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不動産売却

不動産評価額とは?5種類の価格の調べ方と計算方法・評価の仕組みをわかりやすく解説

不動産評価額とは
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評価額 実勢価格(時価) 公示地価(基準地価) 相続税評価額 固定資産税評価額 鑑定評価額
内容 不動産の市場価格(市場に売り出した時に購入されるであろう価格) 国・都道府県が調査・算出する、あらゆる評価額の基準となる金額 相続税を計算する際の基準になる価格(不動産評価額) 固定資産税を計算する際の基準になる価格(不動産評価額) 市場の影響を排した、不動産の純粋な評価に関する金額
利用するケース 不動産会社(仲介業者)による無料査定など 地価推移による今後の経済動向の分析など 相続税の計算 固定資産税の計算 財産分与や、公的な書類に記載するための不動産価格の算出など
計算する人 不動産会社など 国・自治体 市区町村 市区町村 不動産鑑定士
計算方法
  • 取引事例比較法:過去の取引事例を元に算出
  • 原価法:再建築時にかかる費用から算出
  • 収益還元法:収益物件としての利回りや予想収益から算出
国・自治体が決めた1地点につき、1人以上の不動産鑑定士が毎年7月1日時点の価格を算出(公表は毎年9月ごろ)
  • 建物:固定資産税評価額と同一になる
  • 土地:路線価方式もしくは倍率方式で算出
  • 建物:原価法(再建築価格方式)で算出
  • 土地:路線価方式(市街地)また標準宅地比準方式で算出
  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法

上記の3つ、またはいずれかの方法で計算した上で、鑑定士が調整をおこなう。

チェックする方法
  • 不動産会社に査定をしてもらう
  • データベースで過去の成約価格をチェックする
国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」から確認する
  • 建物:固定資産税の課税明細書をチェックする
  • 土地:国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」から確認する
  • 建物:固定資産税の課税明細書をチェックする
  • 土地:国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」から確認する
不動産鑑定士に有料で依頼する

不動産の価値を知ろうと思っても、なぜ価値を知りたいかの理由がはっきりしていなければ、正しい価値を知ることはできません。

  • 住まいとして売った場合、いくらになるか
  • 投資用物件として投資家に売った場合、いくらになるか
  • 相続や財産分与で、不動産にいくらの価値があることにするか

例えば、同じ物件でも上記のような目的の違いによって、価格も計算方法も異なります。

このような、不動産の価値を金額に表したものが評価額であり、目的によって様々な種類があります。

今回は、不動産の評価額の内容と計算方法をわかりやすく解説していきます。

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不動産評価額の内容と計算方法【全5種類】

不動産評価額は大きく分けて5種類あります。

不動産の評価額【5種類】
  • 実勢価格(時価)
  • 公示地価(基準地価)
  • 相続税評価額
  • 固定資産税評価額
  • 鑑定評価額

それぞれ、計算方法や調べる目的が異なるので、違いをしっかり理解しておきましょう。

ここからは、それぞれの評価額の違いを分かりやすく解説していきます。

実勢価格(時価)

内容 市場で実際に売買されるであろう価格。不動産取引における「現在の価値」を表す。
利用するケース 売却・購入・仲介査定・資産評価・離婚時の財産分与など
計算する人 不動産会社、査定専門業者など
計算方法
  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法
チェックする方法
  • 不動産会社による査定
  • 国交省「不動産情報ライブラリ(旧:土地総合情報システム)」やREINS成約データなどの事例調査

実勢価格は、売却時や不動産の資産価値を判断する際に最も参考にされる評価額です。

この実勢価格は、その不動産を売って購入された時の商品価格(成約価格)であり、本来の不動産の価値とは似て非なるものです。

実勢価格は市場の需要と供給のバランスによって決まります。例えば、日本一高い高層マンションの最上階、名作映画のロケに使われた建物などは、実際の価値以上に高値で取引される可能性が高いです。

実勢価格は法律上の裏付けがあるわけではなく、売主と買主が合意した価格となるので誰がいくらで買うかによって価格は流動的である点に注意が必要です。

不動産会社による査定で用いられる実勢価格の見積もりは、以下3つの評価法を物件ごとに使い分けて、あるいは複数の方法を組み合わせて算出されます。

査定価格の評価手法
  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法(直接還元法・DCF法)

実勢価格の見積もり方法1】取引事例比較法

取引事例比較法とは、近隣エリアで過去に取引された似た物件の価格を参考にし、対象不動産の価値を算出する方法です。
不動産仲介における査定では、最も一般的に用いられています。

以下のような取引事例を用いて、価格調整と比較を行います。

物件 坪数 売買価格
家A(対象物件) 50坪
家B 60坪 3,000万円
家C 70坪 4,000万円

これらの事例から、家Aの想定価格は以下のように計算できます。

家Aの想定価格
(3000万円÷60 + 4000万円÷70) ÷ 2 × 50 ≒ 2,678万円

上記は取引事例比較法の仕組みをかなり簡略化したもので、実際はさらに複数の成約事例を比較したり、建物の築年数・間取り・接道状況・地形など複数の補正要素が加味されるのでより複雑な計算となります。

実勢価格の見積もり方法2】原価法

原価法は、対象となる建物が「今、同じものを新築した場合にいくらかかるか」を再調達価格とし、そこから築年数に応じた減価修正を行って評価額を求める方法です。

計算式は以下の通りです。

原価法の計算式
価格 = 再調達価格 × 延床面積 ×(残耐用年数 ÷ 法定耐用年数)

耐用年数は構造別に国税庁が定めており、例は以下のとおりです。

構造 法定耐用年数
木造 22年
軽量鉄骨造(厚さ3〜4mm) 27年
鉄筋コンクリート造(RC造) 47年

例えば、木造住宅(延床90㎡/築21年/再調達価格13万円/㎡)の査定価格を原価法で求める場合、(13万円 × 90㎡) × (1 ÷ 22) = 約526万5000円となります。

実勢価格の見積もり方法3】収益還元法

収益還元法は、賃貸アパート・テナントビルなどの収益物件に特化した評価手法です。

対象物件が生み出す収益性に着目し、将来得られるであろう利益を現在価値に割り戻して評価額を算出します。

収益還元法には2種類の手法があります。

  • 直接還元法:年間の家賃収入 ÷ 還元利回り
  • DCF法(ディスカウントキャッシュフロー):将来の収益と売却価格を、一定の割引率で現在価値に換算

たとえば、年間賃料120万円、利回り6%の場合、直接還元法だと120万円 ÷ 0.06 = 2,000万円と算出できます。

一方、DCF法では賃料収入の変動・修繕・売却益まで加味されるため、中長期の投資判断に適した精密な手法とされています。下記がDCF法の計算例ですが、初心者には難しいため不動産会社に計算を依頼するのが一般的です。

DCF法を用いた査定額の計算例

【計算式】
査定額【DCF法】=各年の純収益(NOI)÷(1 + 割引率)^年数+最終売却価格÷(1+割引率)^保有年数

【条件】
年間賃料収入:1年目300万円、2年目320万円、3年目340万円
運営経費:50万円/年(固定)
割引率:5%
保有期間:3年
最終売却価格:5,000万円

【計算例】
各年の純収益:1年目:300万円-50万円=250万円
       2年目:320万円50万円=270万円
3年目:340万円50万円=290万円
各年のキャッシュフローの現在価値:1年目:250万円 ÷ (1 + 0.05)^1=238万円
2年目:270万円 ÷ (1 + 0.05)^2=245万円
3年目:290万円 ÷ (1 + 0.05)^3=250万円
最終売却価格の現在価値:5,000万円÷(1+0.05)^3=4,319万円
査定額の計算:238万円+245万円+250万円+4,319万円=5,052万円

以上より、査定額は5,052万円と計算されます。

公示地価(基準地価)

内容 国・都道府県が調査・算出する、あらゆる評価額の基準となる金額
利用するケース 地価推移による今後の経済動向の分析など
計算する人 国・自治体
計算方法 国・自治体が決めた1地点につき、1人以上の不動産鑑定士が毎年7月1日時点の価格を算出(公表は毎年9月ごろ)
チェックする方法 国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」から確認する

公示地価(基準地価)は、国や都道府県が年1回のペースで公表している土地価格で、「全国地価マップ」というデータベースで調べることができます。

全国地価マップ

公示地価(および基準地価)は、国または都道府県が毎年1回選定した標準地に対して価格を付けたものであり、「全国の地価の目安」として使われます。

不動産鑑定や公共施設の用地取得(いわゆる立ち退き)などでも基準となり、市場価格(実勢価格)の8割程度で設定されることが一般的です。

路線価を使って土地の売買価格を査定しよう!路線価図の見方・計算方法

相続税評価額

内容 相続税を計算する際の基準になる価格(不動産評価額)
利用するケース 相続税の計算
計算する人 市区町村
計算方法
  • 建物:固定資産税評価額と同一になる
  • 土地:路線価方式もしくは倍率方式で算出
チェックする方法
  • 建物:固定資産税の課税明細書をチェックする
  • 土地:国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」から確認する

相続税評価額は、国税庁が公表する路線価や倍率に基づいて算出される評価額です。

実勢価格よりも2〜3割低くなることが多く、節税効果を見込んだ評価方法として活用されます。

また、相続税評価額は建物と土地で異なる評価となります。

相続税評価額の算出
  • 建物の場合:固定資産税評価額と同額
  • 土地の場合:路線価方式か倍率方式で求められる

建物の相続税評価額の計算方法

自宅など居住用建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同額で評価されます。

これは自治体が3年に一度見直しを行っており、毎年送付される課税明細書で確認可能です。

なお、賃貸住宅など収益物件の場合は、貸家評価として固定資産税評価額 × 70%が相場目安とされています。

土地の相続税評価額の計算方法

土地の相続評価では、主に以下の2つの方式があります。

土地の相続税評価額の求め方
  • 路線価方式:路線価(1㎡あたりの単価)× 面積 × 各種補正率
  • 倍率方式:固定資産税評価額 × 地域ごとの倍率

都市部などでは路線価方式、農地や郊外などでは倍率方式が多く採用されています。

倍率方式

例えば上記の場合、八丈島八丈町末吉の宅地の倍率は1.1となっています。

この土地の固定資産税評価額が1000万円なら、宅地は倍率方式で1000万円×1.1=1100万円となります。

固定資産税評価額

内容 固定資産税を計算する際の基準になる価格(不動産評価額)
利用するケース 固定資産税の計算
計算する人 市区町村
計算方法
  • 建物:原価法(再建築価格方式)で算出
  • 土地:路線価方式(市街地)また標準宅地比準方式で算出
チェックする方法
  • 建物:固定資産税の課税明細書をチェックする
  • 土地:国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」から確認する

固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有する人に対してかかる税金です。

課税額は固定資産税評価額を基に算出されますが、毎年送られる書類(通知書)に記載があるので、それを参照することが多いです。

固定資産税評価額は、3年に一度の評価替えで見直され、市町村によって独自に定められます。

建物部分は再建築費を基準に、築年数・構造・仕上げ等で調整されます。

土地部分は路線価や標準宅地の比準で評価され、課税の公平性を担保するため、実勢価格よりも低く設定される傾向があります。

鑑定評価額

内容 市場の影響を排した、不動産の純粋な評価に関する金額
利用するケース 財産分与や、公的な書類に記載するための不動産価格の算出など
計算する人 不動産鑑定士
計算方法
  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法

上記の3つ、またはいずれかの方法で計算した上で、鑑定士が調整をおこなう。

チェックする方法 不動産鑑定士に有料で依頼する

鑑定評価額は、法的効力を持つ不動産価格として用いることができる数少ない評価基準であり、資産評価の証明・争訟用の証拠としても活用されます。

※遺産分割や離婚時の財産分与は鑑定評価額を基準にするのが本来は推奨されますが、関係する者同士で合意が出来るのであれば、不動産会社による無料査定結果を基準と考えることも可能です。一方、不動産評価を巡って係争中の場合などはほぼ確実に鑑定評価額を基準とします。

鑑定評価額を求めるフローは、不動産会社が3つの手法(取引事例比較法・原価法・収益還元法)を用いて査定価格を算出するやり方と大きな違いはありませんが、そこに専門的な知見に基づいた補正・修正が入ります。

ただし、実勢価格と一致するとは限らず、コストも高いため、目的が明確な場合にのみ依頼するのが現実的です。

自分で不動産評価額を調べる方法

不動産の評価額は複数の算出基準があり、専門的な知識がないと分かりづらいと感じる方も多いでしょう。

ただし、初心者でも近似物件を参考にすれば、ある程度の評価相場を把握することが可能です。

たとえば「築30年の木造2階建て・土地面積90㎡の自宅」の評価を知りたい場合、これに類似した条件の物件(築年数・構造・立地・設備)の過去の成約価格や売出価格を調べることで、相場を見積もることができます。

もちろん、評価額はそれぞれの物件ごとに個別性が高く、100%同じということはありません。
しかし、価格帯を把握するには最もスピーディで実務的な方法です。

ここでは、公的な情報や信頼性の高い民間サービスを使って、誰でも無料または手軽に評価額を調べられる4つの方法を紹介します。

方法1】不動産情報ライブラリを使う

不動産情報ライブラリ

不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営する公的なデータベースで、過去の不動産売買の成約事例(価格・面積・築年など)を調べることができます。

データは直近5年間を対象にしており、市区町村単位で絞り込むことも可能です。

ただし、掲載されている情報は「土地の地目」「建物の構造」「価格」「面積」などが中心で、内装の状態やリフォーム歴、周辺環境の変化までは反映されていないため、過信は禁物です。

また、同じエリアでも道路拡張や施設開発の有無によって地価は変動します。
成約時期と現在の市況を照らし合わせながら参考にしましょう。

方法2】東京カンテイHPを使う

東京カンテイ

東京カンテイは、全国のマンション・戸建ての価格や市場動向を可視化した民間の不動産情報サイトです。

東京カンテイの価格天気図

特に「価格天気図」は、地域ごとの価格動向を天気記号のように可視化しており、エリアごとの市況変化を直感的に把握できる点が魅力です。

マンション・戸建てのデータは豊富ですが、土地のみの価格評価にはやや弱い傾向があるため、補助的に使うのがおすすめです。

方法3】レインズ(REINS Market Information)を使う

REINS (レインズ)

REINS Market Informationは、国土交通省指定流通機構が管理する不動産取引のデータベースです。

レインズ3

レインズには、不動産会社が登録した「実際に成約された価格」が掲載されており、物件種別・築年・立地などで細かく絞り込み検索が可能です。

成約事例は1年分と限られますが、売出価格ではなく実際の売却価格を見られる点は非常に貴重です。

ただし、東京カンテイと同様に土地価格単独の情報は少ないため、用途に応じて使い分けましょう。

方法4】ポータルサイトの掲載情報をチェック

不動産ポータルサイト

参考: SUUMO より

SUUMO、LIFULL HOME’Sなどの不動産ポータルサイトでは、現在売出中の物件がリアルタイムで掲載されています。

「エリア」「築年」「面積」「駅距離」「駐車場の有無」「周辺施設」など、生活者視点での条件比較がしやすく、実際の売り出し方の参考にもなります。

ただし、注意点として表示されている価格は「売出価格」であり、成約価格とは異なる点があります。

中古物件の場合、売主が希望価格を自由に設定できるため、相場より高く設定されているケースも多くあります。
実際には買主との交渉で価格が下がることが一般的である点に留意して参考にしてください。

不動産タイプによって評価されるポイントは変わる

ここまで5つの評価方法を紹介しましたが、不動産の評価はこれで終わりではありません。

実際に不動産会社の営業マンがプロの目線で不動産をチェックし、計算した金額と合わせて最終的な評価を決定します。

どこをチェックされるかは、家、マンション、土地といった種類によって異なるので、事前に傾向をつかんでおくことが大切です。

ここからは、タイプ別の評価のポイントをそれぞれ見ていきましょう。

家の評価で見られる主なポイント

家の評価で良く見られるのは、こちらの6つのポイントです。

家の評価ポイント【例】
  • 家の構造
  • 窓から見える景観・日当たり
  • 近隣関係
  • 間取り
  • 水回りの状態
  • 雨漏り・シロアリ

良くフローリングや壁の傷・凹みを気にする人がいますが、中古不動産はリフォーム前提なのであまり評価に影響しません。

それよりも、根本的な構造に欠陥があったり、修理費が高くつくようなデメリットがあると評価が低くなってしまうので注意しましょう。

マンションの評価で見られる主なポイント

マンションの評価も家の評価と原則変わりませんが、部屋の階数と位置(角部屋、中部屋)という独自のポイントが評価に加わります。

最上階で角部屋の部屋が、基本的にはその棟の中で最も評価が高いです。

ただ、「高い階の部屋は地震や火災が怖い」といって低層階を好む人もいるので、評価が高いのと実際に売れるのとはまた別の話になります。

土地の評価の評価で見られる主なポイント

土地の評価では、こちらの8つのポイントを良く見られます。

土地の評価ポイント【例】
  1. 路線価
  2. 面積
  3. 地形
  4. 高低差
  5. 前面道路の幅員
  6. 間口・奥行
  7. 過去の売買取引事例
  8. 立地

これとは別に近年重要になっているのが耐震性です。

東日本大震災や熊本地震など大地震が頻発していることもあり、買主が土地に求める耐震性の基準が高まっています。

事前に地盤調査をしてプロから安全というお墨付きをもらっておけば、評価は高くなり売れやすくもなりますよ。

不動産会社によって評価額は変化する

不動産会社の評価額は不動産会社に無料で計算してもらえます。

お得で便利ですが、どの会社に依頼するかで評価額が変わってしまうのがネックです。

そのため、不動産会社をプロと考えて必要以上に持ち上げていると、評価額が外れた時に痛い目をみます。

そもそも、なぜプロであるはずの不動産会社の評価額がバラバラなのでしょうか?

評価額がバラバラなのは参考データと営業姿勢の違いが原因

不動産会社が物件を評価する際は、過去の取引事例を参考にします。

レインズのように、どの不動産会社も共通して利用するサイトもありますが、自社で保管している独自データを使うケースも多いです。

取引事例比較法は、どの事例を参考にするかによって評価が異なるため、データが異なれば評価額も当然変わります。

また、不動産会社のモチベーションによっても評価額は変わります。

本来の価値が2000万円の物件なら、ほとんどの業者が評価額2000万円前後で算出します。

ただ、「自分なら残業でも何でもして、絶対高く売ってやる!」と意気込む営業マンならそれ以上の金額を付けるでしょうし、「うちは案件が手一杯。そもそも高く売れそうな家じゃないな…」と、モチベーションの低い業者なら評価額を低めに設定する可能性があります。

評価額はあくまで各社の私見なので、少しいい加減ですがモチベーションなどでも変わってしまうのです。

高く評価してくれる業者を見つけるためにも、必ず複数社に不動産評価を依頼しましょう。

評価額が低くなる不動産の条件

不動産の評価額は立地や面積によって決定されるように思えますが、不動産ごとに悪条件があれば、それが影響して評価額は下がってしまいます。

ここからは、どんな不動産が評価額を下げやすいか解説していきます。

土地の形状が悪い

同じ面積でも三角地や旗竿地のような形より、正方形・長方形の土地のほうが評価は高くなります。

建築基準法などにより、土地に建てられる建物の形状・面積はある程度決まっているので、余りに細長かったり曲がっていたりする土地には狭小の建物しか建てられなかったり、あるいは全く建物が建てられなかったりします。

実際に利用できる面積が小さいので、評価額も下がってしまうのです。

日当たりが悪い

周辺に高い建物があって日当たりが悪い場合も、評価額は下がってしまいます。

日当たりが悪いと生活環境が悪くなる他、農地に利用できないなど、用途が限られてしまうためです。

道路と接していない

路線価のように、道路に接していないと価値がつかないケースは多いため注意が必要です。

4面のうち、1面にしか道路が接していない場合なども評価額は下がってしまいます。

危険要素がある

土壌が汚染されているなどの直接的な健康リスクの他、暴力団施設に近い、墓地に近いといった精神的な安定を脅かす要素がある場合も、評価額は下がってしまいます。

実勢価格と査定額は必ずしもイコールではない

実勢価格を算出する際は不動産会社に査定額を算出してもらうのが良いですが、査定額は必ずしも実勢価格(成約価格)とイコールではないので注意が必要です。

査定額は不動産会社が「これくらいで売れるだろう」と見積もって算出する金額ですが、運やタイミング次第では売れなかったり、値下げ要求を受けたりしてしまいます。

最終的な実勢価格を本当の時価と考えれば、査定額は必ずしも実勢価格とイコールにはならないことを肝に銘じなければいけません。

不動産評価額の基本を抑えておこう

現代は、「家を売る前提で買う」時代と言われています。

不動産は一般の方が持ちうる最高額の固定資産ですが、持ち続けることが自分の足を引っ張る可能性もあります。

それよりも、頃合いをみて売ったり処分したりしながら、柔軟にやり繰りをすることがこれからの時代に求められているのです。

自分の家をどうすべきかの判断は、最新の評価を知っていなければいけません。

不動産一括査定サイトの仕組み

不動産一括査定サイトなどは、売却を検討中でない方も気軽に評価額を調べられるサービスです。日頃からこうしたサービスを使いながら、人生プランを立てていくことをおすすめします。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定