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土地活用

土地を貸す際の賃料(借地料)相場の調べ方とは?地代の計算方法を解説【年間・月額】

土地 賃料 相場
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所有者自身が活用する予定の無い土地は、借地をして契約者から賃料をもらい収入にするのも一つの手です。

その場合の賃料(借地料)は、一体どれくらいの金額になるのでしょうか。また、どのような計算式で算出するのでしょうか。

今回は、借地料の計算式や賃料相場などについて、詳しく解説していきます。

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借地・借地料(地代)の基本的な仕組み

借地はその名の通り土地を第三者に貸し出すことで、賃貸マンションやアパートと同様に賃貸借契約を結び、借主に提供します。

そして、借主は土地を利用できる対価に、契約で定められた借地料を支払います。借地と言われる方法は貸し手側が建物投資や設備機能の購入や設置をおこなわず、更地そのままを貸し出すケースを指すことが一般的です。

借地の種類

借地は大きく分けて2つの権利によって分けられます。

  • 普通借地権:借主が期間を更新できる
  • 定期借地権:借主が期間を更新できない(事前に期間が決まっている)

普通借地権は存続期間を更新できる契約のことを指し、定期借地権は更新することができません。

また、定期借地権は「一般借地権・建物譲渡特約付借地権・事業用定期借地権」の3種類に分かれます。

借地権 普通借地権 一般定期借地権(法22条) 事業用定期借地権(法23条) 建物譲渡特約付借地権(法24条)
存続期間 30年以上 50年以上 10年以上50年未満 30年以上
利用目的 用途制限なし 用途制限なし 事業用建物所有に限る(居住用は不可) 用途制限なし
契約方法
  • 制約なし
  • 口頭でも可
公正証書等の書面で、下記3つの特約を定める

  1. 契約の更新をしない
  2. 存続期間の延長をしない
  3. 建物の買取請求をしない
公正証書等の書面で、下記3つの特約を定める

  1. 契約の更新をしない
  2. 存続期間の延長をしない
  3. 建物の買取請求をしない
  • 30年以上経過した時点で建物を相当の対価で地主に譲渡することを特約する。
  • 口頭でも可
借地関係の終了
  1. 法定更新される。
  2. 更新を拒否するには正当事由が必要。
期間満了による 期間満了による 建物譲渡による
契約終了時の建物
  1. 建物買取請求権がある。
  2. 買取請求権が行使されれば建物はそのままで土地を明け渡す。借家関係は継続される
原則として借地人は建物を取り壊して土地を返還する 原則として借地人は建物を取り壊して土地を返還する
  1. 建物は地主が買取る
  2. 建物は収去せず土地を返還する
  3. 借地人または借家人は継続して借家として住まうことができる

引用:国土交通省HP「定期借地権の解説」

普通借地権は借りている人と契約を解除する場合、正当な理由が無いと解除することが難しく、正当な理由も貸している人がやむを得ず自分で住む場合と限定されています。

普通借地権は地主が認められている権利がかなり限られているので、近年の借地事業では定期借地権を利用するケースが多いです。

借地料(地代)の考え方

借地権と底地権

借地の中には、借地権底地権が存在します。

  • 底地権:土地を所有する権利・所有権を行使する権利・借主から地代を得る権利
  • 借地権:底地権が及ぶ土地の中で、住宅敷地部分などを借りて利用する権利

また、言い換えると、借地は底地権に含まれており(借地権=底地の一部を借りる権利)、借主が借地権を持ったとしても、オーナーの底地権が及びます。

例えば上記の図解のような区画一帯を借りるためには、借地権と底地権の両方が必要となります。

これを前提として、土地を借りる際は、主に2通りのアプローチがあります。

  • 借地権(借地部分の権利)を取得して、その上で底地部分の使用料を地代として支払う【通常の地代】
  • 借地部分+底地部分(土地全体)の使用料に相当する地代を支払う【相当の地代】

通常の地代と相当の地代が、例えば下記のような土地に適用される場合、借地料(地代)はどのようになるか計算します。

  • 土地価格:1,000万円
  • 借地権割合:60%
  • 年間利回り:3%
種類 計算式 実際の地代(年)
通常の地代 土地価格×(1-借地権割合)×年間利回り  12万円
相当の地代 土地価格×年間利回り 30万円

ただし、実際に支払われる地代【実際の地代】は周辺エリアの借地とのバランスや、貸主・借主の意向などによって変わるので、必ずしも上記の通りではありません。

借地料(地代)の相場【借地権の種類別】

借地権の種類 借地料相場
普通借地権 土地価格の1%未満(固定資産税額の約3倍)+権利金
一般定期借地権 土地価格(時価)の2~3%
事業用定期借地権 土地価格(時価)の4~5%
建物譲渡特約付借地権 土地価格(時価)の2%

前提として借地権は大きく普通借地権と定期借地権に分かれますが、定期借地権で契約するのがより一般的です。

普通借地権の借地料相場(年間):固定資産税額の3~8倍)

普通借地権の場合、借地料の相場は住宅利用の場合、土地にかかる固定資産税額の3~5倍程度、商業利用の場合は固定資産税額の5~8倍程度となります。

固定資産税額の計算式

固定資産税評価額(土地:公示地価の約7割)×標準税率(年1.4%)

公示地価と市場価格(時価)にズレがない場合、977万円の土地の固定資産税額は977万円×0.7×0.014=9万5,746円となります。これを前述の相場割合に当てはめると下記のようになります。

  • 住宅利用の場合:年間28万7,238円~47万8,730円
  • 商業利用の場合:年間47万8,730円~76万5,968円

普通借地権は割安になるケースが多く、契約時の土地価格の7割程度の一時金が借主から支払われることが多いです。

一般定期借地権の借地料(地代)相場:土地価格の2~3%

住宅を借地に建てる場合などに適用される一般定期借地権の借地料(年間)は土地価格の2~3%が相場となります。

一般的借地権は、契約期間(存続期間)が50年以上となります。

2022年度 フラット35利用者調査によると、2022年度の土地購入価格は全国平均977万円くらいと推定できます。(土地付注文住宅:4,694万円⁻注文住宅:3,717万円 )

そのため、一般的借地権で得られる借地料は、全国平均で977万円×2~3%=年間19万5,400円~29万3,100円くらいが相場となり、1万6,283円~2万4,425円くらいが月ごとの相場(÷12)と言えます。

事業用定期借地権の借地料(地代)相場:土地価格の4~5%

店舗などの事業用物件を借地に建てる場合などに適用される事業用定期借地権の借地料(年間)は土地価格の4~5%が相場となります。

事業用物件の敷地などとして貸し出す方が借主の利益は大きいので、一般定期借地権よりも借地料相場は高額となっています。

上記の通り、土地価格を平均977万円と想定すると、年間39万800円~48万8,500円くらいが相場となり、3万2,566円~4万708円くらいが月ごとの相場(÷12)と言えます。

建物譲渡特約付借地権の借地料(地代)相場:土地価格の2%

建物譲渡特約付借地権とは、契約から30年以上経過した時点で、借地上の建物を地主(貸主)が買い取る特約を結ぶ借地権です。

この場合は、借地権相場が土地価格の2%ほどとなります。

借地料(地代)相場の計算方法【価格の根拠】

それぞれのケースにおける借地料相場を紹介しましたが、そもそも借地料(地代)の根拠は、下記の計算式のいずれか、または組み合わせで算出されます。

  1. 積算法
  2. 賃貸事例比較法
  3. 収益分析法
  4. 公租公課法
  5. 路線価法

ここからは、それぞれの計算方法を詳しく説明していきます。

計算方法1】積算法

積算法は期待利回りから賃料収入の見込みを算出し、そこに経費を加算することで、土地の価値を導き出す方法です。

積算法の場合、以下の計算式を使います。

地代=更地価格×期待利回り+必要経費(公租公課)

期待利回りとは、一度の賃料支払いで初期投資(購入額)の何%のリターンを得られるかという割合の期待値です。例えば、100万円で買った土地の賃料を1万円にしたい場合、期待利回りは1%となります。

期待利回りの計算は非常に難しいことから、概算で2%とすることが多いです。

ただ、貸主が勝手に利回りを決めることができるので、少し貸主が有利な結果となってしまうのがデメリットです。

計算方法2】賃貸事例比較法

賃貸事例比較法とは、その名の通り賃貸の周辺事例を集約し、そのデータを参考に地代を算出する方法です。

前述の通り、土地の賃貸相場にはそのときの市場の動向も関わってきます。この方法は、市場の仕組みも取り入れている分、信頼性は高いように思えます。

ただ、周辺の取引事例を十分な数集めなければならないので、田舎では不利です。

また、似通った形状の土地でも路線価が異なったりするので、この方法で正確な地代を求めるのは非常に難しいです。

ただ、現実的に同じような土地の賃料はいくらかを知ることは、今後の方針を決める上でも重要です。

計算方法3】収益分析法

収益分析法は、土地に建物を建てたと仮定して、そこから得られる収益を分析する方法です。

土地の立地や面積に応じて建物の大きさ・高さは制限されているので、その制限を基に建てられる物件の概要を予想し、仮想収益を算出します。

この方法は素人が簡単にできるようなものではなく、専門家に依頼することがほとんどです。

計算方法4】公租公課法

土地の公租公課(税金)は一般には固定資産税と都市計画税が挙げられますが、これらの税金のもとになる土地評価を算出することで、およその土地の価値を導き出すのが公租公課法です。

これも路線価を使って割り出されているので、逆算をすれば賃料相場を求められます。

固定資産税額+都市計画税額×3~5倍

上記のような方法で、簡単に相場を求められるのがメリットです。

ただ、地方には都市計画税がない地域も多く、この計算式が適用できないので注意しましょう。

計算方法5】路線価法

路線価法では、国土交通省が決めた路線価から土地価格を算出し、借地料を決定します。

各線図の見方と土地相場の求め方

国税庁のサイトを見ると、上記のような路線価図を見ることができます。

この地図では、それぞれの道路の評価を1,000円単位で表示しています。300Cと記載している場合、路線価は30万円ということです。

具体的には、以下のような計算で土地の価格を求められます。

1路線に面する土地
  1. 1㎡当たりの地価【路線価(30万円)×※奥行35mの補正率】×地積(35×20=700㎡)=土地の価格
2路線に面する土地
  1. 正面路線価×奥行35mの補正率=1㎡当たりの正面地価
  2. 1㎡当たりの正面地価+【側方路線価(20万円)×※奥行20mの補正率×※側方路線影響加算率=1㎡当たりの地価
  3. 1㎡当たりの地価×地積(35×20=700㎡)=土地の価格

上記のように、土地が接する道路の数によって計算方式は変化します。また、※が付いている補正率や影響加算率は国が土地の状況によって調整する数値で、時期によって変更もあります。

土地の賃料(地代)は専門家に算出してもらうのがベスト

ここまで、土地の賃料相場や計算方法について説明をしましたが、結局のところ、計算方法を覚えたとしても、実際の地代は周辺エリアの状況や借主との話し合いによって変わってしまいます。

事前に相場を知っておくことは、不動産会社に足元を見られるリスクが減るなどのメリットもありますが、実際のところ、より正確な地代の見積もりを知るには、不動産会社に相談をするのが一番の近道です。

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