土地活用の中で、低コストでも利益が見込める方法の一つに駐車場経営があります。
ちょっとした舗装をおこなうだけで土地に付加価値が付き、賃料収入を得ることができるので、初心者や売るまでの時間しのぎとしてもおすすめできます。
今回は、そんな土地の駐車場経営の方法とメリット・デメリットを解説します。
ただ、実際に土地活用をおこなう場合は利益の予測をある程度たてておく必要があります。賃料相場の求め方については以下の記事にまとめてあるので、ぜひ参考にしてください!
1959年 東京生まれ 専修大経営学部卒業後、16年間パソコンやIT関連の企業にて営業職に携わる
その間に資産運用に興味を持ち日本FP協会のAFP資格を取得。
2004年3月に同協会のCFP®資格を取得し同年6月、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託など資産運用を中心とした記事の執筆及びクレジットカード、カードローン、暗号資産、住宅ローンなどの記事監修を中心に活動中しています。
セミナーと執筆では初心者の方にもわかりやすいよう平易な言葉を選んだ説明に心がけています。
■URL http://onda-fp-jimusho.com/
■所属団体 日本FP協会
■保有資格 CFP® 証券外務員2種
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駐車場経営は儲かる?儲からない?
駐車場経営が儲かるかどうかは、立地、需要、競争状況、運営コスト等の各種要素によって変わってきます。
例えば、池英の要になる立地は、駐車場経営の成功を決定する重要な要素です。
都市部や観光地、商業施設近くなど、車で訪れる人々が多い地域であれば、需要が見込める可能性が高く、儲かる可能性があります。
反対に、需要が見込めない地域では、駐車場経営は難しいでしょう。
次に、競争状況です。
周辺に駐車場が多い場合、競争が激しくなります。
価格競争が発生すると、収入が減少し、収益性が低下します。
運営コストも重要な要素です。
土地のリース料や税金、設備のメンテナンス費用、清掃費等は固定費となり、利益に直接影響します。
これらのコストが高いと、収益が下がります。
また、市場の変化に対応する柔軟性も重要です。
例えば、電気自動車(EV)の増加に対応するためには、充電設備を設置するなどの投資が必要になります。
したがって、駐車場経営が儲かるかどうかは、これらの要素を総合的に考慮し、適切なビジネス戦略を立てることで決まります。
ただし、いずれのビジネスもリスクが伴うため、十分なリサーチと計画が必要です。
売れない空き地を放置するデメリット
売れない空き地がそのまま放置されているケースも多いですが、これは所有者にとって大きな損失です。
ここからは、空き地を放置する3つのデメリットを解説していきます。
固定資産税がかかり続ける
まず注意すべきは、固定資産税がかかり続けるという点です。
固定資産税は1月1日時点での不動産所有者に対して課される税金で、課税標準額×標準税率(1.4%)で税額を計算することができます。
固定資産税はマイホームなど、建物や建物+敷地に対しては優遇されます。一方で空き地は優遇されないため、マイホームの6倍の固定資産税を支払い続けることになってしまいます。
草むしり・整備などの施策が台無しに
空き地を売る前は雑草を刈り取ったり、表面を整備して化粧砂を敷いたりして第一印象をアップしています。
これを売れないからといって放置すれば、草はまた伸び放題になってしまいます。
いらない空き地なら荒れ放題でも良いのでは?と思うかも知れませんが、管理の痕跡がない空き地は子どもが入ってきたり、不法投棄をされたりする対象になります。
また、犯罪の温床になり放火されるなどのリスクも発生しますが、こうなったらあなたが放置していた責任も0ではありません。
境界があいまいになってしまう
空き地を売る際は、あいまいになっていた境界をしっかり確定するところから始めます。
例えば平米単価が1万円の空き地が、公簿上の面積は190㎡でも実際は200㎡だったとします。
この時は測量をしないと約10万円も損してしまいます。
逆に公簿より小さかったら買主が損をしてしまいますし、どちらにしても公平な取引にはなりません。そのため、実際の面積をしっかり測る必要があるのです。
ただ、しっかり測っても時間が経てば、また実際とは違った境界を使いはじめてしまうかも知れません。
空き地の境界測量は1回で30~40万円ほどかかるため、何度もコストをはらうのは損です。
売れない空き地を活用すべき理由
売れない空き地は、放置するよりも以下のような方法で活用することをおすすめします。
- 駐車場経営
- トランクルーム経営
- 太陽光パネルの設置
- 貸地
- 土地信託等
活用するには初期投資が若干かかってしまうのがネックですが、これにはおすすめする理由があるのです。
支払う費用の負担を軽減できる
空き地を所有している限り、固定資産税はかかり続けてしまいます。
しかし、土地活用を成功させて毎月安定収益を得ることができれば、自分の貯蓄は切り崩さずに税金を支払うことが可能です。
上手くいけば高額利益を得られる
アクセスが良くても地盤が弱いなど、状態の悪い空き地はなかなか売れません。
しかし、例えば駅の近くにコインロッカーを設置すれば、人通りが多ければ1日50~100人の利用者が見込めます。
一回の利用料が100円だったとしても、利用者がコンスタントに100人いれば、年間で約365万円の臨時収入を得ることができます。
そこからだんだん初期投資を増やしていってアパート経営などに広げていけば、夢の不労所得生活も不可能ではありません。
人が利用することで劣化を防げる
空き地も空き家もそうですが、人が利用しなくなると1ヵ月もすれば急激に劣化し、半年たてば大規模なテコ入れが必要になります。
空き地を活用して人に貸し出せば、それだけで劣化を防ぐことができるのです。
ただ、貸す以上はトラブルを起こされる危険性も十分考慮しておきましょう。
空き地の活用に駐車場経営がおすすめな理由
ここまでおすすめの活用法を紹介しましたが、はじめて空き地活用をおこなう場合、当サイトとしては駐車場活用をおすすめしています。
駐車場は最悪の場合コンクリート舗装しなくても出来ますし、立て看板で「駐車場」と周知すれば良いだけです。
上記の手軽さ以外にも駐車場には様々なメリットがあります。
期間限定で出来る
駐車場経営は、短期間で収益を上げるのに適した方法でもあります。
何故なら更地をコンクリート舗装するというのは、売却する上でマイナスにはならないからです。
他の空き地活用は更地に建物や設備を上乗せして収益を得るので、売却時は撤去する必要があります。
しかし、駐車場は売却前に撤去すべきものがあまりないのです。
売り時がくれば契約を止めていつでも売却できる点は大きな魅力でしょう。
気軽に経営を始められる
基本的に、土地をアスファルト舗装するだけで月極駐車場として貸し出すことができます。
舗装費用の相場は1㎡あたり3,000円~10,000円となっていますが、広い土地ほど1㎡当たりの単価は安くなります。もちろん駐車スペースが広いほうが駐車台数も多くなり高利益になるので、費用対効果が良くなります。
そのまま仕切りを加えて貸し出すこともできますが、車止めを等間隔に設置したり、看板を立てておくほうがより集客は見込めます。
それでも大した費用はかからないので、使い道に迷った土地を取りあえず駐車場に活用することを検討してみましょう。
回転が速く利回りが高い
そもそも月極駐車場とは、毎月ごとに利用者と契約をする駐車場という意味です。
利用者は月ごとに継続利用するかどうかを選び、契約のたびに貸主はお金をもらいます。
アクセスの良い土地であれば利用者が入れ替わり立ち代わりあらわれ、駐車スペースが空くことがないので、収益は安定します。
また、1契約あたりの利益がそこまで高いわけではないですが、それでも利用者の回転が速いと礼金などの収入により、短期間で初期投資の回収が見込めますよ!
上手くいかなくても転用が可能
このように、土地の月極駐車場利用は初期投資額をすぐ回収できるのが強みです。
相続した土地はただ持っているだけで固定資産税や地域によっては都市計画税がかかってしまうので、活用しないのは損です。ただ、分割相続された土地などは最終の利用方法が決まるまで取りあえず駐車場利用しておくというように、つなぎで活用するのもおすすめですよ!
税がかかってしまうので、活用しないのは損です。
ただ、分割相続された土地などは処遇を決めるまでに何回も話し合いをするケースが多く、それまでの期間が勿体ないです。
なので、処分の方法が決まるまで取りあえず駐車場利用しておくというように、つなぎで活用するのもおすすめですよ!
駐車場経営のデメリット
駐車場経営は初期費用が少なく簡単に始められますが、デメリットもいくつか存在します。
事前に注意しておきたいポイントを紹介します。
税負担が大きい
マンションやアパートを建てる場合は更地に比べて面積によっては固定資産税が6分の1まで減額されます。
一方、駐車場の場合は土地扱いになるので、固定資産税の減額対象にはなりません。
その他、相続税も減額対象にならないので注意が必要です。
利用効率が低め
土地にアパート・マンションを建てると、縦に利用できるので効率よく収益をあげることができます。
一方、駐車場経営は横に土地を利用するのでアパートやマンションに比べて効率は良くありません。
初期コストはあまりかかりませんが、収益性が低い点がデメリットになります。
法令上の制限を受けることがある
駐車場は建物として扱われないと説明しましたが、自走式駐車場や多段式駐車場は建築物扱いを受けます。
ただ、この場合は建築基準法の用途地域制限によって住宅地に設置することが認められていないので注意しましょう。
転用・更地復帰にコストがかかる
駐車場経営は転用や更地復帰にあまりコストがかからないのが強みです。
ただし、収益をあげようとして立体駐車場などの施設を導入した場合、解体に多額の費用がかかってしまいます。
最終的に更地復帰などを目指す際は、そこも含めていくらまでコストをかけるか考えておきましょう。
コインパーキングと月極駐車場の違いを比較
空き地を駐車場に活用する方法はコインパーキングと月極駐車場の2種類があります。
駐車場としてのニーズがある空き地なら、どちらの方法でも収益を得ることができます。
ただ、最初は月極駐車場として活用することをおすすめします。
コインパーキングは設備の設置費用がかかるので、初期費用を回収できない可能性もあるからです。
月極駐車場で手応えを感じたら、コインパーキング利用するのが良いでしょう。
項目 | コインパーキング | 月極駐車場 |
---|---|---|
初期費用 | 高い | 低い |
収益率 | 高い | 低い |
ランニングコスト | 高い | 低い |
出口戦略 | とりにくい | とりやすい |
多くの利用者が見込めるなら近パーキング経営がおすすめ
- 立地が良ければ高収益を見込める
- 不整形地でも経営しやすい
- 専用機器の購入・設置・管理が必要
- 舗装費用がかかる
月極駐車場は月ごとに契約をするのに対し、コインパーキングは〇時間いくらというように1回ごとに収益を得ることができます。
アクセスが良い土地であれば、月極駐車場よりもコインパーキングにするほうが多くの利益が見込めますよ。
しかし、最寄りのお店が急に閉店してコインパーキングに人が入らなくなることもあるので、どちらのスタイルにするかはしっかり考えましょう。
なかには、広い土地の半分を月極駐車場、もう半分をコインパーキングにして貸し出している方もいます。保有している土地が広く、どちらか選べないなら、こうした方法もおすすめです!
コスパを重視するなら月極駐車場経営がおすすめ
- 低コストの砂利敷き舗装でも問題ない
- 専用機器の購入が不要
- ランニングコストがほぼ不要
- 収益が低い
- 土地の調達から始める場合は利益率がかなり下がる
- 不法投棄・違法駐車の被害にあいやすい
土地の駐車場利用で、月極とコインパーキングどちらのスタイルにするか悩んでいる方は多いでしょう。
立地によるというのが正直なところですが、まずは月極駐車場での利用をおすすめします。
コインパーキングは専用の機械などを設置するので、少し初期費用が高くなります。これを回収するには相当な立地の良さが必要です。
そのような土地を保有していない方にはむいていません。
また、コインパーキングは日によって収益の変動が大きいので、月極駐車場に比べ資金管理が難しくなります。
こうした点から、月極駐車場の方が無難といえるでしょう。
コインパーキング経営が成功しやすいおすすめ立地
コインパーキング経営は月極駐車場経営に比べて高い利益を得られる可能性があります。
後述しますが、駐車場需要は確実に年々増えており、需要が減っていくことはありません。
ただ、収益性の高い立地は大手法人が取得しまっており、今から始める個人が高収益を得るのは至難の業です。
ただ、人気観光地や大規模な駅の周辺への参入は難しくても、収益をあげやすい立地はまだまだ残余っています。
ここからは、個人経営におすすめの立地を紹介します。
抜け道利用されている道沿い
大まかな経路しか表示されないカーナビではなく、Googleマップなどを使ってより細かい道筋をチェックする方が増えています。
これにより、以前は多くの人がスルーしていた、いわゆる抜け道の需要が高まっているのです。
こうした場所にコインパーキングを設置すると、平均以上の利益を得られる可能性があります。
集配地点になりそうな立地
昔の宅配業者はトラックを路肩に駐車させて配達することもありました。
しかし、近年では宅配業者のコンプライアンス強化により、駐車場にしっかり停めるケースが増えています。
大型集合住宅の近くに駐車場がない場合は、コインパーキング経営をする大きなチャンスです。
人気店舗の近隣エリア
よくTVで人気レストランのお客さんが「この味を求めて隣の県から来ました」などとインタビューされているところを見ます。
のことから人気店の周辺は駐車場の需要がかなり高いと分析できます。
こうした隠れた名店は裏通りなどに位置することも多く、地価も安く設定されていることが多いです。
ランチ時と夜の満車状態が長期間続くなら、大手との競合を避けつつ安定した利益を得られるでしょう。
意外と知られていないカーナビとGoogleマップの違い
車の道案内と言えばカーナビが主流ですが、Googleマップを利用する方も多くなっています。
カーナビは車の利用を前提にしているので、大型車も通れる広い道を表示することが多いです。
対してGoogleマップは大通りではない狭い道・裏道を表示することもありますが。。
Googleマップの通りに進むと行き止まるケースもあるので、カーナビのほうが信頼できるという方が多いです。
一方でGoogleマップの経路のほうが効率良く目的地に着けるので、
そちらを重視するという方もいます。
現在の駐車場の配置はカーナビ基準の傾向が強いので、逆に今後はGoogleマップ基準で駐車場の位置を考えると高収益につながりやすいかも知れません。
駐車場の個人経営で利益を得るコツ
駐車場の個人経営で利益を得るには、始める前に整備や準備をしっかりおこなうことと、経営時の清掃・入金・設備修繕を丁寧に続けていくことが大切です。
契約書の管理や未入金・滞納に対する督促なども仕事の領域になるので決して楽ではありません。
利用者同士のトラブルや駐車場内の交通事故など、常にある訳ではないですが急な対応も求められるので、こうしたことにも上手く素早く対応することが大切になります。
駐車場経営は個人とプロどちらが良い?
前提として、駐車場経営はそこまで手間をかけずにある程度の収益を得られる方法です。
そのため、個人経営も無理ではないですし、売上が全て自分に入るので収益効率は良いです。
ただし、駐車場経営の規模が大きくなれば、個人ではどうしても無理が出てきてしまいます。
収益は下がってもプロに依頼することで、安全に駐車場経営をすることができます。
プロに依頼をしたほうが手間や安全面で良いことは承知の上で、それでも大きすぎない規模で駐車場経営をしたい方は個人でおこなうのも一つの手でしょう。
駐車場経営の始め方
ここでは、個人で駐車場経営を開始するまでの流れについて解説して行きます。
- 土地活用方法を相談する
- 施工・管理を委託する会社と契約する
- 駐車場の施工
- 経営スタート
土地活用方法を相談する
駐車場経営を始める最初のステップは、所有する土地の最適な活用方法を不動産会社に相談することから始めます。
土地活用のプロフェッショナル、不動産コンサルタント、または土地活用の専門家と話し合って土地活用の方法を定めていきます。
今回のように、土地活用の方法を駐車場経営にする方向で話を進めていくと、土地の立地、周辺の競争状況、利用可能な駐車台数、市場調査などの要素を評価していきます。
また、土地の形状や地形によっては、一部改築が必要になるケースもあります。
これらの専門家はまた、予想される運営コストと収益も計算し、経営計画を立てるのに必要な情報を提供します。
施工・管理を委託する会社と契約する
駐車場の施工や管理を行う会社を選び、契約を結びます。
駐車場の設計や施工、運営管理、マーケティングなどを手掛ける会社とパートナーシップを結ぶことで、効率的かつスムーズな運営が行えます。
一方、無人化駐車場の場合は、自動化設備や決済システムなどの技術面での支援が必要となるため、これらシステムに詳しい会社と提携を結ぶ必要があります。
契約する際には、会社の信頼性や経験、提供するサービスの内容やコスト等を十分に比較検討することが重要です。
駐車場の施工
契約が完了したら、駐車場の施工が始まります。
この過程では、駐車場の設計、地面の整備、駐車スペースのマーキング、看板の設置、セキュリティシステムの設定などが実施されます。
また、無人化駐車場の場合には、自動料金収受機の設置や、車の出入りを管理するためのシステム設定などが必要です。
施工期間は、駐車場の規模や設計、天候などにより異なります。
経営スタート
駐車場の施工が完了すれば、経営をスタートすることができます。
最初に行うべきは、適切な価格設定です。
これは、駐車場の利用料金を決定するために、市場調査や競合他社の価格調査が必要です。
次に、駐車場を利用する人々に知らせるためのマーケティング活動を行います。
この過程では、広告、看板、オンラインマーケティングなどを実施します。
また、駐車場の運営に関する日々の管理も必要です。
これには、清掃、メンテナンス、利益管理、トラブル対応などが含まれています。
これらの全てが整った時、駐車場経営が成功に向けて動き始めます。
駐車場経営ビジネスの将来性
駐車場経営は昔からおこなわれている土地活用の1つですが、将来性はどうなのでしょうか?
現在は単身世帯が増えており、若い方を中心に持ち家率が減少し自宅の駐車場を利用できない人の数が増えています。
ただ、意外なことに自動車の保有台数は近年でも横ばいです。
一方、コインパーキングの数はここ10年で約2倍になっており、まだまだ需要は減っていません。
現に旅行先で駐車場が見つからず困った経験をした方は多いのではないでしょうか。
駐車場がなくて困った時にパっと見つかるほどコインパーキングが普及していないということは、まだまだ需要があると考えられるでしょう。
駐車場経営を始める際の注意点
空き地を駐車場に活用する際はいくつか注意すべき点もあります。
こちらを押えていないと大失敗する恐れもあるので注意しましょう。
駐車場経営を始める流れを知る
駐車場経営を始めるには、以下の7ステップで進めていきます。
- 月極駐車場化コインパーキングか決める
- 複数の業者と相談・プランを比較
- 絞り込んだ業者から選定
- 業者と契約を結ぶ
- 駐車場整備・機械の導入
- 利用者の募集
- 利用者と契約・駐車の開始
立地や収益性・出せる予算によって適している経営方法も変わってきます。
月極駐車場の場合、地元の不動産会社が請け負っていることが多いです。
一方、コインパーキングの場合は専門業者に依頼をするのが一般的です。
周辺相場と料金の上がる仕組みをチェックする
駐車場経営を始める際には、最初に周辺の料金相場をチェックすることが大事です。
相場を調べてから「もう少し高めにいけるだろ!」と強気に設定しても契約がとれず、逆に差別化のために低値で設定しても収益を得られない恐れがあります。
近隣に駐車場の数が多い場合は、相場の金額に落ち着く理由が少なからずあります。
金額設定は近隣相場に合わせて無難に進めたほうが良いですが、コインパーキングでは金額の上がり方を工夫することが差別化のポイントです。
価格の上がるタイミングは30分ごとか1時間ごとか、いくら上がるのかなどの設定方法の違いで競合に打ち勝つ可能性が高まります。
どの経営方式が良いかチェックする
駐車場の経営方式は、大きく分けて以下の3種類があります。
- 一括借り上げ
- 管理委託
- 自営
それぞれメリット・デメリットがあるので、方式を決める際は慎重に検討しましょう。
経営方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
一括借り上げ | 労力がかからず、空車がある月も一定賃料を得られる | 手数料を支払わなければいけない |
管理委託 | 一括借り上げと違い契約数と収益が比例するので、人気のエリアだとお得 | 契約のない月は利益が下がってしまう |
自営 | 売上がすべて自分のものになる | 手間や労力・コストがかかってしまう |
舗装の仕方で収益が大きく変わる
駐車場の舗装は手軽な砂利敷きにする方が多いですが、長期的な収益を考えるとコンクリート舗装にしたほうが良いです。
砂利敷きは雑草の手入れや災害後の後片づけに時間と手間がかかるので結果的に総収益でコンクリート舗装を下回る可能性も十分あります。
駐車場経営が本当に最善の策なのかチェック
知り合いに「駐車場経営がお得だよ!」と言われると、それ以外の選択肢が見えなくなることも多いです。
ただ、土地活用には様々な種類があり、駐車場経営が必ずしも一番良い訳ではありません。
土地活用は土地の状況に合わせて柔軟に方法を変えるべきものであり、一つの方法に固執すると失敗するリスクが非常に高くなるので注意しましょう。
複数社を必ず比較する
一括借り上げや管理委託の場合、業者に運営を委託するようになります。
サービスの質や管理の範囲、手数料額などがそれぞれ異なるので、必ず複数社を比較してから選ぶようにしましょう。
必ず収益化できるわけではない
駐車場経営をはじめてもタイミングによって契約者が集まらない可能性が十分あります。
活用をする際は、こうしたリスクを常に考慮しなければいけません。
数年で空き地の周辺環境が変化するかも知れない
コインパーキング・駐車場の需要を数年独占していても、急に強い競合が現れるかもしれません。
また、日当たりが良いからといっても太陽光パネルを設置しても、数年のうちに真ん前に高いビルが建てられるかもしれません。
今は収益を上げられたとしても、今後周辺環境がどうなるのかわかないということも常に頭に入れておく必要があります。
再度売る際に消費税がかかる
活用していた空き地を売却する際には、通常はかからない消費税が売上に課されることがあります。
ただ、消費税がかかるのは不動産を事業目的で利用している人の中でも、以下のケースに限ります。
2期前の事業年度の課税売上高が1000万円を超えるケース
大規模な賃貸経営をしない限りは消費税がかからないので安心しましょう。
駐車場経営に関する質問
ここでは、駐車場経営を始める前に知っておきたいことや解決しておきたい疑問について解説して行きます。
駐車場経営にありがちな失敗事例は?
駐車場経営においては、適切な立地選定のミス、適切な価格設定の誤り、利便性の不足など、多くの失敗事例が存在します。
立地選定のミスでは、需要のない地域に駐車場を設けたり、周辺の競合駐車場との競争に敗れたなどが挙げられます。
最終的に利用率が低下し、収益が上がらないという状況を生む可能性があります。
一方、価格設定の誤りも同様に、高すぎて利用者が遠ざかるか、低すぎて収益性が確保できないといった問題が生じます。
また、駐車場の利便性が低いと、利用者が他の駐車場を選びます。
これには、狭い車道、不便な決済方法、不十分なセキュリティ等が含まれます。
駐車場経営で経費にできる諸費用は?
駐車場経営における経費は様々で、発生した費用全てを経費として計上できます。
- 清掃費
- リース料
- 改良や修繕にかかる費用
- 保険料
- 照明や電気代など
また、無人化に伴う設備投資やメンテナンス費用、セキュリティシステムの導入費用なども経費として計上できます。
これらの費用は、経営者が駐車場経営のために支払った費用であり、事業の収入から引かれる経費として扱われます。
駐車場経営の利回りの算出方法は?
駐車場経営の利回りを算出する方法は、年間の純利益を投資額で割ることで得られます。
具体的には、年間の駐車場収入から運営費、税金、保険料等の各種経費を引き、純利益を算出します。
次に、その純利益を土地や設備などに投じた投資総額で割ることで、利回り(ROI: Return on Investment)を計算します。
これにより、投資がどれだけの利益をもたらしたかを把握することができます。
高いROIを達成するためには、経費の最小化と収入の最大化に努めることです。
駐車場経営で発生する税金は?
駐車場経営には、複数の税金が発生します。
例えば、駐車場から得られる収入は所得として課税され、その額に応じて所得税がかかります。
また、土地や建物を所有している場合、固定資産税が課税されます。
無人駐車場であれば、マシン等の設備投資に対する減価償却費も税務上認められます。
加えて、都市計画税や地方税も発生する場合があります。
具体的な税率や税額は、経営者の所得状況や土地の所在地、土地の評価額などによって異なります。
個人経営で駐車場経営は行える?
個人でも駐車場経営は可能です。
特別な資格は必要なく、適切な土地や資金があれば駐車場経営が始められます。
ただし、個人経営の場合、全ての運営業務を自分自身で補わなければなりません。
これには、駐車場の設計・施工、価格設定、収入管理、税金の計算と支払い、問題が発生した場合の対応などが含まれます。
そのため、運営には専門知識や経験が求められます。
個人経営の駐車場でも、成功を収めるためには適切な運営管理とマーケティングが不可欠です。
駐車場経営は簡単ではない!プロのノウハウも参考にしよう
駐車場経営は素人でも気軽に始められるイメージがありますが、安定収益を得ようと思ったらプロのノウハウが確実に必要になります。
利回りや費用なども、最終的には土地の状況によって異なるので、自己判断せずにプロの目利きを頼ることをおすすめします。
今後のパートナーとなる業者を見つけて、相談や管理の委託をおこない安定した駐車場経営を目指しましょう。