家の売却を検討している時、まず考えたいのが不動産会社へ査定を依頼することです。
中古住宅には定価がなく、社会情勢などによっても価格の変動は起こります。購入当時の価格とは大きく異なっていることが多いため、まずは査定価格をチェックした上で、本当に売却をするのか、売るとしたらいくらで売るか、どの不動産会社に依頼するかなどを決めていきます。
不動産会社に物件の査定を依頼した経験のある方は少ないため、「査定を依頼するとお金はかかるの?」といった疑問を持つことも少なくありません。
今回は、家の査定に関する良くある質問について、詳しく解説していきます。
【免許登録】
宅地建物取引業免許:国土交通大臣(4)第7845号
一級建築士事務所登録:東京都知事 第62093号(東京本社)
特定建設業許可:東京都知事 (特-2) 第135078号(東京本社)
不動産特定共同事業許可:東京都知事 第134号(東京本社)
賃貸住宅管理業登録:国土交通大臣(1)第1722号(東京本社)
家の査定の依頼先【家の査定はどこに頼む?】
家の査定を依頼できるところは会社・サービスを含めていくつかあります。
ここからは、家の査定はどこに頼めるかを紹介していきます。
依頼先1】不動産会社【仲介売買】
家の売却時に査定を依頼する場合、多くの方が依頼するのが不動産仲介業者です。
仲介業者が算出する査定価格は基本的に、「自社が仲介をして売却をした場合に売れるであろう価格」を基準としています。
仲介業者が不動産を仲介して売る場合は、仲介物件の今の価値を査定した上で売り出し価格を設定したり、売却戦略を立てたりする必要があります。その上で売主と合意が取れたら、契約を結ぶというのが一般的です。
そのため、仲介売買事業をやっている不動産会社は基本的にすべて無料で査定を提供しています。
依頼先2】不動産会社【賃貸管理】
賃貸管理会社は賃貸物件の管理をおこない、賃料収入の最大化や賃貸物件運営の効率化などをおこないます。
賃貸に出すことを検討している物件の査定を依頼すると、想定の利回りや賃料などを算出してもらえます。
依頼先3】不動産鑑定士
不動産鑑定士は国家資格をクリアした専門家で、一般的な不動産会社(宅建事業者)よりも精度の高い鑑定が可能です。
国土交通省による公示地価の算出などでも不動産鑑定士による鑑定評価は用いられるため、非常に公的で信頼性の高い評価方法だと言えます。
ただ、不動産鑑定士へ依頼する場合は数十万円の費用が発生するため、個人が依頼をするケースは多くありません。
不動産タイプ | 鑑定費用(目安) |
---|---|
土地(住宅用地) | 約20万円~50万円 |
戸建て住宅 | 約20万円~60万円 |
マンション(1室) | 約15万円~40万円 |
マンション(1棟) | 約50万円~150万円 |
オフィスビル・商業ビル | 約50万円~200万円 |
工場・倉庫など | 約50万円~200万円 |
ホテル・病院など | 100万円以上 |
不動産鑑定は財産分与や遺産相続などでトラブルが発生した場合などに使われることが多いです。
依頼先4】不動産一括査定サイトを使う

不動産一括査定サイトは、物件情報や個人情報を入力して申し込めば、複数の不動産会社に一括で査定依頼ができるサービスです。
例えば、株式会社NTTデータ・スマートソーシングが運営するHOME4Uは、約2,500社※が登録されており、エリアに査定対応している登録業者へ最大6社まで一括査定依頼することができます。
※登録会社数は時期によって前後する可能性があります。
複数社の査定額を比較して、最も最適な1社をスムーズに見つけることが可能です。
不動産会社による家の査定は無料で受けられる

仲介売買事業をおこなっている不動産会社のほぼ全社が、無料での査定をおこなっています。
そのため、家の査定を依頼したいと思ったら、不動産会社に依頼をすることですぐに査定額を算出してもらうことが可能です。
不動産会社が家の査定を無料でおこなう理由
不動産会社が無料で査定をおこなう大きな理由が、「無料で査定依頼を募ることで、売却を希望する人々を集客することができるから」です。
仲介売却は、原則、査定を依頼した不動産会社のみが契約の対象になります。そのため、不動産会社からすれば査定の申込件数が増えるほど、契約をするチャンスが増加します。
また、査定は「今すぐ売る予定はないが、現在の物件の価値がどれくらいか知りたい」という温度感の方も申込に来ます。
こうした方とすぐに契約を結ぶのは難しいですが、無料メルマガなどで小まめに連絡をおこない、いざ売却をする時は一番に相談をしてもらえれば契約をすることができます。
このように、不動産会社が家の査定を無料で実施してくれるのは、不動産会社の利益につながるからという営業的な部分が大きいです。
家の査定結果は売却時には非常に重要
家の無料査定は「家の今の価値を不動産会社が算出してくれる」という他に、「それぞれの不動産会社と契約した際の見込み売却価格をチェックして比較する」という側面もあります。

各社の売却実績なども異なるため、上記のように不動産会社ごとに異なる査定額を算出することが多いです。
仲介売買はここに依頼をすれば必ず高く売ってくれるという会社は無く、売りたい物件をどの会社に依頼すれば高く売れるかについては、実際に査定を依頼してみないと分かりません。
そのため、複数の不動産会社に査定を依頼して結果を比較することは、家を売る際には非常に重要な作業となります。
家査定を無料で依頼する際の注意点
家の査定を無料で依頼をする場合、どのような点に注意をすれば良いのでしょうか。
ここからは、査定を依頼する前に知っておきたい注意点を紹介します。
注意点1】家査定は複数の不動産会社に依頼する
前述の通り、査定の結果は不動産会社によっても異なるため、複数の不動産会社に依頼をして、査定価格を比較することが大切です。
特に家を売る前提で不動産会社に査定を依頼する場合は、複数社と比較して、どこと契約するのが良いかを見極める必要があります。
注意点2】査定結果と合わせて売り出し価格などの提案も受ける
不動産会社に家の査定を依頼したら数日で簡単な査定結果が送られてきますが、この際に必ず合わせて提案してもらうべきなのが、売り出し価格や売り出しプランの提案です。
例えば家の査定価格が2,000万円だったとしても、2,000万円で売らなければいけないという訳ではありません。
売れ残るリスクが高まる前提で、査定額より高値で売り出す方もいれば、早めに成約させるためにあえて査定額より低値で売り出すケースもあります。

売却プラン | 査定価格 | スタンダート | チャレンジ | スピード |
---|---|---|---|---|
売出提案価格 | 2,184万円 | 2,180万円~2,380万円 | 2,380万円~2,580万円 | 1,980万円~2,180万円 |
査定価格乖離率 | – | 99.8%~108.9% | 108.9%~118.1% | 90.6%~99.8% |
90日以内成約割合 | – | 81% | 72% | 88% |
上記は三井のリハウス(三井不動産リアルティ)が、ある物件(査定価格2,184万円)に対して設定した3つの売却プランです。
このようなプランを査定結果と合わせて提示してもらえると、契約後のイメージが付きやすくなります。
注意点3】リフォーム・リノベーションは査定前に行わない
中古戸建の売買は現物引き渡しが原則なので、状態の悪い物件でも事前にリフォームやリノベーションをおこなう必要は基本的にはありません。
※状況によっては、仲介業者とも相談の上で簡易リフォームなどを実施するケースがあります。
大規模なリフォームをおこなおうとしたら、築古の物件だと建て直しレベルの費用がかかりますが、これを実施したところで、売却代金で費用を補填することはできません。
リフォーム・リノベーションを事前にすれば査定額は確かに高くなりますが、トータルでは損をする可能性が非常に高いため、注意が必要です。
注意点4】家査定の前に売却価格の相場を調査する
家の査定を不動産会社へ依頼する前に、売却価格の大まかな相場を調査しておくのがおすすめです。
不動産会社によって査定価格は異なりますが、相場より低い査定価格の不動産会社と契約を結べば損をする可能性が高くなりますし、逆に相場や他の不動産会社より大幅に査定価格が高い不動産会社と契約しても、結果的に損をする可能性が高まります。
- REINS Market Informationを利用する
- 不動産情報ライブラリ(旧 土地総合情報システム)を利用する
- 不動産ポータルサイトを利用する(SUUMOなど)
家の相場を調べる方法としては、上記などがあります。
注意点5】査定額の高さだけで契約する不動産会社を選ばない
不動産会社の中には、査定価格をわざと高く吊り上げて契約をとろうとする悪徳業者も存在します。
また、売買価格は売主と買主の合意によって最終的に決めるため、査定価格通りに売れる訳ではありません。
加えて、じっくり不動産査定書を読むことで、査定評価の穴が見つかることもあります。
査定価格を比較して、最高値の不動産会社と契約することは必ずしも良いことではなく、その他のサービスや実績などもしっかり比較する必要があります。
注意点5】家の住宅ローン残高をチェックする
家査定を依頼するには、無料・有料に関わらず住宅ローンが残っていないかをチェックしましょう。

住宅ローンの返済が残っている住居の場合、売却する前にローンの返済を全て終わらせなければ、売却できません。
これは、住宅ローンを組む際に設定される抵当権を解除するためです。
通常、物件の売却契約において抵当権の抹消(抵当権抹消登記)は売主の義務とされているため、売却前には未返済のローン残高を把握し、その全額を売却時に支払う計画を立てなければなりません。

売却価格が住宅ローンの残債を上回る場合は売却代金でローンを完済できますが、売却価格が残債を下回る場合は、差額を自己資金でカバーする必要があります。
ローン残高は以下の方法で確認できるので、忘れずにチェックしてください。
- 金融機関のインターネットバンキング
- ローン契約時に発行された返済予定表
- 金融機関が毎年送付する残高証明書
家の無料査定を一括で依頼できるサイト4選
サービス名 | 公式サイト | 査定可能件数 | 査定結果の正確さ | 査定のスピード | 対象の物件種別 | 対象エリア |
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すまいValue![]() |
最大6社 | ○ | ○ | 戸建て住宅 分譲マンション 土地 ビルなど |
全国 | |
おうちクラベル![]() |
最大15社 | ○ | ○ | 戸建て住宅 分譲マンション 土地 |
全国 | |
HOME4U![]() |
最大6社 | ○ | ○ | 戸建て住宅 分譲マンション 土地 |
全国 | |
リビンマッチ![]() |
最大6社 | △ | ○ | 戸建て住宅 分譲マンション 土地 ビルなど |
全国 |
すまいValue

サイトの使いやすさ | ★★★★ |
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実績 | ★★★★★ |
安全性 | ★★★★★ |
匿名査定 | 未対応 |
提携会社数 | 6社 |
累計査定数 | 87万人以上 |
利用満足度 | 95.5% |
IR活動状況 | ・営業収益:98,124百万円 ・1株当たり:157.28 円 ※2024年9月時点 ※住友不動産の場合 |
こんな人におすすめ! |
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すまいValueは、不動産業者の最大手6社が運営を務める不動産一括査定サイトです。
査定依頼ができる会社は、運営を務めている大手6社を含め、地元のことを知り尽くしている地域密着型の不動産会社に査定依頼を出すことができます。
また入力フォームにて、査定したい住宅の情報を入力すれば、査定額と、売却推移、坪単価などが把握できます。
- 業界大手の不動産会社に査定依頼が出せる
- 周囲に知られることなく査定依頼が出せる
- 検討段階にある方でも査定依頼が出せる
- 好条件下で売却が行える
- サポート・保証サービスが充実している
- 日本各所に支店がある
- 担当者によって対応力・営業力に実力差がある
- 仲介手数料の値引きが難しい
- 店舗がない地域には対応していない
- 不動産一括査定サイトにしては物足りないのがデメリット
使用料 | 無料 |
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対応地域 | 47都道府県 |
入力時間 | 約60秒 |
同時依頼件数 | 最大6社 |
査定可能な不動産の種類 |
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すまいvalueで大手6社に不動産一括査定!実際に利用した方の評判・口コミ
おうちクラベル

サイトの使いやすさ | ★★★★ |
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実績 | ★★★ |
安全性 | ★★★★★ |
匿名査定 | 未対応 |
提携会社数 | 約1,500社 |
累計査定数 | 非公開 |
利用満足度 | 記載なし |
IR活動状況 | ・営業収益:2,212百万円 ・1株当たり:85.83円 ※2024年3月時点 |
こんな人におすすめ! |
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おうちクラベルは、物件の種別と所在地を選択するだけで、すぐに査定額が分かります。
不動産会社への査定依頼もAI査定価格の確認も無料で行える、心強いサービスが魅力。
おうちクラベルの提携不動産会社は、実績が豊富な優良企業ばかりです。
大手から地元密着まで、幅広い不動産会社に依頼できるので積極的に利用したいですね。
東証プライム上場企業のSREホールディングス株式会社が運営している安心感もポイントです。
- 運営会社の信頼性が高い
- AIと不動産会社の査定を比較できる
- (AI査定については)査定結果がすぐにわかる
使用料 | 無料 |
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対応地域 | 47都道府県 |
入力時間 | 約60秒 |
同時依頼件数 | 最大15社 |
査定可能な不動産の種類 |
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HOME4U

サイトの使いやすさ | ★★★★ |
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実績 | ★★★★★ |
安全性 | ★★★★★ |
匿名査定 | 未対応 |
提携会社数 | 約2,300社 |
累計査定数 | 約55万件 |
利用満足度 | 9割 |
IR活動状況 | ・営業利益:58,302百万円 ・1株当たり:19.73円 ※2024年3月時点 |
こんな人におすすめ! |
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HOME4Uは、NTTデータグループが運営を務めている不動産会社の総合サイトにして、一括査定が行えるサイトです。
査定対応範囲は47都道府県すべてに対応しており、戸建てからマンション、土地などあらゆる物件種別に対応をしています。
また査定依頼の他に、エリア別で過去の売却事例の確認も行えます。
- 査定依頼者へのサポート体制が充実している
- 登録業者の数を厳選している
- 電話で査定依頼を代行してくれる
- 一番の特徴はずば抜けた安定感
- 査定対象の物件種別が幅広い
- 利用すれば不動産売却を100%成功できる訳ではない
- 全国すべてのエリアに対応してはいない
- 一部の大手不動産会社はHOME4Uに登録してない
- リアルタイムで登録業者の素行を監視できてはいない
- 祝い金制度がない
使用料 | 無料 |
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対応地域 | 47都道府県 |
入力時間 | 約1分 |
同時依頼件数 | 最大6社 |
査定可能な不動産の種類 |
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HOME4Uの本当の評価とは?口コミ・評判とメリット・デメリットを徹底解説
リビンマッチ

サイトの使いやすさ | ★★★★ |
---|---|
実績 | ★★★★ |
安全性 | ★★★★ |
匿名査定 | 未対応 |
提携会社数 | 約1,700社 |
累計査定数 | 約440万件 |
利用満足度 | 82% |
IR活動状況 | ・営業収益:172百万円 ・1株当たり:75.55円 ※2024年9月時点 |
こんな人におすすめ! |
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リビンマッチは、東証マザーズ上場企業のリビン・テクノロジーズ株式会社が運営を務めている不動産一括査定サイトです。
上場企業が運営を務めているということから、年間約1万もの査定依頼と資料請求が寄せられるほどの信頼と実績を持っています。
査定では、仲介売却、業者買取の2方法を含め、リースバック方法など、様々な売却方法を選択した際の売却価格を算出してくれます。
- 売却査定の他にも多様な査定サービスを提供
- 大手不動産会社と提携している
- 業界の中でも長い運営歴
- 全国約2,600事業所が登録
- 農地の査定にも対応している
- プライバシーマーク(Pマーク)・SSLサーバ証明書を導入している
- リビンマッチの利用=不動産売却の成功ではない
- 全国すべての地域の売却・査定に対応してはいない
- 一部の登録業者はリビンマッチに登録されていない
- 全ての業者をリアルタイム監視してはいない
使用料 | 無料 |
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対応地域 | 47都道府県 |
入力時間 | 約45秒 |
同時依頼件数 | 6社 |
査定可能な不動産の種類 |
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家の無料査定に関するよくある質問
不動産会社が無料で査定をしてくれるのはどうして?
不動産の売買をしてくれることで、不動産会社は収益を生み出すことが出来ます。
自分達の収益を上げるためにも無料で査定をしてくれます。
ただし、不動産の無料査定は査定を依頼する不動産会社によって査定価格に大きな変動があるため、裁判などに利用する資料としては向いていません。
しっかりとした不動産の査定価格が必要な場合は、国家資格である不動産鑑定士を有している企業・個人に有料で依頼する必要があります。
家の無料査定と有料査定の違いは?
査定の結果納得のいく金額であればそのまま売却をしてもらえるとあくまでも見込み客としてのサービスです。
対して、有料の不動産査定は国家資格である不動産鑑定士を有している人が現地に行き家の劣化具合や周辺環境の状態を総合的に判断して市場価格とは関係なく不動産として有している価値はどれくらいかを示す指標になるものです。
家の売却を目的とした査定であれば、無料査定で問題なく十分です。
無料査定でトラブルになるケースはある?
無料査定は、会社と売主をつなげる手段として提供されているサービスであり、会社側にとっては顧客確保の1手段として重宝されています。
契約を取ることで利益になるため、時と場合を考えず、営業の電話をしてくる会社が少なくとも1~2社はいます。
無料査定で悪徳業者に騙されないための対策はある?
また、依頼前にその会社の実績や口コミ、宅地建物取引業免許の有無を確認しておくのも対策になります。
家の無料査定は注意点に気を付けて依頼しよう
家を売るほとんどの方が無料査定を利用するようになっています。
査定を通して高く売れる業者を見つけたり、相場観を知ったりする上で有効なので、積極的に使うことをおすすめします。
ただ、前述の通り無料査定はその精度やリスクに注意する必要があります。
注意点を事前にチェックし、慎重に利用しましょう。