不動産査定は匿名でもできる？個人情報不要・電話無しで査定できる仕組みと注意点【家・土地・マンション対応】

パターン1】申込情報をサービス運営会社が処理している

査定の申込情報を、サービス運営会社が個人情報を隠して不動産会社に共有して、不動産会社に査定してもらう仕組みです。

この方法は、LIFULL HOME’Sなどが匿名での査定依頼を希望する方のために提供しています。

LIFULL HOME’S「HOME’S匿名査定の流れ」

上記の場合、LIFULL HOME’Sには査定結果通知のための連絡先情報を共有する必要がありますが、不動産会社へ個人情報が共有されることができません。

また、この方法は通常の不動産査定と同じく、不動産会社に査定を実施してもらえるのが大きなメリットです。

パターン2】AIや自動計算システムが査定額を計算している

SRE REALTY(旧SRE不動産)「おうちクラベル」HPより

こちらは、下記のような要素をスコア化することで、AIや自動計算システムが物件の合計スコアを計算し、価格を算出する仕組みです。

• マンションの流通数
• 階数、専有面積、築年数
• 間取り、バルコニーの向き
• 駅からの徒歩分数　など

どの会社もAI査定の詳細な仕組みまでは公開していませんが、恐らく「築年数は1年経過すると新築価格－▲▲▲万円」「徒歩分数は1分ごとに±●●万円」といったように、各項目が査定価格に影響する割合を算出した上で、数値変動と価格の相関性を決めているようです。

査定額算出のために必要な情報や申込時の項目は、サービスによって異なります。

パターン3】特定のマンションのみ査定額を算出している

こちらは、人気マンションなど、特定の物件の査定価格を算出しているパターンです。

そのマンションの査定価格を調べたい方は検索するだけで価格を見れるので便利ですが、能動的に物件の査定を依頼することはできません。

個人情報不要で依頼できる不動産匿名査定サイトおすすめ比較ランキング【10選】

ここでは、個人情報不要で依頼できる不動産匿名査定サービスの特徴について解説して行きます。

サービス名	公式サイト	査定可能件数	査定結果の正確さ	査定のスピード	対象の物件種別	対象エリア
ライフルホームズ	HP	最大13社	△	○	土地・一戸建て・マンション	全国
マンションナビ	HP	最大9社	△	○	マンションのみ	全国
HowMA(ハウマ)	HP	最大6社	○	△	一戸建て・マンション	全国
10秒でDo	HP	―	✖	○	土地・一戸建て・マンション	全国
IESHIL(イエシル)	HP	最大3社	○	○	マンションのみ	首都圏のみ
らくらく不動産査定	HP	最大6社	△	○	土地・一戸建て・マンション	全国
SUMiTAS	HP	―	○	○	土地・一戸建て・マンション	全国
すむたす売却	HP	―	△	○	土地・一戸建て・マンション	関東・東海・関西
すまいステップの匿名査定	HP	最大4社	○	○	土地・一戸建て・マンション	全国
Terass Offer	HP	–	○	○	土地・一戸建て・マンション	東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県

ライフルホームズ│不動産匿名査定 1位

ライフルホームズは、SUUMOやアットホームと並ぶ、大手の不動産総合サイトです。

物件情報が1,000万件前後掲載されており、賃貸、売買情報、税金系コラムなどさまざまなコンテンツが提供されているマルチメディアです。

大手サイトでは珍しく匿名査定サービスが提供されており、査定できるエリアの範囲が広く、査定可能な不動産の種類も多いです。

ちなみに、査定可能な不動産の種類は以下の通りです。

• 土地
• 家
• マンション(一室)
• 工場・倉庫
• 投資用(一棟)
• 投資用(区分所有)
• その他

大手という安心感があるので、はじめて査定をする方におすすめです。

マンションナビ│不動産匿名査定 2位

マンションの匿名査定におすすめなのが、マンションナビです。

マンションナビはGoogleマップから地域のマンション相場が調べられるサービスがあるので、物件情報さえ記入する必要がありません。

周辺のマンション価格も一目瞭然なので、地域の相場を調べたい方にもおすすめです。

マンション名から検索して概算値を知ることもできるので、素早くマンションの価格を知りたい方にはかなり便利なサービスです。

HowMA(ハウマ)│不動産匿名査定 3位

初期にAIと不動産査定のシステムを組み合わせて話題になった匿名査定サービスがHowMA(ハウマ)です。

これは物件の情報を人工知能が評価して査定するサービスで、業者への依頼が不要なので個人情報も入力する必要がありません。

HowMAは現在の金額だけでなく価格の推移もチェックできるので、いつが売り時か見極めやすいです。

ただ、人口知能が算出する金額がどこまで正確かは疑問が残ります。

正確な金額が知りたい方は、やはり業者に査定依頼するのがベストでしょう。

10秒でDo│不動産匿名査定 4位

10秒でDoはアプリタイプの査定サービスで、物件情報を入力すればたった10秒で査定額が算出されます。

フランチャイズ業者のAnd Doホールディングス(旧ハウスドゥ)が運営するサービスで、近年人気・知名度が拡大しています。

スマホからサクッと申し込めるのは、お忙しい方にはかなり嬉しいですね！

匿名査定で金額に納得が行けば、個人情報を開示して訪問査定を依頼することもできます。

IESHIL(イエシル)│不動産匿名査定 5位

IESHIL(イエシル)は膨大なマンション売買のデータから瞬時に査定してくれるサービスで、匿名でも査定を行えます。

不動産のプロが市場価格を算出するテストを何度も試しているので、精度の高い査定価格を素早く知ることができます。

無料会員登録すると、マンションの部屋ごとの価格を見ることもできるので、売る予定の物件の条件に近い相場価格を見ることができます。

ただし対応しているエリアが首都圏のみとなっているので、古いマンションや過去データの少ないマンション等は精度が低くなってしまいます。

首都圏のマンションで匿名査定をしたい人に向いているサービスなので、是非利用を検討してみてください。

らくらく不動産査定│不動産匿名査定 6位

らくらく不動産査定は、位置情報サービスを使って不動産を即時査定することができます。

位置情報サービスを利用した後に、物件情報を記入すると査定額が算出されるので簡単に査定できます。

とにかくザックリ査定価格をスピーディーに知りたいという人におすすめです。

SUMiTAS(スミタス) 匿名査定サービス│不動産匿名査定 7位

SUMiTAS(スミタス)は、簡単10秒査定でスピード査定してくれるサービスを提供しています。

物件情報をある程度入力するだけで相場価格がわかるので、手間なく素早く査定額を出したい人におすすめです。

マンション・戸建て・土地に対応していて、対応エリアが全国になっているので、どの地域に住んでいる人でも利用できます。

すむたす売却│不動産匿名査定 8位

すむたす売却は匿名で査定することができるサービスで、最短1時間で査定価格が出ます。

AIが査定を行ってから不動産売買のプロがチェックする”ダブルチェック”をおこなっているので、査定価格の精度は高めです。

スピーディーに精度の高い査定価格を知りたいという人におすすめのサービスです。

すまいステップの匿名査定│不動産匿名査定 9位

すまいステップの匿名査定は、素早く簡単に査定額を知ることができるサービスです。

匿名査定した後に「より詳しく知りたい！」という人は不動産会社に一括査定を申し込むこともできるので、不動産会社に査定もしようかな？と悩んでいる人に最適です。

簡単な査定価格をしって不動産会社に仲介を依頼したいという人におすすめなので「まずは匿名査定から…」と考えている人は利用してみてください。

Terass Offer（テラスオファー）│不動産匿名査定 10位

Terass Offer（テラスオファー） は匿名で登録して、最適のエージェントから売却方法を提案してくれるサービスです。

簡単な物件条件を入力するだけで、エージェントが査定価格だけでなく売却する為の売却戦略までくるので、売却を検討している人におすすめです。

「売却を進めたいけど個人情報の流出が怖い…」という人はTerass Offer の利用を検討してみてください。

不動産の匿名査定サービスのメリット

メリット1】すぐに査定額を算出することができる

通常の不動産査定が査定結果を出すまで数日かかるのに対し、不動産の匿名査定サービスでは瞬時に査定額を算出できる可能性が高いです。

その理由としては、下記の3点が挙げられます。※実際の理由は、各サービスの仕組みによって異なります。

• AIが人力の何倍も速いスピードで査定額を計算できるから
• 既に計算済みの査定価格を表示しているから
• 不動産会社が申込者へ連絡できないため、査定の材料になる材料が限られているから

すぐに現在の物件の査定額を確認できることは、売却まで期限が迫っている方にとっては非常にありがたい点です。

メリット2】営業電話がかかってこない

不動産匿名査定では、電話番号やメールアドレスを登録しないため、不動産会社からの営業電話がかかってきません。

不動産会社と直接連絡を取ることなく査定してもらえます。

また、家に直接訪問するわけではないため、比較的短い時間で査定ができる点も魅力です。

まだ家を売ると決めていない人は何度も営業電話が来ると煩わしいはずなので、まずは匿名査定をしておおよその相場を知るのがおすすめです。

メリット3】契約を勧められることがない

匿名査定を依頼したとしても、家を売る必要はありません。

とりあえず現在の相場を確認するだけでも利用できるので、気楽に使えます。

訪問査定でも売る必要はありませんが、匿名査定ならば断わる心労も軽くなるのは間違いありません。

売るかどうか悩んでいる人は、特に匿名査定がおすすめです。

不動産の匿名査定サービスは正確？【体験談】

実際に、不動産の匿名査定サービスはどの程度正確なのか、実際の不動産会社の査定と比較をおこないました。

そのエリア(詳細非公開)では一般的なサイズの居住用戸建住宅を、東急リバブルのAI査定を使ってAIによる匿名査定をした結果がこちらになります。

東急リバブルのAI査定の結果

結果は、2,036万円～2,300万円の価格帯となりました。

次に、ハウスドゥのアプリ「10秒でDo」に同様の情報を入力してAI査定を実施します。

10秒でDoのAI査定の結果

結果は、2,179万円～2,291万円の価格帯となりました。東急リバブルのAI査定と若干の価格差はあるものの、大きな差は生じませんでした。

最後に、三井のリハウス(三井不動産リアルティ)に、物件の机上査定を担当者に依頼した結果がこちらです。

査定価格の算出-三井のリハウス

三井のリハウスでの査定価格は、基準額が2,184万円となりました。

不動産の匿名査定サービスのデメリット

デメリット1】市場価格とのズレが生じやすい

不動産会社を査定する際の価格は、公示地価や財産分与や固定資産税支払いの参考にするような公的な評価とは異なります。

査定価格は、実際にその不動産を売却した際にいくらになるかの予想価格であり、現在売り出し中の物件の価格帯や、そのエリアの住みやすさ、住宅エリアとしての人気なども価格を左右する要素となります。

具体的には、通常の不動産査定は匿名の査定と同様に、築年数や立地などの項目を評価した上で、下記のような要素を用いて価格を補正します。

また、実際に取引をする際の価格(成約価格)は、買主との合意に基づいて決定するため、買主が物件をどう評価するかという要素も価格を左右します。

このように、不動産売買では人間がどう判断するかが重要なので、AIではカバーできない部分もまだあります。

実際に上記のような欠陥がある場合は、不動産会社による査定価格と匿名の不動産査定では大きな価格差が生じる可能性が高いです。

デメリット3】不動産売却が進展しない

不動産査定は依頼者に物件の価値を共有する他、不動産を売却するにあたって現在の状況を評価するという目的もあります。

実際、不動産会社と契約をして売却を進める際は、その前に必ず査定を実施してもらう必要があります。

つまり、匿名査定を依頼しても、その後に不動産を売却するなら不動産会社に査定を依頼しなおす必要があるということです。

不動産査定を匿名で依頼する流れ

1. 匿名で査定を依頼する
2. 査定結果が届く
3. 不動産会社に連絡をする

匿名で不動産査定をおこなう流れは、こちらの3ステップとなります。

それぞれの手続きを見ていきましょう。

【Step1】匿名で査定を依頼する

まずは、査定サイトを使って匿名で査定依頼をすることから始めます。

査定を依頼したい不動産の所在地情報を入力して、送信しましょう。

HowMaなどAIが査定をするサービスなら、この段階ですぐに査定結果を確認することができます。

ライフルホームズの匿名査定サービスなどは、入力したデータをチェックした全ての不動産会社へ送信します。

【Step2】査定結果(不動産査定書)が届く

データを送信してしばらく経つと、査定結果が送られてきます。

査定結果は概算価格が簡単に記載されているものもあれば、不動産査定書といって、より細かいデータが記載されているものもあります。

不動産査定書 表紙(公益財団法人不動産流通推進センター)

複数社に査定を依頼した場合、査定価格だけでなく会社情報も比較してみてください。

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不動産売却に必要な書類の種類・取得方法を紹介！売却依頼から決済・引き渡しに必要な書類を一覧で紹介

【Step3】不動産会社に連絡をする

不動産会社へ直接査定を依頼するタイプのサイトなら、業者側は申込者の氏名を確認できなくても、依頼者側は複数社を比較することができます。

査定額を比較した上で良さそうな業者があれば、こちらから直接電話をかけてみましょう。

これで、不要な営業電話をシャットアウトした上、自分の気になる不動産会社1社にだけ相談を持ち掛けることができます。

不動産の匿名査定サービスを活用するケース

ここまで不動産の匿名査定サービスについて紹介しましたが、結論を言うと、不動産の匿名査定を実施すべきケースはあまり多くはありません。

そもそも不動産会社に査定を依頼しなければ契約や販売活動に至りません。

また、査定価格は不動産会社ごとに「うちなら○○万円で売れる」という意思表示になるので、不動産会社の査定結果を通してどの不動産会社と契約すべきかが判断できますが、匿名査定の場合はこうした使い方ができません。

では、不動産の匿名査定サービスを活用するケースはどのようなものがあるのでしょうか。

ケース1】今後売却を進めるかどうかの判断基準にする

不動産会社に査定を依頼する場合、必要情報の共有や、場合によっては電話や対面での相談が必要だったりするので、結構な手間に感じるケースもあります。

前述の通り、不動産を売却する場合は不動産会社による査定が必要ですが、まだ売却をするかどうか決まってない段階だと、「契約を断ることになるかもしれないのに、査定を依頼するのは忍びない・・・」と思う方も多いです。

今後、売却を検討するかどうかの第一歩として、まずは匿名での査定を依頼するというのも良いでしょう。

ケース2】不動産会社に依頼する前に価格相場を確認する

複数の不動産会社に査定額を依頼したら、それぞれの査定結果を比較して、どの不動産会社と契約するか決めていきます。

不動産売却時の不動産会社選びで重視することは何ですか？（株式会社グローベルス調べ）

• アンケート方法：インターネットによる無作為調査
• アンケート実施日：2024年10月1日~10月8日
• アンケート実施人数：1201人(男性：600人 女性：601人)
• 回答者年齢：30代：213人、40代：438人、50代：511人、60代：39人

株式会社グローベルスが実施したアンケート調査によると、不動産売却時にどの不動産会社と契約するかの判断基準として、査定価格を挙げる方が最も多い（33.3%）という結果になりました。

つまり、多くの方は査定価格を比較して、最も査定価格が高い不動産会社と契約する傾向があるということです。

しかし、この方法は必ずしも良い訳ではなく、中には査定価格をわざと高値に吊り上げて、契約を獲ろうとする悪徳業者も存在します。

査定価格は高い方が良いですが、常識の範囲を超えるほど高い査定額を提示する業者との契約は逆にリスクがあります。

そこで、まずはじめに不動産の匿名査定を利用し、大まかな価格を把握した後に不動産会社へ査定を依頼することで、上記のように足元を見られるケースを減らすことができます。