中古マンションの売却価格は、築年数や面積、アクセスですでに決まっていると思っていませんか?
実は、売主の努力次第でどんなマンションも相場以上に高く売ることができるのです。
今回はマンションを高く売りたい方に向けて、これだけは抑えておいて欲しいポイント11選を徹底解説していきます!
- マンションを高く売るコツ11選!それぞれの内容をわかりやすく解説
- 中古マンションの売却価格相場は2016年から急上昇!その理由は?
- 中古マンションが高く売れるかを測る新指標「リセールバリュー」
- マンションを高く売るための最優先ポイントは2つ
- 高く売れるマンションの特徴とは?
- 中古マンションを高く売るのは簡単ではないので要注意
- マンション売却は過去の事例を気にしないことも必要
- マンションを高く売るにはとにかく準備が大切です!
マンションを高く売るコツ11選!それぞれの内容をわかりやすく解説
マンションを高く売るためには、こちらの11の要素をチェックしておく必要があります。
- 売却のスケジュールは長め(3ヶ月以上)に設定しておく
- 転居者の多い春・秋を狙って売り出す
- 中古を引き受ける不安を解消してあげる
- 不動産会社選びに最も力を入れる
- 不動産会社からは物件の短所も聞いておく
- 内覧前には掃除・整理整頓を忘れずに
- 広告出稿時は物件の写真映りに気をつけよう
- 専門業者へハウスクリーニングを依頼するのも一つの手
- 業者・買主と接する時は真心と思いやりを忘れずに!
- 不動産会社が本当に働いてくれているか小まめにチェックしよう
- 売れ残っても簡単に値引きをするのはNG
ここからは、それぞれのポイントを分かりやすく解説していきます!
【コツ①】売却のスケジュールは長め(3ヶ月以上)に設定しておく
マンションが売れるまでの期間は、平均3~6か月ほどと言われています。そのため、多くの人は3ヶ月前後にマンションが売れることをイメージしていると思います。
ただ、一般論としてマンションを高く売ろうとすればするほど、売却期間は長引いてしまいます。
例えば、実際の価値が3000万円のマンションを3500万円で売り出したとします。
適正価格より500万円も高いので、ほとんどの買い手は購入を避けるでしょう。
しかし、時間を待って売り出していれば、不動産知識のない人や「価格は高めだけど内容が気に入ったのでOK」という人が買ってくれる可能性があります。
買ってもらえれば500万円得したことになりますが、その一方で売却期間は長くなり、成約率も低くなります。
適正価格以上の高値で売りたいなら、長めのスケジュールを想定しておくのが理想的です。
【コツ②】転居者の多い春・秋を狙って売り出す
中古マンションの需要が高い時期に売り出したほうが、高く売れる可能性は高まります。
一般的にマンションは春か秋に売り出すのがおすすめです。なぜなら、この時期は会社の転勤・異動が多いので転居者が物件探しに集まってくるからです。
ただ、今はネットから物件を探すのが一般的なので、春の異動を冬頃言い渡された段階で契約を結ぼうとする人も多いです。春・秋に売り出すのはあくまで目安と捉えるほうが良いでしょう。
一方、沖縄は夏に台風が多かったり、北海道は冬に外廊下が凍結してしまったりします。
このように、地域によって売り出しを避けたほうが良いシーズンもあるので、注意しましょう。
【コツ③】中古を引き受ける不安を解消してあげる
買主は、中古マンションに住むことに少なからず不安を抱いていることが多いです。
特に、マンションの耐震性や耐久性は人命にかかわる部分でもあるので重要です。売却前に地盤調査をしておくことをおすすめします。
また、中古マンションには経済的なリスクもあります。例えば住宅設備の修繕費用・維持費は新築マンションよりもすぐに高額かかることが多いです。
引き渡し直後にコストがかかることを買主は恐れているので、簡単にできる修繕はこちらでやってしまっても良いでしょう。
【コツ④】マンションを高く売るには不動産会社選びが重要
「マンションを高く売る」と言っても、実際に広告掲載や販売活動をおこなうのは契約した不動産会社です。
そのため不動産を売るときには、信頼がおけて実績もある業者にパートナーになってもらうことが重要です。
ただ、前述の通り、日本には何万という業者があるので、全てをあたることは不可能です。
そのため、業者を以下の3つに大きく分けて、比較をすることをおすすめします。
- 大手業者(全国展開)
- 地元業者
- 関係性の深い業者・キャンペーンが魅力的な業者など
大手業者は宣伝に強く、地元業者は土地の知識に優れ、細かい対応をしてくれるメリットがあります。
それぞれの業者でも、特徴はもちろん違いますが、まずはこの3つを比較するのが基本です。
マンションのタイプにあった業者を選ぼう
マンションを扱っている業者の特徴として、ワンルームマンションや投資用マンションなど、細かいタイプによって得意・不得意が別れているという点が挙げられます。
不動産業者は、成約を出している物件のタイプが偏っていることも多いので、こうした業者に頼めば、信頼して販売活動を任せられます。
また、こうした業者は頻繁にセミナーを開催してもいるので、検討中の段階の方は、勉強がてら赴いてみてはいかがでしょうか。
一括査定サイトを使おう
不動産の地域情報や簡単なデータを記入すると、複数の不動産業者から査定を受けられるのが一括査定サイトです。
一括査定サイトを利用することで、単独依頼では見落としてしまうような優良業者を見つけられるので、大きな損をすることなく仲介業者を選べます。
また、複数の業者の算出額から、マンションの価格相場を知ることもできます。
違うタイプの業者から査定を受けると違いが見えてくるので、おすすめです。
【コツ⑤】不動産会社からは物件の短所も聞いておく
優良業者ならマンションを売り払ってしまうデメリットや、「このマンションはどこに欠陥があるか」というマイナスの部分を包み隠さず教えてくれます。
このような業者は冷静かつ公平な目利きができるという点で、優れていると判断できます。
また、デメリットが分かっていれば適切な改善策も分かっているため、相場以上で高く売れる可能性が高いです。
逆に、物件の良いところばかり言ってくる業者は、「相手がわかっていないうちに契約を取ろう」という思惑で動いているかもしれません。
相手が物件のデメリットを言ってこないなら、こちらから聞いてみるのもよいでしょう。
【コツ⑥】内覧前には掃除・整理整頓を忘れずに
適正価格より高く売り出すと売れ残ってしまう可能性が出てきますが、部屋の中がキレイだったら価格に納得する買主も増えます。
不動産会社はもちろん不動産のプロなので、部屋が片付いているかよりも構造や劣化の有無などに注目しがちです。
ただ、買主はあなたと同じ素人なので、どうしても見映えに目がいってしまいがちです。
逆に内覧前に掃除・整理整頓を徹底すれば劣化の見えるマンションでも高く売れる可能性が出てきます。
本当はマンションを丸ごと掃除するのがおすすめですが、十分な時間はなかなか取れません。こちらに掃除のポイントをまとめておくので、ぜひ参考にしてください!
場所 | ポイント |
---|---|
キッチン | コンロやシンクを優先的に磨き上げる。生ごみのニオイはしっかり消臭 |
浴室・洗面所 | カビ・水垢・鏡の曇りを清掃。内覧時には全体が乾いた状態になっているようにする |
トイレ | におい、カビ、水垢やホコリを清掃 |
リビング・ダイニング | ものを整理整頓し、広い印象を与える |
玄関 | 靴・傘はしっかり収納。床(三和土)は水拭きしておく |
ベランダ・バルコニー | 洗濯物はすべて取り込んでおく。床を拭き掃除し、余計なものは置かない |
窓ガラス | ガラス・網戸を拭き、日光がより入るようにする |
クローゼット・ロフト | 中を見られることも想定して整理整頓。荷物を押し込まない |
【コツ⑦】広告出稿時は物件の写真映りに気をつけよう
買主は、不動産会社が出した募集広告を見て物件選びをしていきます。
この時、物件の詳細情報やキャッチコピーよりも訴求力が高いのが広告写真です。
広告写真は担当の営業マンが撮影することが多いですが、彼らは広告・写真のプロではないので、出来をチェックさせてもらうよう頼んでも良いでしょう。
まずチェックしたいのが掲載写真の数です。なるべく物件の隅々まで撮影・掲載してもらうようにしましょう。
また、現実とあまりにかけ離れた写真を載せるのも危険です。買主は「広告だからある程度キレイに写る工夫をしているだろうなあ」とタカをくくってはいるでしょうが、あまりにも内覧の印象と違いすぎれば逆効果です。
汚れやキズも掲載したほうが、相手に信頼できると思われる可能性は高いですよ。
【コツ⑧】専門業者へハウスクリーニングを依頼するのも一つの手
内覧前や写真撮影前までに掃除をしたほうが良いですが、自力では限界がある部分でもあります。
特にキッチンや浴槽などの水回りは水垢が付きやすく、古いイメージを与えやすいのでプロに頼るのも一つの手です。
ハウスクリーニング業者に依頼をすると、意外と安値で水回りをピカピカにしてくれます。
場所 | 料金相場 |
---|---|
浴室 | 10,000~20,000円 |
洗面所 | 6,000~10,000円 |
トイレ | 6,000~13,000円 |
キッチン | 10,000~24,000円 |
レンジフード | 10,000~20,000円 |
第一印象が上がれば、相場より数百万円高く売れるケースもあります。
お金に余裕のある方は先行投資だと思って、積極的に活用していきましょう。
【コツ⑨】業者・買主と接する時は真心と思いやりを忘れずに!
不動産会社の担当者や買主と接する際は、真心・思いやりを忘れず丁寧に接するようにしましょう。
不動産会社とは一応、媒介契約によってドライな関係が成り立ってはいますが、宣伝にいくら使うか、営業をどれだけ頑張ってくれるかは担当の営業マンのモチベーション次第な部分もあります。
特に大手不動産会社は一人の抱える案件が多いので、こちらの対応が悪いと販売活動を後回しにされる可能性も十分あります。
内覧に来る買主に対ししては、担当者よりもっと丁寧に接する必要があります。
いくら内覧の手応えが良くても、買主の疑問や不安が100%解消されているわけではありません。「見つかってない欠陥があるのではないか…」と疑心暗鬼になっている方も多いでしょう。
こうした方に対して押し売りのような真似をするのは逆効果です。マンションのPRも営業マンの仕事なので、あなたが無理にやる必要はないでしょう。
それよりも、「ここの近くのパン屋さんが美味しいですよ!」「夕方はちょっと騒音がしますね…」といった長年住んだ感想・経験を、頃合いをみて教えてあげるほうが良いです。
【コツ⑩】不動産会社が本当に働いてくれているか小まめにチェックしよう
不動産会社との契約を媒介契約と言いますが、この契約には3種類の方法があります。
契約の種類 | 契約の有効期間 | 売り手自身が買い手を見つけること | 依頼可能な業者数 | 仲介業者からの報告(最低義務) |
---|---|---|---|---|
専属専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に1回、メールか文書で連絡 |
専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に1回、メールか文書で連絡 |
一般媒介契約 | 3ヶ月以内 | 可能 | 複数社と契約可能(契約数の上限なし) | なし |
1社のみと契約する場合は、不動産会社からの報告は1週間に1回が最低義務となっていますが、もっと頻繁に状況を連絡するようにこちらが希望することも可能です。
いざ販売活動を始めると、担当者が本当に営業をかけてくれているのか確かめるのは難しくなります。手を抜いている可能性も十分あるので、こちらが頻繁に連絡をしてプレッシャーをかけていくのもおすすめですよ。
【コツ⑪】売れ残っても簡単に値引きをするのはNG
マンション売却にかかる期間は平均3~6か月ですが、質の高い物件でも売れ残ってしまう可能性は十分あります。
なかなか売れない場合には、不動産会社がマンション価格の値引きを要求してきます。
藁にもすがる思いの時はこのアドバイスにのってしまいがちですが、安易な値引きは損するだけなので良く考えましょう。
まず、売れ残りの原因は本当に価格なのかを考えるべきです。
もしかしたら築年数の古さやアクセスの悪さに原因があるかも知れません。この場合、値下げをしても意味はないでしょう。
次に、値下げ幅をいくらにするのかを考えましょう。
値下げが少額過ぎても意味がないですし、値下げし過ぎたら損です。
一般的には、6か月経っても売れなかったら200万円を下げるのがおすすめです。詳しい値下げ方法はこちらにまとめているので、参考にしてください!
中古マンションの売却価格相場は2016年から急上昇!その理由は?
ここ十年以上、首都圏のマンション売却額は2,500万円前後で推移してきました。
しかし2016年に売却価格の平均がはじめて3,000万円を超え、2017年更に上昇しました。
ここからは、なぜ相場が上昇したのか、考えられる理由を紹介していきます。
五輪前の期待感・海外投資家の参入で相場が上昇
相場がなぜ急上昇したのか?その理由の一つに東京オリンピック前の期待感があります。
特に首都圏はリーマンショックの影響で一度相場が落ち込みましたが、アベノミクスの影響である程度回復し、東京オリンピックが決定したことで高騰しました。
特に海外の投資家による買い占めラッシュの勢いが強く、急激な価格上昇に一役買ったと考えられます。
首都圏の新築マンションは4分の1がタワマン
一昔前の六本木ヒルズなどは、若手実業家や芸能人など一部の成功者が住むイメージでしたが、今では首都圏の約4分の1がタワーマンションに分類されます。
タワーマンションが増えた理由としては、狭い敷地でも人数を十分収容できる効率の良さやブランド力などがあります。
高層マンションのほうが一般的なマンションよりも売却価格が高いため、価格相場が上がっているとも考えられます。
住宅ローンの金利が低くなり不動産需要がアップ
2016年にマイナス金利政策が実施され、住宅ローンの金利が一気に低くなりました。
不動産を購入する際は住宅ローンを合わせて考えることが多いので、住宅ローンが安くなればその分だけ中古不動産を売却しやすくなります。
実際にGoogleなどの検索エンジンでも、2016年を境に中古の不動産を検索して調べる人が急増しました。
2018年現在も低金利の傾向は続いており、マンションを高く売る絶好のタイミングとみることができます。
中古マンションが高く売れるかを測る新指標「リセールバリュー」
近年、中古マンションの価値を図る指標にリセールバリューというものが使われ始めました。
これは、特定のマンションを中古状態で売却したときにどれくらいの価値が付くかという概念です。
これまでは、新築時の価格から築年数の経過分を引いたのが、売却時の価値とされてきました。
しかし、新築のマンションと中古のマンションでは、購入者が求めるバリューも変わってきます。
そのうち、中古マンションのバリューを満たしているかどうかに特化した指標が、リセールバリューということです。
リセールバリューを決める3つの項目
リセールバリューは、主に以下3つの項目で決定します。
- アクセス
- 専有面積
- 戸数規模
ここからは、それぞれの項目を更に詳しくみていきます。
アクセス
リセールバリューを図る指標の一つに、駅まで徒歩でかかる時間があります。
A駅の隣にあるマンションのリセールバリューを100%とすると、A駅から距離が離れるにつれて、以下のように価値が下がっていきます。
所要時間 | リセールバリュー(%) |
---|---|
徒歩3分以内 | 96.2% |
徒歩6分以内 | 93.7% |
徒歩10分以内 | 92.6% |
徒歩15分以内 | 89.1% |
徒歩20分以内 | 86.8% |
徒歩21分以上 | 82.1% |
※出典:三井住友トラスト不動産HP「最寄駅からの所要時間別リセールバリュー」
こちらの表は売り出されている中古マンションで最も多い築10年をベースにリセールバリューが算出されています。
築年数が更に古いと、徒歩時間が延びるごとのリセールバリューの減少幅は大きくなります。
専有面積
専有面積 | リセールバリュー(%) |
---|---|
30㎡未満 | 62.6% |
30㎡~40㎡未満 | 80.8% |
40㎡~50㎡未満 | 94.4% |
50㎡~70㎡未満 | 98.6% |
70㎡~80㎡未満 | 88.7% |
80㎡~100㎡未満 | 90.8% |
100㎡以上 | 92.6% |
※出典:三井住友トラスト不動産HP「専有面積帯別リセールバリュー」
中古マンションの専有面積はただ大きければ良いというわけではありません。
特に人気なのが40~60㎡の物件で、これは家族が住むのにピッタリな広さだと言われています。
これよりも面積が広くても、使い勝手があまり変わらないにも関わらず価格が高騰してしまうので、売却時の人気は若干下がります。
戸数規模
戸数規模 | リセールバリュー(%) |
---|---|
50戸未満 | 86.9% |
50戸~100戸未満 | 87.1% |
100戸~150戸未満 | 90.4% |
150戸~200戸未満 | 92.0% |
200戸~300戸未満 | 101.5% |
300戸~500戸未満 | 107.3% |
500戸以上 | 110.3% |
※出典:三井住友トラスト不動産HP「戸数規模別リセールバリュー」
分譲マンションなら棟全体の戸数がいくつであっても、部屋ごとの質が高ければ良いように思います。
ただ実際は、戸数規模が大きければ耐震構造や防犯などもしっかりしていることが多いので、部屋のリセールバリューと戸数規模は密接に関係しています。
マンションを高く売るための最優先ポイントは2つ
ここまでマンションを高く売るためのコツを紹介していきましたが、その中でも最優先で抑えておきたいポイントは以下の2点です。
- 良い不動産会社を選ぶ
- 内覧準備で第一印象をアップさせる
マンションなどの不動産とは、「動かない資産」という意味です。
マンションはアクセスの良い物件ほど評価は高いですが、かといって移動できない以上、アクセスが悪いと、どうしようもできません。
また、マンションは築年数の経過によって劣化していき、資産価値はどんどん低下していきます。
つまり、アクセス・築年数はどうやっても修正できないのです。
ただ、それでも高く売ってくれる不動産会社を選ぶこと、内覧準備で印象アップさせることが上手くできれば、相場よりも高く売ることが可能です。
➀マンションを高く売れるかは不動産会社選びで十中八九決まる
マンションが高く売れるか、売却が上手くいくかは業者選びでほとんど決まるといっても過言ではありません。
これは前述の通り、販売活動の大部分を不動産会社が担うということでもありますが、その他、税金処理や書類の準備、ローンについての対応なども、実はどの不動産会社を選ぶかによって大きく変わるのです。
知らない人も多いですが、中古マンションが成約した際に支払われる仲介手数料には、こうした売却以外の相談や手続きの処理も含まれています。
マンションが高く売れても、ずさんなチェックや手続きでトラブルに巻き込まれてしまったら意味がありません。
高く売るだけでなく損せず売るためにも不動産会社選びはとにかく重要なのです。
②相場以上で高く売るには内覧準備が不可欠
前述の通り、マンションは高く売れるエリアへ移動させることも、築年数を戻すこともできます。
ただ、その中でマンションの価値を上げるために有効なのが、掃除・整理整頓といった、第一印象をアップさせる施策です。
条件が悪いマンションでも、この対応をすることで高く売れる可能性は十分あります。
特に中古マンションの購入ターゲットになる買主は不動産の知識を持っていないので、第一印象で購入するかどうかの判断を決めてしまうことが多いです。
これを逆手にとれば、条件以上で高く売ることは十分可能なのです。
玄関・水回りを重点的に掃除する
マンションの第一印象を劇的にアップさせたいのであれば、まずは玄関と水回りを重点的に掃除しましょう。
玄関は内覧にやってきた方が真っ先にチェックする箇所なので、玄関が汚ければ、その後の内覧の印象も良くないということがあり得ます。
また、台所や風呂場などの水回りも重点的に掃除をしましょう。
水回りは水垢などが付くことで古い印象を与えやすく、ここが汚いだけで多くの購入希望者が離れていきます。
内覧者も全ての箇所を隅々までチェックする訳ではないので、時間があまりとれない方は重点的にこちらの2点に対応することをおすすめします。
高く売れるマンションの特徴とは?
マンションの中には、中古でも高く売れるものが存在します。
マンションの金額は需要と供給によって決定されることもあり、購入希望者のニーズを満たしていれば高く売れる可能性は十分あるのです。
ここからは、高く売れる中古マンションにはどんな特徴があるのか、徹底解説していきます。
➀誰にとっても魅力的な付加価値がある
築古でも高く売れるマンションということは、言い換えれば築年数が経過しても褪せない魅力があるということでもあります。
築年数に係わらない魅力とは、例えば以下のような項目を思い浮かべることが出来ます。
- 圧倒的な眺めの良さ
- 街のブランド力が高い
- バルコニーがある
- ジム・プールなどが併設されている
- コンシェルジュがいる
- 最上階の角部屋 など…
程度の差こそあれ、築年数が経過してもこうしたウリは無くなることはありません。
ただ、自分のマンションのウリを見つけてどうPRするかというのも、売主や業者の腕の見せ所ではあります。
②周辺エリアのマンションの中でダントツの好条件
引っ越しや転勤で移住してくる人は、住むエリアを自由に選べないケースもあります。
「引っ越し後にマンションを購入したい」と思ったなら、ある程度エリアを絞って、そこからマンションを選ばなければいけないのです。
そのため、同時期に売り出された周辺のマンションよりも築年数やアクセス、設備などの条件が良ければ、購入希望者が消去法で高く購入してくれる可能性は十分あります。
中古マンションを高く売るのは簡単ではないので要注意
上記の通り、今は中古マンションを売却する絶好のチャンスです。
ただ、一般的に中古マンションを高く売るのはかなり難しいです。
確かに、良い不動産会社と契約したり、内覧前の掃除を徹底したりすれば高く売れる確率は上がりますが、マンションなどの不動産は、中古の価値が新築に比べてかなり低くなってしまいます。
マンションの価値は築年数で決まる
マンションの査定では、さまざまな要素をスコアリング式で採点(評点)し、最終的に価格を決定します。
その中でも、最も結果を左右するのが築年数です。
築年数によるマンションの価値減少は、戸建てに比べて緩やかではありますが、それでも法定の耐用年数に近づくにつれ、価値はだんだん0に近くなっていきます。
思いたったらすぐに売り出すのが、マンションを高く売るためには何より重要ということを、頭に入れておきましょう。
不動産需要高騰の割に盛り上がりに欠ける中古マンション市場
確かに前述の通り不動産はここ数年で売却しやすくなりましたが、首都圏の中古マンションの売買件数自体は、そこまで延びている印象がありません。
その理由としては、まず投資家たちのリーマンショック時の反省があります。
10年ほど前に投資ブームがおき、不労所得を目指す高所得者が次々に収益物件を購入しました。
当時も不動産投資の好機と言われていましたが、結果的にはリーマンショックによって損をしてしまいました。
今回の不動産好況も、同じようなことが起きるのではないかと投資家は警戒しており、活発な取引が起きにくいのです。
また、前述の2022年問題や、東京オリンピック後の急激な少子高齢化などによる今後の価格減少予測も、そこまで中古マンションの売買が盛り上がっていない要因です。
マンション売却は過去の事例を気にしないことも必要
マンション売却の際は、過去の事例をもとに売り出し価格を決める事が多いです。
この方法では、同じ地域のマンションが売却された際の価格を参考に、金額を算出します。
実際の取引データを参考にしているので、信憑性も高いように感じます。
しかし、この方法にはデメリットもあり、常に良い方法という訳ではありません。
過去の傾向をもとに売り出し価格を決めると、価格が低くなり、損をする事が多いです。
時代によってマンション価格は大きく変化する
同時期に建てられた同タイプのマンションを参考にすると、査定額は、ほぼ100%下がってしまいます。
なぜなら、築年数が経った分、過去の売却額が引かれているからです。
確かに、築年数が経つほど価格は下がりますが、周囲で都市開発やショッピングモールの建設などがあると、マンションの価値は上がります。
過去の事例を参照する場合は、この時期の周辺環境はどのようなものだったか、今と比べてどうかという比較をする必要があります。
マンションを高く売るにはとにかく準備が大切です!
ここまで、マンション売却における序盤の準備の重要性を解説しました。
しかし、実際には、不動産は初心者には難しいという事もあり、検討時から準備をしっかり行っている人は多くいません。
高く売るには、こうした誰も行っていない努力を率先して行いましょう。