運営:株式会社グローベルス [国土交通大臣免許 (04)第007845号]
マンション売却

旧耐震基準のマンションは売却できる?売れにくい理由と資産価値への影響・高く売るコツ

旧耐震基準 マンション 売却
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

地震への備えという観点から、耐震性能を重視する方は少なくありません。

特にマンションを購入するときは、耐震基準や耐震診断の有無を重視する方もいます。

旧耐震のマンションを売却したくても買い手がつかないのではないかと不安に思われる売り手の方がいらっしゃいますが、立地などの条件や売り方の工夫次第で、相場に見合った価格で売却することは十分可能です。

そこで今回は、旧耐震のマンションが売れにくい理由と所有し続けるリスク、高値で売却するコツをご紹介します。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定

旧耐震基準と新耐震基準の違い

項目 旧耐震基準 新耐震基準
施行開始時期 1950年(建築基準法の制定)
※1971年に一部改正
1981年6月1日以降の建築確認申請分
地震対策の考え方 中規模地震での倒壊防止を主目的 大規模地震(震度6強〜7)でも倒壊しない構造
震度の想定 震度5程度に耐えられる構造 震度6強〜7でも倒壊しない構造
構造計算 簡易的な設計が多く、応力の一部のみ考慮 地震力を複数方向から考慮し、詳細な計算が必須
耐震壁の設置 制限が緩やか(配置基準が不明瞭) 壁の量・配置のバランスが求められる
適用対象 1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物 1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物
耐震診断・補強の必要性 多くの建物で補強が推奨される 基本的に補強不要だが、劣化状況による

旧耐震基準は、現行の耐震基準が施行される以前に施行された耐震基準の名称です。

それぞれの違いは、耐震性能にあります。

旧耐震基準は、中地震に該当する震度5程度の地震に見舞われても、建物が倒壊せず、大きな損傷が生じないことを想定して定められています。

ただし、それ以上の規模の地震に耐えられることは想定していないため、大地震では建物の至る所で損傷が生じたり、倒壊したりする危険性があります。

一方の新耐震基準は、震度5強程度の地震ではほとんど損傷せず、震度6強〜7の大地震が発生しても倒壊や崩壊しない建物であることとしています。

ただしあくまで基準であり、設計によっては旧耐震基準の物件でも新耐震基準と同等の耐震性を備えている可能性がありますので、1度耐震診断を受けておくといいでしょう。

※旧耐震・新耐震の区別は、竣工日ではなく建築確認を受けた日で判断します。1981年6月以降に竣工したマンションでも、建築確認が5月31日以前であれば旧耐震基準となります。

旧耐震基準のマンションが売れにくい理由

マンションを購入する上で、耐震性を気にされる方は多く、「旧耐震基準」というだけで敬遠されたり、価格交渉で安く買い叩かれたりすることがあります。

ここでは、旧耐震のマンションが売れにくい理由を、4つご紹介します。

理由1】築年数が古い

買い手が付きにくい理由として一番大きいのは、築年数が古いということです。

旧耐震基準のマンションは、2026年時点で築45年以上が経過しています。新築志向が強い日本において、安く購入できる中古物件も「古い」という理由だけで買い手がつかず、数ヶ月売れ残ってしまうことが多々あります。

加えて、築年数が古いマンションともなれば、コンクリートの劣化や専有・共用部分の設備の劣化、故障が危惧されています。

コンクリートの劣化

頑丈なコンクリートも雨風にさらされれば、劣化してひび割れが生じます。

ひび割れから雨水が入り込むと、骨組みの役割を果たしている鉄筋がさびて、建物の強度に影響を及ぼします。

たとえ、新耐震基準のものであっても、築年数が古いという理由だけで買い手がつきにくいことがあります。

専有・共用部分の設備の劣化、故障

共用部分の設備は、定期的にメンテナンスを施していますが、12~15年程度の周期で大規模修繕や交換工事を行う必要があります。

定期的なメンテナンスが施されているとはいえ、故障や異常が発生することを頭に入れておきましょう。

専有部分の設備も同様です。

売却前に設備に異常がないかを確認しておくことはできますが、年数がすでに経っている状態なので、いつ故障や不具合を起こすかわからない状態です。

理由2】住宅ローン控除の適用に条件がある

住宅ローンを組んでマンションを購入される方が大多数を占める中、一定の条件を満たすと、年末のローン残高の0.7%を所得税(控除しきれない分は一部住民税)から控除できる制度があります。

それが住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)という制度です。中古住宅の場合、以前は築年数の要件がありましたが、2022年の税制改正で築年数要件は廃止され、1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅は新耐震基準に適合しているものとみなされるようになりました。

一方、それより前に建築された旧耐震のマンションは、耐震基準適合証明書などで現行の耐震基準を満たしていることを証明しなければ住宅ローン控除を利用できません。

住宅ローン控除が利用できれば、買い手にかかる負担軽減につながるため、利用することを前提にしている買い手が多いです。

理由3】住宅ローンの審査や担保評価が厳しくなりやすい

旧耐震のマンションは、金融機関によっては担保評価が低くなったり、融資の対象外とされたりすることがあります。

例えば【フラット35】では、建築確認日が1981年5月31日以前の住宅の場合、住宅金融支援機構が定める耐震評価基準などに適合していることが必要です。

買い手が希望する金額の融資を受けられなければ、購入を断念されてしまう可能性があるため、買い手が見つかりにくくなります。

※以前あった「すまい給付金」は2021年12月で受付を終了しています。

理由4】住宅取得資金の贈与税の非課税措置に条件がある

物件を購入するとき、親や祖父母から購入資金を援助してもらえる方がいます。

本来であれば、援助資金の金額に応じて贈与税が課せられますが、住宅の取得のための資金であれば、一定額まで贈与税が非課税になる特例があります。(2026年12月31日までの贈与が対象。省エネ等住宅は1,000万円、それ以外は500万円まで)

ただし、この特例も1982年1月1日以降に建築された住宅か、耐震基準を満たしていることが証明された住宅であることが条件となるため、証明のない旧耐震のマンションでは利用できません。

旧耐震基準のマンションを売らず保有し続けるリスク

旧耐震のマンションは、築年数が古いうえ負担軽減につながる制度利用に条件があるなどの理由から買い手がつきにくく、市場に出しても売れ残ってしまうことがあります。

それならいっそのこと、所有し続けるのが妥当と考える売主もいますが、長期間の所有にはリスクもあります。

リスク1】耐震診断の義務・改修費用の発生

2013年に改正された耐震改修促進法により、旧耐震基準の建物のうち、自治体が指定した緊急輸送道路などの沿道にある一定の高さ以上の建物(要安全確認計画記載建築物)には、耐震診断が義務付けられました。

対象外のマンションでも、耐震診断を受けて耐震性が不足していると分かれば、耐震改修工事の検討が必要になります。耐震診断の費用は建物の規模によって変わるほか、結果次第では耐震改修工事を実施しなければならないため、多額の費用が発生します。

※多くの自治体で、マンションの耐震診断・耐震改修に対する補助制度が設けられています。

リスク2】修繕積立金の負担

築年数を経るごとに修繕積立金が割高になっていくことが多いので、所有し続けている以上は売り手負担で支払いをしていかなければなりません。

加えて、固定資産税や都市計画税などの税金もかかってくるため、ランニングコストだけで計算するとかなりの費用を捻出する結果になります。

リスク3】エリア需要がなくなる

建物の需要は、建っているエリア状況や環境なども作用しています。

今ある環境や状況が未来永劫続くということはなく、人口減少が激しい地域ほどエリア需要が低落しているため、いざマンションを市場に出しても買い手がつかずそのまま売れ残ってしまう状態が続きます。

リスク4】地震による倒壊の危険性

築年数を経れば、コンクリートの劣化が進み、適切な修繕がおこなわれていないマンションでは耐震性が低下するおそれがあります。

マンションも人の手入れが入ることで、劣化そのものを遅くすることができますが、空室のまま誰も使っていない状態が長く続くと、室内の設備なども劣化して買い手がますますつかない状態になります。

旧耐震基準のマンションは、大地震が来た場合に大きな損傷や倒壊・崩落を招く危険性が新耐震基準のマンションより高いとされています。

旧耐震のマンションを高値で売るための工夫

築年数が古く制度利用に条件がある旧耐震のマンションも、売り方に工夫を凝らせば、買い手がついてスムーズに売却できる可能性が高まります。

ここでは、旧耐震のマンションを高値で売却するための工夫を4つご紹介します。

工夫1】リフォームプランをセットして売却

築年数が古いマンションや戸建て住宅を売却するとき、リフォームしてから売却する方がいますが、その時にかかった費用をそのまま売却価格に上乗せできるとは限りません。

そのため、売却前にリフォームするのではなく、リフォームプランをセットにしてマンションを売却する方法がおすすめです。

プランを付けるだけで、買い手が入居後の住まいをイメージしやすくなり、購入意欲を刺激できるほか、リフォーム業者探しの手間が省けたり、管理組合とのやり取りをサポートしてもらえたりするなど、買い手にとって得となることが多々あります。

工夫2】耐震基準適合証明書の取得

2つ目は、耐震基準適合証明書の取得です。

耐震基準適合証明書は、建築士などが耐震診断をおこない、現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類です。マンションの場合は建物全体の耐震診断が必要になるため、管理組合の協力が欠かせず、売主個人の判断だけで取得するのは難しいのが実情です。

管理組合ですでに耐震診断を実施している場合や、耐震改修工事を済ませている場合は、その結果をもとに取得できることがあるので、まずは管理組合に確認してみましょう。また多くの自治体が耐震診断・改修に補助金を出しているので、ある程度の負担軽減にはなります。

証明書を取得できれば、買い手は住宅ローン控除や住宅取得資金の贈与税の非課税措置などの制度を利用できるようになります。

※住宅ローン控除に使う場合、証明書は買主が物件を取得する日前2年以内に調査が終了したものである必要があるなど、時期の要件があります。

工夫3】既存住宅売買瑕疵保険を付保して売却

旧耐震基準のマンションを売却するときは、既存住宅売買瑕疵保険を付保して市場に出すと買い手が付きやすくなります。

瑕疵とは、取引対象の物件に雨漏りや構造上の不具合などの欠陥があることを指します。既存住宅売買瑕疵保険は、引き渡し後に構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に欠陥が見つかった場合に、補修費用などが保険金で支払われる保険です。

瑕疵保険の加入は義務ではありませんが、加入には検査で現行の耐震基準に適合していることなどが必要なため、付保されていれば買い手は住宅ローン控除の耐震要件を満たしていることを証明できるメリットがあります。

ただし、マンションの場合は共用部分の検査なども必要になり、旧耐震の建物では加入できないケースも多いため、不動産会社や検査事業者に事前に相談しましょう。

工夫4】買取保証・直接買取を視野に入れる

ここまで3つの工夫をご紹介してきましたが、必ず買い手が付くというわけではありません。

周辺環境の状態や需要が作用して売れないということも、考えられます。

仲介売却を利用して売却する方が、高値で売れる可能性が高いのは確かです。

しかし買い手がつかなければ、意味を成しません。

そんな問題を解決するために、仲介の媒介契約を締結するときに買取保証を不動産会社と結んだり、直接業者買取を依頼することを視野に入れておきましょう。

買取保証

買取保証は、仲介で売り出す期間をあらかじめ定めて、その間に買い手が現れなければ、事前に決めた価格で不動産会社に物件を買い取ってもらう保証です。

仲介売却と業者買取の2つの方法を利用できるサービスですが、定めた期間内に買い手がつかなければ、業者買取となるため、売却価格が仲介売却時よりも低くなってしまうデメリットがあります。

業者買取

業者買取は、買い手を探す手間を省いて直接業者と物件売買を行う方法です。

売却価格は、買取保証同様、仲介売却で売れた時の価格の6~8割ほどになってしまいますが、条件が合えば数日~数週間程度で現金化できるうえ、仲介では買い手がつきにくい物件でも手放せる可能性があります。

旧耐震のマンションも周辺環境・条件が好条件ならそのまま売却可能

旧耐震のマンションも、周辺環境や条件が良好でエリア需要があるなら、そのままの状態で市場に出しても問題ありません。

物件購入を検討されている方の中には、耐震基準を気にされている方もいますが、最寄り駅まで近いことや商業施設が充実しているなどの利便性を重視して購入される方も多いです。

また住居用として購入される方の他に、投資物件として安い中古マンションを購入される方もいます。

旧耐震のマンションを売却する前に無料査定を実施する

不動産一括査定サイトの仕組み

築年数が古いなどの理由から安く買い叩かれることが多い、旧耐震基準のマンションも工夫次第では買い手の目に留まりやすい物件に変わります。

またマンションが建っている周辺環境や状況に需要があるなら、そのままの状態で市場に出しても買い手が付く可能性があります。

購入者の意図としては、住居用として購入される方が大半を占めますが、安く購入できるということをメリットに投資物件として購入を検討されている買い手も存在します。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定