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リースバック

リースバックの買取価格の相場は市場価格の60~80%!価格の仕組みや家賃との関係・価格を上げる方法

リースバック 買取価格
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皆さんは、最近流行りのリースバックをご存じでしょうか?

今までは、住んでいる家を売ったら住み続けることができず、引っ越しをしないといけませんでした。

リースバックは、家を不動産会社に買い取ってもらって買取代金をもらい、その後は借家として家賃を払いながら住み続ける方法です。

リースバックでは買取代金の価格が重要です。買取価格がイコールでサービス利用者の利益となり、かつ毎月の賃料も買取価格を基準に設定されるので、買取価格がいくらになるかは重要なポイントです。

今回は、リースバックの買取価格の仕組みや相場、注意点などを詳しく解説していきます。

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リースバックの買取価格は市場価格の60~80%

リースバックの買取価格の相場は、一般的に仲介市場価格の60%から80%程度となっています。

仲介売却と買取の違い
売却方法 仲介売却 不動産買取
買主 個人 不動産会社
売却活動の期間 購入希望者が現れるまで
※平均3~6ヶ月前後
買取条件が合えば、短期間で売却可能
※平均1~2ヶ月前後
売却価格(相場) 市場価格の90%~110% 市場価格の70%前後
契約不適合責任の有無 原則免除
※適用される場合がある
あり
仲介手数料の有無 なし あり
おすすめの方 ・不動産を短期間で売却したい方
・築古ゆえ仲介売却を断られてしまった方
・不動産を高値で売却したい方
・抵当権付きの不動産を売却したい方

この範囲が設定されている主な理由は、リースバック企業が物件の維持管理や運用に必要なコストをカバーし、リスクを管理するためです。

仲介市場価格とは、同じ物件が市場で取引される場合の価格を指しますが、これに対しリースバックの買取価格は一定のディスカウントが適用されます。

不動産買取の価格が低くなる理由
  • 理由1】再販コストが利益から引かれるため
  • 理由2】状態の悪い家でも瑕疵の確認をせず買い取るため
  • 理由3】価格交渉などが行われるケースが少ないため

リースバックの買取価格と家賃の関係

リースバックの買取価格と賃料は密接に関連しています。

リースバック物件の家賃は、下記の計算式によって求められます。

リースバックの家賃の計算式
賃料=売却価格×期待利回り÷12(ヵ月)

以下は、『家賃=買取価格×期待利回り(7~10%)÷ 12ヶ月』を基に、買取価格1,000万円、2,000万円、3,000万円時の賃料がいくらになるのかを一覧化したものになります。

買取価格 利回り7%時の賃料 利回り8%時の賃料 利回り9%時の賃料 利回り10%時の賃料
1,000万円 約5.8万円 約6.6万円 約7.5万円 約8.3万円
2,000万円 約11.6万円 約13.3万円 約15万円 約16.6万円
3,000万円 約17.5万円 約20万円 約22.5万円 約25万円

なお、利回りの一般的な数値は下記の通りです。

不動産の利回り【目安】
物件タイプ 利回りの理想的な数値
区分マンション
  • 【新築】3~4%
  • 【築20年以内】5~6%
  • 【築20年超】7~8%
一棟マンション
  • 【新築】6%
  • 【中古】7~8%
一棟アパート
  • 【新築】8%
  • 【中古】9~10%

リースバックの買取価格が低い理由

買取価格が下がる主な理由
価格が下がる理由 詳細
再販コストが利益から引かれるため 再販にかかるリノベ・リフォーム代などを差し引いている
状態の悪い物件も瑕疵の確認をせず買い取るため 状態の確認をせず、”状態が悪い箇所もある”前提での評価をしている
価格交渉などが行われるケースが少ないため 状態の悪い物件を”買い取ってもらう”ことが多く、売主側から希望価格を提示するケースなどが少ない
売主側に営業のプロがついていないから 高く売りたい素人VS安く仕入れたいプロ(不動産会社)の構図になるので、交渉が通りにくい

理由1】再販コストが利益から引かれるため

不動産買取のビジネスモデル

リースバック物件は、賃貸期間が終わった後に物件を仕入れて再販することも想定した買取価格となっています。

中古の家を買い取ってそのまま販売しても利益にはならないので、内装・外観を工事したり、リフォームをおこなったりして、付加価値をつけた上で再販をするのが一般的です。

このような、リフォームなどの費用は不動産会社が持つため、売買価格から差し引かれているケースが一般的です。

ただし、買取価格は買い戻しを前提にしている場合でも、時価から差し引かれるケースが多いため、注意が必要です。

理由2】状態の悪い家でも瑕疵の確認をせず買い取るため

買取の場合、シロアリ被害や柱の腐食などの瑕疵の確認をせずに、現物引き渡しをおこないます。

主な瑕疵の種類
物理的な欠陥 水漏れ・雨漏りや設備の故障・柱の腐敗や耐震性の不足 など
法律的な瑕疵 建築制限のオーバー、接道義務を果たしていない など
心理的な瑕疵 過去に自殺や殺人事件が物件内で起きた、近隣に指定暴力団事務所があった など
環境的な瑕疵 夜中を通して騒音や睡眠を妨害するレベルの振動があるエリアだった など

仲介売却の場合、瑕疵は事前に買主側に告知されて、瑕疵の分も考慮しながら双方合意の上で価格設定をおこないます。(契約不適合責任)

買取の場合は、不動産会社が全て瑕疵・欠陥の修繕費などを負担する代わりに、状態が悪い物件を買い取る前提で金額設定をおこなうため、価格が差し引かれます。

こちらも前述の話と同様、買い戻しを前提としている場合でも価格が差し引かれているケースが多いです。

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リースバックの買取価格相場を知ることは重要?

不動産会社からの提示額が相場より高くても問題ない

リースバックではまず物件をリースバック業者に買い取ってもらいますが、この際に業者からの提示価格が相場より高額だったとしても問題ではありません。

リースバック業者自身が見積もり価格として提示している金額なので、双方合意が成り立っているためです。

一方、仲介売却の場合は相場を元に売り出し価格を設定し、その金額で第三者へ販売活動を実施します。その際に相場より割高な場合は買い渋られてしまい、売れ残るリスクがあります。

そのため、仲介売却では相場を事前に調査しておくことが重要です。

買取価格の相場を事前に把握することでトラブルを避けられる

買取価格の相場を把握していないと、リースバック業者が相場より低値の価格を提示してきたとしても違和感に気づかず契約してしまう恐れがあります。

また、提示価格が相場より2倍近く高いなど、異常に割高な場合も詐欺などの可能性を疑うべきです。

例えば、「この物件の買取価格はおよそ2,500万円前後になる」というイメージを持っておけば、リースバック業者からの提示価格が大きくズレていた時におかしいと気付くことができます。

また、リースバックは「代金が貰えて、かつそのまま家賃を払って住み続けられる」という、”二重でお得”と思わせやすいサービス内容になるので、よく調べなかったり、押し切られてしまい契約してしまうケースが増えています。

【事例2】自宅マンションを売るようしつこく言われ、怖くなって応じてしまった
数か月前、家に突然電話があり「来訪して説明したい。玄関で 10 分だけ」と言われ了承した。当日、担当者2人が押し入るように部屋に入ってきて、マンションを売るよう執拗に勧誘された。「3,000 万円で買い取る、その後毎月家賃 25 万円を支払えば、そのまま住むことができる」と言われ、買い取り額が安いと思ったが、強盗事件が頭をよぎりとにかく怖くなって了承をしてしまった。何かの書類にサインしたが、何にサインしたかはわからない。売却はせずこのままマンションに住み続けたいが、解約するには違約金 600 万円がかかると言われている。どうしたらよいか。
(2024 年 10 月受付 90 歳代 女性)

出典:国民生活センター「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!-本当に「そのまま“ずっと”住み続けられる」契約ですか?- 」

こうしたケースを防ぐためにも、事前に価格相場などを調べておくことは重要です。

リースバックの買取価格を上げることが出来る理由

前述の通り、リースバックでの買取価格は、時価と比べて安値になりがちです。

一方で、リースバックの買取価格を上げる方法もいくつかあります。

理由1】成約価格(売買価格)はあくまで売主・買主の合意で決まる

不動産買取は仕組み上、不動産会社から先に買取価格を提示された上で売主がそれに承諾するという流れになりがちです。

しかし、不動産売買契約は前提として売主・買主の合意に基づいて条件を決めるので、売主側からも希望を伝えることは悪いことではありません。

不動産会社が話し合いに応じるかどうかはまた別の話にはなりますが、条件を上げたいのであれば、売主からの働きかけも不可欠となります。

理由2】買取価格の相場は不明確な部分も多い

リースバック買取価格の不明点
  • 買い戻しをおこなう場合も、再販コストが買取価格から引かれている
  • 再販で想定より利益が出た場合も、利益の還元は原則おこなわれない

前述の通り、リースバックの買取相場は時価の約7割前後まで下がりますが、その根拠として挙げられる考え方が全ての状況にあてはまる訳ではありません。

特に注意すべきが、再販で利益が出た場合の還元は実施されるのかどうかについてです。

買取時の不動産会社の想定コスト・買取価格 実際の再販コスト・再販利益
  • 見込み再販コスト:600万円
  • 見込み再販価格:2,200万円
  • 買取価格:1,400万円
  • 不動産会社の見込み利益:200万円(2,200万円-1,400万円-600万円)
  • 実際の再販コスト:400万円
  • 実際の再販価格:2,400万円
  • 買取価格:1,400万円
  • 不動産会社の見込み利益:200万円
  • 実際の利益:600万円(+400万円)

前述の通り、不動産会社は買取時に詳細な物件調査をおこなう訳ではないので、仕入れてから再販コストが予想より低くなったり、予想より利益が上がったりする可能性もあります。

この場合、買取価格は実際より余計に下げてしまったことになりますが、その差額分を後で還元する対応は一般的ではなく、ほとんどありません。

東急リバブルとや野村の仲介+(野村不動産ソリューションズ)など、公に利益還元保証を制度として設けているのはごくわずかしかありませんが、話し合い次第では条件を取り付けられる可能性もあります。

リースバックの買取価格を上げる方法

では、リースバックの買取価格を上げるにはどうすれば良いのでしょうか?

詳しく解説していきます。

方法1】買取査定額を比較する

リースバックの流れは以下の通りです。

  1. 査定申込
  2. 査定結果とリース料の提示
  3. リースバック契約・成立

最初に査定を依頼すれば、いくらで買い取ってくれるかの金額を提示してくれます。

それを見て契約をしなくても良いので、どんどん査定を依頼して一番高い会社と契約するのがおすすめです。

日頃利用している不動産会社1社にリースバックを依頼する人もいますが、他社と比較しないと買取価格が高いのか低いのか分からないので危険です。

方法2】相見積もりをおこなう

買取価格を上げる方法の一つに相見積もりというものがあります。

これは、他社の査定結果を持ち寄って、「この会社ではこれくらいの金額がついたんですが、御社も少し高くしてくれませんか?」と依頼する方法です。

買取価格が決まる基準が意外とあいまいで、営業マンの判断で価格が上がるケースも多々あります。

相見積もりは後ろ盾がある分、素人でもやりやすい交渉方法です。

方法3】高く買い取ってほしい旨を伝える

買取価格は最終的には売主と買主(買取業者)双方の合意によって決まるので、売主側から金額の希望を出すことも重要です。

一般的に多くの方は不動産をできるだけ高く売りたいと考えているので、買取ではなく仲介売却をまずは選びます。

【アンケート】不動産売却で重視されるポイント

株式会社グローベルスが不動産売却をした134名を対象に実施した独自アンケートによると、不動産売却をした人たちは「金額の高さ>売却の早さ」を優先していることがわかりました。

多少時間がかかっても(+6ヵ月程度)、相場と同じやそれ以上に高く売りたい 105名(78.4%)
多少価格が下がっても(相場の2割減程度)、できるだけ早く(依頼から換金まで2週間程度で)売りたい 29名(21.6%)
不動産売却をした人の優先度

一方で買取は瑕疵がある物件でも現状のまま引き渡し可能なので、仲介売却で売れ残った物件や仲介を不動産会社から断られた物件が買取に出されることが多いです。

売主としても物件の条件・状態が悪いことを認識しているので、より高値での買取依頼などを打診しにくく、それが逆に不動産会社から足元をみられることになります。

高値で買い取って欲しい場合は、その旨の意思表示をすることも大切です。

リースバックの買取価格を調べる際の注意点

注意点1】賃料設定はリースバック業者によって異なる

リースバックは、賃貸借期間中の設定賃料もリースバック業者の査定評価によって決まります。

そのため、一見すると売却価格が高額でも賃料が相場に比べて割高だと、損をする可能性があります。

賃料の見積もりもリースバック業者に査定を依頼すると算出してくれるので、複数社を比較することをおすすめします。

注意点2】賃貸借期間の条件もリースバック業者によって異なる

賃貸借期間の範囲や契約更新のルールなども、リースバック業者によって異なります。

この部分が柔軟に設定できないと資金計画がズレてしまうので、場合によっては買取価格の高さや家賃の安さ以上に重要なポイントです。

リースバック業者によっては10年以上の賃貸借期間を設定できるケースもあります。ただし、期間満了後のことを考えると、売却で得た資金が残っているうちに買い戻しや新生活に進めることも重要になります。

リースバックの賃貸借契約期間
契約期間 割合(%)
1年未満(定期建物賃貸借のみ) 7.1%
1年 7.1%
2年 28.6%
3年 50.0%
3年超 7.1%
期間の定めはない 0.0%
その他 0.0%
無回答 0.0%

※リースバック取引成立があり、なおかつリースバック事業に「物件の賃貸・管理」で関わっていると回答した事業者15社を対象に集計(2020年時点の回答)

実際は上記データにあるように賃貸借期間は3年程度で設定するケースが多く、期間を長めに設定すると支払いが増えてしまうため注意が必要です。

注意点3】買い戻しの条件設定に注意する

買い戻しの条件がどのようになるかに関しても、リースバック業者ごと、プランごとに異なります。

例えば、買い戻し時の価格は賃貸借期間中の減価償却が考慮されるのか、事前に買い戻しを希望した場合はどれくらい強制性が伴うのかなどは重要なポイントなのでチェックが必要です。

リースバック物件の買い戻し

特に買い戻し特約は強制性が伴うので、確実に買い戻ししやすくなりますが、一方でリースバック利用者も買い戻しを実施しなければいけなくなります。

買い戻しを希望する割合
買戻しをした(あるいは買戻し手続き中)利用者数 戸建て マンション
年次 2018年 2019年 2020年 2018年 2019年 2020年
0件 57.1% 43.8% 62.5% 64.3% 62.5% 62.5%
1件~4件 14.3% 31.3% 6.3% 14.3% 25.0% 12.5%
5件~9件 0.0% 0.0% 6.3% 0.0% 0.0% 6.3%
10件以上 0.0% 6.3% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
無回答 28.6% 18.8% 25.0% 21.4% 12.5% 18.8%

※リースバック取引成立があり、なおかつリースバック事業に「物件の売却」で関わっていると回答した事業者16社を対象に集計。対象企業のうち2社は、リースバック事業開始からの期間が1年未満だったため、2018年の集計対象は14社。

上記のデータにもあるように、買い戻しには高額のコストが必要なので実際に買い戻しをおこなう方は多くなく、過半数以上は買い戻しをしないという選択をしています。

「住まいが不動産会社のものになるのは嫌なので、せっかくだから買い戻したい」という気持ちも分かりますが、リースバック後の資金計画も踏まえて慎重に決めていく必要があります。

リースバックの買取価格は初心者でも上げられる

リースバックの買取価格は、上記で説明したやり方で上げることができます。

確かに事前準備をするのは面倒ですし時間も使いますが、ここをしっかりやることで今後の10年間が楽になります。

ポイントをしっかり押さえて、より高く買い取ってくれる業者を探していきましょう。

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