不動産クラウドファンディングとは、インターネット上で不動産投資の資金を集めて、それを元手に不動産を運用する投資方法です。

出資した割合に応じて不動産運用の利益が分配されます。

不動産クラウドファンディングでは、不動産運用をするのはクラウドファンディング事業者なので、出資者は資金を提供するだけで資産運用が可能です。

従来の不動産投資では自身で不動産を購入・運用する必要があったため、莫大な資金と手間がかかりましたが、不動産クラウドファンディングはデメリットがなくなりました。

資金も最低１万円から出資できるため、若年層も手を出しやすくなっています。

投資できる事業は様々

不動産クラウドファンディングの投資先は、居住用マンションだけではなく、商業ビルの賃貸やリゾート地の開発など、さまざまな事業から選べます。

例えばホテルなど宿泊施設であれば、宿泊客がどの程度来るかによって収入が変わるため、利回りが比較的高く設定されていますが、元本割れリスクも高いです。

反対に居住用マンションであれば、空室リスクはありますが、ホテルのように客の出入りが激しくないため安定した利回りを期待できます。

自分の投資スタイルや目標利回りに合わせて投資先を選ぶことが重要になります。

不動産クラウドファンディングを初心者が始めるには、次の手順で準備します。

不動産クラウドファンディングは様々な案件があるため、運営事業者を選ぶところから重要になってきます。

早くても１～２週間は必要なので、始めようと思っている人はできるだけ早めに進めておきましょう。

以下にそれぞれのステップごとに解説していきます。

運営事業者を選ぶ

不動産クラウドファンディングを始める際は、まず運営事業者（クラウドファンディング事業者）を選びます。

運営事業者によって登録されている投資先（ファンド）やサービス内容が変わるため、慎重に選ぶ必要があります。

それぞれの運営事業者ごとに理念や投資に対する考え方が違うため、自分の投資スタイルに合っている会社を選びましょう。

不動産クラウドファンディング事業者のおすすめは次の記事で紹介しているため、チェックしてみてください。

→不動産クラウドファンディングおすすめ比較ランキング！人気18社の評判・サービスの違いと賢い投資先の選び方

口座開設する

運営事業者を選んだあとは、サービスに会員登録して不動産クラウドファンディング用の口座を開設します。

サービスによっては登録条件があるところもあるので、登録前に確認しておきましょう。

会員登録・口座開設では、個人情報の登録や本人確認書類などの提出がネット上で必要になります。

また審査や口座開設の手続きには１～２週間かかることもあるので気を付けてください。

投資する案件を選ぶ

口座開設が完了すれば、不動産クラウドファンディングを始める準備は完了です。

実際に投資する案件を選んで入金することで、投資を始めることができます。

案件ごとに利回りや運用期間、物件情報が記載されているため、事前にチェックしておきましょう。

不動産クラウドファンディングが初めてならば、最初は利回りが低い案件で安全に投資することをおすすめします。

利回りが高い案件はリスクも大きく元本割れする可能性があるため、まずは慣れることを重視すべきです。

不動産クラウドファンディングは投資の中でも比較的リスクを抑えてできる投資なので、投資初心者にもおすすめです。

しかし、始める際は次の点に気をつけましょう。

• ローリスクローリターンを意識する
• 人気の案件には応募期間が短い
• 運用途中でキャンセルできない

不動産クラウドファンディングは短期間・少額の案件が多くなるため、以上のリスクを伴います。

以下にそれぞれの注意点を解説していきます。

ローリスクローリターンを意識する

不動産クラウドファンディングはローリスクローリターンで行える投資です。

不動産クラウドファンディングは劣後出資という制度を取っており、不動産の価値が下がった際に事業者が負担してくれます。

そのため利回りが運用途中に下がりづらく、元本割れリスクが低いメリットがあります。

しかし、リスクを抑えて投資できるということは、大きな利益を得られないことです。

特に短期間の少額案件では、高い利回りは期待できません。

無理に高い利回りの案件を選ぶと元本割れリスクが高くなってしまい、結果的に損する可能性が高いです。

不動産クラウドファンディングを始める際は、「リスクを抑えて着実に稼ぐ」ことを意識しましょう。

人気の案件は応募期間が短い

不動産クラウドファンディングの案件は投資できる上限金額が設定されています。

そのため、人気の案件は開示と同時に応募が殺到するため、数分で締め切られることがあります。

注目度が高い案件や高い利回りが期待できる案件は、特に応募する人数が多いのでゆっくり条件を確認する暇がありません。

ほとんどのクラウドファンディング事業者では案件の募集を始める前に情報を公開されているため、事前に情報収集をしておきましょう。

応募が開始するタイミングですぐに投資できるように準備しておくと良いです。

運用途中でキャンセルできない

不動産クラウドファンディングは、投資した後の運用途中でキャンセルができません。

案件ごとの運用期間が終わるまでは資金を回収できないため、始める前に資金は十分か確認しておきましょう。

また出資した案件で十分に資金が集まっていない場合は、契約が始まる前にも資金が拘束される心配があります。

不動産クラウドファンディングに限りませんが、投資をする際は余剰資金で行うようにしましょう。

不動産クラウドファンディングは初心者でも案件を選ぶだけで始めることができますが、初心者の人にとっては知識が薄いと不安な人もいると思います。

事前に知識をつけたい人は、次の方法で勉強してから投資を始めることをおすすめします。

• セミナーに参加する
• 書籍で不動産関連の知識を付ける
• 不動産投資をしている人の話を聞く

以下にそれぞれ解説していきます。

セミナーに参加する

手っ取り早く勉強したい人は、不動産クラウドファンディングのセミナーに参加してみましょう。

有識者によって開かれているセミナーでは、始める前の不安を解消してくれる情報が数多くあります。

直接疑問点を質問することができるため、おすすめの方法です。

また同じように不動産クラウドファンディングを始めようとしている人も多いため、情報交換できる知り合いができる可能性もあります。

ただし、自分の知識量に合ったセミナーを選ばなければあまり意味はないので気をつけましょう。

書籍で不動産関連の知識を付ける

セミナーに参加するよりも費用を抑えることができる方法として、書籍を購入して勉強する方法があります。

不動産クラウドファンディングに関しては近年人気が出てきた投資方法なのでまだ書籍は少ないですが、不動産関連の知識を付けるだけでも勉強になります。

自分の実力に合った本を選びやすい上、勉強するペースも自分で調整できるメリットがあります。

問題としては、どの程度勉強すれば不動産クラウドファンディングを始めるか自分で判断しづらい点があります。

不動産投資をしている人の話を聞く

不動産投資をしている周りの友人に話を聞くのも一つの方法です。

実際の体験談や悪い点を聞くことができるので、忖度なしの情報で判断できます。

ネットの記事やセミナーでは、不動産クラウドファンディングを始めるように勧めることが多いので、実際に悪い点を経験者から聞けると勉強になります。

ただし、ネット上などで知り合った人であれば情報の真偽が分かりづらいので、できる限り直接会って話せる相手を参考にしましょう。

不動産クラウドファンディングは投資する事業者を選んで口座を開設すれば、初心者でも簡単に投資を始めることができます。

しかし不動産クラウドファンディングの投資対象が多いため、事前にある程度自分の投資先を選んでおかなければ、損することもあり得ます。

そのため、始める前には不動産クラウドファンディング事業者の情報を確認しておくことが重要です。

またローリスクローリターンで投資できる反面、リスクも抱えているため気をつけましょう。

いきなり投資を始めるのが不安であれば、セミナーに参加するなど勉強してから始めるのも一つの手です。