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減価償却のある資産の耐用年数が終わったらどうなる?残存簿価や所有するデメリットについて解説

【更新日】2023-12-05
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減価償却 耐用年数 終わったら
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「減価償却のある資産の耐用年数が終わったらどうなるの?」

「耐用年数を過ぎた物件を購入すると問題がある?」

不動産の価値は、耐用年数によって減価償却がされるため、毎年少しずつ下がっていきます。

しかし、耐用年数を過ぎた不動産はどのように減価償却されるのでしょうか? この記事では減価償却の基礎知識について紹介してから、耐用年数が過ぎた場合の取り扱い方法を解説していきます。

耐用年数を過ぎた物件を購入・所有するデメリットも合わせて紹介します。

不動産売却後も税金が!譲渡所得税の仕組みと注意点

減価償却と耐用年数の基礎知識

減価償却とは、建物や車などの固定資産の価値が年数を経るにつれて減少していくのに応じて、帳簿上の価値を減少させていく手続きです。

建物は通常、古くなると損傷や劣化が生じます。

「建物の資産価値が落ちる」ことを前提として、会計上も帳簿上の価値を落とすことがルールとなっています。

そして資産を減らす際には、「減価償却費」として費用が生じることにして帳尻を合わせます。

実際にお金の支出を伴う費用ではありませんが、費用として計算されるため、税金を小さくしてもらえることになります。

また同じ不動産でも、土地は減価償却が行われない点も理解しておきましょう。

定額法と定率法

減価償却には「定額法」「定率法」の2種類があります。

定額法とは、固定資産の耐用年数の間、毎期均等に減価償却を計上する方法です。

一方定率法とは、固定資産の取得費用から減価償却累計額を差し引いた残高に、毎期一定の償却率をかけて計算する方法です。

ただし、現在は定率法が廃止されたので、今後建物を建てる場合は定額法を参考にすると良いです。

耐用年数とは?

減価償却では、建物の構造によって耐用年数が設定されています。

木造の建物では22年、鉄筋コンクリート造では47年の耐用年数が設定されており、定額法によって毎年均等に価値が下がっていきます。

法律で定められた耐用年数とは、昭和40年に制定された基準なので、当時の建造物の基準としています。

現在は新しい技術で建物が建てられているため、法律で決められた耐用年数よりも長い寿命がある建物がほとんどです。

そのため耐用年数は会計上の概念で、耐用年数が終わればすぐに取り壊されることもありません。

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減価償却がある資産の耐用年数が終わったらどうなる?

減価償却がある資産の耐用年数が終わったとしても、すぐに家を取り壊さなければならないわけではありません。

現在は寿命の長い建物が建造されているため、耐用年数を越えても住み続けることは可能です。

そのまま住み続ける場合は、会計上でも残存簿価はそのままにしておきます。

耐用年数はあくまで会計上の概念として扱われていると認識しておけば問題ありません。

会計上は費用計上できなくなる

耐用年数が過ぎても今まで通り住み続けることは可能ですが、会計上では変化が生じます。

耐用年数を過ぎると減価償却費が終わるため、費用計上ができなくなります。

その分帳簿上は利益が増えることになり、利益には税金がかけられます。

そのまま所有することは可能ですが、税負担は大きくなる点には気を付けましょう。

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耐用年数を過ぎた物件を所有するデメリット

耐用年数を過ぎた物件を所有すると、次のようなデメリットがあります。

  • 税負担が大きくなる
  • キャッシュフローが悪化する
税負担が大きくなるので、キャッシュフローが悪化する点も確認しておきましょう。

以下にそれぞれのデメリットを解説します。

税負担が大きくなる

耐用年数を過ぎた物件は、減価償却費として費用計上できなくなるため税負担が大きくなります。

減価償却が終わる前までは、税引き後の利益+減価償却費が手元に残りますが、減価償却が終わると減価償却費がなくなります。

また経費が減ることで、不動産所得が増えて課される所得税も大きくなる点も注意しましょう。

キャッシュフローが悪化する

課される所得税が大きくなると、手元にお金が残りにくくなります。

また築年数が経過していると、家賃が減額したり空室が増加したりするため、負担も大きくなります。

結果として、キャッシュフローが悪化するので、アパート経営などの場合は経営が継続しづらい傾向にあります。

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耐用年数が過ぎた物件を購入するデメリット

耐用年数が過ぎた物件を購入する場合、次のようなデメリットがあります。

  • 銀行融資が受けられない
  • 減価償却できる期間が短い
耐用年数を過ぎた物件を購入すると価格自体は安いですが、デメリットも大きいので気をつけましょう。

以下にそれぞれの購入するデメリットを解説します。

銀行融資が受けられない

耐用年数が過ぎた物件を購入する際は、銀行融資を受けられない可能性が高いです。

金融機関の判断基準として、債務不履行になった場合に物件を差し押さえる必要があります。

しかし、耐用年数が過ぎた物件は資産価値がないと判断されるため、融資を受けれません。

法定耐用年数を越えている不動産は銀行評価額が0になるので、ローンの返済が滞った場合に不動産を売却したところで債務をうめることができないと判断されます。

そのため新築よりも物件価格は安いですが、自己資金を用意する必要はあります。

ただし、不動産が東京都心部にある場合など、土地に価値があると判断された場合は土地を担保にできるので融資を受けられる可能性もあります。

減価償却できる期間が短い

耐用年数を過ぎた物件を購入した場合は、法定耐用年数×0.2の期間しか減価償却できないデメリットがあります。

例えば鉄筋コンクリート造の建物は耐用年数が47年ありますが、47年×0.2=9.4年となり、減価償却できる年数は9年となります。

1年に経費計上できる金額は増えますが、長期スパンで判断すると減価償却の恩恵は小さくなります。

減価償却のある資産の耐用年数が終わったら税負担が増えるので注意が必要

減価償却のある資産は耐用年数が終わるまでは減価償却費として費用計上ができますが、耐用年数が終わると費用計上できなくなります。

そのため耐用年数を過ぎた物件を所有・購入することは可能ですが、損することがあるので注意が必要です。

耐用年数が過ぎた物件は価格が安い一方、銀行融資が受けられないなどのデメリットがあるので気をつけましょう。

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