マンションは駅近から郊外、階層など様々な要素があります。
マンションを売却しようと思っている人やこれから購入しようとしている人は、どのように売却価格が設定されているか気になる人も多いはずです。
この記事では新築マンションと中古マンションの売値の決まり方について解説してから、売値の調べ方や売値を計算する際の注意点なども紹介していきます。
新築マンションの売値の決まり方
新築マンションと中古マンションでは、売値の決まり方が違ってきます。
新築マンションの売値が決まる要素としては、次の4点が主に挙げられます。
- 土地代
- 広告宣伝費
- 建設費用
- 利益
新築マンションは中古マンションと違って価格設定を1からする必要があるので、以上の要素を元に売値を算出します。
以下にそれぞれ解説していきます。
土地代
新築マンションの売値を計算する際に、基準となるのが土地代です。
マンションを建てるためには広さのある土地を見つける他、立地などを考える必要があります。
そのため土地代が安い場所にマンションを建てれるわけではなく、住民の生活を想定した場所を選んで購入する必要があります。
住みたいと思わせるマンションを建てるには、土地代が最もかかるとされています。
建設費用
土地を取得した後には、マンションを建設するための建築費用が掛かります。
マンションの骨組みを作るだけではなく、当然マンションの内外装や共用設備などの建設にも費用が掛かります。
またマンションを建てるためには、多くの人件費もかかっています。
マンションの規模によっても異なりますが、大きければ大きいほど人件費は加算されるので、マンションの売値にも差が出てきます。
建設にかかった費用すべてが、マンションの売値の一部として計算されています。
広告費
建設が終わった後、住民を募集する広告費もマンションの売値に関する要素です。
マンションが無事に完成しても、宣伝しなければ売れないので、必ず広告費はかかります。
大規模マンションであればすべての部屋が埋まる前提で建設しているため、さらに、広告費用を掛けて販促活動行います。
広告宣伝費の内訳として、チラシ・パンフレット・新聞・雑誌・インターネット、モデルルームの建築費などが含まれます。
電車の中に掲載されている新築マンションの広告もあり、大規模マンションほど広告費は多くかかります。
特に立地が人気のある場所や設備が整っているタワーマンションでは、一般的なマンションよりも住民を入れる必要があるので広告費が高くなりがちです。
利益
マンションの売値には、企業側の利益も含まれています。
新築マンションの利益は企業ごとに様々ですが、全ての部屋が埋まることを想定して利益を計算することが多いです。
逆に言えば全住戸売り切らないと損失が出る可能性があるので、多少広告費をかけても企業側はマンション売却します。
中古マンションの売値の決まり方
中古マンションは新築マンションとは異なり、一度売値を設定されて販売された物件です。
そのため中古マンションの売値は新築時の売値とは異なり、依頼を受けた不動産会社が物件の査定を行い、過去の事例と照らして算出します。
すべての売買評価価格が過去の事例から決められているわけではありませんが、ほとんどのケースでは過去事例から平米単価、坪単価を計算します。
計算した単価を売却予定のマンションに当てはめて、販売価格を算出します。
直接不動産会社が訪問査定して計算するので、マンションの立地や、周辺環境、設備、マンション内装部の管理状況などから売値は上下変動します。
基本的に売値を決めるのは不動産会社で、複数社に一括査定依頼を出して売値を決めてもらいます。
24時間使える不動産一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社に一気に連絡ができるので非常におすすめです。
中古マンションの売値を調べる方法
マンションの売値を調べる方法としては、次の4つの方法があります。
- 不動産会社に一括依頼する
- 不動産AI査定・シミュレーション
- 不動産会社に匿名査定
マンションの売値を調べる際は、基本的に無料で行えます。
遺産相続などでより正確にマンションの売値を算出しなければならない場合のみ、「不動産鑑定士」に有料で頼む必要があります。
しかし、住み替えや資金形成のためにマンションを売るのであれば、無料の査定方法で問題ありません。
以下にそれぞれ解説していきます。
不動産会社に一括依頼する
不動産会社に一括査定依頼をすることが、最も正確にマンションの売値を算出できます。
不動産一括査定サービスを利用すると登録すれば自動的に不動産会社に連絡が行くので、電話がかかってきてから査定日を決めていきます。
不動産会社に訪問査定をしてもらったとしても、必ずしもマンションを売却しなければならないので、安心して申し込めます。
ただし、複数の不動産会社から一斉に電話がかかってくることになる点には注意が必要がです。
不動産AI査定・シミュレーション
不動産AI査定を利用する方法もあります。
不動産AI査定はマンションの住所や基本情報をサイトに入力するだけで、即座に過去データと照らしておおよその査定金額を算出してくれるサービスです。
利用しても不動産会社から連絡が来ることはない上、時間もかからないので非常に便利なシステムです。
時間的余裕がない人や、売る予定はまだないがとりあえず売値だけ確認しておきたい人におすすめです。
ただし、AI査定やシミュレーションはあくまで過去データと照らし合わせて大まかな数字を出しているだけです。
不動産会社が実際に目で見て判断する査定とはずれが出やすいので、売値は変動する可能性があると理解しておきましょう。
不動産会社に匿名査定
不動産会社に匿名で査定してもらう方法もあります。
不動産一括査定サービスを利用すると一斉に電話がかかってくるデメリットがありますが、匿名査定を依頼すると営業電話が来る心配はありません。
不動産会社に電話番号やメールアドレスを伝えずに査定してもらえるので、まだマンションを売ると決めていない人にはお勧めの方法です。
しかし、匿名査定は査定が完了するまでに2~3日ほど時間がかかる他、一括査定に比べると売却価格がずれやすいデメリットがあります。
マンションの売値を計算する際の注意点
マンションの売値を計算する際の注意点として、以下の点には気をつけましょう。
- 近隣マンションと同じ価格で売れるわけではない
- 坪単価を計算しても相場とはずれる
- 売出価格と成約価格は違う
マンションの売値を大まかに計算していても、実際の価格とはずれる可能性が高いです。
そのため、マンションを売却する予定ならば、できるだけ正確に売値を算出できる不動産一括査定を依頼しておくことをおすすめします。
以下にそれぞれ解説します。
近隣マンションと同じ価格で売れるわけではない
土地の相場を計算する場合は、近隣にある土地の売買価格を参考にして土地面積で割れば、価格もほとんどずれなく計算できます。
しかしマンションは近隣マンションと条件が全く同じということはほとんどないため、近隣マンションの価格とは差が出やすいです。
例えばマンションの規模や築年数、駅からの距離や間取りなど、様々な要素から売値は算出されます。
そのため、マンションの相場を調べる際は近隣のマンションだけではなく、条件が被っているマンションを参考にする必要があるので気をつけましょう。
坪単価を出しても相場とはずれる
仮に同じマンションで近しい事例を見つけたとしても、坪単価に換算して計算することができません。
例えば2LDKと3LDKのマンションを比べると、2LDKの坪単価の方が高いです。
これは2LDKの坪単価が多少高いとしても3LDKに比べて面積が小さいので、マンションの販売価格を安く見積もることができるからです。
マンションを購入する側は坪単価よりもマンション価格で購入を決めます。
そのため広さよりも安さが重視されやすくなります。
マンションでは、坪単価を計算しても売却価格には換算してもあまり意味がないと理解しておきましょう。
売出価格と成約価格は違う
マンションの「売出価格」と「成約価格」は違います。
売出価格は、売主の希望価格のことで、これから売りたいと思っている価格です。
反対に成約価格は、実際に取引が決まった価格なので、売出価格とはずれていることも多いです。
ネットで相場を検索していると売出価格を参考にしてしまう人もいるので気をつけましょう。
マンションの売値の付き方は新築と中古で異なる!
マンションの売値のつけられ方は、新築か中古かで異なります。
中古マンションを売却しようと考えている場合、不動産会社に一括査定してもらうことで素早く正確に売値が分かるのでお勧めです。
また、売値を自分で調べる際は周辺マンションと単に比較してしまうケースや、成約価格を見てしまうケースなど、ミスも多くなるので気をつけましょう。