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マンション売却

築40年以上の古いマンションは売れる?売れ残りがちな築古マンションを売却する方法

古いマンション 売る
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中古のマンションは、築年数が浅いマンションほど売れやすく、築年数の古いマンションほど売れにくい傾向にあります。

近年はマンション価格が新築・中古ともに高騰して高く売れやすくなっている一方で、築年数の古いマンションはどんどん売れにくくなっています。

今回は、築年数の古いマンションを売るにはどうすれば良いのか、売れ残りのリスクも交えて解説していきます。

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Contents

築年数の古いマンションはどれくらい売れにくい?

一般的に、築年数の古いマンションのほうが売却する理由は多いので、市場にも多く出回っています。

公益財団法人 東日本不動産流通機構の発表によると、2023年に首都圏で売り出されたマンションのうち、築20年超のマンションが全体の69.6%を占めています。

年/築年数 築0~5年 築6~10年 築11~15年 築16~20年 築21~25年 築26~30年 築31~35年 築36~40年 築41年~
2013年 8.5 16.3 14.5 11.7 13.0 10.8 12.0 7.3 5.9
2014年 6.5 16.4 13.6 13.3 12.0 10.8 12.3 7.8 7.4
2015年 7.0 16.7 13.0 12.5 11.2 10.9 11.8 7.6 9.3
2016年 8.1 15.8 12.9 12.1 10.3 10.9 11.1 8.6 10.3
2017年 8.3 13.6 13.2 11.6 9.8 11.6 10.3 9.7 11.8
2018年 7.4 10.9 13.2 10.9 10.1 12.0 10.0 11.6 13.9
2019年 7.3 8.3 12.6 10.4 10.7 10.8 10.7 12.6 16.6
2020年 7.2 7.6 11.5 9.8 10.7 10.0 10.9 13.0 19.3
2021年 7.8 8.6 9.9 9.4 9.6 10.1 11.0 12.2 21.4
2022年 6.7 8.5 8.4 10.2 10.0 9.2 11.5 11.2 24.2
2023年 5.6 7.7 6.9 10.2 10.4 9.6 11.5 10.8 27.3
※:数値の単位 %

上記は、各年で新規に売り出されたマンションの築年数ごとの件数割合を整理したものです。これを見ると、特に築41年以上の築古マンションの売り出し件数が増えていることが分かります。

一方、同資料で紹介されている別データを見ると、築年数が古いマンションが売れ残る割合も近年増えていることがわかります。

年/(成約件数/新規登録件数) 築0~5年 築6~10年 築11~15年 築16~20年 築21~25年 築26~30年 築31~35年 築36~40年 築41年~
2013年 105 128 122 103 74 83 80 90 88
2014年 129 123 129 99 78 77 80 82 86
2015年 124 110 136 109 82 72 83 84 87
2016年 117 109 137 111 95 72 80 76 85
2017年 120 119 132 115 94 72 76 75 83
2018年 125 146 133 127 94 70 71 68 74
2019年 124 169 138 137 99 71 63 64 71
2020年 133 185 141 143 104 72 57 60 68
2021年 123 165 143 141 114 80 63 65 68
2022年 138 169 148 135 106 84 62 68 68
2023年 166 176 171 136 112 82 60 64 65

※単位:%(小数点1位以下は切り捨て)

こちらは、各年のマンションの売り出し件数と成約件数の割合をパーセンテージで表したものです。

これを見ると、特に築31年以上のマンションの数値が下落していることが分かります。

2023年の築31年以上のマンションの数値は60~65%となっています。これは、売り出し物件数の半数近くしか成約していないこととなります。

つまり、築年数の経過したマンションが売却に出されるケースは増えている一方で古いマンションが売れにくい状況は変わっておらず、売れ残るマンションの数も増えていることがわかります。

マンションの建物部分は築40年ほどで価値がほぼ0になる

マンションの多くは法定耐用年数に基づき、築40年前後で建物部分の価値がほぼ0になります。

購入時の価格がマンションの建物部分(1棟)が6,000万円、敷地部分が2,000万円だとすれば、築40年以降の価格は敷地部分の2,000万円のみで取引されるイメージとなります。

ただし、定期的な修繕などをおこなっていればマンションの価値はある程度維持できるので、実際に売り出されている築古のマンションで価格が0というものはありません。

しかしながら、マンションは一般的に築40年を目安に価値がなくなり、購入希望者も少なくなるという点は抑えておく必要があります。

築年数の古いマンションが売れにくい理由

理由1】見た目が古く状態が悪い

シンプルに、築年数の経過によってマンションの第一印象が古くなり、かつ内部もキズや凹みなどが目立つ、設備の故障などが起こっているという状態であるケースもあります。

この場合は、やはり買い手はつきにくくなります。

ただし、築古のマンションを購入する場合は、解体や建て直しを前提にしている買い手も多いため、状態の悪さはあまり考慮されないケースもあります。

理由2】法定耐用年数に基づくイメージがある

それぞれの建物には、構造に応じて法定耐用年数(安全に住める年数)というものが定められています。

構造 法定耐用年数
鉄筋コンクリート 47年
軽量鉄骨 27~19年
木造 22年

こちらは税金を計算するために必要な数値で、マンションで多い鉄筋コンクリート造(RC造)は、47年に設定されています。

ただし、前述の通り修繕などをおこなったマンションは、築47年を過ぎても安全で、かつ内装・外装も綺麗に保つことができます。

それでも、築年数が古いマンションは見た目が良くても内部の腐食や劣化などが起こっているのではないか?と思われて敬遠されるケースは良くあります。

理由3】住宅ローンの審査に通りにくくなる

前述の通り、マンションは築40年ほどを目安に建物価値がほぼ0になってしまいますが、これは住宅ローン融資での物件評価(担保評価)にも影響します。

担保の評価が低いと、住宅ローン審査には通過しにくくなります。築40年以上のマンションだと、担保ありのローンだと通過は難しくなるでしょう。

理由4】新耐震基準に適合していない

1981年6月以降に建築確認を受けたマンションは新耐震基準、それ以前は旧耐震基準と見なされます。

旧耐震基準では震度5強程度でも建物が倒壊しないことを基準としていますが、この時期に見直しが図られ、震度6強~7程度でも倒壊しないような構造基準が設定(新耐震基準)されました。

つまり、旧耐震基準のマンションは耐震性の面でかなりリスクがありますが、それとは別に住宅ローン融資が受けにくかったり、住宅ローン控除の対象外だったりするために需要が低いです。

また、旧耐震基準のマンションは地震保険料が高額になるというリスクもあります。

理由5】修繕積立金が割高になることが多い

修繕にかかる費用は築年数が古いほど高額になりやすいため、築年数が古くなるほど修繕積立金も高額になりやすいです。

修繕積立金が高額になるのは分譲マンションの居住者にとっても負担ですが、オーナーにとっても、築古でいつ居住者が退去するか分からない状況で値上げするのはリスクがあります。

理由6】現行の都市計画や周囲の状況とそぐわない

日本の土地はここ100年弱の間に開拓や舗装をおこなっていき、売り出されたところから買い手がついていきました。

そのため、都市部や繁華街のど真ん中に築古のマンションやビルが建っているケースは非常に多いです。

見方を変えれば立地が良いともとれますが、現行の都市計画や周囲の状況とそぐわず、売れにくいケースも多々あります。

例えば、繁華街の真ん中に建っている居住用マンションは築年数が非常に古いことが多いですが、治安の悪さなどから買い手がつきにくい傾向にあります。

築年数が古いマンションのメリット

メリット1】中古マンションの需要自体は上がっている

築年数の古いマンションの総数で見ると、売り出しても売れ残る数は増えていますが、一方で取引される件数も増えています。

中古マンションの売買市場への供給が非常に多くなっているのは確かですが、一方で過去だと買い手がつかないようなマンションが売れる機会も間違いなく増えています。

メリット2】立地が良く高く売れる可能性がある

前述の通り、築年数の古いマンションは立地が良く、周辺エリアの地価が非常に高いケースも少なくありません。

マンション自体の価値が既になくても、土地自体に大きな需要が見込めることで、高く売れる可能性があります。

築年数が古くても売れるマンションの特徴

特徴1】好条件下の立地に建っている

前述の通り、マンション自体に価値や魅力がなくても、立地が良ければ買い手がつく可能性があります。

商業利用の可能性なども考慮すると、法人などが買い手になる可能性も十分あります。

特徴2】過去に大規模な修繕がおこなわれている

マンションの価値はリフォーム・リノベーションによって大きく戻ります。

過去に大規模な修繕がおこなわれている場合、築年数が古くても価格を維持できているケースがあります。

築年数の古いマンションを売るコツ

コツ1】立地が良いマンションは収益物件化も検討する

前述の通り都市部などの好立地にある築古のマンションは、賃貸物件として一度運用してから不動産投資家に売る(オーナーチェンジ)やり方も考えられます。

築年数が古いマンションは賃貸物件としても人気を集めにくいですが、上手くいけば下記のようなメリットが発生します。

  • 築年数が古い状態で入居してきた居住者は、築古を理由に退去しにくい
  • マンションの価値がない状況から、「家賃収入を得られる」という価値を付加できる

ただし、このようなマンションに入居する方は金銭的に余裕がなかったり、不安定な職業についていたりすることも多いので、購入を渋られる可能性もあるため注意が必要です。

コツ2】水回りのハウスクリーニングや設備の交換をする

築年数が古いと浴室やトイレ、洗面所、キッチンなどの水回りの汚れや古さがどうしても目立ってしまうので、ハウスクリーニングなども検討すべきです。

また、水回りの設備が古いと生活が不便なので、新しいものに交換するのも一つの手です。

システムキッチンや温水洗浄便座への交換は、成約率を大きく改善する可能性が高いです。

コツ3】幅広いタイプの業者に相談する

築年数の古いマンションは、有効活用や円滑に処分することも想定して、下記のような様々な業者に相談してみることも検討すべきでしょう。

  • 工務店やリフォーム会社
  • 仲介売買業を営む不動産会社
  • 仲介売買にも対応している不動産投資(賃貸経営)の管理会社

様々なタイプの業者に相談をすることで、マンションを活かす最も良い選択肢が見えてくる可能性もあります。

コツ4】買取に出すことを検討する

仲介売却で売れない場合は、不動産会社に直接買い取ってもらうのも一つの手です。

不動産買取は一般的に仲介売却より価格が2~4割ほど落ちてしまいますが、不動産会社がリノベーションや解体を前提に購入するため、状態が悪いマンションでも成約がしやすいというメリットがあります。

ただし、築年数の古すぎるマンションは、再販までにかかるコストが高くつくため、買取を断られるケースも増えています。買取を依頼する場合も、できるだけ早いタイミングで依頼するようにしましょう。

古いマンションの売却に関する質問

ここでは、築年数が40年以上も経過している古いマンションを売却するうえで知っておきたいことや解決しておきたい疑問について解説して行きます。

築年数が40年以上経過しているマンションでも売却はできる?

築年数が40年以上経過しているマンションでも、売却はできます。

しかし、物件の年数が経過しているほど、構造的な劣化や設備の老朽化等が進んでいるので、売却価格は、新築や築浅の物件に比べて低くなります。

ただし、立地条件やマンションの設備、維持管理状況などによって価格が大きく変動します。

築年数が経過していても、良好なメンテナンスが行われているマンションは、十分魅力的な物件としてみなされます。

販売する際には、適切な価格設定や、物件の特徴を強調することが重要です。

築年数が古いマンションを売る前にリフォームやリノベーションを実施した方がいい?

築年数が古いマンションを売る前にリフォームやリノベーションを行うかどうかは、マンションの現状と販売戦略次第です。

一般に、リフォームやリノベーションを行うと物件の価値は上がりますが、そのための費用が価格に反映され、売却価格が上がるかどうかは必ずしも保証されません。

リフォームやリノベーションの費用対効果をしっかりと検討した上で、それが最終的な利益につながるかどうかを見極めることが大切です。

築年数が古くても高値で売れるマンションの特徴は?

築年数が古くても、高値で売れるマンションにはいくつかの共通した特徴があります。
築古でも高値で売れるマンションの特徴
  • 立地環境が良好
  • 交通機関へのアクセスが優れている
  • 周辺の商業施設や学校、病院などの公共施設が充実している

また、マンション自体の維持管理状況も重要な要素です。

定期的なメンテナンスが行われ、建物や共用部分が良好な状態を保っていると高く評価されます。

さらに、部屋の間取りやデザイン、眺望など、生活の質を左右する要素も価格に影響します。

築古のマンションを売却以外で有効活用する方法はある?

築古のマンションを売却以外で有効活用する方法としては、賃貸や民泊、リノベーション後の販売などが考えられます。

例えば、賃貸物件として活用した場合、一定の収入を得ることができますが、適切な価格設定や管理が必要です。

また、民泊ビジネスは需要がありますが、法規制等に留意することが重要です。

また、マンションをリノベーションしてから売却することも考えられます。

これらの選択肢は、自身の資金状況や時間、リスク許容度などによって選ぶべきものが変わるでしょう。

築古のマンションを売るうえで買い手が得をするような施策はある?

築古マンションを売却する際に、買い手が得をする施策としては、販売価格の妥当性、物件の情報開示、メンテナンス状況の提供などがあります。

物件の適切な評価を通じて適正な価格を設定すること、物件の現状や歴史、周辺環境などを詳細に開示することで、買い手は安心して取引が勧められます。

また、適切なメンテナンスが行われていることを明示することで、買い手は将来的なリスク軽減が図れます。

これらは買い手にとって価値ある情報となり、物件に対する信頼性を高める施策になります。

古いマンションも条件が良ければスムーズに売却できる

古いマンションを売却したいなら、早めに手続きを進めていくことをお勧めします。

こうすることで、余計に築年数が経過するのを防ぐことができます。

また、2020年以降はマンションがどんどん売れにくくなるリスクもあるので、まだ市場が安定しているうちに売り出したほうが成約率は高いです。

大事な資産の扱いに悩む方も多いかと思いますが、だからこそ早目に対応するようにしましょう。

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