯サービスの進行も同時におこなわれるため、契約解除・業者変更がなかなかしにくいという点があります。

一方、専任媒介契約なら契約解除が比較的やりやすく、売却が上手くいかない場合は販売のストップも依頼しやすいです。

現在はWeb上で物件を探す購入希望者が多いので、売却をキャンセルした後に再売出しをすることで、サイトの新着物件に掲載されて成約が取れるといった可能性も十分考えられます。

こうしたケースも踏まえて柔軟に対応できるのが強みです。

専任媒介契約のデメリット

契約方法の捉え方は業者によって異なる

専属専任媒介契約を結ぶと業者のモチベーションが上がるのは前述の通りですが、それに準ずる専任媒介契約を結んだ時に業者がどう思うかに関しては、それぞれの認識によるところが大きいです。

業者によっては専任媒介契約で嫌な顔をする業者もいるので、そうなれば専属専任媒介のデメリットを残したまま、専属専任・一般媒介のメリットを享受できないという中途半端な状況に陥ってしまいます。

契約内容的には1人1社という業者によってメリットのある内容になっていますが、業者のモチベーションを引き出せない可能性もあるので注意しましょう。

一般媒介契約の仕組み

一般媒介契約は契約者の拘束がほとんどない方法です。

  • レインズへの登録義務がない
  • 進捗の報告義務がない
  • 複数社と同時に契約を結べる

レインズへの登録義務がなくても依頼はできますが、強制することができません。進捗の報告も同様です。

複数社と同時に契約できるのがメリットですが、仲介手数料の支払いは一番最初に成約をとった業者のみにおこなわれるので、全ての業者が全力で販売活動をしてくれる訳ではありません。

相場の高い物件の売却を依頼するなど、売れた時のメリットをこちらから提供する必要があるでしょう。

一般媒介契約のメリット

様々な方法で販売が可能

不動産会社はそれぞれ販売経路がある程度決まっており、それがはまらないと売れ残りが起こる可能性が高まります。

一般媒介契約は様々な売却経路を利用することが出来るので、Webで集客している業者やビラを配る業者、全国の支店間で情報共有している業者などを利用して1社だけではアクセスできない層を掘り出すことができます。

早期売却が見込めることも

仲介手数料を得られるのは早期売却した1社のみなので、良い物件なら契約各社で競争が起き、早く売れる可能性があります。

こうした競争が起こっている中なら、相見積もりなどの提案もしやすいです。

悪徳業者に騙される心配が減る

複数の不動産会社と契約をすれば足元を見られる可能性が減りますし、実力のない業者は淘汰されます。

特に初めて不動産売却をする方に対して、「こっちはプロ」ということを逆手にとって足元を見てくる業者は非常に多いですが、複数社を見ることで明らかにおかしい業者の見抜きが可能になります。

一般媒介契約のデメリット

業者のモチベーション・販売活動の規模が低くなりがち

一般媒介契約は成約をした1社に仲介手数料を支払いますが、販売活動でかかる経費は自腹になるので、回収の見込みが薄いを思われるとコストを低く抑えられる可能性があります。

広告PRの規模なども縮小されれば、売れ残りの確率が増えてしまいます。

進捗の報告を受けられない

一般媒介契約は販売活動の進捗報告義務がないので、今どうなっているか全くわからないケースが生じやすいです。

進捗報告をこちらから希望することはできますが、もし報告がなかったとしても措置を取ることはできないので注意しましょう。

専任媒介契約がおすすめのケース

実際の不動産売却では、ほとんどの場合は専任媒介を選んだ方がお得です。

不動産売却を成功させる為には、仲介業者のモチベーションが非常に重要になってきます。

売買契約が成功するまでの宣伝活動などは、ほとんど業者の負担で行われますが、しっかりと仲介手数料を貰えるという確証がないと宣伝費などは抑えられてしまいます。

業者を選べない、選ぶ時間がないといった特殊な状況でない限り、不動産売却で複数契約を結ぶのはお薦めできません。

仲介業者が販売活動に時間・リソースを割きやすい

一般媒介は、複数と契約することができますが、仲介手数料を払う業者は売買契約を仲介した1社だけです。

それ故、複数契約を行うほど、業者にとっては収入を得られる確率は減り、モチベーションの低下に繋がります。

専任契約の場合は、契約を取れば手数料を得られることは確定しているので、他の不動産売却の案件よりも優先して取り組んでくれます。

積極的に営業費、宣伝費をかけてくれるので、契約に結びつく確率も一般媒介より高いです。

仲介手数料が割引になるケースもある

不動産の仲介売却では、物件の広告作成費や販売営業費は基本的に業者負担となります。

そのため、唯一の報酬である仲介手数料が入ってこない限り、業者にとって販売活動はコストと労力がかかっただけの無駄な作業となってしまいます。

仲介手数料の相場はいくら?なぜ払うの?根拠・計算方法・値引きのコツ

専任媒介契約は、一般媒介契約と違い仲介手数料が他社に流れる心配がないので、業者はこぞって「専任媒介契約時限定の特典」などを準備しています。

内容は業者によって異なりますが、お米やギフト券などが多いようですね。

また、一部の大手仲介業者は、専任媒介契約を結んだ方向けに、仲介手数料の値引き特典を用意しています。

ページリンク 割引特典の内容
三井のリハウス 成約者特典:売却が完了したら10万円プレゼント
成約者紹介特典:紹介した人が成約すると紹介者に5万円プレゼント
住友不動産販売 再度のお取引特典:2度目の成約でギフト券10万円分プレゼント
東急リバブル 再契約特典:東急リバブル関連会社を一度利用した方は仲介手数料1割引き
紹介特典:過去の利用者から紹介してもらうと、手数料1割引き
家族割引特典:家族が過去に東急リバブル関連会社の仲介で売買契約を結んだ場合、手数料1割引き
京王不動産 リピーター制度:再度の利用で仲介手数料1割引き

ただ原則、仲介手数料が割引できることはほぼなく、こちらにあるような一部の大手業者のみとなっています。

【2022年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較

一般媒介契約がおすすめのケース

複数業者を競争させて売りたいケース

不動産売却は、購入者が築年数、面積、立地などに少なからず不満を抱えながらも、それらに折り合いをつけて売買契約を結ぶ事が殆どです。

しかし、中には年数、面積、立地などが申し分なかったり、不動産売却に出る事は滅多にない地域にあったりするような、誰の目から見ても魅力的な物件があります。

例えば別荘やデザイナーズマンションなどが、それに当てはまります。

別荘を売りたい!高額で売却する方法と売却できないときの対策
デザイナーズマンションを売却するコツ

こうした物件を何らかの事情で売り出さなければならない場合は、むしろ一般媒介契約がお薦めです。

高額手数料が予想されるので、それぞれの業者が全力で取り組んでくれますし、こちらからも条件を言いやすいので、値下げやリフォームなどに対して、主導権を握る事ができます。

複数社を比較したいケース

立地やデザインが良い不動産なら一般媒介契約を、それ以外なら専任媒介契約を選ぶのがセオリーです。

ただ、一般と専任はそれ以外にも、担当者が1人つくか複数人つくかという大きな違いがあり、セオリーとは逆でも好みで一般を選ぶ方もいます。

特にはじめて不動産売却をする方は、1人の担当者の意見を鵜呑みにしてしまったり、イケイケな営業マンに言いくるめられたりするケースが良くあります。

これを防ぐためには、一般媒介契約を結んで複数社の意見・対応・働きぶりを比較するのがおすすめです。

囲い込みを回避したいケース

日本の不動産業界で横行している悪質な仲介方法が囲い込み(両手仲介)と呼ばれるものです。

これは、自社が仲介する物件を、自社と契約した買い手に買わせるように操作することで、不特定多数に売り出すときよりも成約まで長期間かかり、売却価格も下がります。

ただ、実際に囲い込みがおこなわれているか素人が見破るのはかなり困難なので、少しでも囲い込みの可能性があれば、担当者に問い詰めてみましょう。

媒介契約を結ぶ際の注意点

実際の不動産売却では専属専任や専任媒介がよく利用されています。

一方で、媒介契約にはルールが多いので、仲介業者が何でもしてくれるというわけではありません。

契約時に業者の方からルールについての確認はあるでしょうが、なるべく事前に目を通しておくと良いでしょう。

媒介契約の有効期間は3ヶ月

不動産売却時の媒介契約は、有効期間が3ヶ月となっています。

3ヶ月経った後に、同じ業者と契約を結びつづけたい場合は契約の更新をしますが、仲介先の見直しをしたい場合はそのまま契約は打ち切りとなります。

最初の3ヶ月で売れれば何の問題もありませんが、通常、売買契約が結ばれるまで半年程度はかかると言われています。

3ヶ月が経つごとに、次はどうするか考えておきましょう。

業務状況の報告頻度は契約により異なる

媒介契約を結んだ不動産業者には、業務の実施状況を報告する義務があります。

報告の頻度は契約によって異なり、専属専任の場合は1習慣に1回以上、専任媒介の場合は2週間に1回以上となっています。

「この曜日に報告をしてくれ」というような指示を出すことは可能ですが、最低限の報告を受け取らないことはできないので注意しましょう。

※不動産を高額売却するには、契約方法よりもどこと契約するかが重要です。こちらのページを参考に、業者選びをしてください!

【2020年】大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較

媒介契約の内容を事前にチェックしておくべし

仲介業者との契約は、ほとんどの場合、専任媒介契約がお薦めという事が分かったでしょうか。

こうした、どの契約方法が良いかといった疑問も事前に知っていれば問題ないですが、知らずに仲介交渉までいってしまうと、迷った挙句に間違った選択をしてしまう確率が高いです。

不動産取引は契約方法に限らず、つまらないミスが付き物ですが、大口の取引な分、ミスをした際の損失も非常に大きいです。

事前に、どんな簡単な手続きでも、やり方をおさらいしておきましょう。

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