自動車や医療、通信関連に農業などと人工知能AIの活躍の場面は拡大の一途をたどっています。私たちの生活に必要不可欠といっても過言ではありません。
そんな人工知能AIの機能を駆使した自動査定が不動産査定の現場に大きな影響をもたらし始めています。
まだまだ完璧とまではいえませんが、人間の力と組み合わせることで、不動産業界の更なる成長が期待できます。
詳細について見てみましょう。
AIによる不動産の自動査定とは?
土地や戸建て住宅、マンションなどの不動産を査定する方法も時代の進化に伴い大きく変化しています。不動産査定の現場にも、人工知能AIの技術が使われるようになってきました。ここでは、自動査定について見てみます。
搭載された人工知能AIが不動産の価格を自動査定
成長を続ける人工知能AIは、不動産の現場での活用も現実のものとなってきました。
最先端のITスキルや技術を持つプログラマーやエンジニアなどによって開発された人工知能AIによって、さまざまな土地や戸建て住宅、マンションなどの不動産の価格を自動査定してくれます。
人工知能AIには、人間の頭脳を遥かに上回るだけの能力が搭載されており、膨大に蓄積されたデータベースを基に瞬時に具体的な数値をはじき出すことが可能です。
AIが処理できる情報は年間約120万件!
「どれだけ人工知能AIには実力があるの?」という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
実際のAIの能力については疑問視する人がいるのも事実です。まだまだ進化の途中という見方をする人もいますが、現在でも年間約120万件の情報処理が可能といわれています。
ここに人工知能やビッグデータなどの技術が加わることで、更なる進化が期待できるでしょう。
年間約120万件という処理能力も確かに目を見張るものがありますが、これでも道半ばというのが関係者の見立てです。
AIによる不動産の自動査定と従来の査定との違い
従来の査定と人工知能AIを用いた自動査定の違いについても気になるところです。
格段に増した処理能力の違いは、ずばり搭載された機能の品質や精度の違いということができるでしょう。従来の査定の現場とは異なり、人間の介在が無くて済むことも大きいといえるのではないでしょうか。
自動査定では、膨大な量のデータを基に分析や解析をすることによって瞬時に査定結果を導き出すことができます。
今までのネット査定はあくまで利用者と業者の仲介
インターネットの登場以来、ネット査定も多くの人のために役立ってきました。
自らの希望する不動産や戸建て住宅、マンションなどの情報を指定されたフォーマットに入力することで、ある程度正確な情報を簡単に入手することができます。
このネット査定が登場したおかげで、利用者にとっては大きな利便性がもたらされたといえるでしょう。
しかしながら、このネット査定はあくまでも、利用者と不動産業者の仲介に過ぎないことも現実です。
AIの自動査定は不動産会社に個人情報が一切もれない
人工知能AIを用いて行われる自動査定が広く受け入れられているのは、従前よりも遥かに優れた処理能力を持っていることだけが理由ではありません。
むろん、それも大きなメリットに違いはありませんが、それよりも大きな理由として不動産業者に個人情報が一切もれることがないということが挙げられます。
先に述べたネット査定は、パソコンやスマホなどを用いて簡単に査定ができるという点では使いやすいのですが、個人情報が不動産業者に漏れてしまうというリスクについても否めません。
不動産をAIで自動査定するメリット
売却を検討している不動産を自動査定することのメリットは多岐にわたることになるでしょう。
最も大きなメリットは、基本的に誰にも知られることなく、査定額を知ることができるという点です。
誰にも知られなければ、余計な心配をしなくて済むことにもなります。
自動シミュレーションを活用しての査定では、自らが情報を漏らさない限り、他人にその事実を知られることは一切ありません。
個人情報が流出しない!しつこい営業が来る心配なし
人工知能AIを使った自動シミュレーションによる査定では、個人情報が一切流出しないということは先述した通りです。そのため、しつこい営業に悩まされることもないでしょう。
ネット査定をすることで、個人情報が出回ることになります。
そうすることで、不動産業者やハウスメーカー、住宅販売会社などの営業担当者は自らのノルマや目標を達成するために、見込み客として執拗にアプローチをしてくることが予想されます。
自動査定では、そのような心配をすることがなく安心です。
査定額の推移グラフなども提示してくれる
自動査定では、現在の査定額のみならず、希望すれば過去からの推移のグラフや将来予測される推移についても提示可能です。
これも人工知能AIを用いての取り組みの一つといえるのではないでしょうか。
これまで収集したビッグデータを活用するとともに、地価や路線価などの将来の推移についても予測できることも強みといえるでしょう。
「過去はどうだったのか」ということを知ることができれば、一層興味がわくことにもなるかもしれません。
どの地域の不動産も高精度の査定ができる
「日本中どこでも高い精度の査定ができるか」という点についても、不動産業者に査定を依頼する場合にはいささか疑問を持たざるを得ません。
なぜなら、良質な不動産業者の数には限りがあることに加えて、信頼できる不動産業者自体が存在しないという地域もあるからです。
このような現実を考慮した場合、やはり自動査定への期待が高まることになるでしょう。
AIは査定価格をスピーディに算出できる
自動シミュレーションに高評価の意見や声がたくさん寄せられる要因として、査定価格をスピーディーに算出できるという点が挙げられます。
希望する土地や戸建て住宅、マンションなどの不動産のデータを入力するだけで、あっという間に計算できるのが自動査定の特徴です。
しかも、はじき出される数字は、あくまでも客観的なものであり、そこに一個人の思惑や願望などが影響を与える余地は一切ありません。
不動産をAIを使って査定するデメリット
不動産査定でAIを使うとメリットも多いですが、反対に次のようなデメリットもあります。
- 地方物件や戸建ての査定には向いていない
- 査定を不動産会社探しに活用できない
- 物件の特徴を査定に反映しづらい
AIはあくまでデータ上の数字を反映して計算するだけなので、物件ごとの特徴や魅力を計算に入れづらいです。
以下にそれぞれ解説していきます。
地方物件や戸建ての査定には向いていない
AI査定はマンション査定には向いていますが、地方物件や戸建ての査定に向いていません。
AI査定は類似物件の取引情報データを活用して計算されるので、データが少ない地方物件や家ごとに特徴がある戸建ての査定はAIには難しいです。
地方物件や戸建ての物件でAI査定をする際は結果を参考程度に考えておき、詳しい査定は複数の不動産会社に訪問査定を依頼して、正確な査定金額を算出してもらいましょう。
査定を不動産会社探しに活用できない
AIで査定をしたとしても、不動産会社探しに役立てることはできません。
大まかな査定価格が分かるAI査定は便利ですが、最終的な売却金額と成約価格は不動産会社によって異なります。
特に戸建ての場合、不動産会社ごとに査定金額も変わりやすくなっているので、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
不動産会社に査定を任せると、査定金額に根拠の根拠や売却活動の進め方など、単純な金額以外の面を説明してくれます。
しかし、AI査定はあくまでデータ上の数字を計算するだけなので、売却に関する情報を聞くことができません。
そのためAI査定をしても、不動産会社選びをする際は二度手間になります。
最初から不動産売却を考えている人は、不動産会社の査定を受けて信頼できる相手かを見極めて選ぶ必要があります。
物件の特徴を査定に反映させづらい
現状、AI査定は過去データを元に査定を行います。
そのためデータが多い都市部のマンション価格は正確に出せますが、物件のデザインや周辺の環境など、物件の特徴を査定額に反映させづらくなっています。
特に戸建て住宅の場合は場所だけでなく、それぞれデザインに特徴があるため査定金額がずれやすくなっています。
正確な査定結果を得るためには不動産会社の訪問査定を受ける必要があります。
不動産の査定をAIでおこなう際の注意点
人工知能AIの機能を十分に発揮することで、大きく活躍を見せる自動査定ですが、不動産の査定額を算出するにあたっては完璧というレベルにまでは達していないことも現実です。
「個人情報の流出の心配が一切ない」や「スピーディーに査定額を計算してくれる」などといったメリットがある一方で、目視による物件の隅々までの確認のような細かな点が課題ともいわれます。
利用する際には、そのような点への留意が必要といえるでしょう。
AIは不動産の現状を確認できない
人工知能AIによる自動査定の場合、あくまでも立地条件や築年数、間取りなどといった客観的事実に基づく査定となります。
そのため、不動産物件の管理が行き届いているかや日当たり、土壌汚染の有無などといったことは分かりません。
そういう意味では、自ら赴くなどして現状を確認する必要があるのは事実です。この点は、人工知能AIが抱える課題ともいえるのではないでしょうか。
AIは買主のニーズを想像できない
人工知能AIは、膨大な量のデータを収集そして分析する能力には長けており、疑う余地はありません。
しかしながら、人間の心の中までを読み解くレベルにまでは達していないというのが実態です。
買主によっては、最寄り駅までの距離が近いことよりも、ペット飼育可ということを重視する人や、築年数は古くてもバルコニーからの眺めが良い物件を希望するなどのように、ニーズがそれぞれ違います。
このニーズを想像することは、まだまだ人工知能AIには難しいかもしれません。
不動産の自動査定をしても売却はできない
不動産査定の自動シミュレーションができたとしても、必ずしも物件の売却ができるとは限りません。
あくまでも売り手と買い手の合意がなされることが売却の条件です。
人工知能AIは確かに進化を遂げていますが、単独で契約にこぎつける段階までには到達していないのが現状といえるでしょう。
不動産売買の現場で求められるのは、自動査定を上手く活用しながら、要所で人間が介在していくということではないでしょうか。
不動産売却時は必ず査定→契約の流れ
不動産売却が成立する時の流れは、先ず査定が行われます。
万一、査定結果に満足することができなければ、契約にまでこぎつけることは難しくなるでしょう。
ネットワークサービスの充実により、不動産売却は従前よりも明らかに利便性が増しています。
昔であれば不動産屋任せにしていた査定や売却についても、利用者の意向が大きく反映されるようになりました。
自動査定の登場により、その傾向は一層強くなっています。
自動査定はあくまで参考程度に使おう
人工知能AIを駆使した自動シミュレーションの登場により、不動産売買の現場には一層活気がみなぎっているといっても良いかもしれません。
特別なスキルやノウハウは必要とせず、パソコンやスマホなどのデバイスさえあれば、誰でも簡単にできる自動査定への期待は高まるばかりです。
しかしながら、自動査定に過度に依存することなく、参考程度に使うことが得策といえるのではないでしょうか。
人工知能AIが苦手とする物件内部の確認作業は訪問調査で補完するなどといった取り組みも必要です。
AIによる不動産自動査定のおすすめ活用方法
「自動シミュレーションの上手な活用方法とは?」と気になる人もいるでしょう。
先にも述べたように、自動査定は基本的に対象となる物件の立地条件や築年数、間取りなどの客観的要素に基づいて算出されます。
そのため、ある程度の正確性を持っていることは間違いないといえるのではないでしょうか。
何社かの不動産業者を比較する際の参考としてAIのはじき出す数字に着目するのも良い方法です。
①AIの自動査定からそもそも売るべきか・いくらを目指すかを決定
自動査定の結果を、そのまま信用することは避けなければいけませんが、ある程度の信憑性の高さは確保できているといえるでしょう。
具体的な結果をベースにして、「売るべきか」や「売却するならいくらを目指すか」などといった目標にするのも一つの方法です。
もし、自らの希望額とあまりにもかけ離れているとするならば、その希望額は実態に合っていないと断念した方が良いかもしれません。
特に早めの売却を目指す場合、過度の固執が売却の好機を逃すことにもつながりますので注意したいところです。
②AIの自動査定額を基準に複数社の査定額を比較
人工知能AIに基づく自動査定の売却額を基準にして、複数の不動産業者の査定額を比べてみるのも一つの方法です。
それぞれの不動産業者の強みや特徴、販売実績なども同時にチェックしてみるのも良いのではないでしょうか。
口コミや評判などはもとより、実際に売却経験を持つ人の体験談も大いに参考になります。
「早めに売却したい」と焦る気持ちは理解できますが、後悔しないためにもしっかりと情報収集しましょう。
③AIの自動査定からかけ離れた評価の業者はリスクが大きい
不動産業者を比較する場合、突出して高い査定額を提示する業者があるケースも考えられます。
このような業者には注意が必要です。売却額を高く提示することで、利用者の気を惹こうという作戦かもしれません。
また、倒産や経営不振に陥っている可能性もあるでしょう。
いずれにしても、自動査定の計算からかけ離れている評価を打ち出す業者に対しては距離を置いた方が無難です。
人が行う不動産査定は机上(簡易)査定と訪問査定の2種類
不動産の無料査定では、机上査定と訪問査定の2種類の査定方法があります。机上査定とは、読んで字のごとく「机の上で行われる」査定です。
机上査定の最大の特徴は、実際に現地に赴くことなく完了することです。そのため、あくまでも概算というレベルとなってしまいます。
一方、訪問査定は、机上査定の結果に基づき実際に現地を訪問する査定です。現地に足を運んで見なければ知りえないことも把握することができます。
不動産を売る際は訪問査定を必ず実施しないといけない
不動産の売却を決める際には、訪問査定をすることが必要です。
現地に赴くことがない机上査定のみで売却を決断するのはあまりにもリスクが大きいといえるのではないでしょうか。
現地に行ってみなければわからないこともたくさんあります。
例えば、発生して間もない地盤沈下や窓からの眺めなど、知らずに契約してしまえば後悔することになるでしょう。
一方、リフォームなどによって反対に不動産としての価値が上がるケースもあります。
最初は机上査定を選ぶほうが優良業者を見つけやすい
「机上査定にするかそれとも訪問査定にするか」と迷う人もいるのではないでしょうか。
おすすめな方法は、最初は幅広く業者を選択できる机上査定にする方法です。
いきなり、訪問査定を選択することも悪いことではありませんが、優良業者を見つけられない恐れもありますので注意しましょう。
先ずは机上査定で、ある程度の数に絞り、その後訪問査定で更に絞り込むという方が優良業者にあたる可能性が高くなります。
不動産査定の自動シミュレーションは活用次第で高額売却のカギになる
人工知能AIの技術を駆使する自動シミュレーションは大きなポテンシャルを秘めています。
まだまだ改善点はあるものの、既存の技術と組み合わせることで更なる進化が期待できます。
使い方次第では、不動産の高額売却をもたらすことも十分に期待可能です。