不動産業界で大きく懸念されているのが、生産緑地の2022年問題です。
生産緑地の要件の変化によって不動産全体へ影響が及ぶことを懸念されていますが、現時点で問題の内容を詳しく理解している方はそこまで多くないと思います。
そこで今回は、生産緑地の2020年とは何か、悪影響が及ぶ前にどんな対策ができるのかなどを分かりやすく解説していきます。
- 生産緑地問題(2022年問題)とは?:生産緑地にかかる税を優遇する「生産緑地法」の期限が2022年であることから、生産緑地を手放す所有者が急増し、地価が急落することが懸念されていた
- 懸念されていたリスク:生産緑地は多くが首都圏・大都市圏にある上、国内の生産緑地は約1.2万ヘクタールという広大な面積になるため、それらが一斉に売り出されれば、地価への影響は必至と考えられていた
- 政府が実施した施策:10年間の税制優遇の延長を選べるようにしたことで、土地が大量に市場に出回るのを避けた
- 結果:生産緑地の所有者の多く(約9割)が税制優遇の延長を選択したことで、大きな問題は起こらなかった
生産緑地の「2022年問題」はどうなった?
2022年問題に関しては、行政の積極的な対策が功を奏し、懸念されていた大規模な地価暴落は起きませんでした。
2017年の特定生産緑地制度や生産緑地制度の見直しにより、生産緑地の最低面積が引き下げられ、農地としての継続利用が容易になりました。
また、施設設置の選択肢が増えたことで、土地所有者はより多様な活用方法を選べるようになりました。
この改正により、農地を維持したい所有者にとって有益な環境が整い、多くの生産緑地は現在も農業として継続されています。
一方で、一部の土地は市場に出され、マンション、一戸建て、商業施設などに転用されています。
しかし、これらの土地は全体の数に比べれば少なく、市場に大きな価格変動をもたらす要因とはなっていません。
結果として、2022年問題は大きな市場混乱を引き起こすことなく、むしろ土地活用の選択肢を広げる形で落ち着きを見せました。
これは、政府の迅速な対応と土地所有者の柔軟な対応が相まっての結果と言えるでしょう。
そもそも生産緑地・生産緑地法とは?分かりやすく解説
2022年問題を理解するには、まず生産緑地について知る必要があります。
生産緑地とは、1992年に生産緑地法で定められた土地制度の一つで、分かりやすく言うと都市や住宅街の中にある農地・緑地のことを指します。
コンクリートで舗装されたエリア一帯に緑地や農地があることで良好な生活環境が維持できること、衰退しつつある農林水産業の一助になることから、条件を満たす土地を生産緑地とみなし、税金などの優遇をおこなうことが決定されました。
生産緑地とみなすかどうかは申請式で、1992年の施行以来、主に税金の優遇を受ける目的で多数の申請があり、平成29年でも全国で12,972.5ヘクタールの生産緑地地区が残っています。
バブルが崩壊して間もない1992年は、バブル期に原野商法などで騙されて購入した土地や購入してすぐに価値が下落した土地を持て余す人も多く、こうした背景も生産緑地の増加を後押ししました。
現在の生産緑地地区は半数が関東圏に位置し、その他も愛知県や大阪府といった大都市圏に集中しているという特徴があります。
生産緑地として認められる条件
生産緑地として認められるためには、以下の4つの条件を満たしている必要があります。
- 農林漁業などの生産活動が営まれている、または公共施設の用地になっている
- 面積が500㎡(森林、水路、池沼などを含む)
- 生産活動の継続が可能である(日照などの条件が十分かどうか)
- 所有者以外の関係権利者全員が同意している
こちらの条件を満たしているかどうか、所轄の自治体が審査をして認められると生産緑地として認められます。
ただ、詳しくは後述しますがこの条件には解釈の余地も多く、問題も少なくありません。
生産緑地には30年間の営農義務がある
生産緑地に指定されると、30年間の営農義務が発生します。
そのため、生産緑地を維持するためには以下の制限を守らなければいけません。
- 農地として管理する必要がある
- 生産緑地の標識を設置する必要がある
- 農林漁業に必要ない建築・造成など手を加える行為はできない
ただ、生産緑地を農地以外の目的に利用しないか監視することはできますが、本当に営農しているかに関しては厳しくチェックすることができません。
そのため、生産緑地扱いになってはいるものの、実態は農地でない土地も多数存在しています。
生産緑地に指定されると相続税の納税が猶予される
生産緑地に指定された土地を相続・遺贈する場合、取得者の相続税納税が猶予になります。
そのため、相続税対策として生産緑地の申請を利用する方も多いです。
ただ注意してほしいのは、納税猶予は控除・減税ではなくあくまで猶予という点です。
そのため、生産緑地が解除された時点で、相続税は遡って課税されるようになります。
また、猶予期間の長さに応じた利子税も追加で課されるので、結果的に負担はより大きくなってしまいますが、相続税対策として初期負担を減らすには一定の効果があります。
生産緑地は固定資産税が優遇される
従来より、農地は固定資産税が通常の宅地よりも優遇されますが、同様に生産緑地も固定資産税が優遇される仕組みとなります。
土地の分類によって固定資産税の優遇の度合いは変わりますが、生産緑地は農村部の一般農地ほどでなくても、般緑地と同じ評価になるため、最大限課税を抑えることができます。
本来は宅地扱いになるはずの都市部の土地も税金が優遇されるのが、この生産緑地の最大の理由です。
土地の分類と固定資産税の優遇は、以下のようなイメージとなります。
土地の分類 | 税額のイメージ |
---|---|
一般農地 | 約1,000円/10a |
生産緑地 | 数千円/10a |
一般市街化区域農地 | 数万円/10a |
特定市街化区域農地 | 数十万円/10a |
生産緑地の2022年問題とは?問題点を分かりやすく解説
生産緑地という土地分類が出来たのは1972年なので、それから自然に生産緑地とみなされてきた土地もあります。
ただ、数としては1992年の生産緑地法改正によって条件が緩和されてから指定された土地のほうが多いです。
生産緑地の指定は1992年に一気におこなわれているので、2022年の営農義務完了で一斉に指定が解除されます。
これにより固定資産税の優遇なども無くなるので、市町村に対して一斉に市町村への買取申し出がおこなわれると予測されます。
これにより不動産の供給過多が起こり、全国的な地価の下落を引き起こすのではないかという懸念が起こっています。
これが2022年問題の概要です。
2022年問題は行政の目論見が外れたことも要因
ただ、そもそも生産緑地というものは、都市が拡大する段階で、緑地を徐々に都市化するために設けられたものでした。
一般農地に指定解除の期限が定められていない一方で生産緑地に期限があるのは、都市拡大を見込んでのものでした。
ただ、長年の不況で自治体が土地を買い取る余力がない他、世界的に環境保全が叫ばれるようになり、必ずしも都市を拡大し続けることは良いことではないという考えが定着してきました。
少子高齢化で人口減少が進んでいることもあり、広げ過ぎた都市を有効活用できていない、居住区域が広がっているせいで効率的な税徴収ができていないという問題も発生し始めました。
もともと1992年に新生産緑地法を改正したタイミングの予測と大きく実情が変わっているのも、2022年問題が起こりうる要因となっています。
不動産市場の衰退と相まって大きなダメージを受ける可能性も
2020年以前はオリンピック特需もあって好況に推移していた不動産市場ですが、オリンピック開催後は住宅ローン金利の跳ね上げや少子高齢化の本格的な進展などにより、決して明るい見通しではないと常々言われていました。
その上2020年には新型コロナウィルスの感染拡大によって多くの産業は打撃を受けています。
こうした状況に加えて2022年問題が起こることで、より大きな影響が出ることが懸念されています。
生産緑地に関する法律の改正と条件の変遷・2022年問題への対策の歴史
生産緑地法は元々は1972年に制定された法律ですが、1992年に新生産緑地法の制定がおこなわれてから、頻繁に法改正がおこなわれました。
年 | 内容 |
---|---|
1992年 | 新生産緑地法の制定 |
2016年 | 都市農業振興計画の閣議決定 |
2017年 | 新生産緑地法の改正 |
2018年 | 田園住居地域の創設 |
2018年 | 都市農地賃借法の制定 |
1992年に新生産緑地法の制定がおこなわれ、従来指定が難しかった生産緑地の条件が緩和され、指定を受ける農地が一気に増加しました。
更に、2016年に都市計画振興計画の閣議決定がおこなわれ、生産緑地の意義が転換されました。
従来は都市拡大を段階的におこなうため、生産緑地のエリアは都市部に残しつつも、最終的に市街化を図る対象とみなされていました。
ただ時代の変遷により都市と緑の共存、環境保護が叫ばれるようになり、生産緑地は都市部に必要なものという認識に変わりました。
2017年の新生産緑地法改正のポイント
上記の中で特に重要なのが、2017年の新生産緑地法改正です。
これにより、以下の3点が大きく変わりました。
- 特定生産緑地の指定
- 面積の要件引下げ
- 行為制限の緩和
従来、生産緑地は30年の義務終了後に市町村へ買取申し出がありますが、これによって後述する2022年問題が発生しやすくなっていました。
特定生産緑地に指定された土地は買取申し出を10年延長できるので、短期間での大量売り出しを避けることができます。
また、生産緑地に指定される面積が500㎡以上から300㎡以上に引き下げられました。
こちらは小規模な土地の多い都市部で運用するために面積要件を適正化する目的がありました。
最後に紹介する大きな変更が、生産緑地でおこなわれる行為制限の緩和です。
従来は生産緑地=農地でしたが、改正によって農業生産の他に商品の製造・加工・販売施設やレストランなどを設置できるようになりました。
これによって生産緑地の生産性が上がり、2022年問題を避ける目的もあります。
都市農地賃借法の制定により第三者に貸しやすくなった
次に重要なのが、2018年の都市農地賃借法の制定です。
これにより生産緑地の貸借条件が緩和され、第三者に貸し出しやすくなりました。
2022年問題の問題点は生産緑地の指定解除によって、大量の土地の売り出し・放棄が起こることでした。
生産緑地の賃借条件が緩和されても手放されることには変わりませんが、引き続き管理者が生まれるので、荒廃を防ぐことができます。
生産緑地の「2022年問題」に対する現在の見通し
2022年問題によって懸念されるのは、不動産業界全体への影響もあります。
特に今不動産業界への就職・転職を考えている方は、不安に思うことも多いでしょう。
ただ、2022年問題によって地価が下落したとしても、不動産会社の働き方に大きな変化が起こるとは考えられません。
一般層にとって不動産は生活の一部なので、生活の営みの中で不動産を利用し続けることに変わりはないからです。
一般層の不動産にかける費用は実体経済が下落して収入が下がるのに比例して下がります。
この問題を懸念して、土地所有者の間で税制優遇措置の延長を選ぶ動向が顕著になったことです。
この動きは、元々予定されていた生産緑地の大量解除とそれに伴う地価下落の懸念を軽減しています。
国土交通省のデータ「特定生産緑地指定状況」によると、生産緑地の89%が指定済みまたは指定見込みであると報告されており、これは大規模な市場変動を防ぐ一因となっています。
税制優遇措置の延長を求む地主の存在
多くの地主が10年間の税制優遇措置延長を選んだ理由は、生産緑地の活用方法が多様化したことにあります。
新たな選択肢として、農地の貸出し、農作物の加工・販売施設の建設、農家レストランの開業などが挙げられます。
これらの選択肢は、農業以外のビジネス機会を提供し、生産緑地を第三者に貸し出すことができるようになったおかげで都市型農家や避難地利用などの需要に応える形となっています。
また生産緑地を持つ者の中には、高齢ゆえ農業に興じることができない方もいます。
そのような方にとって、先のような選択の中から生産緑地を有効活用できるのは大きなメリットになります。
これらの理由から、10年間の税制優遇措置延長を希望する所有者が多いのです。
住宅購入を保留する必要性がない
生産緑地の所有者の大多数が税制優遇措置の延長を選んだことから、地価の大幅な下落に関する初期の懸念は大きく軽減されました。
したがって、生産緑地問題を理由に住宅購入を保留する必要は低いと考えられます。
また、残る1割の生産緑地が一斉に解除された場合でも、その影響は限定的であると予想されます。
これは、生産緑地が多いエリアほど、元々地価が高くないことに起因しています。
生産緑地の2022年問題以降の土地活用方法
現在が2020年なので、2022年の生産緑地解除までに膨大な準備時間が取れる訳ではありません。
ただ、今の状況を生かしつつ2022年問題に向けて対処する方法はいくつかあります。
- 特定生産緑地の指定を受ける
- 生産緑地を解除して土地を売却する
- 生産緑地を解除して土地を有効活用する
ここから1つずつ紹介していきましょう。
特定生産緑地の指定を受ける
2022年の生産緑地問題以降、特定生産緑地への指定は重要な土地活用手段となっています。
この指定を受けるためには、市町村長の承認が必要であり、農地等利害関係人の同意も求められます。
プロセスは市町村によって異なるため、地元の市町村の指導に従いながら進める必要があります。
特定生産緑地の指定を受けるメリットとして、税制の優遇が挙げられます。
2017年の生産緑地法改正により、農産物の販売、加工、農家レストランの経営などが可能になりました。
また、2018年の都市農地賃借法の制定により、第三者への農地貸し出しも認められ、生産緑地の指定解除や法定更新の適用を受けない利点があります。
一方で、特定生産緑地の指定を受けるデメリットとしては、営農義務が課される点があります。
この義務により、指定期間中の他人への土地譲渡は禁止されており、土地の自由度が一般の土地と比べて低下します。
具体的な土地活用のアイデアとしては、まず自分で営農を行う方法があります。
これには健康問題や天候不順といったリスクが伴いますが、収益化の方法としては基本的な選択肢です。
次に、自分で営農を行いながら農産物の販売や農家レストランの経営を行う方法もあります。
これにより、収益力の向上が期待できます。
また市民農園や他の農家に農地を貸す方法もあり、2018年の法改正により、これがより安心して行えるようになりました。
生産緑地を解除して土地を売却する
生産緑地を解除して土地を売却する方法もあります。
これにより、固定資産税の支払いを避け、市街化区域内の土地であれば、宅地転用して住宅用地として売却することが可能になります。
ただし、土地を売却することで一時的な収益は得られますが、長期的な土地活用や収益化の機会を失うデメリットがあります。
また、納税猶予制度の適用を受けている場合は、さかのぼり課税の問題が発生する可能性もあります。
売却案としては、土地を宅地転用し、住宅用地やアパート用地、高齢者施設用地として売却するのが一般的です。
しかし、売却にあたっては土地の分割や周辺環境の評価が必要になるでしょう。
不要な生産緑地は納税猶予の有無によって売り時を決めることが重要
後継者のいない不要な農地は早めに売ることをおすすめしますが、この時に注意したいのが納税猶予です。
猶予がない場合は指定解除されて次の固定資産税の支払いが重くなる前にすぐ売ることをおすすめしますが、納税猶予をしている場合は売却をしても猶予している相続税+利子税によって赤字になる可能性があります。
もし後継者がいる場合は相続税のコストも多少受け入れながら売ることもありますが、後継者がおらず、かつ売ったほうが損失は大きいという場合は特定生産緑地の指定を受けることをおすすめします。
固定資産税の優遇を受けられますし、持ち主がなくなった時に後継者がいなければ納税猶予は解除されます。
生産緑地を解除して土地を有効活用する
生産緑地を解除し、土地を有効活用する方法は、収益化の可能性を秘めていますが、同時にリスクも伴います。
解除後のメリットとしては、農業からの収入に依存しなくなることや、宅地としての価値を活かした高い収益を得る機会があります。
特に市街化区域内の土地は、住宅用地や商業施設としての売却や開発が期待できます。
しかし、デメリットとしては、土地活用に伴う経営リスクが挙げられます。
経営がうまくいかない場合、収益化どころか負債を抱えるリスクもあります。
また、周辺環境によって活用方法が限られることや、相続税の納税猶予を受けていた場合の取扱いに注意が必要です。
具体的な土地活用のアイデアとしては、用途地域が田園住居地域に指定される場合、低層住宅の開発が可能です。
この地域は農業を推進しつつ、良好な住宅環境を促進することを目的としており、高さ制限により小規模なアパートや戸建て住宅への活用が適しています。
また、用途地域に変更がない場合でも、低層住居専用地域でなければ高さ10m以上の建物の建築が可能であり、アパートやマンションへの活用が検討できます。
ただし、立地によっては集客が難しい場合もあり、特に郊外では高齢者向け施設への活用が一つの選択肢となるでしょう。
生産緑地の2022年問題で損しない不動産売却のコツ
不動産売却を予定している人も2022年問題は警戒心を持って準備しておくべきです。
なぜなら、全国の不動産相場が下がれば、同じ物件でも売却益は減り、売主が損をしてしまうからです。
中古戸建の相場が2,000万円だとしたら、通常の1割減でも200万円の損失になります。
あくまで単純計算ですが、もし200万円の追加利益があれば、住み替え先のグレードも1ランク上のものに変更することができます。
今後は、不動産の売却時期をしっかり見極めていく意欲が今まで以上に大切になります。
ここからは、2022年問題で損しない不動産売却のコツを紹介します
価格下落が始まる前に売却する
まず、2022年問題は本当に影響が出るか、どれくらい価格に影響するかに関して、何かが確定している訳ではありません。
ただ、実際に2022年問題で影響が出た場合、大都市圏の物件価格にもじわじわと影響が出るのは必至です。
万全の対策を期すなら、2022年問題が発生する前に売却してしまうことをおすすめします。
郊外ならそこまで心配する必要はない?
勘違いする人も多いですが、生産緑地とは都市部にある農地扱いされた土地を指します。
つまり、農地の多い農村部などに生産緑地はほとんどないのです。
そのため、2022年問題が起こっても郊外への影響はそこまで大きくないと考えられます。
わずかな可能性のリスクでも回避するのが先決ですが、家を売る時期に関しては家族のことなども考えて選ぶほうが良いケースもあります。
郊外の物件を売る際はそこまで気にしないのも良いでしょう。
政府の公式発表以外は信じない
2022年問題について報道が過熱している訳でもありませんが、時期が近づくにつれて有象無象のメディアがこの問題を取り上げてくる可能性があります。
この際、氾濫する情報の取捨選択を誤ると、売却を失敗して一生後悔する可能性があります。
2022年問題に関する情報は、信用できる発信元のものしか信じないようにしましょう。
不動産会社選びに力を入れる
不動産を高く売ろうと思ったら、最も重要なのが会社選びです。
不動産売却の作業は8割以上が契約する仲介業者によって進められるので、業者選びに成功したら売却もほぼ成功と言えます。
良い不動産会社を選ぶ際は、必ず複数社を比較した上で選ぶことをおすすめします。
不動産一括査定サイトを利用して、複数社の査定額をスムーズに比較しましょう。
生産緑地の2022年問題に関する質問
生産緑地に関する問題は、多くの関心を集めています。
ここでは、生産緑地に関するよくある質問に答えていきます。
2023年現在の生産緑地でできることは?
生産緑地法の改正により、2023年現在の生産緑地では様々な活動が可能になりました。
営農はもちろん、第三者への農地貸し出し、収穫した作物の製造・加工・販売、さらには農家レストランの経営など、多様な収益化の方法が認められています。
生産緑地の2022年問題が土地活用にもたらす影響は?
生産緑地の指定解除による地価下落は、土地活用に大きな影響を及ぼす可能性があります。
地価が下がれば、アパートやマンションの建設を促進しますが、同時に空室リスクや入居者確保の難しさも増します。
土地活用に関しては、この問題を慎重に考慮する必要があります。
生産緑地を解除する方法とは?
生産緑地を解除するためには、まず市町村に買取を申し出る必要があります。
市町村が買取を拒否した場合、農林漁業希望者へのあっせんが行われます。
もし3ヶ月以内に買取が行われなければ、土地の行為制限が解除されます。
このプロセスは、特定の要件を満たさなければ進められません。
生産緑地の土地活用で気をつけるべき用途地域とは?
用途地域は建築物の種類や密度に関する規制を設けるもので、13種類に分類されます。
主に「住居系」、「商業系」、「工業系」の3つの大分類に分けられます。
生産緑地の土地活用を考える際には、これらの用途地域に注目し、計画を進める必要があります。
生産緑地を解除してアパート・マンション経営をしたときに気を付けることは?
生産緑地を解除しアパートやマンション経営を行う場合、立地に関するリスクを考慮することが重要です。
全ての生産緑地が賃貸住宅向けの最適な立地とは限りません。
入居者を確保できるかどうか、周辺環境を含めて慎重に評価することが求められます。
生産緑地問題による暴落は現時点で発生していない
最初に2022年問題のリスクがささやかれた時には、2022年を機に大量の土地が叩き売られ、地価が大幅に下落することが予想されていました。
しかし、税制優遇措置の延長が選べるようになった結果、多くの土地所有者が延長を選択肢、結果的に地価の下落につながることはありませんでした。
こうした政策が効果的である以上、今後も生産緑地に関する大きな問題が発生する見込みは薄いと考えて良いでしょう。