マンションを売却することにしたら、ネット上にある無料査定サービスを活用することで、マンションがいくらで売れるのかが分かります。
しかし、無料サービスの多くが、氏名やメールアドレス、電話番号などの個人情報の入力を求めているところが多く、人によっては強い抵抗を感じる方もいるでしょう。
しかし、一部のマンション査定方法の中には、個人情報の登録なしでおおよその査定額がいくらになるのかを把握する術があります。
今回は、個人情報の登録がいらないマンション査定の方法を紹介すると同時に、個人情報の登録が求められる査定方法との違いについて解説します。
実際に不動産の売却を希望している方は、匿名ではない不動産一括査定サイトを利用して、不動産会社との売却の相談に進むことをおすすめします。
サイト名 | 運営会社 | 登録会社数 | 同時依頼件数 | 対応地域 | 入力時間の目安 | 査定可能な種類 | 査定実績 | 利用満足度 | IR活動 営業利益 |
IR活動 株価 |
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HOME4U |
公式HP | NTTデータ・スマートソーシング | 約2,300社 | 最大6社 | 全国 | 約1分 | 8種 | 査定数累計55万件以上 | 9割 | 58,302百万円 | 19.73円 |
すまいValue |
公式HP | 合同6社 | 6社 | 最大6社 | 全国 | 約1分 | 7種 | 87万人以上 | 95.5% | 98,124百万円 | 157.28 円 |
リビンマッチ |
公式HP | リビン・テクノロジーズ | 約1,700社 | 最大6社 | 全国 | 約45秒 | 11種 | 約440万件 | 82% | 172百万円 | 75.55円 |
おうちクラベル |
公式HP | SREホールディングス株式会社 | 約1,500社 | 最大15社 | 全国 | 約1分 | 5種 | 非公開 | 記載なし | 2,212百万円 | 85.83円 |
いえカツLIFE |
公式HP | リビン・テクノロジーズ | 約800社 | 最大6社 | 関東エリア | 約1分 | 5種 | 年間50万人以上 | 96.3% | 921百万円 | 25.07円 |
イエウール |
公式HP | 株式会社Speee | 約2,300社 | 最大6社 | 全国 | 約1分 | 7種 | 年間20万人以上 | 記載なし | 90百万円 | -2.61円 |
マンション査定を登録不要・個人情報不要で受ける方法
マンションの売却を考える際、査定額の参考にしたいが、個人情報を入力するのは避けたいと思う人も少なくありません。
登録不要で査定額を知ることができる方法は実はいくつか存在します。
- 匿名査定
- AI査定
- マンション売却データベースの活用
ここからは、先のリストで上げた3つの方法について1つずつ紹介します。
【方法1】個人情報不要の匿名査定サービスを使う
個人情報不要で査定に申し込む方法は様々な種類がありますが、LIFULL HOME’Sなどが提供しているのは、サービス運営会社を経由して不動産会社へ査定申込をおこない、その結果がまたサービス運営会社経由で申込者本人に届くという方法です。
具体的な位置や間取り、築年数などの基本情報を入力するだけで、実際に不動産会社が物件を訪問することなく査定額を出してくれます。
また匿名査定では、以下のようなデータ、情報を基にマンションの査定価格を算出します。
- 公示地価・基準地価などの公的な指標
- 近隣エリアのマンションの売買実績
- 直近の相場動向
- マンションの方角
- マンションの階数
- マンションの専有面積
この方法は手軽に価格の目安を知ることができる一方、詳細な査定には実物確認が必要となるため、正確な価格は異なる場合があります。
【方法2】AIや価格の自動計算システムによる査定
AI査定は、過去の取引データや物件情報をもとに、AIが査定額を算出するサービスです。
Webサイト上に物件の所在地、専有面積、築年数などの基本情報を入力するだけで、AIが査定結果を出してくれます。
それ以外にも、AI査定では以下のような情報を用いて査定価格を算出します。
- 過去の売買取引件数
- 過去の売買取引価格
- 公示地価や基準地価などの公的データ
AI査定と呼ばれるサービスは恐らく、「築年数が1年経過するごとに○○%価格が低下」などの価格ルールを設定し、計算の仕組みを学習させて、価格を算出していると考えられます。
この方法の利点はスピーディーに査定結果が得られる点や、客観的なデータに基づく査定ができます。
しかし、地域の特性や最新の市況などの微細な変動に対応していなかったり、運営会社が持つデータ量に応じて査定精度が左右されるなど、サービスによって査定精度に差があります。
【方法3】マンションのデータベースを活用する
マンションナビなど、有名マンションを中心に、現在の資産価値を公開しているサイトも存在します。
こうしたサイトのデータベースを確認することで、登録不要で現在の価格を知ることができます。
ただし、こうしたデータベースは全てのマンションが掲載している訳ではないので、注意が必要です。
マンション査定を登録不要・個人情報不要で受けるメリット
マンションの売却を検討する際、登録不要の査定サービスが提供されている場所が増えています。
そういったサービスのメリットは多岐にわたります。
【メリット1】ごく短時間で査定結果を知ることができる
登録不要の査定サービスは、煩雑な手続きや書類の提出が不要なので、ごく短時間で査定結果を受け取ることができます。
特にAI査定の中には、ものの数分で査定額を知ることができるサービスが増えています。
忙しい日常の中で、手間をかけずに素早く物件の価値を把握できる点においては最大のメリットといってもいいでしょう。
【メリット2】不動産会社の営業マンと会わずに査定結果が分かる
一般的な査定サービスでは、査定担当者が実際に物件を訪問し、直接査定を行うケースが多いです。
しかし、登録不要のサービスを利用すると、対面でのやり取りがないため、査定を依頼する際のプレッシャーや時間の制約を感じることがありません。
自宅や外出先からも手軽に依頼が可能です。
【メリット3】営業の電話・勧誘が来ない
登録不要の査定サービスでは、個人情報を入力することなく査定を受けられるため、後日不動産会社からの営業電話や勧誘が来るリスクが大幅に低減します。
最も、マンションの無料査定で最も多いトラブルが、不動産会社からの営業・勧誘の電話です。
個人情報の登録が求められる一括査定サイトを活用した場合、お客様との接点が構築されるため、1人でも多くのお客様を獲得したい不動産会社からすればまたとないチャンスです。
そのチャンスを逃すまいと、会社側は報告ついでに訪問査定の勧誘をしてきます。
しかし、匿名査定やAI査定は、個人情報の登録を不要とする査定方法なので、会社側から直接連絡が来ることはありません。
この特徴から査定のみを目的としている人にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
【メリット4】不動産会社へ依頼する前に概算価格を知れる
詳しくは後述しますが、不動産会社にマンション売却を依頼したいなら、個人情報も共有した上で査定を依頼する必要があります。
この際は不動産一括査定サイトなどを使って複数社の査定額を比較しながら、どの不動産会社と契約するか選ぶのが一般的です。
ただし、不動産会社の査定額は各社でバラバラなことも多く、相場より査定額が低い不動産会社と契約して損をしたり、逆に査定額が相場より高すぎる不動産会社と契約して騙されたりするケースもあります。
こうした状況を防ぐには、査定を依頼する前にマンションの概算価格(売却相場価格)を調べておくことをおすすめします。
マンションの売却相場を調べる方法はSUUMOなどのポータルサイトに掲載されている他のマンションの売り出し価格を参考にしたり、不動産情報ライブラリ(旧:土地総合情報システム)などから過去の取引事例を見つけて参考にするといった方法もありますが、AI査定を利用するのも一つの手です。
マンション査定を登録不要・個人情報不要で受けるデメリット
登録不要のマンション査定サービスが持つメリットは非常に魅力的ですが、それと同時に考慮すべきデメリットも存在します。
【デメリット1】AIによるマンション査定は価格の補正が甘いことが多い
前述の通り、AIによるマンション査定は、築年数などの各項目をスコアリングして、そのエリアの平均価格なども参照しながら価格を算出していると考えられます。
実際に不動産会社がおこなうマンション査定でも上記の仕組みでおこなわれはしますが、算出した価格は下記の要素で修正されます。
要因 | 詳細 |
---|---|
事情補正 | 離婚や転勤、借金など、早期に売却が必要な理由がある場合など |
時点修正 | 周辺環境が大きく変化しているケースや、経済状況の変化など |
地域要因 | 過去の取引事例の時期に比べて、そのエリアがどう変化しているか |
個別的要因 | 不動産そのもののキズ・凹みなどの劣化状況やリフォーム状況など |
これらの要素によっては、査定価格が一旦算出した状態から大きく変わるケースもあります。
この修正は、不動産会社の過去の実績や専門的なデータ、最新のトレンド分析などがないと正確にできないため、どうしても不動産会社の査定額と差が生じてしまいがちです。
【デメリット2】AIや価格の自動計算システムによる査定は精度が高いかが分からない
前述の通り、AIによるマンション査定は、築年数などの各項目をスコアリングして、そのエリアの平均価格なども参照しながら価格を算出していると考えられますが、この計算の仕組みや精度がどのようなものか、各サービスは算出していません。
不動産会社に査定を依頼すると届く査定結果(不動産査定書)は、下記の流れでマンションを評価しています。
- 購入時の価格や築年数・公示地価などからおよその価格を算出
- 物件の築年数や立地・外観などの項目を評価(スコアリング)
- 周辺エリアでの過去の取引事例を元に、市場価格を算出
- 上記の価格を項目ごとのスコアリング評価で補正
AI査定を謳ったサービスの場合、上記を不動産会社と同じ流れでおこなっているところもあれば、エリアごとの平均価格や各項目の評価を一律にざっくり決めて算出しているだけの場合もあります。
【デメリット3】マンションの個別状況が査定額に反映されない
登録不要の査定サービスは、特定の条件やパラメータに基づいて自動で査定額を算出します。
実際にマンションの状況を確認していないため、マンションの内装の状態や、隣接する建物とのトラブル、特別なリフォームの実施などの問題点を適切に反映するのが難しいです。
これらの独自の要因は、最終的な売却価格に大きな影響を与える可能性があります。
よって、正確な査定を得るためには、実際に専門家による訪問査定を受けることが必要です。
マンション査定を登録不要・個人情報不要で受ける時の注意点
登録不要のマンション査定は、手軽に物件の査定価格を知ることができる便利なサービスですが、利用する際には注意点も存在します。
ここでは、登録不要のマンション査定を活用するときに気を付けることを詳しく解説します。
【注意点1】査定価格=実際の売却価格(成約価格)ではない
マンションの査定を不動産会社に依頼してから、実際に売却をするまでの金額決定の流れは下記の通りです。
- 不動産会社によって査定がおこなわれる(査定価格の提案)
- 売主が最終的に売り出し価格を決定(または不動産会社の提案を承認)する
- 買主と合意した成約価格を決定する
実際に売却をする際は、そもそも査定価格と売り出し価格を一致させなければいけない決まりはありません。
更に、売り出し価格も買主との合意の中で価格が修正される可能性があります。
【注意点2】マンションを仲介売却するなら不動産会社へ査定依頼が必要
マンションを売却する場合は、まず不動産会社に現地調査含む査定を依頼して、その後に媒介契約を結びます。
つまり、仲介売却は契約前に必ず、契約する不動産会社の査定が必要になります。裏を返せば、匿名でのマンション査定をおこなっても、仲介売却のフローに進捗はないのです。
- 査定依頼
- 媒介契約
- 販売活動
- 内覧
- 契約
- 決済・引き渡し
もし、不動産会社への査定依頼や連絡を一切おこなわずに売却をしたいのであれば、個人で売買を進めるしかありませんが、この方法は非常にリスクが大きいです。
登録不要のマンション査定の利用が向いている方
登録不要のマンション査定は、特定のニーズを持った方々に非常に便利なサービスとして機能します。
以下は、登録不要なマンション査定の利用が向いている方の特徴です。
- マンションの資産価値をすぐに知りたい方
- マンションの資産価値を知ったうえで売却するかを決めたい方
- 査定担当者に会わずに査定を依頼したい方
マンションの資産価値をすぐに知りたい方
登録不要のマンション査定は、簡易的な情報を入力するだけで、即座に査定結果を知ることができるのが最大の魅力です。
特に、物件の現在の価値を素早く把握したい場合、例えば相続税の計算や資産整理の一環として、あるいは転職や転居の計画を立てている際に、現在所有しているマンションの価値を知りたいという方々に非常に便利です。
マンションの資産価値を知ったうえで売却するかを決めたい方
不動産の売却は大きな決断です。
そのため、実際に売却を進める前に、まずは物件の大まかな価値を知ることで、売却の是非を決めたいと考える方が少なくありません。
登録不要のマンション査定は、非常に手軽に査定結果を得られるため、売却の前の下調べや参考として活用する方に適しています。
査定担当者に会わずに査定を依頼したい方
訪問査定では、不動産業者の担当者が物件を訪れて査定を行います。
しかし、プライバシーの面や時間の制約から、業者の担当者に会うことなく査定を受けたいと考える方もいます。
登録不要のマンション査定は、オンライン上での手続きのみで査定結果を得られるため、非接触での査定を希望する方々に特に向いています。
登録不要のマンション査定はおおよその相場価格を把握する目的で使用しよう
マンションの売却は、一生の中でも大きな決断の一つと言えます。
その際、現在の物件価値や市場の動向を知ることは、売却の際の参考情報として非常に重要です。
特に、現代の情報豊富な時代において、短時間で手軽にその情報を得る方法が増えてきました。
その代表的な方法の一つが「登録不要のマンション査定」サービスです。
このサービスの最大の特長は、手間をかけずに簡易的な情報入力で、マンションの大まかな相場価格を知ることができる点にあります。
しかし、その手軽さの裏には、詳細な情報に基づかない概算の価格が提供されるという事実もあります。
そこで、このサービスを利用する際の最適なアプローチとして、それを「絶対的な査定価格の指標」とするのではなく、「おおよその相場感を把握するための一つの参考」として利用することをおすすめします。
具体的な売却計画を立てる前の下調べや、大まかな市場価格の動向を知りたい時に、このサービスを活用することで、より賢明な不動産取引の第一歩が踏み出せます。