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不動産売却

不動産売却の名義変更とは?かかる費用・流れ・必要書類を解説【自分で変更できる?】

不動産売却の名義変更
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誰かに所有されている不動産には、名義というものが付いています。

名義とは所有権をもつ人が誰なのかを示すものなので、実態と違う場合は変更する必要があります。

特に不動産売却の前後には、名義をしっかり変更しないと大きなトラブルにつながるため、しっかり手続きをしなければいけませんが、どのような流れで手続きをおこなえば名義変更ができるのか知っている人は少ないと思います。

そこで、この記事では、不動産売却には必須な2つの名義変更の方法を解説していきます。

なお、名義が複数いる物件の売却については、この記事をチェックしてください!

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不動産売却では名義の確認が必須

中古住宅の正式な持ち主は、どこを見れば確認できるでしょうか?玄関前の表札でしょうか?

当然住んでいる人が所有者だと思うでしょうが、実はこれは正しくありません。

不動産の所有者は、登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている権利者のものとなります。

登記事項証明書は不動産の所有者・面積・所在地などを詳しくまとめた書類で、法務局(登記所)で本人以外も自由に確認することができます。

所有権の登記をおこなうことで、物件の権利を主張することができます。もし、登記簿に書かれている所有者が実際と違うなら名義変更の登記が必要です。

不動産売却の名義変更の流れ

不動産売却で名義変更をする流れは非常にシンプル。

書類を準備して、法務局に登記申請をすれば良いだけです。

とは言っても、初めてなので細かい部分が分からず、苦労する方もいらっしゃるでしょう。

法務局は必ず相談コーナーを設けており、1から親切に教えてくれます。

名義変更をしようと思ったけど、これから何をすれば良いか分からないという方は、まず法務局の窓口に相談しましょう。

※法務局の窓口担当は税の専門家ではないので、複雑な問題は回答できない可能性があります。その場合は税理士を頼るのがおすすめです。

相続によって物件を所有した場合、売却前の名義が売り手と異なっていることが多いですが、そのほかには、離婚後に親権を妻が得たケースなどが挙げられます。

例えば、前夫が購入した家に子どもと住んでいたが再婚をするので売却したいときは、名義変更しなければなりません。

これらのケースでは、以下のような流れで手続きをおこないます。

  1. 司法書士を探して依頼
  2. 名義の変更
  3. 不動産業者と仲介
  4. 販売活動~引き渡し

販売活動を一括してサポートしてくれるのは不動産業者ですが、これらの名義変更や相続登記をサポートしてくれるのは司法書士です。

売り手の注目度は業者に比べれば低いですが、司法書士のなかでも、報酬1回払いで名義変更と売却のどちらも担当してくれるサービスをおこなっているところなどがあります。

それぞれどんな保証・サービスをおこなっているのかを比較した上で仲介業者を決めるように、司法書士もなるべく業者の紹介ではなく、自分の意志で決定するようにしましょう。

不動産の名義変更をおこなうケース

不動産売買をおこなうケース

不動産売買では、売主(旧所有者)から買主(新所有者)への名義変更が引渡し時に必要となります。

住宅ローンを借りている場合は、抵当権の抹消登記も実施されます。

遺産相続をおこなうケース

不動産の所有者が亡くなった場合、亡くなった所有者の名義のまま相続人に引き継がれます。

そのため、相続人は名義変更をおこなう必要があります。(相続登記)

従来は相続時の名義変更に関して期限はありませんでしたが、2024年4月1日からは、被相続人が亡くなってから3年以内の相続登記が義務化されます。

財産分与をおこなうケース

離婚による財産分与では、名義変更が必要になるケースが多いです。

結婚後に共有名義で購入した不動産は、片方の名義に変更するようになります。

生前贈与をおこなうケース

所有者が存命中に不動産を他者に無償で譲渡する場合、贈与を受けた人の名義に変更する必要があります。

この場合、贈与税や登録免許税、不動産取得税の支払いが発生します。

名義変更のためには所有権移転登記が必要

不動産の名義変更には、所有権移転登記という手続きが必要です。

所有権移転登記のためには、まず以下5つの書類を揃えます。

  • 登記申請書
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 固定資産税評価証明書
  • 登記識別情報

これら5書類の取得方法はこちらにまとめてあるので、参考にしてください。

これらの書類を郵送か実際に法務局へ赴いて提出します。

所有権移転登記は専門知識も必要になるので、はじめての方にとっては難易度が比較的高いです。

そのため、多くの方は司法書士にお金を払い(平均4~5万円)、手続きを依頼します。

登記事項証明書の表題部には「権利部(甲区)(所有権に関する事項)」という、不動産の権利関係について記している部分があります。

所有権移転登記をおこなうと、ここその旨が記載されます。

不動産の名義変更にかかる費用

不動産の名義変更で必要な費用は、以下の3種類です。

  • 登録免許税
  • 書類取得費用
  • 専門家への依頼料

特に専門家(司法書士)への依頼料はいくらに設定されているかで異なりますが、合計しても数万円程度で済ませることができます。

ただ、その他に取引で生じる各種税金もコストに含まれてくるので、それを考えると決して割安な訳ではありません。

不動産売却の場合、名義変更にかかる費用は主に以下の2つです。

  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬

登録免許税の課税額は、売る物件が建物か土地かによって以下のように変わります。

不動産タイプ 課税額
建物 売却価格の1000分の20
土地 ※売却価格の1000分の15

※2019年4月1日から1000分の20に減額

これに司法書士への報酬(4~5万円ほど)を加えたのが、名義変更にかかる総コストとなります。

実際の名義変更費用のシミュレーション

例えば、2018年時点にマイホームを2,000万円(建物:1,000万円 土地:1,000万円)で売り、所有権移転登記を4万円で依頼した場合のコストは、以下の通りです。

1,000万円×20/1000+1,000万円×15/1000=35万円
35万円+4万円=39万円

不動産の相場をこちらで紹介している方法を使って最初に調べておき、名義変更にいくらかかりそうかシミュレーションしておくと安心ですよ!

不動産の名義変更は自分でおこなうべき?

名義変更を自分でやれば、司法書士への依頼にかかるコストをカットできますが、これはあまりおすすめできません。

マニュアルを見ながらやれば一人でも出来そうに思いますが、不動産売却の手続きは状況に応じて適宜内容を変更するケースがかなり多いので、必ずしも画一的な手続きではありません。

何より心配なのが、売主の法知識の欠如です。

不動産売買には独自のルールが定められており、破ればペナルティを受けます。

なぜ独自のルールがあるかというと、国土をどう利用するかというのは国の経済にもかかわるので、制限が必要だからです。

手続きの流れはわかったつもりでも、法律や不動産業界の慣習を学ぶにはかなりの時間・労力を要します。

無用なトラブルを避けるためにも、素直に司法書士へ依頼するのがおすすめです。

不動産の名義変更のタイミング

不動産売却前の名義変更は不要なことも多いですが、あなたが不動産を売った時の買主への名義変更は、必ずおこなわないといけません。

売買契約から約1.5か月後に、売買者・仲介業者らが銀行の一室などに集まり、住宅ローンの決済や購入金の支払い、カギの引き渡しなどをおこないます。

売主から買主への名義変更も、この引き落とし日当日におこないましょう。

引き落としには依頼した司法書士も同席するので、前述の必要書類をその場で渡しましょう。

書類に不備がなければ、司法書士は法務局に行って所有権の移転手続きを完了させます。

記載内容の変更が反映されるまで1~2週間

司法書士は、引き渡し日当日に法務局で変更登記の申請を済ませます。

ただ、実際に登記事項証明書の記載に反映されるのは、それから1~2週間後となります。

例えば、3月1日に引き渡しをおこない、その日に利用権を移転する旨を売買契約書に記載していたとしても、登記事項証明書に反映されるのは、3月10日前後となります。

では、3月1日~10日の間で何かしらのトラブルが起きた場合、売買契約書と登記事項証明書の記載内容どちらが優先されるのでしょうか?

このように、行政等の認識と売買契約書の記載事項に食い違いがある場合、ほとんど売買契約書に書かれている内容が優先されます。

売買契約書は国や自治体へ提出する書類というだけでなく、売主・買主間の約束でもあり、実印を押すことでそこに意思が確認されるのでまず2者間でトラブルが起きれば契約書の内容が何よりも優先されます。

売買契約書のチェックポイントはこちらにまとめてあるので、ぜひご覧ください!

不動産売却で名義変更をおこなう際の注意点

不動産売却時の名義変更は、ケースによっては大きなリスクに繋がりかねません。

ここからは、名義変更をおこなう際に注意すべきポイントを解説していきます。

親族間の名義変更は贈与と見なされる

親子間の名義変更は、贈与と見なされてしまうことが多いので注意が必要です。

これは、形式上は売買という形を取っていても、裏で生計を一にしていれば実質的に贈与と見なされるためです。

血のつながった親子(直系尊属)からの贈与(特例贈与財産)の場合、贈与税は以下のように計算されます。

特例贈与財産の税率・控除額
課税価格(-110万円) 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円 30% 90万円
1,500万円 40% 190万円
3,000万円 45% 265万円
4,500万円 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

このことを知らずに放置していると、脱税を疑われて税務署からお尋ねが来るので注意しましょう。

名義変更では権利者と義務者の立ち合いが必須

名義変更は原則、登記権利者と登記義務者が共同でおこなう必要があります。

登記権利者(売主)と登記義務者(買主)は双方の合意に基づいて名義変更をしなければいけません。

双方が対立関係にある倍は成立しないので注意しましょう。

遺産分割協議を伴う名義変更は手続きが複雑

相続時の名義変更は、その前に遺産分割協議を済ませていることが当然必要になります。

遺産分割協議は手続きがかなり煩雑で、更に時間もかかる作業です。

協議・名義変更も含めて膨大な時間がかかってしまうので注意が必要です。

不動産の名義変更を検討の方はまず不動産会社に相談しよう

不動産の名義変更などは、不動産売却で必要な手続きの中でもかなり細かいものです。

ただ、円滑、安全に不動産を売るためには、こうした細かな手続きをしっかり処理することが何よりも重要です。

しかし、不動産会社、担当者によってはこうした細かい手続きに手が回らないことも多いです。

名義変更手続きも含めて安心して依頼できる不動産会社を、不動産一括査定サイトなどを用いて見つけることがまずは重要です。