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戸建て売却

マイホームを売る方法を解説!ローンが残っていても売れる?税金はいくらかかる?

マイホーム 売る
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一生暮らすつもりで購入したマイホームも、手放さざるを得なくなってしまう人がいます。

せっかくマイホームを30年ローンで購入したのに築5年で離婚。ローン返済がままならないので売って賃貸に引っ越したい…

上のようなケースの方は意外に多いのではないでしょうか?

マイホームを売却する際は次の8ステップが必要です。

  1. 不動産会社への相談・査定依頼
  2. 査定・業者選び
  3. 媒介契約
  4. 売却活動・部屋のクリーニング
  5. 内覧対応
  6. 買付(購入者申込書)をもらう
  7. 売買契約
  8. 引き渡し・決済

マイホーム売却の流れは大きく分けて8ステップ」にて詳しく紹介しています。

今回はマイホームの処分に悩む方のために、特に気になるローンの処理方法を売却後にかかる税金に焦点を当てて説明していきます!

※家を売る流れや高く売るコツ・必要書類などはこちらにまとめています。

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Contents

離婚や住み替え・相続…マイホームを売る理由ってどんなものが多い?

家を売るというのはほとんどの人が体験したことのない手続きなので、他の人がどんな理由で売却をしたのか気になりますよね?

データによると「今の家を売ってもっと広い家に住みたい」という方が半数以上。意外に皆さん軽い理由で売りに出しているようですね。

離婚などの個人的な理由は言わなくても良い

離婚や借金、子供がいじめられているので学区を変えたいといった言いにくい理由は、買主はもちろん業者にさえ言わなくても問題はありません。

逆に、「事故物件なので売りたい」という場合や、「隣に暴力団事務所がある」「最近殺人事件が起きて気味が悪い」という場合は必ず告知をしなければいけません。

線引が難しいですが、その理由が新しい入居者の安定した生活を阻害しそうな場合は告知が必要と覚えておきましょう。

マイホーム売却の流れは大きく分けて8ステップ!期間は平均3~6ヶ月

マイホーム売却の流れは、大きく分けて8ステップになります。

  1. 不動産会社への相談・査定依頼
  2. 査定・業者選び
  3. 媒介契約
  4. 売却活動・部屋のクリーニング
  5. 内覧対応
  6. 買付(購入申込書)をもらう
  7. 売買契約
  8. 引き渡し・決済

マイホーム売却は、まず不動産会社に相談をしたり、査定依頼をしたりするところから始めます。

その中で気に入った業者が見つかったら、媒介契約を結んで売出しを開始します。

※媒介契約:売主が仲介業者に販売活動を依頼する代わりに、成約時に仲介手数料を支払うという契約

販売活動が上手くいけば、そこから売買契約、引き渡しへと進んでいきます。

ちなみに、マイホーム売却にかかる期間は平均3~6ヶ月ほどです。ただ、物件の状態や立地によっても成約スピードは変わりますし、条件が良くても運が悪くて売れ残るケースも多々あります。

とにかく相手(買主)あってのものなので、いつまでに売ると決めつけるのは危険です。スケジュールに余裕を持っておくことが大切です。

ローンの残るマイホームも売却できる!ただし引き渡し前に一括返済が必要

マイホームを売る際に困るのが、残っている住宅ローンの行方です。

結論から言うと、住宅ローンの残ったマイホームも売ることはできます。実際、ローンなしの家を売る人よりローンの残る家を売るケースのほうが多いです。

ただ、残ったローンはマイホームを引き渡す前に完済する必要があるので注意しましょう。

引き渡し前に取り外しが必要なのは、住宅ローンの仕組みに大きく関係しています。

住宅ローンを借りる際は物件を担保にしますが、担保物件には抵当権という権利が設置されます。

抵当権は万が一ローンを返済できなくなった時に、金融機関が物件を差し押さえて競売に出せるというものです。

住宅ローンを完済した後に、ようやく抵当権を外せるようになります。

この抵当権が残ったまま家を引き渡すと、買主に迷惑がかかるので注意しましょう。

マイホームを売るのと貸すのはどちらがおすすめ?転勤で迷っている方の判断ポイント

迷ってる方の判断ポイント

マイホームを売る理由は人によって様々ですが、多くの人は念願の持ち家を購入した時、早期に売ることを想定してはいなかったでしょう。

マイホームが今後必要になる可能性が一切ないのであれば、売却して心機一転、新生活を送ることもできます。

一方で転勤など、将来的に再び戻ってくるかもしれない場合は手放してしまうのが惜しいですよね。

この場合は賃貸に出して、所有権を維持しつつ収益をあげる方法もあります。

売却と賃貸で迷っている方はどう判断すれば良いのでしょうか?

マイホームの売却と賃貸のメリット・デメリット

項目 売却 賃貸
メリット
  • 高額の代金がまとまって手に入る
  • 維持費の負担を0にできる
  • マイホームを手放さず、収益を得ることができる
  • 将来的に再び住むことも可能
デメリット
  • 手放したら二度と戻ってこない
  • 売買成立まで時間がかかる
  • 上手く入居者が現れないと、赤字になってしまう
  • 築年数が古くなれば、売り時を逃してしまう

売却と賃貸は、どちらもメリット・デメリットが存在します。

マイホームを売ってしまえばまとまった金額が手に入りますが、購入費よりも売却価額が高くなることは稀です。

また、成約まで平均3~6か月の時間がかかるので、急な転勤に間に合わない可能性もあります。

一方、賃貸経営ならマイホームを手放さずに収益をあげられるのが魅力ですが、募集をかけても入居者が現れないリスクがあります。

借主は持ち主として固定資産税や維持費を払い続けなければいけないので、収益を出せないと赤字になってしまいます。

また、物件を貸し出す以上、フローリングにキズや凹みを付けられるリスクが付きまとってきます。

将来的にマイホームを手元に戻せたとしても、欠陥+築年数による劣化で、当初想定していた形で取り戻せる訳ではないことに注意しましょう。

ローン残債つきのマイホームは売却と賃貸どちらがいい?

住宅ローンが残るマイホームには、2つの選択肢があります。

  • マイホームを売って残債を一括返済する
  • マイホームを貸し出して少しずつローンを返済する

引っ越し後に再び持ち家をローン付きで購入する場合、以前のマイホームを賃貸経営するのはおすすめしません。

この場合、所有する2つの不動産がローン担保になるダブルローン状態に陥り、審査に通りにくくなります。

引っ越し先が賃貸の場合は、どちらの方法でも問題ありません。

残債つきマイホームを売却する際は一括返済が必要というルールもありますが、新居を担保に融資を受ける際、住み替えローンを利用すれば残債を処理しきれなかった場合も、その残債を新居の借入に組み込むことが出来ます。

ただ、住み替えローンは通常の借入よりも返済が高額になるので、将来的な負担が大きくなる点は注意が必要です。

マイホーム売却か賃貸か判断するコツ

マイホームを売るか貸すか判断するポイントは、残債・転勤の長さ・立地の3点です。

項目 売却向き 賃貸向き
残債 残債が高額 残債が少額
転勤の長さ 長い・または戻ってこられるか不明 1年、2年の期限付き
立地 特に条件なし 都市部に近い。駅から徒歩6分圏内

上が判断のポイントになりますが、より条件が難しいのは貸し出す場合です。

立地が良く、かつ築年数が経過しすぎないタイミングで赴任先から戻ってこれるのであれば、賃貸を検討する余地があります。

ただ、賃貸に有利な条件に当てはまっていたとしても、築年数の浅いうちに処分して高い代金を得られる・その後の維持費をカットできるという意味では売却のメリットは常に大きいです。

基本的には売却をおすすめしますが、手元に戻したい強い意志があり、かつ条件に合えば賃貸を検討するのがおすすめです。</p

マイホームのローンを処理する方法は大きく分けて3通り

マイホームに残る住宅ローンを処理する方法は、大きく分けて以下の3通りがあります。

  • マイホームの売却代金を使って一括返済
  • 売却代金+自己資金(貯金)を使って一括返済
  • 一部を返済し、残りを住み替えローンでまとめる

理想は、ローンを完済しても余るほどの高額でマイホームを売ることですが、それが出来ないのであれば貯金を一部切り崩して完済してしまうのも一つの手でしょう。

住み替えローンは便利だがまとめ過ぎに注意

住み替え目的でローン付きマイホームを売る際は、住み替えローンというものが使えます。これは、売却時に余った住宅ローンを新居購入時のローンにまとめてしまえるという優れものです、

例えば、3000万円のローンが残っているのにマイホームが2000万円でしか売れなかった場合、住み替えローンなら新居のローンに1000万円を足すことができます。

ただ支払いを後回しにしただけでなく、今の家のローンは一応完済扱いになるので通常通り売却ができます。

住み替えローンの強みは自由にまとめ額を変えられること

3000万円のローンが残っているのに2000万円でしかマイホームが売れなかった場合、その2000万円は全額返済に使い、残りの1000万円を住み替えローンに回さなければいけないわけではありません。

例えば直近で1000万円の出費が必要な場合、ローンの返済に1000万円だけ使い、残りの2000万円を住み替えローンに回すこともできます。

あなたのスケジュールに合わせて、自由に金額を変えられるのが住み替えローンの大きな魅力です。

ただ、あまりに高額を後回しにすると、忘れた頃にツケが回ってくるので注意しましょう。

ローン完済期限が間もない場合は任意売却でマイホームを売るのがおすすめ

上の3つの方法は、ある程度完済のメドが付いている方が利用できる方法です。

マイホームを売っても完済が全くできそうにない場合や期限が迫っており差し押さえの危険性がある場合は任意売却という方法で売ることをおすすめします。

任意売却は、まず任意売却業者に相談をして状況を確認してもらいます。

その後、任意売却業者が金融機関に交渉をおこない、売却の許可や返済額の値下げを依頼します。

その後の流れは通常の不動産売却と同じです。

不動産手続きというよりは財務上の手続きという意味合いが強いので、不動産会社の中でも扱っているところは少数です。また、弁護士や特定の団体に任意売却を扱っているところもあります。

任意売却業者の選び方はこちらにまとめています。ぜひ参考にしてください。

マイホームを売ると費用はいくらかかる?税金・手数料の内容と計算方法を解説

マイホームを売ると、税金や手数料がかかります。

いくらで売れるかによってもコストは変化しますが、だいたい売却価格の1~2割くらいは費用で引かれると考えて良いでしょう。

ここからは、マイホームの売却にかかる費用をわかりやすく解説していきます!

マイホームを売る際にかかる3つの税金

マイホームを売る際にかかる税金は、主にこちらの3種類です。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税

それぞれの税金の内容・計算方法をここから紹介していきます。

印紙税は売却価格に応じてかかる

印紙税は、国・自治体が安全な不動産取引を担保してくれたことの報酬として支払われる税金です。

名前の通り、支払う金額分の印紙を売買契約書に貼り付けて提出しますが、貼り付ける印紙は売却価格に応じて以下のように決まっています。

不動産売却代金 印紙税額
100万円以下 500円
500万円以下 1,000円
1,000万円以下 5,000円
5,000万円以下 10,000円
1億円以下 30,000円

印紙はコンビニなどでも手に入りますが、高額な印紙は用意されてないことが多いので、郵便局で購入することをおすすめします。

マイホーム(住まいとして利用していた家)を売る際は上の表通りの印紙税がかかりますが、売り手が法人や事業主の場合や、賃貸経営していたアパートを売る場合などは、領収書にも同額の印紙を貼る必要があるため負担が2倍になります。

印紙税を支払う際はこの点に注意しましょう。

不動産売却時の印紙税の金額と賢い節税方法

登録免許税は権利の登記に対してかかる

登録免許税は、マイホームの免許登録に対してかかる税金です。

売買時は、主に所有権を売主から買主に移す際に発生します。

所有権の移転時にかかる税金は、このような式で求めることができます。

不動産タイプ 課税額
建物 売却価格の1000分の20
土地 ※売却価格の1000分の15

※2019年4月1日から1000分の20に減額

マイホームは敷地も一緒に売るのが一般的なので、建物と土地の2つ分の税金がかかるので注意しましょう。

司法書士に支払う報酬も頭に入れておこう

所有権の移転登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。

司法書士は自分で探すこともできますが、仲介業者に紹介してもらうことが多いです。

報酬は約1万円ほどが一般的で、登記変更手続き時に登録免許税と一緒に支払うことが多いです。

登記手続きは自力でおこなうことも出来ますが、知らぬ間にルール違反をしてしまい後で罰則を受けるリスクもあります。

安全に取引を進めるためにも、司法書士の力を頼ることをおすすめします。

譲渡所得税は計算が難しいので注意しよう

マイホームの購入時よりも売却価格のほうが高額な場合、譲渡所得税という税金が発生します。

譲渡所得税は、以下の計算式で求めることができます。

譲渡所得税=税率×{譲渡価格-(取得費+売却費用) }

譲渡価格とはマイホームを売った際の価格、取得費はマイホームを取得(購入)する際にかかった費用のことです。

計算式を見てもらうとわかるように、取得費をなるべく多く計上することが節税の近道となります。

取得費に計上できる費用一覧
  • 設計変更費用
  • 増改築リフォーム費用
  • 仲介手数料
  • 不動産取得税
  • 免許登録税や登記手数料
  • 契約書の印紙代
  • ローン事務手数料
  • ローン保証事務手数料
  • 固定資産税・都市計画税の精算金
  • 抵当権設定の免許登録税や登記手数料
  • 建物に付属する設備費
  • 建築費や工事にかかった諸費用
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン金利
  • ローン借入日~所有開始までにかかったローン保証料
  • ローン借入日~所有開始までにかかった団体信用生命保険料

費用を計上できるか迷ったら、まず不動産会社に相談してみましょう。

譲渡所得税率はマイホームの所有期間によって変化

譲渡所得税の税率は、マイホームの所有期間が何年の時に売ったかで以下のように変化します。

税金の種類 5年以下 5年超10年以下 10年超
所得税 30% 15% 10%
住民税 15% 5% 4%

所有期間を求める際の注意点は、物件購入日から引き渡し年までの1月1日までで計算するという点です。

例えば2013年2月1日に取得した物件を2018年3月1日に売ったとします。単純に計算すれば5年1ヶ月の期間が経っていますが、不動産のルールに当てはめると2013年2月1日~2018年1月1日=4年11ヶ月となり、税率は軽減されません。

勘違いする人が多いので注意しましょう。

譲渡所得税が発生したら確定申告が必要

譲渡所得税が発生したら、引き渡し年の翌2月~3月に確定申告をおこなう必要があります。

譲渡所得税は所得税と住民税に上乗せされる形で課税されますが、確定申告時にまず所得税を納付します。

その後、5月頃に家へ住民税納付書が届きます。課税額を確認したら、上乗せされた住民税を1年4期に分けて納付していきます。

会社員・公務員は確定申告をする機会が少なく、手続きに手間取る方が多いです。

こちらに不動産の確定申告のやり方を初めての人向けにわかりやすくガイドしています。ぜひ参考にしてください!

マイホーム売却で譲渡所得税が発生した時に使える特例控除

譲渡所得税は非常に高額なので、できれば払いたくないものです。

実はマイホームを売って譲渡所得税が発生する際には、マイホーム特例(3000万円控除)と呼ばれる特例控除を利用して税金をお得にすることができます。

マイホーム特例を使うと最大3000万円まで控除できるので、多くの場合で税負担を0まで抑えることができます。

マイホーム特例の利用条件に注意

マイホーム特例は、その名の通りマイホーム(住まいとして利用していた家)を売る際に使える特例です。

店舗や事務所を売る際には利用できないので気をつけましょう。

さらに、マイホーム特例は以下の条件を満たしている必要があります。

  • 今住んでいる家や敷地を譲渡する場合
  • 転居してから3年後の12月31日までに、以前居住していた家や敷地を譲渡する場合
  • 災害があって減失してしまったときは、災害があった日から数えて三年目の年の12月31日までに、以前の敷地を譲渡する場合
  • 転居後に家屋を取り壊した場合は、転居から3年後の12月31日か、取り壊しから1年以内のどちらか早いほうで譲渡する場合

マイホーム特例は、とにかく住まなくなったら早めに売ることが求められます。

また、条件にある期限を満たすためには、マイホーム売却にかかる期間(平均3~6ヶ月)も頭に入れておく必要があるでしょう。

マイホームはいつか売ることを想定して買おう

これまでの日本は、30~40代で家族が住めるマイホームを新築し、そこを終の棲家とするのが一般的でした。

でも、よく考えるとこの方法はあまりおすすめではありません。

若い時に建てたマイホームは子どもが自立した後や自身の老後は広くて使いにくくなります。

マイホームも一つの資産と考えると、転勤や急な入院などのイベントに合わせて自由に売買をおこない、その時その時で適切なマイホームに住むのが理想的です。

マイホームを買う段階から、いつか売ることを想定して物件を選ぶのがおすすめです。

10年後の売却価格を予測してみる

不動産市場に出回る中古の家の平均築年数は10~15年ほどです。

ただ、「マイホームを建てて10年建った頃に売ろう!」とは、買った当時はほぼ全ての人が思っていなかったでしょう。

ローンも大体払い終えたころにライフスタイルの変化や予想外のイベントが起き、急にマイホームを売ることになった。そのタイミングが築10~15年なのです。

なので、10年後を想定し、買おうとしているマイホームがいくらで売れそうか計算してみましょう。

売却価格が高く、ある程度費用を回収できるマイホームを買えば、安心して住むこともできます。

売る前提でマイホームを選ぶと最適なデザイン・間取りが見えてくる

売ることを想定してマイホームを選んだ場合、最適なデザイン・間取りが分かってきます。

自分の好みや特殊な家族構成に合わせた間取りは住む人を選ぶため、売却もしにくくなります。

逆に万人受けするシンプルなデザイン・間取りは売れやすいですし、老後も住みやすいです。

売る前提でマイホームを選べば、実用的な住まいをちゃんと選ぶことができます。

マイホームを住み替える際の注意点

マイホームを売る方の約半数は、今の住まいを売り、それを元手に新居を購入する住み替えを目的としています。

ただ、この住み替えはマイホームの売却と購入手続きを併行して進めていくため、注意しないといけないことが多いです。

ここからは、マイホームを住み替える時の注意点を徹底解説していきます。

売却と購入のタイミングに注意

マイホームの住み替えは、売却手続きと購入手続きのバランスが重要になります。

今の住まいを引き渡したのに新居の購入が済んでいないと、あなたの住まいがなくなってしまいます。引っ越しまで賃貸を借りるなどの必要があり、余計にコストがかかってしまいます。

ただ、余裕を持って早めに新居を購入するのも危険です。

今の住まいの価格は売買契約時にやっと確定します。つまり、この時にやっと利益をいくら新居購入に回せるのか分かるようになります。

高額の新居を先に購入したものの、売却が失敗してしまい十分な購入資金が得られなかった場合、自己資金を大幅に削って新居を購入するか、違約金だけ払って契約をキャンセルするかの2択を迫られるようになります。

売り先行と買い先行の2種類がある

マイホームの住み替えには、売り先行と買い先行という2種類の方法があります。

売り先行

オーソドックスなのは売り先行です。

売買契約で利益が確定してから引き渡しまでの約1.5か月で新居を選んで購入する方法で、利益が確定した段階で物件探しが出来るので、損せず住み替えができます。

ただ、新居選びの時間があまり取れないのが欠点です。大まかな新居選びは、販売活動中に進めていくことをおすすめします。

買い先行

買い先行は先に新居を購入してから、じっくりマイホーム売却を進めていく方法です。

自己資金を使うので、お金に余裕のある人しか出来ない方法ですが、業者選びからハウスクリーニング、買主とのマッチングに時間をかけられるので、高額売却がしやすくなります。

ただ、遠方の新居に引っ越す場合は売却手続きが面倒になるので注意しましょう。

売却期間が予想外に短かった時に使える方法

今の住まいが売れる予想時期が3か月後なので、新居の契約を2か月半後に設定したとします。ところが、マイホームが予想外に早く売れてしまい、引き渡し期限が迫ってきました。

引き渡し期限と入居時期が離れてしまった時、仮住まいに一旦引っ越す人が多いです。しかし、これはコストがもったいない上に、手間がかかります。

仮住まいに引っ越す事態を避けるために知っておきたいのが、こちらの2つの方法です。

  • 先行引き渡し
  • 引き渡し猶予

先行引き渡し

先行引き渡しは、売買契約を早めに完了した上で、引き渡しを延長してもらう方法です。

これによって引っ越し時期が調整でき、仮住まいに引っ越す必要がなくなります。

引き渡し猶予

すでに決済手続きをおこない、お金を払ってもらった後に住み続ける方法です。

先行引き渡しよりも緊急性の高い方法で、最大でも2週間程度しか期間延長できないので注意しましょう。

【最新】東京のマイホーム売却の事例を限定公開

実際に、どんなマイホームが売買されているのでしょうか?東京都内の取引事例を一部公開します。

所在地 種類 最寄り駅 取引総額 買い手の利用目的 取引時期
港区 白金台 木造・住宅地・2018年築 白金台駅4分 7,000万円 住まい 2018/10-12月
新宿区 大久保 木造・住宅地・1996年築 新大久保駅9分 7,200万円 住まい 2018/10-12月
新宿区 下落合 木造・住宅地・2003年築 目白駅11分 5,300万円 住まい 2018/10-12月
大田区 南久が原 鉄骨造・住宅地・1978年築 久が原駅7分 5,500万円 住まい 2018/10-12月
板橋区 泉町 鉄骨造・住宅地・1979年築 久が原駅7分 3,800万円 住まい 2018/10-12月
葛飾区 青戸 鉄骨造・住宅地・1973年築 お花茶屋駅11分 1,000万円 住まい 2018/10-12月

築古のマイホームも意外と取引されている

マイホームの売り時は、一般的に築20年までと言われています。

でも、実際の取引事例を見ると築20年以上の物件も取引されていることが分かりますね。

不動産業界的には、マイホームの価値は築20年ほどを目途にほぼ0になります。

でも、中古物件には定価がないので、築古物件でもそれを買いたいという人がいれば取引は成立します。

一般的には状態の悪い物件だったとしても、実際に売ってみないことには売れるかどうか分からないのです。

マイホーム売却の体験談を3つ紹介

マイホームを初めて売る際は、他の人がどんな状況で売ったのかが気になるものです。

そこで今回は、実際にマイホームを売った体験談を3つ紹介します。

【体験談①】努力を続けていたら相場より300万円高く売れた!

投稿者 Aさん(仮名)
売った時期 2018年1~3月
築年数 築19年
成約価格 2,800万円
購入時の価格 3,360万円
売却時のローン残高 1,050万円

中古の家を築浅の時に購入し、家族で住んでいたのですが、地元に転勤になったのを機に二世帯住宅を建てることを決断。

今住んでいるマイホームを売ることを思い立ちました。

最初に査定してもらった不動産会社では、2,500万円と算出されました。

これでは、残りのローンを返済して税金を払うと新居建設にお金を回せないレベルだったので、一旦売却はやめることに。

この時に一括査定サイトを紹介され、使ってみると2,700万円で査定してくれる業者をみつけました。

こちらの業者と契約をし、査定額以上で売却するために出来ることは何でもすることにしました。

特に、家の中の掃除・整理整頓には力を入れました。

普段、掃除は妻に任せきりだったのですが、この時は私も積極的に協力をして壁紙やフローリングの掃除をしました。

風呂・台所などの水回りは自力では限界があったので、業者に依頼してクリーニングをしてもらいました。この部分は、内覧でもかなり好評でしたね。

掃除後の家を見た担当者が積極的な販売活動をしてくれたこともあり、最終的に査定額よりも100万円高く売ることができました。

【体験談②】ローンの残るマイホームも住み替えローンを使って無事売却!

投稿者 Eさん(仮名)
売った時期 2018年3~7月
築年数 築24年
成約価格 1,080万円
購入時の価格 1,660万円
売却時のローン残高 1,550万円

築古のマイホームを、転勤を機に売ることにしました。

ただ、この時にネックになったのが残りのローンの存在です。

どの業者に査定を依頼しても、ローン残高を査定額が超えることはなく、引き渡しで精算できる可能性はほぼ0ということが分かりました。

この時に重宝したのが住み替えローンです。ローンの1,000万円を新築物件のローンに組み込むことで、無事に住み替えを成功させることが出来ました。

不動産会社は「ローンが返せないなら不動産は売れない」と言ってきますが、やり方はあることを学びました。

【体験談③】離婚後にマイホームを任意売却してピンチ脱出

投稿者 Tさん(仮名)
売った時期 2019年1~3月
築年数 築5年
成約価格 2,400万円
購入時の価格 3,800万円
売却時のローン残高 2,900万円

マイホームを購入してから5年で離婚。住宅ローンが2,900万円残っており、支払いも滞りそうな状況でした。

これまでは共働きの妻と一緒に返済をしていましたが、一気に金銭面がピンチになり自己破産も考えました。

そこで不動産屋からおすすめされたのが、任意売却です。

返済額を値下げしてもらい、何とか完済することができました。

業者の方から100万円の引っ越し費用までもらえて大満足!今では賃貸マンションに引っ越して余裕で生活できています。

マイホームを売る手段は、多く知っていて困ることはないと感じました。

マイホーム売却で損失が出ても特例は使える

マイホームを売って利益が発生すると特例が使えますが、損失が出た際も特例を使うことができます。

特例を使うことで、減税をしてお得にマイホーム売却が出来る可能性が高まるのです。

マイホームを売って損失が出たら、積極的に特例を利用してお得に売却をしましょう。

マイホーム売却で損した時に使える2つの特例

マイホーム売却で損失が出た時に使える特例は、こちらの2つです。

  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  • 特定居住用譲渡損失の損益通算及び繰越控除

最初の特例は、譲渡損失が発生した際に損益通算ができる制度です。

この特例を使うには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 2019年12月31日までの譲渡
  • 個人が所有していた不動産である
  • 第三者へ譲渡したものである
  • 住居用である(投資用・事業用ではない)
  • 一定のローン残高がある
  • 長期譲渡所得である

2つ目の特例は、上記の特例と内容はほぼ同じです。

ただ、こちらの特例にはローン残高の有無や、買い替えなどのケースの限定がありません。

マイホームの売却に関するQ&A

ここでは、マイホームを売却するうえで知っておきたいこと、解決しておきたい疑問を質問形式で解説していきます。

Q.マイホームを売却する前にやっておくことは?

売却を検討しているマイホームを購入するときに組んだ住宅ローンの残高を確認することから始めましょう。

原則、マイホームを売却するときは、住宅ローンを完済して、金融機関が持つ抵当権を抹消する必要があります。

しかし、住宅ローンが残っている状態でも、売却価格がローンの残高を大きく上回る状態であれば売却が可能です。

その後は、マイホームの売却の手順とマイホームの売却価格の把握に着手します。

Q.売却を依頼する不動産会社の探し方は?

一度の情報入力で複数の不動産会社に査定依頼ができる不動産一括査定サイトを利用して探すのがおすすめです。

不動産一括査定サイトは、基本無料で利用でき、売却を検討しているマイホームの情報を入力することで、複数の不動産会社に情報送信が行えます。

そして、おおよその査定額とともに査定を行った会社が提供している売却プランを提示してくれます。

不動産一括査定サイトを利用することで、査定額の比較と売却プランの比較が同時に行えます。

なお、会社を選ぶときは、前述した2点を比較すると同時に、会社が専門としている物件種別と実績、口コミなどの各要素も並行して比較、検討しましょう。

Q.離婚を理由にマイホームを売却することになったら?

離婚を理由にマイホームを売却するときも、住宅ローンの残債額を確認しましょう。

同様に、マイホームを売却するかどうかを配偶者としっかり話し合うことも大切です。

マイホームの売却を決める判断基準
  • マイホームを売らない場合、ローンの支払いが無理なく継続できるか
  • 引っ越しに割り当てる資金の有無
  • 購入してから何年経過いるのか
  • 売却額でローンの完済が可能か

マイホームを売却するかどうかを決める際は、前述した4つの判断基準を経済状況の観点から判断するようにしましょう。

例えば、離婚後もローンの支払いができるなら、引っ越し費用が掛からず、住み続けることができます。

一方、マイホームを売却するなら、ローンの残高と併せて購入から何年が経過しているのかを確認しましょう。

物件を高値で売却するなら築浅の方がいいですが、購入から5年未満だと売却後に発生する税金が高くつきます。

よって離婚を前提にマイホームを売却するときは、ローンの残高の確認と並行して住宅の査定額を調べることから始めましょう。

Q.住み替えをするときは「売り先行」と「買い先行」のどちらが最適?

経済状況によって、選択肢が変わります。

例えば、住宅ローンが残っている状態で買い先行を選ぶと、現在組んでいる住宅ローンの返済と、引っ越し先の住宅で組むローンの2重返済を背負うことになります。

よって、買い先行を選択する場合は、経済力に余裕がある方におすすめです。

一方、売り先行は、いつマイホームが売れるのかが未知数なうえ、住み替えまでに時間がかかってしまう方法になりますが、買い手が見つかればまとまった資金が得られ、それを住み替え先の資金に割り当てられます。

つまるところ、売り先行は経済的余裕がなくても、時間に余裕がある方におすすめの方法です。

Q.相続したマイホームを売却する時期は?

親族から住宅を相続して、住む予定がない限りは早急に売却してしまうのがおすすめです。

大まかな理由として挙げられるのが、相続後、誰も住んでいないと家の劣化が急速に進み、不動産の価値そのものが落ちてしまうためです。

住宅もものである以上、時間とともに至る箇所が痛み始めます。

しかし、人が住んでいる物件と住んでいない空き家とでは、劣化速度に大きな差があります。

よって、高値で自宅を売却するなら、相続後すぐに売却を検討するのが賢明です。

なお、相続した住宅を売却するときは、以下の確認と手続きを済ませる必要があります。

住宅を相続したときにすること
  • 相続人の確認
  • 相続登記の実施
  • 遺産分割協議の実施
  • 相続税の申告

マイホームはいつか売るべき資産!特に高齢者は注意が必要

鉄筋造のマイホームでも安心して住める期間(耐用年数)は50年弱と言われています。

いくらリフォームを頻繁におこなったとしても、利用できる期間には限りがあります。つまり、今住んでいる家は「いつか処分すべきもの」と考えなければいけないのです。

この考えは、特に高齢者が持って欲しいものです。現在、古くなった実家を相続して処分に困るケースが増えています。

時代の変化に伴い、家は「売ることを想定して買うもの」「特に買う必要のないもの」となりました。

マイホームの正しい売り方は、全ての人が知っておくべき知識といえるでしょう。

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