家の売却相場は築年数でどう変わるのでしょうか。
中古住宅の相場を築年数ごとに紹介します。
一戸建てに注目して築年数と売るときの価格相場の関係性についてまとめました。
特に一戸建て住宅は、マンションなどと比較しても資産価値の下落が早く、築20年経つと価値がゼロになると言われています。
近年では、建築技術の進歩により築20年が経過しても不動産として利用をすることは可能で、住宅の寿命が延びています。
この記事では、そんな一戸建てに注目して築年数と売るときの価格相場の関係性について紹介していきます。
家の売却相場は築年数の影響が大きい
不動産は築年数が長くなれば長くなるほど売却した際の価格が減少していきます。
ただ、不動産が家(戸建て)・マンション(アパート)なのかによっても資産価値の減少速度が異なります。
築年数と売却する際の価格相場の関係性について見ていきましょう。
家(戸建て)と築年数の関係性
家は他の不動産と比較しても売却した際の価格相場が比較的早く減少します。
築2年で9割、築10年で5割、築20年で0と急速に売却した際の相場価格が減ります。
仮に5,000万円の戸建て住宅を購入したとしたら、2年後には4,500万円、10年後には2,500万円にまで売却価格相場が減少します。
ただし、これは建築部分の話であり土地の価格は築年数とは関係なくまた急速に下落することもありません。
家とマンション(アパート)の売却相場の違い
マンション(アパート)を売却した際の価格相場は、家と比べると比較的緩やかに減少していきます。
多くのマンションは鉄筋コンクリート造であるため、木造住宅よりも耐用年数が長く、価格相場の下落も遅いです。
そのため、中古戸建て住宅よりも中古マンションの方が不動産としての価値が高くなる傾向があります。
マンションの場合は築20年超で購入価格の半分程度に売却の価格相場が低下します。
それ以降は減少幅が緩やかになりますが、マンションの売却をする際も20年以内に売却するのがおすすめです。
築年数ごとの家の売却相場の推移
戸建て住宅の売却価格と築年数の関係性について紹介していきます。
一般的な一戸建ての木造住宅は、耐用年数が22年と法律で定められていることから資築年数が20年を超えると資産としての価値が0になると言われています。
もちろんすべての不動産の寿命が20年と言うわけではなく、また技術の進歩によって鉄骨住宅などであれば30年近い築年数でも問題なく住むことが可能です。
ただし不動産業者は過去の慣習から、築20年を超えた戸建ての価値を0と評価をしているので築年数は戸建て住宅の売却価格と密接な関係性があります。
築5年以内の戸建て住宅:購入価格の7割
築5年以内の戸建て住宅であれば、購入価格の7割が買取相場です。
高い価格帯での売却が期待できる築年数の限界です。
戸建て住宅は売却時期が早ければ早いほど高額で売却をすることが出来るので、m売却するかまよった際は、早めに売却するようにしましょう。
築10年以内の戸建て住宅:購入価格の5割
戸建て住宅は、築年数の経過により資産としての価値が減少するスピードが速く、新新築で購入してから10年が経過した時点で購入価格の5割ほどに減少します。
もちろん、戸建て住宅の場合は建築の方法によっても資産としての価値の下落幅に違いあり、建設をする際に多額な金額をかけハウスメーカーに建設を依頼している場合は、5割まで下がらないケースもあります。
あくまで市場の相場で、実際の売却する際の価格は個々の物件によって異なることを理解しておきましょう。
築15年以内の戸建て住宅:購入価格の2割
築15年が経過すると、戸建て住宅の価格相場は購入価格の2割ほどにまで減少します。
資産としての価格は大分減少してしまいましたが、建築物としてはまだまだ活躍することができ売主を探すことも難しくありません。
そもそも戸建ての住宅は売買を頻繁にするものではないため、築10年以下で売却に出されるものは少なく、多くが築15年超の不動産となります。
資産としての価値は急速的に減少していますが、市場の中では中央値的な立ち位置です。
築20年超の戸建て住宅:資産価値0
築20年超の戸建て住宅は、資産価値がほぼ0になります。
更に築年数が経過すると、古民家付き土地として土地メインでの売却が市場ではメインになります。
木造住宅などは、さらに資産としての価値減少速度が速く建築物部分を買いたいして土地として売るようになります。
ここまでくると、家売却ではなく土地売却になってしまうので高額売却が見込めなくなってしまいます。
家の売却相場・築年数と市場の需要
中古の戸建て住宅は築年数が浅いものほど状態が良く、価格も高くつきます。
しかし、実際に成約されている戸建て住宅は、必ずしも築浅が多い訳ではありません。
年 | 築年数 | 件数 | 価格(万円) |
---|---|---|---|
2023 | 21.82 | 12,871 | 3,848 |
2022 | 21.31 | 13,446 | 3,753 |
2021 | 21.20 | 15,436 | 3,451 |
2020 | 21.62 | 13,348 | 3,110 |
2019 | 21.38 | 13,037 | 3,115 |
2018 | 21.11 | 12,718 | 3,142 |
2017 | 20.99 | 12,743 | 3,072 |
2016 | 20.81 | 13,195 | 3,030 |
2015 | 20.60 | 12,153 | 3,011 |
2014 | 20.48 | 11,208 | 2,917 |
2013 | 20.16 | 12,245 | 2,921 |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2023年)
上記は、公益財団法人東日本不動産流通機構が発表している中古戸建住宅の成約事例の割合をグラフと表にしたものです。
これを見ると、どの年次でも築20年程度の物件の取引が大きな割合を占めています。
中古物件は、築年数がある程度経過しても需要が高いことが分かりました。
家の売却相場とは異なり土地価格は上昇傾向
参照:国土交通省 令和5年地価公示関係データより
前述の通り、中古建物は築20年前後まで大きく価値を下げ、そこから緩やかに、ほぼ横ばいで推移します。
ただし、宅地として保有している土地は築年数の経過によって価値を下げることはありません。
そういった背景から、建物の価値がほぼ0になった後も、宅地の価値上昇を狙って保有し続けている方もいます。
実際、土地価格の推移は時期によってどのように推移するのでしょうか?
参照:国土交通省 令和5年地価公示関係データより
時期 | 全国 | 三大都市圏合計 | 東京圏 | 大阪圏 | 名古屋圏 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全用途平均 | 2019年 | 0.4 | 2.1 | 2.2 | 1.9 | 1.9 |
2020年 | ▲0.6 | 0 | 0.1 | 0 | ▲0.8 | |
2021年 | ▲0.4 | 0.1 | 0.2 | ▲0.3 | 0.5 | |
2022年 | 0.3 | 1.4 | 1.5 | 0.7 | 1.8 | |
2023年 | 1 | 2.7 | 3.1 | 1.8 | 2.6 | |
住宅地 | 2019年 | ▲0.1 | 0.9 | 1.1 | 0.3 | 1 |
2020年 | ▲0.7 | ▲0.3 | ▲0.2 | ▲0.4 | ▲0.7 | |
2021年 | ▲0.5 | 0 | 0.1 | ▲0.3 | 0.3 | |
2022年 | 0.1 | 1 | 1.2 | 0.4 | 1.6 | |
2023年 | 0.7 | 2.2 | 2.6 | 1.1 | 2.2 | |
商業地 | 2019年 | 1.7 | 5.2 | 4.9 | 6.8 | 3.8 |
2020年 | ▲0.3 | 0.7 | 1 | 1.2 | ▲1.1 | |
2021年 | ▲0.5 | 0.1 | 0.1 | ▲0.6 | 1 | |
2022年 | 0.5 | 1.9 | 2 | 1.5 | 2.3 | |
2023年 | 1.5 | 4 | 4.3 | 3.6 | 3.4 |
参照:国土交通省 不動産価格指数(令和5年10月・季節調整)より
上記は、2023年の国土交通省地価調査の主要エリアでの結果を表にまとめたものです。
2023年時点で、東京圏は11年連続、大阪圏は2年連続、名古屋圏は3年連続で地価が上昇しており、かつ上昇率も大きくなっています。
コロナ禍で地価の落ち込みは見られたものの、近年は収束に合わせて徐々に地価が上昇しています。
このように、土地価格は基本的に社会情勢や経済情勢の変化に対する地価の変化に応じて、変動していきます。
土地価格の変動要因
土地価格が変動する要因としては、主に下記などが挙げられます。
- 災害や事故などの影響
- 不動産市場の変化
- 金利政策の影響
- 基準地価の変動
これらの影響を受けて土地価格が変動するケースはありますが、大きな利益が出るほどの仕入れ額からの上昇は、特に宅地だと見られにくいです。
築年数と売却相場における例外
戸建てもマンションも古くなるほど価値が下がり、新築よりも売却額が低くなります。
ただし、東京都の一部エリアにおいては売値が購入額を上回る可能性があるでしょう。
人気エリアやデザイナーズマンションなどは、築年数がたっても価値が下がりにくい傾向です。
ただしこういったケースはとても稀なので注意してください。
また戸建住宅の場合は築年数とともに建物の価格が下落しても、土地の価格が変わることは少ないです。
過去10年の公示地価を見ても、土地の価格が概ね横ばいです。
都内の人気エリアなどは建物自体に価値がなくなっても、土地が値上がりすることでプラスの資産になる可能性もあります。
家の売却相場は築年数の影響が大きい
建物の価値は築年数の経過によっていずれ0になるので、その前に売り時を見極めて売却をしないと損をしてしまいます。
築年数と売却相場の関係性を知ることは、最適な売却タイミングを見極める上で非常に役立ちます。
新築住宅の購入を検討している方や物件の相続・譲渡を受けた方も含めて、建物の所有者はこのメカニズムを事前に把握しておくことをおすすめします。