住み替えを検討する理由は人によってさまざまですが、実際にどのような動機が多いのでしょうか。
株式会社グローベルスが実際に不動産売却をした134名を対象に実施した独自アンケートによると「住み替え」「相続物件の処分」「使い道を失う」「ローン返済に悩む」という理由で売却する傾向が強いとわかりました。
より良い住まいに住み替えるため | 40名(29.9%) |
---|---|
相続物件を処分するため | 37名(27.6%) |
物件の使い道が無くなったため | 17名(12.7%) |
ローンの返済が困難なため | 12名(9.0%) |
資金調達のため | 10名(7.5%) |
転勤のため | 6名(4.5%) |
離婚したため | 4名(3.0%) |
通勤・通学のため | 4名(3.0%) |
家族と同居するため | 2名(1.5%) |
結婚したため | 2名(1.5%) |

仕事やプライベートでのライフスタイルが変化したため、住み替えが必要になる人や、両親等が亡くなったことで物件を相続し、そのまま処分するために売却を考える人が多いとわかります。
株式会社グローベルスが不動産売却を経験した134名に実施した独自アンケートによると、最も多いのは「より良い住まいに住み替えるため」(29.9%)という前向きな理由での売却でした。
続いて「相続物件を処分するため」「使い道を失った」「ローン返済が困難」など、状況に応じた現実的な理由も多く挙げられています。
この記事では、実際の売却理由ランキングとともに、それぞれの理由に合った住み替え方法や注意点をわかりやすく解説していきます。


賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理会社を経て独立。2022年に法人設立。
現在は都心で不動産事業を営むかたわら、WEBメディアで監修や執筆にも従事。●城都不動産株式会社公式サイト
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みんなの住み替えの理由ランキング
住み替えをする理由は人それぞれ異なりますが、実際に不動産を売却した人がどのような背景で住み替えを選択したのかを把握することで、住み替えを検討するうえでの参考になります。
株式会社グローベルスが実施した独自アンケート(不動産売却経験者134名対象)によると、最も多かったのは「より良い住まいへの住み替え」で、全体の約3割にのぼりました。
次いで「相続物件の処分」や「使い道を失った物件の整理」、「ローン返済の困難」など、住まいにまつわる課題や生活の変化に対応するための理由が多数を占めています。
以下では、アンケート結果をもとにした住み替え理由のランキングを詳しく紹介していきます。
【1位】より良い住まいに住み替えるため(29.9%)
現在の住まいよりも利便性や快適性に優れた住宅に移る「住み替え」は、最も多かった理由です。
特に、築年数が古くなってきた家や、間取り・収納・設備に不満がある家から、新しい生活環境を求めて住み替える人が多く見られます。
家族構成の変化やライフスタイルの変化に伴って「もっと便利な場所に住みたい」「最新の設備が整った家に暮らしたい」と考えることがきっかけとなりやすく、前向きな意図をもった住み替えである点が特徴です。
このようなケースでは、売却価格や買い替え先の条件を十分に検討したうえで、焦らず進めることが理想的です。
【2位】相続物件を処分するため(27.6%)
親などから相続した不動産を自分で使う予定がなく、そのまま売却するという住み替えも非常に多いケースです。
相続後の空き家は管理が難しく、放置すれば固定資産税や草木の繁茂などのリスクが発生します。
また、複数人で相続した場合には共有名義の整理や遺産分割協議が必要になることもあるため、売却に向けては早めの準備が求められます。
【3位】物件の使い道がなくなったため(12.7%)
セカンドハウスや事業用、家族のために一時的に所有していた住宅など、特定の目的で保有していた不動産の使い道がなくなり、住み替えを検討するケースも少なくありません。
特に、単身赴任が終了した物件や、事業閉鎖・転職などによって通勤先が変わった場合などは、そのまま所有し続けるメリットが薄れます。
利用予定がないまま所有を続けると、固定資産税や修繕費などのコストだけがかかるため、早めに売却して住み替えに活用するのが合理的です。
【4位】住宅ローンの返済が困難なため(9.0%)
収入の減少や家計の見直しなどをきっかけに住宅ローンの支払いが困難になり、やむを得ず住み替えを選択するケースもあります。
返済の遅延が続けば、金融機関から督促を受け、最終的には競売にかけられるリスクもあります。
こうした状況では任意売却という手段を選ぶことで、競売よりも高く売却できる可能性があります。

債権者との調整が必要なため、早い段階で専門家に相談することが重要です。
【5位】資金調達のため(7.5%)
不動産を売却してまとまった現金を得ることを目的とした住み替えも一定の割合を占めています。
たとえば、子どもの進学資金や事業資金の確保、老後資金の準備など、さまざまな理由で資金を必要とする場合があります。
このようなケースでは、売却価格の最大化が重要となるため、不動産会社の選定や売却タイミングの見極めが非常に重要です。
【6位】転勤による住み替え(4.5%)
勤務先の異動や転勤をきっかけに現在の住まいを手放して新天地に移るケースもあります。
特に遠方への転勤では通勤が難しくなるため、早めの住み替え判断が必要になります。
転勤が一時的なものであれば、売却ではなく定期借家契約での賃貸運用を選ぶケースも見られますが、基本的に戻らないことが前提の場合は売却のうえで新居を購入するほうが合理的です。
【7位】離婚による住み替え(3.0%)
離婚に伴ってそれまで夫婦で住んでいた住宅を売却し、それぞれが新たな住まいに移るケースもあります。
特に、住宅ローンが残っている場合や名義が共有になっている場合には財産分与や名義変更といった法的な整理も必要になります。
住み替えの時期や売却方法をめぐってトラブルになることもあるため、離婚協議と並行して専門家のサポートを受けながら慎重に手続きを進めることが望ましいです。
【8位】通勤・通学の利便性向上(3.0%)
職場や学校までの移動時間を短縮するために、より交通アクセスの良い場所へ住み替えるという選択もあります。
特に、子どもの進学や自身の転職などを機に生活拠点を見直す動きが見られます。
毎日の移動負担が軽減されることで、生活の質が向上し、家族との時間を確保しやすくなる点もメリットです。
【9位】親や子と同居するため(1.5%)
親の介護や子育て支援のため、親子で同居することを目的に住み替えを選ぶケースもあります。
世代をまたいだ家族構成に対応できる間取りや生活導線を求めて、より広い住まいへ移る例が多く見られます。
特に二世帯住宅や完全分離型の住居を希望する場合には、設計や設備に対する要望も多くなります。
家族間での価値観の違いや生活習慣の調整も必要となるため、同居前には話し合いを重ね、将来の介護・育児環境も見据えた住まい選びが重要です。
【10位】結婚を機に住み替え(1.5%)
結婚をきっかけに新たな生活拠点として住まいを見直す人もいます。
お互いの通勤距離や実家との距離感、将来の子育て環境などを総合的に考慮し、新居を選ぶ傾向があります。
新婚時はライフスタイルの変化が大きく、住まいに求める条件も移り変わるため、柔軟性のある物件選びが重要です。
理由別におすすめの住み替え方法を徹底解説
住み替えの理由によって、最適な売却方法や新居選びの進め方は異なります。
たとえば、時間に余裕があるケースでは高値売却を目指す「売り先行」が有効ですが、急ぎの転勤や資金調達が目的であればスピード優先の対応が求められます。
また、ローン返済が困難な場合には任意売却、相続物件の整理では相続登記の完了など、必要な手続きも変わってきます。
目的1】住み替えでより良い暮らしを求めたい
立地や間取り、築年数などの不満を解消し、今よりも快適な住環境を手に入れたいという前向きな住み替えでは、無理のないスケジュールと予算で進めることが重要です。
住み替えの進め方には売り先行と買い先行の2パターンがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、自身の資金状況や希望スケジュールに応じた選択が重要です。
売り先行 | 買い先行 |
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売り先行は、現在の自宅を先に売却してから新居を購入する方法で、資金計画が立てやすくローンの重複リスクがありません。ただし、新居の入居タイミングによっては仮住まいが必要になることもあります。
一方、買い先行は先に購入物件を確保するため、希望条件の住まいを逃しにくいという利点があります。ただし、売却が長引くと二重ローンとなる可能性があるため、資金的な余裕が求められます。
住み替えや引っ越しの際は過ごしやすい住空間も重視する人が多いです。
収納やインテリアに悩んだらプロフェッショナルに依頼しましょう。

プラン | 【一緒に片付け】整理収納コンサルティングプラン 【お引越し】新居の収納づくりプラン 【オプション】インテリアコンサルプラン |
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特徴 | プロフェッショナルによる整理収納とインテリアに関わるサービス 理想の暮らしを叶えるための片付けや住空間の整備を徹底サポート スタッフは全員「整理収納アドバイザー1級」資格を取得(インテリア担当を除く) |
運営会社 | 株式会社おうちデトックス |
本社所在地 | 〒107-0062 東京都港区南青山6-12-3 南青山ユニハイツ205号(mmis内) |
整理収納サービス『おうちデトックス』は、機能的で居心地のよい部屋づくりのサービスを提供。

引越し後の快適な生活のため、目的に合った空間や便利な収納のアドバイス・設計を行っています。
引越しから2ヶ月以内のアフターフォローにも対応しているため、住み替えでより良い暮らしを求めたい人におすすめです。
目的2】実家を処分して住み替えたい
親などから不動産を相続したものの自分で住み続ける予定はなく、維持費や管理負担を避けるために売却して住み替えるケースは多く見られます。
このような場合は、まず相続登記(名義変更)を済ませる必要があります。登記をしないと売却そのものができないため、早めに専門家へ相談しましょう。
また、相続人が複数いる場合は遺産分割協議や持分整理が必要になることもあります。トラブル防止のためにも、手続きは丁寧に進めることが重要です。
目的3】物件の維持管理コストを無くしたい
現在は利用目的がなくなった住宅やセカンドハウスなどを所有し続けると、維持費や管理の手間が重くのしかかります。空き家状態が続けば、劣化の進行や防犯上のリスクも高まります。
所有期間が長くなるほど劣化や資産価値の低下が進むため、売却のタイミングを逃さないことが重要です。
使わなくなった物件を売却する際、室内外の状態がそのままでは内見時の印象が悪くなり、価格交渉の材料にされることもあります。特に住む人がおらず放置されている家は劣化が早まるので注意が必要です。
そのため、本格的なリフォームまでは不要でも壁紙の汚れ落としや床の掃除、水回りのクリーニングなど、基本的な美観の整備はしておくのが理想です。
また、庭木の剪定やポストの整理といった外構の清掃も忘れずに行いましょう。
目的4】ローン返済が困難な住宅を売却したい
収入減やライフスタイルの変化などにより住宅ローンの支払いが難しくなった場合、通常の売却が難しいと感じたら任意売却を行うのが一般的です。
任意売却はローン残債があっても金融機関(債権者)に承諾を得ることで通常通りの不動産売却が可能になるという方法で、住宅ローン返済が滞ったまま物件を競売にかけられる場合と比べて下記のようなメリットがあります。
任意売却 | 競売 | |
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所有者の権限 | 価格や売却のタイミングなど、ほぼ全てのケースで所有者(売主)の意思が反映される | 所有者の意思は反映されない |
売出価格の設定 | 所有者(売主)が決定権を持つ | 裁判所が決定権を持つ |
成約価格の相場 | 時価(実勢価格)の7~9割程度 | 時価(実勢価格)の2~3割程度 |
任意売却は全ての不動産会社が対応できる訳ではないので、任意売却に強い業者と契約する必要があります。
目的5】資金調達のために住み替えたい
教育資金や事業資金、老後の生活費など、大きな出費に備えて不動産を現金化する目的で住み替えを行うケースもあります。このような場合には、売却による収入をいかに最大化するかが重要なポイントです。
時間に余裕があるのであれば、希望価格に近づけるために売り先行でじっくり売却活動を行うのが理想です。
資金調達を優先するなら、売却と購入のタイミング管理が非常に重要です。特に、次の住まいへの住み替えが前提となる場合は、仮住まいや短期ローンなどの選択肢も視野に入れておくことが大切です。
目的6】転勤のために住み替えたい
転勤による住み替えでは、戻ってくる可能性があるかどうかによって不動産の扱い方が変わります。
転勤先が一時的であれば、今の住まいを売却するのではなく賃貸に出すという選択肢も有効です。
特に定期借家契約を活用すれば、一定期間の貸出し後に確実に明け渡してもらえるため、将来的に自宅に戻る予定がある場合でも安心して運用できます。
目的7】離婚が理由で住み替えたい
離婚をきっかけに共有していた住宅を売却して新たな住まいに移るケースでは、感情的な問題だけでなく、法的・金銭的な整理も重要になります。
特に、住宅ローンの残債がある場合や名義が共有になっている場合には、金融機関や不動産会社との調整が必要になります。

残債分与のために家を売って売却代金を分割するか、それとも片方が住み続けて、もう片方はそれに代替する財産を受け取るかなど、財産分与の方法にもいくつかのパターンがあります。
どのパターンで分割するかに関しても、しっかりと話し合って決めることが大切です。
目的8】結婚・同居をきっかけに住み替えたい
結婚や同棲をきっかけに住み替える場合、当面の生活だけでなく将来的な家族構成やライフプランを見越した住まい選びが重要になります。
たとえば、将来子どもが生まれることを想定して、部屋数や学区環境を考慮する必要があります。
また、共働きか片方が在宅勤務かといったライフスタイルの違いも反映し、必要な設備や間取りを明確にしておくと、住み始めてからの不満を防ぎやすくなります。
住宅ローンを組む場合は、将来的な収入変動や育児による休職期間も見据えた無理のない返済計画を立てておくと安心です。
住み替えのきっかけ・体験談【口コミ】
実際に住み替えを経験した人たちの体験談には、リアルな悩みや意思決定の背景、住み替えによって得られた変化など、参考になるポイントが多く詰まっています。
住み替えの理由は「通勤や子育ての利便性」「転勤」「住宅ローンの返済困難」「家族との同居」など十人十色です。ここでは、そんな多様なきっかけに基づく体験談をいくつかご紹介します。
子育て環境の充実を求めて住み替えをしたAさんの体験談

もともとは共働き前提で利便性を重視して購入した都心のマンションに住んでいましたが、子どもが生まれてからは周囲に公園や保育施設が少なく、子育てに適した環境とは言えないと感じるようになりました。
特に、病院や学校までの距離があり、日々の送り迎えや急な通院の際に不便を感じる場面が多くなりました。子どもが成長するにつれ「このままではのびのびと育てられない」と感じ、夫婦で話し合って住み替えを決意。
結果的に、郊外の自然が多く、教育環境が整った地域にある戸建て住宅へ引っ越しました。以前より通勤時間は延びましたが、家族全体の生活満足度は大きく向上しました。
ご近所トラブルで住み替えをしたEさんの体験談

長年住んでいた家に特に不満はなかったのですが、近隣住民とのトラブルがきっかけで住み替えを決意しました。騒音やゴミ出しに関するマナー違反が続き、注意したことをきっかけに嫌がらせを受けるようになったのです。
精神的な負担が大きくなり、警察や管理組合にも相談しましたが解決には至りませんでした。そんな中、夫から「もっと環境の良い場所に引っ越そう」と提案され、逃げるようで悔しい気持ちもありましたが、安心して暮らせることを優先して売却を決断しました。
引っ越し後は周囲の住民にも恵まれ、心から落ち着いて生活できるようになりました。環境が変わるだけで、ここまで気持ちが楽になるのかと驚いています。
夫の転勤がきっかけで住み替えをしたFさんの体験談

夫の転勤が決まり、しかも今回は「戻る予定のない異動」だと聞かされました。これまでの住まいには思い入れがありましたが、単身赴任を避けて家族一緒に暮らすことを優先し、住み替えを決意しました。
転勤まであまり時間がなかったため、不動産会社に急いで相談して売却活動を開始。同時に、転勤先での新居探しもスタートしました。焦らずに進めたかったので、転勤直後は仮住まいに入り、売却が成立してから本格的に購入手続きを進めました。
結果的に、想定していたよりも売却価格が下がったものの、その分、転勤先では予算に見合った物件を無理なく選ぶことができました。何よりも家族で一緒に暮らせる安心感が得られてよかったと感じています。
家の間取りに不満があって住み替えをしたDさんの体験談

もともと夫婦二人で暮らすには十分な広さだと思っていたマンションでしたが、子どもが生まれてからは間取りや収納に不満を感じるようになりました。リビングが狭く、子ども用のスペースも確保できず、毎日が窮屈に感じられるようになったのです。
最初はリフォームで対応しようかとも考えましたが、構造的に大きな変更ができず、「それならいっそ住み替えたほうがいいのでは」と決断しました。夫も同じように感じていたようで、すぐに話がまとまりました。
住み替え後は、子ども部屋があり、収納スペースも充実した家になり、家事や育児のストレスが大幅に軽減されました。今では「もっと早く決断してもよかった」と感じています。
住宅ローンが払えず住み替えをしたKさんの体験談

転職による収入減で、これまで問題なく支払っていた住宅ローンが徐々に重荷になってきました。支払いが遅れがちになり、将来的な生活の見通しにも不安を感じ始めた頃、「このままではいけない」と住み替えを考えるようになりました。最初は家を手放すことに抵抗もありましたが、任意売却という方法を知り、不動産会社に相談。手続きは複雑でしたが、競売よりも高い価格で売却できたことで残債も減らすことができ、精神的な負担も軽くなりました。
現在は家賃の安い賃貸に住んでいますが、無理のない支出で生活できていることに安心しています。住み替えは後ろ向きな決断ではなく、むしろ前に進むための手段だったと実感しています。
理由に応じて柔軟な住み替えをしよう
住み替えには「より良い暮らしを求めて」「相続や転勤など環境の変化に対応するため」「経済的な事情から」など、さまざまな理由があります。
どのケースであっても、自分の状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことが、納得のいく住み替えにつながります。
余裕を持って計画的に進められるのであれば、じっくりと売却活動を行い、高値売却を目指すことも可能です。一方で、急ぎの転勤やローン返済の問題がある場合には、スピード感や専門家のサポートが重要になります。
大切なのは、感情だけで動かず、将来のライフプランを見据えて柔軟に判断することです。
信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、自分にとってベストな住み替えを実現しましょう。