外壁塗装は住まいの見た目を整えるだけでなく、雨風や紫外線から建物を守るために不可欠な工事です。
しかし、塗装費用は決して安価ではなく戸建て住宅1軒あたり60万円~120万円が相場と言われています。
そこで注目されているのが、外壁塗装に活用できる助成金・補助金制度です。
本記事では、外壁塗装で助成金を受けられる条件や支給額、制度の探し方、注意点などを最新情報に基づいて解説していきます。


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外壁塗装は助成金・補助金の対象になる?
外壁塗装は一見すると見た目を整えるため(美観目的)の工事と思われがちですが、断熱・遮熱性の向上や住宅性能の改善につながる場合、自治体による助成金・補助金の対象になることがあります。
実際に全国の自治体の中には、遮熱塗料を使用した塗装工事や耐震改修を兼ねた外装工事などに対して数万円〜十数万円の助成を行っている例も少なくありません。
ただし、補助の対象となるには工事の目的と塗料の性能が明確に条件を満たしている必要があります。
助成金が出るケースと出ないケース
外壁塗装工事に助成金が支給されるかどうかは、工事の目的や内容が公共性のある性能向上に該当するかによって判断されます。
たとえば見た目の美観向上を目的とした塗り替えや、元の色を変えるだけのデザイン塗装は、基本的に助成対象外です。
一方、以下のような工事内容であれば助成対象として認められる可能性があります。
- 遮熱・断熱性能を高める特殊塗料の使用
- 耐震改修や住宅の長寿命化を目的とした外壁補強
- ヒートアイランド対策に資する塗装
自治体によっては助成金の対象塗料や施工基準が指定されている場合もあるため、制度の詳細を確認し、対象外の工事で申請しないよう注意が必要です。
外壁塗装工事が助成金・補助金対象になる前提
外壁塗装で助成金・補助金を受けるには、施工内容が制度の趣旨に沿っていることが大前提です。
多くの自治体では、次の2つの条件のいずれかを満たすことが支給の前提条件となっています。
前提1】住宅の省エネ性向上や環境負荷軽減につながること
遮熱塗料や断熱塗料など、省エネ効果が期待できる材料を用いた塗装工事は住宅のエネルギー効率向上やヒートアイランド対策に貢献するものとして評価されます。
そのため、多くの自治体では、環境負荷の軽減につながる外壁塗装を補助対象としています。
前提2】住宅の耐震性向上や劣化防止につながること
外壁のひび割れや剥離に対する防水性・耐久性の改善を目的とした補修工事や、耐震補強を含む外壁改修も補助対象に含まれることがあります。
耐久性の高い塗料へと外壁を塗装しなおすことで実際に住宅の劣化を食い止めることが可能です。
ただし、旧耐震基準で建てられた住宅や状態の悪い住宅に対して塗装をおこなっても、構造自体が老朽化していれば耐震性向上に繋がる見込みは薄いです。
塗装工事自体の効果が限定的なので、住宅の状態によっては有効な工事と認められない可能性があります。
外壁塗装の助成金・補助金で支給される金額の相場
外壁塗装に対して支給される助成金・補助金は各自治体が独自に運営する制度であるため、金額や適用範囲にばらつきがあります。
外壁塗装に対する助成金・補助金の支給額は多くの自治体で10万円〜25万円程度に設定されています。
特に環境対策や住宅性能向上の観点から制度を設けている自治体では、支給上限がやや高くなる傾向があります。
たとえば、遮熱塗料の使用や耐震補強との同時施工が条件となっているケースでは上限額が20〜25万円になる例もあります。
ただし、補助額はあくまで上限であり、申請内容や工事費によってはそれ以下にとどまることもあります。
外壁塗装の助成金・補助金支給のポイント
ポイント1】工事費の1割が上限になるケースが多い
助成金制度では支給額に補助率(上限割合)が定められていることが一般的です。
外壁塗装に関する多くの制度では工事費の10%(1割)を上限として助成金が支給されます。
たとえば、工事費が80万円なら支給額は最大8万円、100万円の工事であれば10万円というように計算されます。
また、この補助率とは別に金額の上限も同時に設定されているケースがほとんどです。
そのため、たとえ工事費が高額でも、補助率・金額上限の両方を超えて支給されることはありません。
ポイント2】募集開始は4月・5月・11月が多い
外壁塗装に関する助成金・補助金は年度ごとの予算に基づいて実施される制度であるため、募集開始の時期にも一定の傾向があります。
多くの自治体では、新年度予算が確定する4月〜5月にかけて助成金の募集をスタートさせるケースが一般的です。
また、予算の残額や補正予算が組まれたタイミングで秋〜冬(特に11月頃)に追加募集を行う自治体もあります。
これらの制度は通年募集ではなく時期限定で受付されることがほとんどのため、タイミングを逃すと次年度まで待たなければならないケースもあります。
ポイント3】多くの自治体では先着順・予算上限あり
外壁塗装の助成金制度は予算があらかじめ定められており、予算に達した時点で受付終了となるのが一般的です。
そのため、申請条件を満たしていても、応募が遅れると受給できないことがあります。
とくに人気の自治体では募集開始から数週間〜1か月以内に締め切られるケースもあるため、申請タイミングが極めて重要です。
書類の準備が遅れることで助成金が利用できないということも現実的にあり得るので、注意が必要です。
外壁塗装の助成金・補助金制度の探し方
外壁塗装に使える助成金・補助金は、全国共通の制度ではなく、各自治体が独自に運用しているため、自分の地域で何が使えるかを調べることが重要です。
ここでは、効率よく制度を探すための具体的な情報収集方法を紹介します。
探し方1】自治体の公式サイトで確認する
外壁塗装に関する助成金・補助金制度は、各市区町村の公式ホームページに掲載されています。
掲載場所は自治体によって異なりますが、以下のようなカテゴリに含まれていることが多いです。
- 住宅リフォーム支援
- 省エネ・環境対策
- 耐震改修・住環境改善
制度の名称も地域によってバラバラで、「高反射率塗料助成」や「住宅改修支援事業」といった形で掲載されていることもあります。
また、助成金を受けるには自治体に事前相談が必要なケースもあるため、制度ページに記載の問い合わせ先にも注目しておきましょう。
探し方2】リフォーム支援制度の検索サイトを使う
外壁塗装に使える助成金・補助金を効率的に調べたい場合は、全国の制度をまとめた支援制度検索サイトの活用が便利です。
代表的なサイトとしては、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が運営する「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」があります。

このサイトでは以下のような機能で簡単に情報を絞り込むことができます。
- 都道府県+市区町村を選んで検索
- 対象となる工事内容や補助条件の確認
- 補助金の金額・助成率・申請時期の一覧表示
ただし、市区町村によっては情報の反映が遅れていることもあるため、最終的には自治体の公式ページで再確認するのが確実です。
助成金と補助金の違いとは?【制度の比較】
外壁塗装に関連する公的支援制度では助成金と補助金という言葉が使われますが、一般的には大きな違いはありません。
制度の運営主体や審査方法によって呼び方が異なるだけというケースが多いですが、厳密には以下のような違いがあるとされています。
- 助成金:条件を満たせば原則支給(抽選・審査なし)
- 補助金:審査・採択によって受給者が選ばれる(予算枠内で決定)
外壁塗装においては助成金・補助金という呼称の違いに意味はほとんどないため、制度の中身(支給条件・対象工事・金額など)をしっかり確認することが重要です。
助成金は条件を満たせば基本的に受け取れる
助成金とは定められた条件を満たして申請すれば原則として誰でも受給できる支援制度を指します。
たとえば、外壁塗装に関しては以下のような条件が設けられることが多いです。
- 施工前に申請している
- 遮熱・断熱性能のある塗料を使用している
- 工事が居住用の住宅で実施される
- 税金を滞納していない
これらを満たしていれば、抽選や審査なしで受給できるのが助成金の大きな特徴です。
ただし、先着順や予算上限が設定されていることが多く、条件を満たしていても支給されないケースもあるため、早めの申請が必要です。
補助金は審査・採択ありで競争性がある
補助金は助成金と同様に工事費用の一部を支給してもらえる制度ですが、申請内容に対して審査が行われ、採択された場合のみ支給されるという点が特徴です。
自治体によっては予算の範囲内でより高い公共性や省エネ性が見込まれる工事を優先するなど、選考基準に基づいた採択が行われることがあります。
つまり、申請すれば必ずもらえるわけではなく、内容やタイミング次第で不採択になることもあるのが補助金です。
外壁塗装で補助金制度を利用する際は、書類の正確さや申請内容の説得力を意識して準備を進める必要があります。
外壁塗装で助成金・補助金を受けるための条件
外壁塗装で助成金や補助金を受け取るには、制度ごとに定められた条件をすべて満たしていることが前提となります。
この条件は自治体によって若干異なりますが、共通しているものも多く、下記のポイントを押さえておくことが重要です。
条件1】工事前に申請が完了している
助成金・補助金制度を利用する上で最も重要かつ共通する条件が、工事を始める前に申請を完了していることです。
制度の対象となるのは、あくまで申請後に着工した工事のみであり、すでに着工済みや完了済みの工事は対象外となります。
助成金を受け取るには、まず工事内容を検討し、見積書や図面などの資料を整えたうえで、自治体に事前申請を行う必要があります。
また、申請の受付期間が限られている自治体も多いため、申請期限の確認とスケジュール調整を早めに行うことが不可欠です。
条件2】同一業者での工事費が申請条件を満たしている
助成金・補助金制度では特定の金額以上の工事費を要件とするケースが多く、その金額を1社が一括で請け負っていることが支給の条件となります。
たとえば、工事費が20万円以上の場合に申請可能といった制度であれば、1社からの見積で20万円を超えていなければ対象にならないということです。
複数の業者に分割して依頼し、合算すれば要件を満たすように見える場合でも、制度上は対象外となる可能性があります。
条件3】図面・写真など必要書類を準備できる
助成金や補助金の申請には書類による根拠の提示が必須です。
提出を求められる代表的な書類には、以下のようなものがあります。
- 工事前の外壁写真
- 工事の図面(平面図・立面図など)
- 工事見積書
- 建物の登記事項証明書
これらのうち、図面類は手元にないことも多く、場合によっては専門業者に作成を依頼する必要があります。
条件4】税金に未納がない
住民税・固定資産税・所得税などの未納がある場合、制度の利用を認めてもらえない可能性が高いです。
実際に申請時には納税証明書や非課税証明書などの提出が求められる自治体も多く、税務状況を証明できなければ受付自体が不可となります。
申請を予定している場合は、事前に納税状況を確認し、必要に応じて未納の解消や証明書類の取得を早めに進めておくことが大切です。
条件5】自治体内の居住用住宅に対する工事である
助成金や補助金は自治体の予算を活用して行われる地域限定の制度です。そのため、申請できるのは自治体の区域内に存在する住宅に対する工事に限られます。
たとえば、東京都世田谷区の助成制度は世田谷区内にある住宅が対象であり、他の地域にある物件に対しては使えません。
また、空き家・賃貸住宅・転居予定物件などの場合は、制度ごとに適用可否のルールが細かく設定されているため事前に必ず確認しておく必要があります。
条件6】助成金・補助金の適用条件を満たした工事内容である
外壁塗装の助成金・補助金制度は、単なる美観の回復ではなく、住宅性能の向上を目的とした工事に対して支給されることが一般的です。
中でも重視されているのが「省エネ・環境配慮」につながる工事内容です。
遮熱塗料や断熱塗料を使った外壁塗装をすることで、冷暖房エネルギーの削減が期待できる、ヒートアイランド対策・脱炭素社会の実現に有効であるなどとみなされて支給対象とされるようになります。
一方、単に色を変えるだけのデザイン塗装や機能性のない一般塗料の使用では、助成金対象外とされる可能性が高いため、仕様の確認は必須です。
条件7】条件を満たす業者に工事を依頼している
助成金・補助金の対象となるには、依頼する施工業者の条件を満たしていることも大前提です。
多くの自治体では、助成金・補助金の対象となる施工業者かどうかは以下のような条件を満たしているかどうかで決まります。
- 自治体内に本店または営業所を構えていること
- 過去に不正な施工歴がないこと
- 資格保有者または登録業者であること
指定業者制度を設けている自治体では登録リストに掲載された業者のみが申請対象となります。
どの業者が条件を満たしているかを自分で調べ出すのは難しいため、現実的には過去に助成金対象の工事をしたことのある業者や指定業者に依頼するケースがほとんどです。
外壁塗装の助成金・補助金申請から受給までの流れ
外壁塗装の助成金・補助金は、申請すればすぐにもらえるものではありません。
各自治体によって多少の違いはあるものの、一般的な流れは以下の通りです。
- 自治体へ申請書類を提出
- 交付決定通知の受領
- 塗装工事の開始と完了
- 完了後の実績報告書を提出
- 自治体による現地確認
- 助成金交付の最終決定
- 申請者の口座へ助成金が振込まれる
申請から入金までは1〜3か月程度かかるのが一般的です。
【Step1】自治体に申請書類を提出する
助成金・補助金を受けるには工事着工前に自治体への申請書類提出が必要です。
申請時に求められる主な書類は以下の通りです。
- 申請書(自治体の指定様式)
- 工事見積書
- 施工前の建物写真
- 登記事項証明書または固定資産税納税通知書
自治体によっては、平面図や塗料の性能証明書など追加書類が必要な場合もあります。
申請書類に不備があると再提出によって申請が遅れ、受付締切に間に合わなくなる可能性もあります。
事前に自治体の申請要項をよく確認し、必要書類をすべて整えてから提出しましょう。
【Step2】交付決定通知が届く
申請書類を提出した後、内容に不備がなければ自治体から交付決定通知書が送られてきます。
これは助成金の支給対象として正式に認められたことを示す通知であり、この通知を受け取ってから初めて工事を開始できるのが原則です。
通知の発行までは1週間〜数週間かかることもあり、時期によっては審査に時間がかかるケースもあります。
交付決定前に工事を始めてしまうと制度の対象外になるため、施工開始のタイミングには十分注意しましょう。
【Step3】塗装工事を開始する
交付決定通知を受け取ったら、助成金の対象となる塗装工事を正式に開始できます。
この段階では工事内容が申請内容と一致していることが非常に重要です。
塗料の種類や施工箇所、工事日程などに変更があると、助成対象から外れてしまう可能性があるため、業者と詳細な確認をした上で着工しましょう。
また、施工中や施工直後の写真撮影も求められるため、記録を残す準備も忘れずに行う必要があります。
【Step4】工事完了後に報告書を提出
塗装工事が完了したら、速やかに自治体へ実績報告書や完了報告書を提出する必要があります。
この報告書は工事が計画通りに実施されたことを証明するもので、以下の書類を添付するのが一般的です。
- 施工前・施工後の写真
- 工事完了の請求書や領収書
- 塗料の仕様書や納品書
提出期限は多くの自治体で1か月以内に設定されており、遅延すると交付対象外になる恐れもあります。
【Step5】自治体による現地確認を受ける
実績報告書の提出後、自治体の担当者が現地調査を行うケースがあります。
これは、助成金の交付条件に沿った内容で工事が実施されたかを現地で直接確認する目的です。
チェックポイントは主に以下のような項目です。
- 申請書に記載された施工範囲と実際の施工箇所の一致
- 遮熱塗料・断熱塗料など、指定された材料が使用されているか
- 施工後の写真と現況との整合性
この確認で問題が見つかると助成金の減額または不支給になる可能性もあるため、完工後も手を抜かず丁寧な施工を維持することが重要です。
【Step6】最終的な交付決定が通知される
現地確認の完了後、問題がなければ助成金交付決定通知書が申請者に送付されます。
これは最終的に助成金の支給が確定したことを正式に通知する書類であり、この通知をもって請求手続きに進むことが可能になります。
通知が届くまでの期間は報告書提出からおおむね2〜4週間程度が目安です。
なお、通知書と同時に交付請求書のフォーマットが送付される場合もあり、そのまま支給申請へ移行できるケースもあります。
【Step7】助成金が口座に振り込まれる
交付決定通知を受け取ったら所定の助成金交付請求書を自治体へ提出して支給手続きが完了します。
請求書の内容に問題がなければ自治体の確認を経て、指定口座に助成金が振り込まれます。
振込までの期間は請求書提出から2〜4週間ほどが一般的ですが、自治体によって多少のばらつきがあります。
外壁塗装の助成金・補助金申請に必要な書類
助成金・補助金の申請には制度ごとに指定された複数の書類を正確に揃える必要があります。
書類が1つでも不足していたり内容に誤りがあると、申請が受理されなかったり、審査に遅れが生じることもあるため、早めの準備が大切です。
ここでは、申請時に一般的に求められる書類と追加で必要になることがある書類に分けて解説していきます。
基本書類(見積書・登記簿・写真など)
外壁塗装の助成金申請では、まず以下の書類が必ず求められます。
書類 | 書類の内容・目的 |
---|---|
工事見積書 | 工事内容・使用塗料・金額が明記されたもの |
登記事項証明書 | 申請者がその住宅の所有者であることを証明するもの |
施工前の外壁写真 | リフォーム前の状態を確認するための資料 |
申請書類一式 | 自治体が配布する様式に沿って記入するもの |
税金の納付証明書 | 税金未納がないことを証明するもの |
場合によって求められる追加書類
助成金の申請では基本書類に加えて自治体や工事内容に応じた追加書類が必要になるケースがあります。
以下は、提出を求められることがある書類の一例です。
書類 | 書類の内容・目的 |
---|---|
塗料の性能証明書 | 遮熱・断熱塗料の省エネ効果を示すカタログ・資料 |
住宅平面図・立面図 | 外壁の構造や面積を示す図面 |
委任状 | 申請を施工業者が代行する場合に必要な書類 |
借家の所有者同意書 | 貸主の承諾を証明する文書 |
申請先によって要求書類が異なるため制度要項を必ず確認し、早めに準備を進めましょう。
一部の書類は取得や作成に時間がかかることもあるため、申請開始前から逆算して手配しておくと安心です。
助成金・補助金以外で外壁塗装の費用を安くする方法
外壁塗装には助成金や補助金を活用する方法がありますが、自治体によっては制度がない、または受付期間外で使えないこともあります。
そのような場合でも他の手段で費用を抑えることは十分可能です。
ここでは、助成金以外で費用負担を軽減する具体的な3つの方法について紹介します。
方法1】火災保険を活用する
火災保険は火事だけでなく、台風・雪・雹・落雷など自然災害による外壁の損傷にも対応しています。
たとえば台風で外壁が破損した場合や強風で飛来物により傷がついた場合などは、火災保険を活用して塗装費用の一部または全額が補償される可能性があります。
保険申請を行う際は、以下の条件に注意が必要です。
- 被害発生から3年以内であること
- 被害状況を示す写真があること
- 災害との因果関係が明確であること
火災保険の活用には保険会社への申請と現地調査、そして修繕見積書の提出が必要です。
条件を満たしていれば、自己負担なしで外壁塗装を行えるケースもあります。
住宅ローン減税を利用する
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)はリフォームにも適用可能な税制優遇措置です。
対象となるのは自己居住用の住宅に10年以上のローンを利用してリフォームを行った場合で、外壁塗装も一定の条件下で適用可能です。
具体的には、以下のような条件を満たす必要があります。
- 工事費用が100万円以上
- 床面積50㎡以上、かつその半分以上が居住用
- ローンの返済期間が10年以上
減税額は年末のローン残高の0.7〜1%が最大10年間控除され、長期的に大きな節税効果があります。
助成金と併用できない制度もあるため、適用前には税務署や専門家に相談すると安心です。
複数社に相見積もりを依頼する
外壁塗装の費用の相見積もりを取ることで価格の妥当性が比較でき、過剰な請求を防ぐことができます。
また、他社の見積書を提示すれば業者間の競争によって値引きや条件改善が期待できる点もメリットです。
ただし、見積書の内容は価格だけでなく工事項目の明確さ・塗料の種類・保証内容なども精査する必要があります。
価格が極端に安い業者は塗料の品質や施工手順に不備がある可能性もあるため、安さだけに惑わされない判断が大切です。
外壁塗装で助成金・補助金を使う際の注意点
助成金・補助金は非常にありがたい制度ですが申請方法や利用条件を誤ると受給できないリスクもあります。
また、制度を利用すること自体が必ずしも最もお得とは限らないため、注意点を正しく理解したうえでの活用が重要です。
ここからは、外壁塗装で助成金を利用する際に見落とされやすい4つの注意点を解説します。
注意点1】申請に時間がかかることがある
助成金や補助金を利用する際は、申請から交付決定までに一定の審査期間が設けられており、すぐに工事を始められるわけではありません。
自治体や時期によっては、申請から通知まで1か月以上かかることもあります。
また、申請書類の不備や追加提出の依頼があった場合はさらに時間を要するため、工事予定がずれ込むリスクもあります。
外壁塗装は天候によって工期が左右されやすいため、スムーズに着工するには余裕を持ったスケジュール設定が必要です。
「春や秋に工事したい」と考えているなら、前年のうちから情報収集と準備を始めておくのが理想的です。
注意点2】希望者が多いと締め切られる可能性がある
外壁塗装の助成金制度は予算が限られているため、先着順で受付を締め切る自治体が多数です。
申請条件をすべて満たしていても、予算上限に達していれば助成金は受け取れません。
特に人気のエリアや制度では募集開始から数日〜1か月以内に受付終了してしまうケースも少なくありません。
このため、そのタイミングで申し込めるかどうかも確認する必要があります。
注意点3】遮熱塗料は地域や環境によって逆効果になることも
助成金・補助金の対象として多いのが、遮熱塗料や断熱塗料を使用した外壁塗装です。
これらの塗料は太陽光の熱を反射・遮断することで室内温度の上昇を防ぎ、省エネにつながるとされます。
しかし、すべての地域・住宅に適しているわけではありません。たとえば、冬の寒さが厳しい地域では遮熱塗料が太陽熱を遮り、室内が暖まりにくくなることがあります。
また、断熱性の低い住宅では効果が薄いこともあり、かえって暖房費が増える可能性もあります。
注意点4】助成金より他の方法が安く済むケースもある
外壁塗装の費用を抑える手段として助成金・補助金の利用はおすすめですが、制度によっては対象となる塗料や施工方法に制限があり割高になることもあります。
また、申請から受給までに時間がかかるため、工期や費用の柔軟性を犠牲にしてしまう可能性もあります。
一方、火災保険の適用や相見積もりによる価格交渉で大幅にコストを抑えられるケースも多く、条件次第では助成金以上にお得になることも十分あります。
外壁塗装の助成金・補助金に関するよくある質問
外壁塗装の助成金制度は地域や時期によって条件が異なるため、疑問点を事前にクリアにしておくことが大切です。
ここでは、申請者からよく寄せられる3つの質問を取り上げ、分かりやすく解説していきます。
どんな条件を満たせば助成金がもらえる?
代表的な条件は以下の通りです。
- 工事前に申請を行っていること
- 遮熱・断熱塗料など、省エネ効果のある塗料を使用すること
- 税金を滞納していないこと
- 自治体内の住宅に対する施工であること
- 自治体が指定する条件を満たす施工業者へ依頼していること
申請条件の詳細は自治体の公式サイトやパンフレットで公開されているため、事前に必ず確認してから申し込みを進めましょう。
助成金はいくら支給される?
制度によっては「工事費用の10%まで」や「上限20万円まで」などの規定が設けられている場合が一般的です。
たとえば、塗装工事の総額が80万円で「費用の10%まで・上限20万円」といった条件なら助成額は8万円となります。
あくまで上限額まで支給されるとは限らず、実際の工事費に応じて支給額が決定する点に注意が必要です。
助成金はいつ申し込むべき?
多くの自治体では新年度予算が確定する4月頃に申請受付を開始し、早ければ1か月以内に締め切られることもあります。
また、秋(11月頃)に第2募集を設ける自治体も一部ありますが、予算が残っているとは限らず、確実性は低くなります。
そのため、塗装を検討し始めた段階で自治体のホームページを確認し、受付開始時期を把握しておくことが重要です。
外壁塗装を検討するなら事前に制度を確認しておこう
外壁塗装にかかる費用は決して安くはなく、30坪前後の住宅でも60万円~120万円程度が相場です。
こうした出費を少しでも軽減するには助成金や補助金制度の活用が有効ですが、制度には細かな条件やタイミングの制約があります。
そのため、外壁塗装を検討し始めた段階で必ずお住まいの自治体の制度を確認しておくことが重要です。