トラップ枡は小さな封水機能を持った枡のことで、台所などの排水管から流れてきた水と下水道から流れてきた水を溜める場所です。

建物に水道を敷く際は上図のように様々な枡が使用されますが、主に台所と下水道を繋ぐ部分に設置されている枡の形状を、トラップ枡と呼びます。

トラップ枡に溜まった水は油や固形物などを分離して流れていくため、下水道の汚染や配水管の詰まりを防止することが出来ます。

具体的な仕組みとしては、固形物が沈殿し、油が水に浮く性質を使ってろ過をしていきます。

トラップ枡は主に台所の排水管から流れる排水に対応したものですが、他の生活排水はトラップ枡以外の枡を通過します。

また枡は、流れてくる排水の種類によって形が異なるのも特徴です。

トラップ枡にゴミや油が溜まると、枡が詰まって下水道に水が流れにくくなります。

特に油が溜まりすぎると下水管に流れる出口を塞いでしまうため、台所の水が流れづらくなります。

最終的にトラップ枡が詰まってしまうと、台所に水が逆流してしまうケースもあります。

賃貸経営の目線で見ても、トラップ枡が詰まって入居者の生活に支障が出れば、空室リスクやクレームへの対処、コストの増加など多くのデメリットが発生してしまいます。

異臭トラブルに繋がる

汚水はゴミや油などが混じった生活用水がそのまま溢れ出します。

入居者の快適な生活を阻害することでトラブルになるだけでなく、近隣住民に被害が及ぶ可能性もあるので、十分注意する必要があります。

トラップ枡付近で嫌な臭いがする場合は、かなり詰まっている可能性が高いので注意しましょう。

トラップ枡は1年に1回ほどのペースで、定期的に清掃する必要があります。

そこまで状態が悪化していない場合のトラップ枡の清掃は簡単で、蓋をマイナスドライバーなどで開けてゴミや油をすくえば問題ありません。

油は水分を取り除いた後、燃えるゴミとして処分します。

トラップ枡は直径30㎝程度が一般的なので、一つの枡を清掃するだけならばオーナー自身で対応することも可能です。

定期的に清掃しておけば、トラップ枡が原因で水が詰まることはなくなるので必ずしておきましょう。

業者に依頼して清掃すべきケース

複数の排水枡を一度に掃除する場合や汚れがひどい時は、清掃業者に連絡して対応してもらう必要があります。

状態によっては、枡そのものの交換が必要なこともあるので、注意が必要です。

トラップ枡以外にも、排水枡には様々な種類があります。

生活排水を効率よく流すために、場所や建物の構造に応じて適したものが様々に存在しているのです。

枡の中には公共枡と呼ばれる、公共下水道設備に含まれるものもあります。

どの枡までオーナーが管理しなければいけないのかを、事前に把握しておくと良いでしょう。

トラップ枡は台所からの生活排水を下水道に流す際に、ゴミや油と分別してくれる非常に重要な設備です。

しかし清掃をしていないと下水道につながる管を油が塞いでしまい、水が流れにくくなるなどの問題を引き起こしてしまいます。

そのため、トラップ枡は定期的に掃除しておきましょう。

掃除自体は初心者でもできるので、状態がひどすぎる場合や複数の枡をまとめて掃除したい時以外であれば自身で対応してみましょう。

不安であれば専門の清掃業者に相談するのも一つの手です。