住宅ローンの審査で重視されるポイントは、個人のカードローンなどの信用情報の記録です。
住宅ローン申し込み前に返済遅延などがあれば、住宅ローンの審査に通りづらくなります。
審査の対象になる個人の信用情報は、全国銀行協会(全銀協)が運営する全国銀行個人信用情報センターであるKSCの個人データをもとに見ています。
そのため、個人信用情報が理由で住宅ローンの審査に通らなかった人はKSCを見ない住宅ローンに申しこみたいですよね。
この記事では、全銀協のKSCについて解説してから、KSCを見ない住宅ローンがあるかどうか解説していきます。
後半では信用情報に傷がついていた時の対処法も紹介しています。
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全銀協のKSCとは?
全銀協のKSCは全国銀行個人信用情報センターのことで、簡単に言えばローン等に関する個人信用情報を登録している機関です。
それまでのローン取引を記録として残し、新たな与信取引を始める際の参考資料として金融機関にデータを提供します。
KSCの会員である金融機関は、消費者等への過剰貸付(多重債務)の防止や審査事務の迅速化に役立てています。
全国銀行協会=KSCと誤認されやすいですが、あくまで全国銀行協会が運営している機関の一つです。
CIC・JICCとの違い
KSCと似た信用情報取引機関として、CICやJICCという機関があります。
しかし、それぞれの登録業者は下記のように異なります。
業者 | JICC | CIC | 全銀協 |
---|---|---|---|
消費者金融 | 〇 | 〇 | ― |
クレジット会社 | 〇 | 〇 | ― |
信販会社 | 〇 | 〇 | ― |
保証会社 | 〇 | 〇 | ― |
リース会社 | 〇 | 〇 | ― |
銀行 | 〇 | ― | 〇 |
保険会社 | ― | 〇 | ― |
携帯電話会社 | ― | 〇 | ― |
信託銀行 | ― | ― | 〇 |
信用組合 | ― | ― | 〇 |
農協 | ― | ― | 〇 |
全国銀行協会はJICCやCICに比べて、加入条件が厳しいため、消費者金融やクレジット会社は加入していません。
銀行、信託銀行、信用組合が加入しているのが全銀協だと覚えれば問題ありません。
情報登録期間の違い
また、個人情報が登録されている期間も次のように異なります。
信用情報 | JICC | CIC | 全銀協 |
---|---|---|---|
延滞の有無・発生日 | 延滞解消から1年 | 延滞解消から1年 | 延滞解消から5年 |
自己破産 | 5年 | 5年 | 10年 |
個人再生 | 5年 | 登録されない | 10年 |
任意整理 | 5年 | 登録されない | 登録されない |
申し込み | 6か月 | 6か月 | 6か月 |
契約・借入・返済 | 5年 | 5年 | 5年 |
全国銀行協会のKSCでは、支払い延滞においては5年経過しなければ記録が残ってしまいます。
住宅ローン申し込み時に支払いが遅れた記録があると審査に通りづらくなりますが、逆に言えば過去5年が経過すれば記録として残らなくなります。
住宅ローンの審査を通過したい場合は、時期を遅らせて審査に申しこむのも一つの手です。
KSCに記録される情報
KSCに記録される情報は、主に次の内容になります。
登録情報 | 登録内容 | 登録期間 |
---|---|---|
取引情報 | ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況の履歴 | 契約期間中および契約終了日(完済日)から5年 |
照会記録情報 | 会員がセンターを利用した日、ローンやクレジットカード等の申込み・契約の内容等 | 当該利用日から1年を超えない期間 |
不渡情報 | 手形交換所の第1回目不渡、取引停止処分 | 当該発生日から6か月、当該処分日から5年 |
官報情報 | 官報に公告された破産・民事再生手続開始決定等 | 当該決定日から10年 |
本人申告情報 | 本人確認資料の紛失・盗難、同姓同名別人の情報がセンターに登録されており自分と間違えられるおそれがある旨等の本人からの申告内容 | 登録日から5年 |
貸付自粛情報 | 本人に浪費の習癖があることやギャンブル等依存症により、本人や家族の生活に支障を生じさせるおそれがあることから、自らを自粛対象者とする申告内容 | 申告日から5年 |
登録してから数年間は記録され続けることが多いので、KSCの内容に不安がある場合は気をつけましょう。
全銀協を見ない住宅ローンは存在する?
全銀協に登録していない金融機関であれば、KSCを確認されることはありません。
しかし、ほとんどの銀行・信用金庫が含まれていますが、審査に不安がある方は事前に確認しておきましょう。
住宅ローンではCICの記録を見ない金融機関はありますが、全銀協の記録を見ない金融機関はほとんどありません。
つまり全銀協のKSCはほぼ確認されるので、心配な人は後述する方法で内容を確認してください。
KSCの内容を確認する方法
KSCに登録されている情報は、開示手続きを踏めば確認することができます。
郵送手続きのみで、窓口での開示は行わないため気をつけましょう。
内容を確認するためには、次の必要書類を準備しましょう。
- 登録情報開示申込書
- 本人確認書類
- 開示手数料(郵便小為替証書)
- 郵送用封筒
- 切手
上記書類を準備して指定送付先に郵送すると、本人限定受取郵便「特例型」or簡易書留で届きます。
1週間から10日程で登録情報開示報告書が届くので、内容が確認できます。
KSCに傷がついていた場合の対処法
KSCに傷がついている場合の対処法として、次の3つが挙げられます。
- 返済中の支払いを滞納しない
- デビットカードを利用する
- 新たに借り入れをしない
KSCに傷がついていると、「ブラック」と呼ばれる状態になってしまいます。
銀行の住宅ローンやマイカーローン、大手消費者金融のカードローンや、クレジットカードの審査にはまず通過することができません。
そのため、上記の対策を取って信用情報を回復する必要があります。
返済中の支払いを滞納しない
債務整理後の返済中に支払を滞納してしまうと、傷がついた信用情報が回復するまでの期間が延びてしまいます。
そのため、返済中の支払いは滞納しないように気をつけましょう。
滞納すると借金問題を悪化させてしまい、さらに信用情報の悪化につながります。
携帯電話の端末料金やDVDレンタルの遅延も、信用情報に影響を及ぼすので気をつけましょう。
デビットカードを利用する
デビットカードとは、支払いと同時に銀行から金額が引き落とされるカードです。
口座に残金がなければ引き落とすことができないので、信用情報に影響を与えることはありません。
そのためデビットカードの作成時には審査が必要ないので、信用情報に事故情報が登録されていても作成できます。
クレジットカードが利用できない人でカード支払いをしたい人は、デビッドカードの利用がおすすめです。
信用情報に傷がついている場合は、さらに傷がつかないように対応しましょう。
新たに借り入れをしない
信用情報が回復するまでは、新たな借り入れは避けましょう。
基本的に金融機関から新たに借り入れすることはできませんが、友人や親族からの借金もNGです。
借り入れをしない習慣を身につけなければ、KSCに傷がつき続けます。
中には審査の甘い金融業者もあり、「ブラックリスト入りでもカードを作れる」と言ってカードを作らせる業者もあります。
貸金業登録のない違法業者の可能性もあり、取引すると金利がやたら高額であるなどの落とし穴があるので、注意が必要です。
ブラックリストの期間は、基本的には借り入れはできないと考えておきましょう。
住宅ローンの審査で全銀協のKSCはほぼ確実に見られる
住宅ローンの審査において、全銀協のKSCを見ないことはほとんどありません。
信用情報に傷がついていた場合は、時期を改めるなどの方法を取る方が無難です。
KSCに傷がついていないか不安な人は、事前に確認しておきましょう。