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戸建て売却

古い家を売る方法とは?築40年超の売れないボロ屋も売却するポイント・注意点

古い家 売る
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古い家は本当に売れないのでしょうか?

古い=売れないというイメージがあるだけで、実際は築40年以上でも売れる可能性は十分にあります。

築年数/年 2020年 2021年 2022年
築0年~5年 9.4% 11.3% 12.6%
築6年~10年 14.1% 14.9% 14.3%
築11年~15年 13.2% 12.8% 11.5%
築16年~20年 14.1% 13.7% 13.2%
築21年~25年 14.3% 12.8% 13.2%
築26年~30年 11.2% 10.5% 10.8%
築31年~ 23.8% 24.0% 24.3%

引用:(公財)東日本不動産流通機構 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」

上記は首都圏で取引された中古戸建てを築年数ごとに分類したものですが、築31年以上の戸建てが最も取引数が多いことがわかります。

このように、築30年超の戸建ての取引はむしろ活発に行われており、しっかり対策をすれば売れる可能性は十分あります。

今回は、築古の家を売るにはどうすれば良いのか、ポイント・注意点をわかりやすく解説していきます。

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古い家を売る方法

築40年以上のような戸建てを古い家と定義する場合、まず知っておきたいのが、不動産の建物部分の価値はほぼないということです。

一戸建てと築年数の価格低下の関係一戸建てと築年数の価格低下の関係(出典:国土交通省資料)

上記は戸建て住宅の建物部分の価格推移を表したものですが、築20年を超えたあたりまで急激に下落し、そこからは緩やかに下落推移しているのがわかります。

これ以上築年数が経過した家を探している買い手の中で、引渡し後も戸建て住宅をリフォームして使い続けようと考えている方はほとんどいません。

売主側も、そのことを考慮して売り方を考える必要があります。

ここからは、実際に古い家を売る方法を解説していきます。

方法1】家を解体後に更地化してから売る

前述の通り、古くなって価値が0になった家は売却の際に足かせになってしまいます。

購入後に買主がリフォーム・リノベーション代を負担しなければいけないので、買い損になってしまう確率が高いためです。

そのため、条件の悪い売れない家は思い切って解体し、更地にした上で売却すると売れやすくなる可能性があります。

前述の通り、引き渡し後のリフォーム代を考えて売却価格を調整する必要がなくなるため、より高く売れることも多いです。

更地は建物よりも多彩な活用方法があるので、単純にターゲットが増え、成約が取れやすくなるというのも期待できるでしょう。

この売り方のデメリットは、やはり解体費用が高額になるところです。

構造 30坪 50坪 80坪
木造 100~150万円 180~250万円 200~300万円
鉄骨造 150~200万円 200~300万円 300~500万円
RC造 180~300万円 250~400万円 500~800万円

加えて不動産売買はマッチングが重要なので、高額の費用をはたいたところで100%売れる確証はありません。

解体をするかどうかについては、不動産会社としっかり相談しておきましょう。

方法2】古家付きの土地として売る

古家付き土地の写真

古家付き土地として、建物をそのままの状態で売る方法です。

ほとんどの方は、この方法で古い家を売りに出しています。

また、この形で売買をする場合、メインは土地の売買で建物は残置物という扱いになります。

そのため、家は立て壊し前提となり、事前に欠陥などの調査をする必要がなくなります。

方法3】不動産会社に直接買い取ってもらう

古い家を売る際は仲介売却を前提にしていますが、その他に不動産会社へ直接買い取ってもらう方法もあります。

仲介売却と違ってすでに募集されているところへ古家を持っていくので、広告を作成する手間などが一切なく、スピーディに換金できます。

業者は再販や活用を前提としているため、仲介売却と比べて条件の悪い古家でも引き渡せる可能性が高いです。

ただし、不動産会社に買い取ってもらう場合は、仲介売却に比べて価格が6~8割まで下がってしまうのが一般的です。

そのため、仲介売却が上手くいかなかった場合などを除き、最初から買取を前提にするのはあまりおすすめできません。

方法4】空き家バンクに登録する

古い家にだれも住んでいない空き家となっているなら、空き家バンクに登録して買い手が見つかるのを待つという方法もあります。

空き家バンク(埼玉県)

空き家バンクとは、各都道府県にある自治体が空き家の売買や賃貸を目的に管理している空き家専門の情報サイトです。

サイト上に登録されている物件すべてが空き家なので、サイトを閲覧している方も空き家であることを承知したうえで物件を探しています。

そのため、通常のポータルサイトに登録するよりも買い手が見つけやすいです。

しかし、空き家バンクに登録しているからといって買い手がすぐに見つかるということはなく、加えてアクセスされる方が極めて少ないというデメリットを抱えています。

また空き家バンクを介して、買い手が見つかれば、売主自身が交渉に赴く必要があります。

古い家を売る流れ

古い家を売る流れは下記の通りです。

  1. 古い家の査定
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 売却活動
  4. 売買契約・引き渡し
  5. 確定深刻

古い家も基本的に他の物件と同じ流れで売ります。

ただし、古い家は通常の物件と同じ売り方をしても売れない場合がある為、不動産会社に依頼する際は古い家の仲介売却が得意な不動産会社に依頼しましょう。

【Step1】査定を依頼する

「古い家を売ろう!」と決めた人は、まず不動産一括査定サイトで査定を依頼しましょう。不動産一括査定サイトの仕組み不動産一括査定サイトは複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスで、高く売却してくれる不動産会社に依頼することが出来ます。

特に”HOME4U“がおすすめで、戸建ての売却を得意としている不動産会社が多く登録されています。

登録は簡単で、住所・名前・簡単な間取りを入力するだけで選択した不動産会社に査定してもらえます。

不動産一括査定サイトを使ってから不動産会社を選ぶまでの流れ

「どの不動産会社に頼めば良いか分からない!」という人は、不動産一括査定サービスで依頼することをおすすめします。

【Step2】媒介契約を結ぶ

複数の不動産会社の査定結果をみて、高値で売却してくれる不動産会社を選びます。

不動産会社を決めた後は、媒介契約を結びます。

契約の種類 契約の有効期間 売り手自身が買い手を見つけること 依頼可能な業者数 仲介業者からの報告
※規定されてい最低限の回数であり、実際の連絡回数は業者によって異なる
専属専任媒介契約 3ヶ月以内 できない 1社のみ 1週間に1回、メールか文書で連絡
専任媒介契約 3ヶ月以内 できる 1社のみ 2週間に1回、メールか文書で連絡
一般媒介契約 3ヶ月以内 できる 複数社と契約可能(契約数の上限なし) なし

媒介契約は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類がありますが、一般的には(専属)専任媒介契約を選ぶケースが多いです。

媒介契約を結んだあとは、売出し価格などを相談して売却活動を開始します。

【Step3】売却活動の実施

売却活動は、主に不動産会社が行います。

媒介契約の種類によっては買主が個人で活動することもできます。

売却を始めてから引渡しをするまでの期間は、約3ヶ月~6ヵ月と言われています。

逆に3ヶ月経っても見つからない場合は、売出し価格が相場に合っていなかったり特殊な物件で売るのが難しかったりしている状態です。

物件購入希望者がでたら、内覧を行い本格的に交渉していきます。

【Step4】売買契約・引き渡し

買主との交渉が終わり、他に問題がなければ売買契約を結びます。

売買契約完了すると、1~2ヶ月後に家を引き渡します。

売却したことによって税金が生じる場合、売却した翌年の2月16日~3月15日までの間に確定申告を行わなければなりません。

確定申告が必要な状態で放置していると、課税される可能性もあるので注意しましょう。

古い家を売る時の注意点

注意点1】家具・家電は引き渡し前に全て片付ける


古い家を売る時は、家財を残さないようにしましょう。家財を残した状態にしていると、不動産会社が取り扱ってくれない可能性があります。

また解体工事会社が解体依頼を断るケースもあります。

解体工事会社は産業廃棄物の処分に特化している会社なので、一般産業廃棄物の処分をしてくれない所があります。

注意点2】不動産会社は慎重に選ぶ

古い家が売れるかどうか、高く早く売れるかについては、契約する不動産会社をどう選ぶかに大きく左右されます。

査定額を比較するだけでなく、その会社の過去の実績や口コミ評価などもしっかりチェックするようにしましょう。

また、仲介売却では高額な資産を預けることになるため、その不動産会社や担当者が信頼できるかどうかもチェックする必要があります。

信頼できる不動産会社かどうかチェックするポイント
  • 対応は丁寧か
  • 希望をしっかり聞いてくれるか
  • 査定額の根拠をしっかり説明できるか
  • 話に一貫性があるか
  • 軽薄な話し方をしていないか
  • 身だしなみがきっちりしているか

注意点3】物件の現況を把握しておく

物件を引き渡す際は、その現況を把握して、場合によっては買主に告知する必要があります。

内容
物理的な欠陥 水漏れ・雨漏りや設備の故障・柱の腐敗や耐震性の不足 など
法律的な瑕疵 建築制限のオーバー、接道義務を果たしていない など
心理的な瑕疵 過去に自殺や殺人事件が物件内で起きた、近隣に指定暴力団事務所があった など
環境的な瑕疵の例 夜中を通して騒音や睡眠を妨害するレベルの振動があるエリアだった など

2020年4月1日に民法が改正され、買主は瑕疵に気づいたタイミングで、売主に賠償請求などが出来るようになりました。(契約不適合責任)

民法改正後の内容
民法改正前の内容
項目 起算点と請求期間
① 債務不履行に基づく損害賠償請求権 権利を行使できると知った日から5年
権利を行使できると認められた日から10年
② 不法行為に基づく損害賠償請求権 損害および加害者であると知った日から3年
不法行為を受けた日および加害者が権利行使可能になった日から20年
③ (①②)による特則・生命・身体の侵害による損害賠償請求権 請求権の内容を知った日から5年
加害者が権利行使可能になった日から20年
項目 起算点と請求期間
① 債務不履行に基づく損害賠償請求権 加害者が権利行使可能になった日から10年
② 不法行為に基づく損害賠償請求権 請求権の内容を知った日から3年
不法行為を受けた日から20年

こうした点からも、現況を把握しておくことはトラブルを起こさないために重要です。

古い家を売った時に発生する税金

不動産を売る時は譲渡所得がプラスになった場合に税金が発生します。

購入した時の金額よりも高く家が売れた時は、税金の納付が必要と考えていいでしょう。

譲渡所得税の仕組みと計算式

計算の結果、譲渡所得が赤字になると税金は発生しません。

この状態は、譲渡損失という状態です。

税金は譲渡所得に税率をかけて計算できます。

不動産売却時の税金の計算式

税金=譲渡所得×税率

家を売る日の1月1日時点において所有期間が5年を超す場合「長期譲渡所得」と判断しましょう。

1月1日時点において所有期間が5年以下のときは「短期譲渡所得」という区分です。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率はそれぞれ異なります。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所 5年以下 30% 9%
長期譲渡 5年超 15% 5%

古い家を売った時に利用できる税制優遇措置

不動産売却において、物件を売買した時に発生する譲渡価格が、譲渡費用、建物取得費用、土地取得費用の3つの合算額を上回れば、税金が発生し、下回れば非課税で済みます。

築年数が古い不動産を売却した時にも、このルールが適用されます。

ここでは、築年数が古い家を売却した時に適用される税制優遇措置をご紹介します。

居住用財産の3,000万円特別控除

古い家に売却直前まで住んでいれば、この特例控除が利用できます。

また元住居用財産であっても、転居してから3年後の12月31日まで、もしくは物件の解体・取り壊しを実行してから1年以内に売却すれば、特例控除の利用が可能です。

3,000万円特別控除の計算式

譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用-3,000万円

相続した空き家等の3,000万円特別控除

古い家を売却する時に利用できる3,000万円特別控除は、居住用物件の売却だけじゃなく、亡くなった親族から相続した空き屋を売却した時にも利用できます。

利用するには、以下の条件を満たしておく必要があります。

相続物件売却時に特別控除を利用する条件
  • 昭和56年5月31日以前に建築された物件であること
  • 区分所有建物登記がされている建物じゃないこと
  • 相続の開始直前に被相続人以外に居住していた人がいないこと

上記3つの条件を満たしている物件であれば、特別控除の利用が可能です。

ただし、相続した日から3年を経過する年の12月31日まで売却しなければなりません。

低未利用地等売却の100万円特別控除

古い家を売却した時の譲渡所得が500万円以下になることが多々あります。

この時は、3,000万円特別控除ではなく、低未利用地等の売却ということで、100万円特別控除が利用できます。

低未利用土地等の100万円特別控除利用条件
  • 売却した土地等が、都市計画区域内にある低未利用土地等であること
  • 売った年の1月1日をもって所有期間が5年以上であること
  • 売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係じゃないこと
  • 売却した土地の価格が、低未利用土地等の上にある建物等の対価を含めて500万円以下であること
  • 特例措置を受ける低未利用土地等と一筆であった土地から前年または前々年に分筆された土地またはその土地の上に存する権利において、前年または前々年に当特例の適用を受けていないこと
  • 収用地などで利用できる特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べ、他の譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと

参考:国税庁 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

上記7つの条件を満たしておく必要があります。

都市計画区内は、そのエリアにある程度の人口があれば、計画区域に指定されていることが多いです。

譲渡損失の損益通算と繰越控除

古い家を売却して購入した時よりも安価で取引したときは、譲渡損失として損益通算と繰越控除が使用できます。

損益通算とは、住宅を売却して損失が出た時、給与所得などの所得分(黒字)から損失分(赤字)を差し引いて、所得税の軽減が図れる制度です。

また損益分を、売却を行った年の確定申告で控除しきれなかった場合は翌年以降に繰り越して損失分を相殺する繰越控除という方法が利用できます。

繰越控除は、最長3年間の利用ができます。

例えば、年収600万円の方が住宅売却で1,800万円の損失を被ったなら、売却を行った年と翌年、翌々年の3年間は、給与所得と損益通算が使用でき、所得税の納税を行わずに済むという形になります。

古い家の売却を成功させるには業者選びが重要

古い家は人気がなく、売れ残りやすいのがデメリットです。

ただ見方を変えれば、売れにくい家でもしっかり売るのが仲介業者の役目でもあります。

質の悪い業者は古い家の売却について相談した段階で「この家は売れそうにありませんね…」などと言ってきます。

理由が何であれ、このように限界をすぐ口にする業者はおすすめできません。

複数業者を見比べると、「確かに売れにくいけど、このやり方なら売れるかもしれません。やってみましょう!」と、ポジティブで気持ちの良い提案をしてくれる業者が必ず見つかります。

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