近年、安値で売りに出しているのに、売れ残ってしまう土地が増えています。
土地を売りに出しても買い手が現れなければ、管理の手間や維持コストは発生し続けます。
しかし、全ての土地が売れにくくなっている訳ではありません。土地の取引件数は2020年頃を機に下落してはいますが、その後も引き続き取引は行われています。
人気がなく買い手が現れない土地と、すぐに売れる土地はどこが違うのでしょうか?
土地が売れない主な理由【5選】
理由1】土地の条件が悪い
売りに出している土地の条件が悪い場合は、買い手需要が低く、売れ残る確率が高いです。
土地条件が悪いものとして、以下のものが挙げられます。
- 土地の形状が悪い
- 広すぎたり狭すぎたりと活用方法が定まらない
- 隣接する道路よりも土地が低い
- 敷地内に段差がある
- 敷地内に傾斜がある
- 線路や汚水処理場など険悪施設が近くにある
- 水道やガス管などが引けない
- 地中障害物が埋まっている可能性がある
などが挙げられます。
いずれか1つでも抵触する条件があれば、その条件に見合った価格で市場に出すのが妥当です。
理由2】土地の境界が明確でない
隣接する土地との境界線が明確化していない土地の売却は難しく、場合によって隣地所有者との裁判に発展する可能性があります。
隣地とのトラブルを避けるため、境界線が明確化していない土地の売買を知友介してくれる業者はなく、仲介依頼をするときに土地境界線が分かる書類提示を求められるケースが多いです。
理由3】土壌や地盤に問題がある
一見すると問題が無さそうな土地でも、地盤が脆弱だったり、土壌の汚染が見られたりすると買い手がつきにくくなります。
特に近年では住まいの耐震性への意識の高まりがあり、地盤の固さは需要が高まっています。
理由4】価格が需要に合わない
個人が売主の土地売買では、不動産会社による査定額を元に、最終的には売主側の判断で売り出し価格が設定されます。
この際、売主側のバイアスがかかり過ぎると、現在の時価(実勢価格)より大きく割高な価格設定となり、買い手に敬遠される可能性が高くなります。
理由5】契約している不動産会社に問題がある
仲介を依頼している不動産会社に問題がある可能性もあります。
作成した土地の広告が購入希望者の興味をひかない、広告が購入希望者の目に留まらない、もともと土地を売却する能力や実績が不足している、、などのケースも考えられます。
不動産会社側に問題がある例として、よく挙げられる例が囲い込みです。
囲い込みとは、販売活動や物件広告の流通を制限させたり、価格を抑えたりすることで、両手仲介を成立させることを狙った行為です。
囲い込みを受けると、成約までにかかる時間が長引き、成約価格も囲い込みを受けない場合と比べて下がる可能性があるので注意が必要です。
売れない・売れにくい土地の特徴
どんな実績のある不動産会社に売却を依頼しても、売れ残ってしまいがちな土地というのは存在します。
土地そのもののステータスが特殊で、多くの買主にとって需要がないためにこのようなことが起こってしまうのです。
ここからは売れない土地の傾向を紹介していきます。
土地の形状が悪い
宅地として売れる土地は、形が四角形に近いことが多いです。
住宅もほとんどが四角い形状をしているので、四角い土地のほうが形に対応しており、より大きな面積の家を建てられるのです。
一方で、売れ残ってしまいがちな土地は以下のようなものです。
- 三角地:形状が三角形
- 旗竿地:一部のみが道路に接している土地
- 台形地:台形状の土地
こうした形の悪い土地(不整形地)は、面積が良く好立地でも用途が限られてしまうので、売れにくい傾向があります。
面積が大きすぎる・小さすぎる
田舎の売れ残っている土地にありがちなのが、「アクセスが悪く用途も少ない割に、面積が大きすぎて価格が高い」というケースです。
このような大きすぎる土地は、売買をするにあたって結構なネックとなります。
この場合は、土地の分筆が有効です。
上記のように、元々一つの土地を、2つの異なる土地として登記をするのが分筆(分筆登記)です。
これにより、土地Aは所有して土地Bのみ売り出す、または土地Aと土地Bを違う人に売るといった対応が可能になります。
逆に、所有者が同じ隣接している土地を1つの土地として登記する、合筆(合筆登記)もあります。
立地が悪くアクセスしにくい
駅や学校、病院から遠い、そもそも農村地帯や限界集落の中にあり、転勤などで人が流入することが考えにくい…。
上記のような特徴を持つ土地は、そもそも需要が少ないので売れ残る可能性は高いです。
アクセスの悪さはどうしようもない部分があり、売れにくい立地であればある程度時間がかかることを覚悟しておく必要があります。
日当たりが悪い
ビルなどの高い建物に囲まれているような土地は日当たりが悪く、宅地や農地などの利用に向いていないと言えます。
日当たりが悪いと気分が落ち込む、洗濯物が乾きにくいという気分的なデメリットの他、カビが生えて処理にお金がかかるというコスト上のリスクも発生します。
建築基準法を満たしていない
土地が建築基準法を満たしていない場合、需要が大きく減ってしまいます。
建築基準法を満たしていない土地は、例えば以下のようなものです。
- 道路に面していない
- 接する道路が狭く、車が通れない
- 私道部分が建築基準法を満たしていない
- 接する間口の広さが2m以下
- 建ぺい率を超過している
現行の建築基準法を満たしていない場合、以前に建てられた建物は不問ですが、新たに建物を建てることはできません。
特に都市部など狭いエリアに多くの土地がある場合、道幅が狭すぎて建築基準法に抵触する可能性が十分あります。
周辺環境に問題がある
土地そのものに大きな問題がなくても、その土地の周辺にデメリットがある場合は、土地の需要も下がってしまうことがあります。
- 近隣住民との仲が悪い(手続きがスムーズに進まない)
- 暴力団事務所・新興宗教施設など、安定的な生活を脅かす施設が近隣にある
- トラブルメーカーが近くに住んでいる
- 近隣に空き家やゴミ屋敷がある
土地そのものに問題があってもお金を出せば改良できますが、周辺環境は変えることができません。
そういった意味では、周辺環境に問題があるほうが厄介と言えます。
面積が狭い
面積が狭すぎる場合、建てられる住宅の広さが限定されるので売れにくくなります。
一般的に住宅目的の方には15坪(60㎡)ほどが、事業目的(店舗設置)の方には30坪(100㎡)ほどが売りやすいと言われています。
また、田舎によくあるような広すぎる土地も有効活用できない上に価格が高いので売れにくいです。
土地が売れない時の対処法
対処法1】土地の実状を確認する
住まいとは遠方にある相続地などは、実際に売主が現況を自分の目で見ずに売りに出すこともあります。
ただ、基本的には売主自身が実際に現地へと赴き、土地やその周辺環境を自分の目で見ておいた方が良いでしょう。
不動産会社から送られた写真を見る限りは気にならなかったが、実際に目で見ると土地の荒れ方や雑草の伸び具合、周辺環境などが気になる可能性は十分あります。
対処法2】土地価格を見直す
土地がなかなか売れない時は、買主が土地価格を高いと感じていることが多いです。
最初の価格のまま6ヶ月売り続けても買主からのアクションがない場合は、売り出し価格からの値下げを考えましょう。
対処法3】契約先の不動産会社を見直す
契約先の仲介業者に問題がありそうな場合は、契約を解除して、別の不動産会社と契約し直すのも一つの手です。
業者変更の目安は売り出しから3ヶ月後です。媒介契約の更新期限が3ヶ月なので、このタイミングで変更をすると契約違反にもならずスムーズです。
不動産会社の対応が気になる場合は売主から改善の要望をしっかり伝えた上で、そこから1ヵ月~3ヵ月を目安に改善があるかどうかをチェックしましょう。
「元々、改善の要望を出していたが、1ヵ月経っても姿勢に変化がないため、契約を解除します」という伝え方であれば、売主側に非が及ぶことはありません。
不動産売却で仲介業者の変更・契約解除はできる?解約の流れや違約金が発生するケースについて解説
対処法4】とにかく処分をすることを優先する
近年では、価格を下げても売れ残り、無償で譲渡しようにも貰い手がないという状況の土地が増えています。
不動産を処分する手段がなく、仕方なく維持費を支払っている状態を「負動産」などと表現するケースが近年あります。
今後は少子高齢化の加速が地方から進み、こうした状況は年々増えていくと考えられます。
実際、地方の相続した土地が全く売れず、固定資産税などの支払いを続けている方も少なくありません。
このようなマイナスの事態にならないように、不動産会社への買取依頼や無償譲渡など、利益は少なくても素早く手放すことを優先するというのも一つの手です。
売れない土地を高く早く売るには不動産一括査定サイトを活用しよう
現在、不動産を高額売却した方の多くが利用するツールが一括査定サイトです。
これは土地のカンタンな情報を60秒ほどで入力するだけで、平均最大6社へ一括で査定依頼が出来る優れものです。
今までは売却に対応している不動産会社を探し、連絡して相談日時を決めて書類を持参し査定依頼…という流れを何度も繰り返さなければ複数社への査定依頼はできませんでした。
ただ、これでは時間がかかりすぎてしまいます。また、県外の不動産会社も査定・売却に対応していることがありますが、こうした優良業者を見逃してしまう危険性が高いです。
一括査定サイトは土地の所在を入力するだけで対応する業者が一覧表示されるので、業者を探す手間も省けます。
査定額の解釈はさまざまありますが、現在は査定額と売却価格はほぼイコールなので、高い査定評価のところと契約すれば少なくとも相場以上で売ることが可能です。
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