離婚や転勤、転職、相続など、不動産を売却するタイミングは急に訪れます。
不動産を売却した経験がないのはもちろんのこと、どうすれば不動産を売れるのかも分からない方が一般には多いです。
不動産売却は複雑な手続きがある訳ではありませんが、大金が動く手続きということもあり、やり方を誤ると大きな損失に繋がる可能性もあります。
今回は、不動産を売るにあたって、初めての人が特に知っておきたい注意点を紹介していきます。
宅地建物取引士/2級FP/住宅ローンアドバイザー
賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理会社の勤務を経て独立。2022年に法人設立。
現在は都心で不動産事業を営むかたわら、WEBメディアで監修や執筆に従事している。
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注意点1】まずは不動産を売却するまでの全体像を知る
不動産を売る手続きや流れはどのようなものかをまずは知り、引き渡しまでのイメージを持っておくことが大切です。
不動産売却がどのようなものかを知っておくことで、よりスムーズに手続きを進めることができます。
不動産売却は大まかに、不動産会社への相談→不動産会社と契約→売買契約→引き渡し・決済という流れで進んでいきます。
不動産売却の流れ【全9ステップ】
- 流れ1】売却活動の準備
- 流れ2】不動産一括査定サイトで複数社を比較
- 流れ3】媒介契約の締結
- 流れ4】売却活動・内覧準備
- 流れ5】内覧対応
- 流れ6】買付(購入申込書)を受け取る
- 流れ7】売買契約の締結
- 流れ8】引き渡し・決済
- 流れ9】確定申告
不動産売却の一般的な流れは、上記の9ステップとなります。
上記はあくまで一般的な流れであり、場合によっては下記のような手続きが必要になる可能性もあります。
- 建物を解体する必要がある
- 土地の境界線が不明確
- 自分の他に、共有名義人がいる
- 売主が海外に居住している
- 売主の代理人が必要 など
不動産を売ると決めてから引き渡しまでにかかる期間
不動産の売却を検討してから実際に売れるまでの期間は、平均3ヵ月~6ヵ月となります。
それぞれの手続きごとの内訳は、下記の通りです。
手続き | 売却検討開始からかかる時間の目安 |
---|---|
【STEP1】業者に相談・査定依頼 | ~約1.2週間 |
【STEP2】査定結果で絞込み | ~約2週間から1か月 |
【STEP3】媒介契約 | ~約1か月から2か月 |
【STEP4】販売活動・内覧 | ~約2か月から5か月 |
【STEP5】契約・引き渡し | ~約3か月から6か月 |
一般的には人気のエリアの物件や条件が良い物件ほど早く売れやすく、立地や条件が悪い物件ほど売れるまでに時間がかかります。
また、売り出し価格が同様の物件の価格帯よりも高めであれば売れ残りやすくなり、低めであれば早く売れる傾向にあります。
加えて、一般的に売れるまでの期間が長引くほど、成約価格(売却価格)は売り出し価格よりも下がってしまいます。売買の条件にこだわり過ぎてしまうと、このようなケースに陥りやすくなります。
売出~成約期間 | 売出価格(万円) | 取引価格(万円) | 価格乖離率(%) | 割合(%) |
---|---|---|---|---|
1ヵ月以内 | 4,889 | 4,761 | ⁻2.61% | 31.7% |
2ヵ月以内 | 5,102 | 4,874 | ⁻4.47% | 13.8% |
3ヵ月以内 | 5,085 | 4,783 | ⁻5.93% | 11.9% |
4ヵ月以内 | 5,241 | 4,866 | ⁻7.16% | 8.7% |
5ヵ月以内 | 5,020 | 4,603 | ⁻8.30% | 6.1% |
6ヵ月以内 | 5,224 | 4,680 | ⁻8.50% | 5.6% |
7ヵ月以内 | 5,204 | 4,713 | ⁻9.45% | 4.7% |
8ヵ月以内 | 5,272 | 4,696 | ⁻10.93% | 3.5% |
9ヵ月以内 | 4,833 | 4,265 | ⁻11.74% | 2.9% |
10ヵ月以内 | 5,079 | 4,521 | ⁻10.98% | 2.7% |
11ヵ月以内 | 4,921 | 4,243 | ⁻13.77% | 2.0% |
12ヵ月以内 | 4,542 | 4,027 | ⁻11.36% | 6.4% |
注意点2】売りたい不動産の現況を調べる
築年数や面積、駅徒歩分数など、売りたい不動産がどのようなステータスなのかを事前に整理しておきましょう。
細かい内容は不動産会社による現地調査で確認してもらえますが、上記のような基本的な情報は売主が知っておく必要があります。
その他だと、過去のリフォーム(修繕)履歴や、所有権の関係なども整理しておく必要があります。
まずは登記簿謄本(登記事項証明書)を確認する
不動産の公的なステータスが記録されているのが、登記簿謄本(登記事項証明書)です。
登記簿謄本には、不動産の所在地や、登記の日付などが記載されています。
不動産売却を検討する段階で、登記簿謄本(登記事項証明書)を確認しておくとスムーズに手続きが進みます。
登記簿謄本(登記事項証明書)法務局のホームページから申請して郵送で受け取ることもできますし、オンライン上で閲覧のみおこなうことも可能です。
注意点3】売りたい不動産の売却相場をチェックする
不動産の売却価格(市場価格)は築年数の経過や周辺環境の変化などによっても変動するので、売ろうと思ったら、その時点での価格をチェックする必要があります。
不動産会社に査定を依頼することでおよその売却価格は分かりますが、中には査定額が相場より低かったり、逆に契約を獲るために高く吊り上げられたりするリスクもあります。
売主が事前に不動産売却相場を調べておくことで、こうした不動産会社と契約してしまうことを回避できます。
不動産売却相場を調べる方法は、下記の3パターンが一般的です。
方法 | 利用できるツール・サイト・データなど |
---|---|
過去の取引から売却相場を調べる |
|
売り出し中の不動産価格から売却相場を調べる | 不動産ポータルサイト(SUUMOなど) |
その他の方法で売却相場を調べる |
上記などの金額を参考にする |
不動産の売却相場はいくら?価格の調べ方や相場の推移・変動要因について解説【2024年最新】
注意点4】不動産を売る理由・売却の条件をチェックする
- 売却の目的は何か
- 売却後の手残りは最低いくら必要か
- 売却後に最低いくらの資金が必要か
- 売り出しから成約までは何か月(何年)後まで待てるか
- 成約価格は最低いくらに設定するか
- もし、上記条件に合わない場合はどうするか
不動産売却での販売活動などは契約する不動産会社によっておこなわれますが、最終的な判断は売主が下します。
事前に売主側で、上記のような条件を整理しておく必要があります。
事前に条件を整理せず、流れに任せて手続きを進めてしまうと、当初の計画や目的からズレてしまう可能性があります。
注意点5】現行の法律や利用できる特例控除を確認する
売りたい不動産が現行の建築基準法や都市計画法に抵触している場合、思うように売却を進められない可能性が高いです。
不動産売買に関する新しいルールが追加されている可能性もあるため、事前にチェックしておきましょう。
また、不動産売却で利用できる特例控除や地域の条例などを用いることで、税金が控除されるど、お得に売却ができる可能性もあります。
控除が利用できるケース | 所有期間 | 特別控除の内容 |
---|---|---|
売却益が発生 | 10年超 |
|
売却益が発生 | 5年超10年以下 | 3,000万円特別控除※控除しきれない所得に長期譲渡所得の税率が課される |
売却益が発生 | 5年以下 | 3,000万円特別控除※控除しきれない所得に短期譲渡所得の税率が課される |
注意点6】不動産査定のポイントを知る
不動産売却を進めるにあたって、まずは不動産会社へ査定を依頼します。
不動産査定は現在の不動産価格を知るためにおこなうだけでなく、各社が「うちならいくらで売れるか」を提示しているものでもあるので、査定額を比較して、より高値を算出した不動産会社と契約した方が、売れやすい傾向にあります。
- アンケート方法:インターネットによる無作為調査
- アンケート実施日:2024年10月1日~10月8日
- アンケート実施人数:1201人(男性:600人 女性:601人)
- 回答者年齢:30代:213人、40代:438人、50代:511人、60代:39人
株式会社グローベルスが実施したアンケート調査によると、不動産売却時にどの不動産会社と契約するかの判断基準として、査定価格を挙げる方が最も多い(33.3%)という結果になりました。
不動産会社の査定額を比較するにあたっては、不動産一括査定サイトを利用するとスムーズです。
簡単な申込情報を約60秒ほどで記入するだけで、査定に対応する不動産会社へ一括で見積もり依頼をすることが可能です。
【最新】不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気16社を厳選紹介
注意点7】不動産会社を選ぶポイントを知る
前述の通り、不動産会社を選ぶ際に最も重視されている項目は査定価格ですが、それ以外にも確認すべきポイントはあります。
- 仲介の実績は十分にあるか
- 口コミなどで優良業者と認められているか
- 対応は丁寧か
- 希望をしっかり聞いてくれるか
- 査定額の根拠をしっかり説明できるか
- 話に一貫性があるか
- 軽薄な話し方をしていないか
- 身だしなみがきっちりしているか
査定額が高値だったとしても、実際に高値で売却する営業力がないと意味がありません。
また、一般的には最も高額な資産の売却を委託することになるので、売主にとって信頼できる人かどうかも非常に重要です。
注意点8】不動産売買契約で注意すべきポイントを知る
不動産会社と契約後、販売活動をおこない、購入希望者が現れたら不動産売買契約を結びます。
不動産売買契約で注意したいのは、以下のポイントです。
- 不動産の現況に関する情報が相違ないか
- 不動産の欠陥(瑕疵)について記載されているか
- 売買に関する条件などの取り決めが記載されているか
- 契約から引き渡しまでの流れを決めているか
不動産売買契約では、契約書の記載内容が全てであり、記載がない内容は法的拘束力を持ちません。
売買契約では細かい条件を両者の合意のもと原則自由に設定できますが、契約書に記載がないと効力がないので注意しましょう。
告知義務のある欠陥などは全て伝える
物理的な欠陥 | 水漏れ・雨漏りや設備の故障・柱の腐敗や耐震性の不足 など |
---|---|
法律的な瑕疵 | 建築制限のオーバー、接道義務を果たしていない など |
心理的な瑕疵 | 過去に自殺や殺人事件が物件内で起きた、近隣に指定暴力団事務所があった など |
環境的な瑕疵 | 夜中を通して騒音や睡眠を妨害するレベルの振動があるエリアだった など |
売主のみが把握しており、買主が把握していない上記のような瑕疵(欠陥)がある場合、売主は買主への告知義務があります。
告知が無かった場合は、引き渡し後に買主側から賠償請求などを受けることがあります。
従来は、買主が賠償請求できる期限(時効)がありましたが、2020年4月1日の民法改正により、期限は事実上撤廃されました。
項目 | 起算点と請求期間 |
---|---|
① 債務不履行に基づく損害賠償請求権 | 権利を行使できると知った日から5年 |
権利を行使できると認められた日から10年 | |
② 不法行為に基づく損害賠償請求権 | 損害および加害者であると知った日から3年 |
不法行為を受けた日および加害者が権利行使可能になった日から20年 | |
③ (①②)による特則・生命・身体の侵害による損害賠償請求権 | 請求権の内容を知った日から5年 |
加害者が権利行使可能になった日から20年 |
項目 | 起算点と請求期間 |
---|---|
① 債務不履行に基づく損害賠償請求権 | 加害者が権利行使可能になった日から10年 |
② 不法行為に基づく損害賠償請求権 | 請求権の内容を知った日から3年 |
不法行為を受けた日から20年 |
こうした理由から、売買契約書に物件の現況を正確に明記する必要性は今まで以上に高まっています。
注意点9】不動産売却でかかる税金・費用を知っておく
不動産売却は、物件を売れば代金がそのまま手に入るというわけではありません。
不動産売却でかかる税金・費用は、主に以下などがあります。
- 印紙税
- 登録免許税
- 譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)
- 消費税
- 仲介手数料
- 抵当権抹消登記費用
- 測量費用
- 不用品の処分費用
- 各種書類の発行費用
- ハウスクリーニング費
- 解体費
- 司法書士への報酬
なお、かかる税金・費用はケースによって異なり、必ず上記の費用がかかる訳ではありません。
不動産売却でかかる費用は、一般的には成約価格の約5~15%ほどと言われています。
不動産売却の費用・手数料を一覧で紹介!諸費用の金額相場と計算方法・支払い方
不動産売却で特に注意が必要なケース
不動産売却を検討している方を取り巻く環境は様々で、中には物件自体は良くても権利関係などが問題で売れにくいケースもあります。
ここからは特に注意すべき状況を紹介します。
親から相続した不動産を売るケース
親から相続した不動産を売る際は、以下の2点に注目しないといけません。
- 不動産の権利者は誰か
- 共有名義人の許可を取れているか
まず、登記簿謄本上の権利者は誰なのか確認しなければいけません。
ただ相続しただけでは名義は親のままになります。所有する分には支障ありませんが、売る際は必ず持ち主が手続きしないといけないので、名義の変更が必要になります。
また、不動産を複数の家族で相続した際も注意が必要です。
持ち分がわずかでもある場合は、他の名義人を無視して売却することはできません。そのため、誰かが率先して周囲を説得する必要があります。
基本的には、最も売りたいと思っている方が代表になって手続きを進めていくようになります。この時、周囲からの支持を得ようとして不確実なことを約束するのはやめましょう。
例えば、「○○万円で売れるので3等分できる」などと約束しても、成約するまでは確実にいくらで売れるかを確定させることはできないので注意しましょう。
共有名義の不動産を売却する方法とは?売却時にかかる諸経費や売却前に行う決め事について解説
境界が確定していない不動産を売るケース
土地境界が確定していない場合や、現況と登記上の境界に差異がある場合は、境界測量を土地家屋調査士へ依頼する必要があります。
- 資料調査・費用見積もり
- 近隣への挨拶
- 測量
- 関係者の境界立ち会い
- 境界杭の設置
- 確認書等の作成
土地の境界測量は3~4ヵ月ほどかかる場合もあるので、早めに対応する必要があります。
土地測量の費用は、一般的には1回35万円~45万円、土地が私道に接している場合や、下記のような条件にあてはまる土地は1回60万円~80万円となります。
- 印鑑証明書の取得が必要
- 土地の形が複雑
- 近所付き合いが悪く、測量の協力・承認がない
- 面積が非常に大きい
ローン残債が残る不動産を売るケース
不動産は20年、30年と長期で住宅ローンを組むので、住まいを売却する方の多くが住宅ローンの残る家を売却することになります。
ローン残債がある物件でも売りに出すことは可能ですが、買主に引き渡す際は必ず残債が処理されている(完済されている)状態でなければいけません。
ローンを完済しないと、住宅ローンの担保に設定された抵当権を抹消することができません。
抵当権は金融機関が権限を行使して競売にかけられる権利なので、残っていると買主が今後住むにあたって支障が出ます。
ローン残債のある物件を売る際は、得た売却代金を優先的にローン返済へ使わなければいけません。
ローンの残ってる家を売る方法!残債のある戸建てを売却するコツと完済できない時の注意点
借物件・借地として利用している不動産を売るケース
借物件、借地として利用している不動産を売りたい場合は、現在の賃貸借契約の内容を確認する必要があります。
賃貸借契約を結んでいる個人・法人がいる場合は、不動産を空にして売却することはできません。
仕方がない事情でオーナーが入居者などへ立ち退きを依頼するケースもありますが、「売却したい」という理由だけでは、立ち退きはほぼ認められないでしょう。
賃貸借契約が継続している場合は、不動産の所有権のみを売買する「オーバーチェンジ」が有効です。
離婚をきっかけに不動産を売るケース
離婚に伴う不動産の売却は、財産分与の一環として行われますが、住宅ローンの残債がある場合の処理が複雑になることがあります。
売却金でローンを完済できるとスムーズですが、そうでない場合は残債の扱いや名義変更について細心の注意が必要です。
財産分与は、物件を残すパターン、残さないパターンの両方があるので、どの方法を利用するか決めておく必要があります。
【完全ガイド】離婚時の不動産の財産分与の進め方は?必要書類や時効などのルールを解説
住み替えを理由に不動産を売るケース
住み替え時には、新居を購入するか現在の家を売却するか、どちらを先行させるかが重要な判断ポイントです。
購入先行の場合は新居探しに余裕がありますが、二重ローンのリスクが伴います。
売却先行の場合は資金計画が立てやすくなりますが、新居がすぐに見つからないリスクがあります。
市場状況や自身の資金状況をよく分析した上で、どちらを先に行うか決めましょう。
不動産を売る時にやってはいけないこと
仲介業者を適当に決める
不動産売却の結果は仲介業者の営業などに大きく左右されるため、適当に選んで契約してしまうのはリスクがあります。
最寄りの不動産会社や、仲介売買以外のことで懇意にしてきた不動産会社とすぐに契約してしまうケースも多いですが、これらの業者が仲介売却を得意としているかどうかは分かりません。
また、必ず複数社を比較した上で選ぶようにしましょう。
査定額を無視して売り出し価格を決める
不動産をいくらで売りに出すかの決定権は、売主が持っています。
- 不動産会社によって査定がおこなわれる
- 売主が最終的に売り出し価格を決定する
- 買主と合意した成約価格を決定する
不動産が高く売れるに越したことはないですが、査定価格を無視して高額な売り出し価格を付けると、売れ残りのリスクは非常に高くなります。
また、不動産会社の査定価格は、各社ができる営業活動の範囲内での見積もり価格なので、売り出し価格を吊り上げても対応できない可能性が高いです。
売れ残り期間が長引くほど売買では不利になってしまうので、注意が必要です。
売却前にリフォームをおこなう
中古の不動産は現物引き渡しが原則なので、事前にリフォームなどをおこなって状態を良くしておく必要はありません。
築古の状態が悪い物件だと、リフォーム費用が建て替えと同じくらい高額になる可能性があります。これによって確かにより高値で売却できる可能性は高まりますが、リフォーム費用分を回収することはほぼできません。
ただし、不動産会社によっては、販売戦略の一環として「第一印象を良くするために、〇〇の部分を簡易リフォームしましょう」という話が出ることもあります。
仲介手数料の値下げをしつこく要求する
仲介手数料は、不動産売買の成約価格に対して法定の上限額が決まっています。
取引額(不動産の売買価格) | 仲介手数料(法定の上限額) |
---|---|
200万円以下 | (売買価格(税抜き)× 5.0%) + 消費税(10%) |
200万円超400万円以下 | (売却額(税抜き)× 4.0%+2万円) + 消費税(10%) |
400万円超 | (売却額(税抜き)× 3.0% + 6万円) + 消費税(10%) |
慣習上、仲介手数料は上記の金額に設定されることが多いです。ただ、これはあくまで法定の上限額になるため、仲介業者の合意があれば値下げが出来ます。
ただし、仲介手数料は成約に対する報酬であるだけでなく、広告費用などの補填でもあるため、値下げを要求しすぎると嫌がられる可能性が高いです。
不動産を売るときの注意点に関するおさらい
ここでは、12節に渡って解説してきた不動産売却時の注意点のおさらいを行います。
不動産売り出し前に気を付けることは?
オークション方式や一般媒介、専属専任媒介など、売却の目的や状況に合わせた方法を選ぶ必要があります。
また、売却価格を決める際には市場の相場調査を徹底して行い、適切な価格設定を心がけましょう。
さらに、不動産売却に伴う税金、仲介手数料などの費用もあらかじめ把握しておくことで、予期せぬ出費を避けられます。
不動産を売りに出すときに気を付けることは?
また、専任媒介契約は他社との競合が減るため、慎重に検討する必要があります。
契約内容をしっかり理解し、自分の物件が適切に市場に出されているかを確認しましょう。
不動産を売りに出した後に気を付けることは?
販売活動の進捗状況を把握し、定期的なフィードバックを受けることで、必要に応じて売出価格の調整や販売戦略の見直しを行えます。
また、内覧の準備やスケジュール調整など、売主としての対応を怠らないようにしましょう。
不動産売却をする際には注意点を抑えておこう
ここまで説明した通り、不動産売却には数々の注意点が存在します。
ただ、結果的に不動産を高く売ることさえできれば、費用の支払いなどもスムーズに済ませることができますし、悩みや不安も解消されます。
注意点を守って慎重になることも大切ですが、不動産はそれぞれ売り方も異なるので、まずは高額売却を目指して準備することが大切です!