賃貸物件の更新料は、賃料の1ヵ月を支払うのが一般的です。

つまり、更新のタイミングでは通常の賃料に加えて更新料を支払うため、2倍の出費が必要になります。

更新料の金額は、契約時に取り交わした賃貸借契約書に記載があるので、しっかり確認しておきましょう。

物件によっては賃料2ヵ月分以上請求されるケースも

一般的な更新料は賃料1ヵ月分ですが、物件によっては2ヵ月分以上の賃料が請求されることもあります。

特に、アクセスが良く設備も充実している人気物件などは、高額な更新料を設定しているケースも少なくありません。

地域ごとに更新料の慣習が異なるケースも

更新料は家賃の1ヵ月程度が相場という話をしましたが、エリアや商慣習の違いによって金額設定が異なるケースもあります。

例えば、京都を除く関西圏では、敷金・礼金・家賃が若干高めな代わりに、更新料がかからないケースも多いです。

このように、必ずしも更新料がかかるという訳ではありません。

結論から言うと、更新前に管理会社などにかけあって更新料の値下げをしてもらうことは基本的に難しいです。

なぜかというと、賃貸契約をおこなうタイミングで更新料の金額や支払いのタイミングについても約束をおこなっているためです。

契約時に取り決めをしている以上、支払いの値下げや拒否を途中で要求するのは難しいです。

交渉をするなら契約前におこなう

簡単ではないですが、更新料の交渉をおこなおうと思ったら、賃貸借契約の前に交渉をした方がスムーズです。

担当する不動産会社やオーナー側の対応次第ではありますが、契約のタイミングで交渉に応じてくれるケースも少なからずあります。

特に、家賃が高めな物件など、不動産会社にとって契約のメリットが大きな物件であれば、交渉が通る可能性も高くなります。

勝手に支払いを拒否すると強制退去の可能性も

賃貸借契約書に更新料についての記載がある場合、勝手に更新料の支払いを拒否すると契約違反となります。

更新料を支払わないことは大家が契約を解除する理由として十分なものであり、退去となる可能性もあります。

期日までの更新は忘れずにおこないましょう。

契約の更新に関しては、具体的な契約内容や管理会社の方針によって異なる場合があるため、詳細は各契約書や管理会社に直接確認することが重要です。

契約状況によっては、期日を一日でも過ぎた場合、遅延損害金を上乗せする必要があるケースもあります。

遅延損害金の請求はいきなり来るケースも

更新がある旨を忘れており、期限が過ぎて数ヶ月たった後にいきなり遅延損害金の請求が来るケースもあります。

中には、先方から更新の通知もないまま更新期限が過ぎても連絡が来ず、後になっていきなり請求されるパターンもあるようです。

この場合、どちらに落ち度があるかは状況によって異なりますが、無用なトラブルを防ぐためにも、契約時に取り決めた更新に関する内容は把握しておくことをおすすめします。

①更新料の設定がない物件

更新料の設定がもともとない賃貸物件というのも、探すとあります。

前述の通り、京都を除く関西エリアでは、更新料がない物件も多いです。

ただし、他の費用が割高なケースなどもあり、必ずしもお得であるとは限らないため注意が必要です。

②フリーレント物件

フリーレント物件とは、一定期間の家賃が無料になる契約を結んでいる物件のことです。

フリーレント物件の中でも、UR賃貸住宅などは、更新料の発生がありません。

また、その他にもフリーレント物件は礼金・仲介手数料・保証料が無いなどのメリットがあります。

③定期借家

定期借家は、決められた一定期間だけ住むという契約の賃貸物件です。

大抵は2～3年ほどで設定されており、更新をおこなう前に契約は解除となります。

そのため、更新料を支払う必要は確かにないのですが、一方で契約を継続する際は、再契約が必要になります。

再契約では、下記のような費用がかかります。

• 事務手数料
• 仲介手数料
• 保証料

賃貸物件の更新時期になると、引っ越しを検討する方が多くなります。

実際のところ、更新と引っ越しのメリットはどちらが大きいのでしょうか？

初期費用は更新料の4～6倍ほど

かかる費用を単純比較すると、更新料よりも引っ越しにかかる初期費用の方が出費は多くなります。

引っ越しにかかる初期費用は、主に下記があります。

• 敷金
• 礼金
• 仲介手数料
• 家賃1ヵ月分
• 鍵の交換費用
• 火災保険
• 保証会社への支払い

これらの金額を合計すると、1ヵ月の家賃の4～6倍の支払いとなります。

ここから更に引っ越しの依頼を業者にするとなれば、より高額な出費が必要となります。

更新前に引っ越すとかかる費用は安くなる

どちらにせよ引っ越しをするという想定のもとであれば、更新後に引っ越すよりも更新前に引っ越した方が、更新料がかからない分、確実に費用は安くなります。

しかし、更新の前に引っ越しをすることを意識するあまり、ミスマッチな物件と契約してしまうと、結果的に損をしてしまうので注意が必要です。

資金に余裕のある方であれば、更新日を気にせず、良い物件が見つかるかどうかを優先した物件選びをおこなうことをおすすめします。