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戸建て売却

個人再生の精算価値とは?自宅の評価はどうやって査定する?

自宅 精算価値 個人再生
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個人再生とは債務整理の一つで、裁判所に再生計画の認可を受けて、借金を大幅に減額してもらう民事再生法に基づいた手続き方法です。

自己破産と違って自宅を手放すことなく借金の整理ができるのがメリットです。

ただ、住宅ローンを完済しているケースや自宅の価値が高すぎると、個人再生の条件から外れてしまうケースもあるので、持ち家がある方は難しいところでしょう。

ここからは、個人再生で自宅の価値を査定する際に注意したいことを解説していきます。

この記事の監修者
水野 崇
監修者
水野総合FP事務所 代表
水野 崇さん

宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者。

相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など多方面で活動する独立系ファイナンシャルプランナー。

全国1000名以上から日本FP協会に寄せられる「くらしとお金」の電話相談を1年間担当。
年300本の執筆・監修を手掛けながら、学校法人専門学校では非常勤講師として金融リテラシー講義を毎週行っている。

●大水野総合FP事務所のホームページ
(https://mizunotakashi.com/)

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個人再生で自宅を査定する方法は主に2種類

個人再生の手続きでは、自宅の価値を申請する必要があります。

では、自宅の価値を知るにはどうすれば良いのでしょうか?

個人再生時には自宅のいま現在の評価額が必要なので、購入当時の金額を申請するのはNGです。

現在の価値を知る方法は、大きく分けてこちらの2つになります。

  • 民間の不動産会社に査定してもらう
  • 固定資産評税価額から計算する

詳しく説明していきましょう。

①民間の不動産会社に査定してもらう

日本には2万以上の不動産業者がいると言われており、その中の多くが物件の無料査定サービスを提供しています。

自宅を売る時にこのサービスを使う方が多いですが、個人再生で利用することもできます。

不動産会社によって見立てが違うため、金額も依頼した業者によってバラバラです。

金額のバラつきはデメリットに数えられることが多いのですが、好きな査定価格を選べるという意味では、個人再生では有利に働きます。

②固定資産税評価額から計算する

不動産を所有していると、固定資産税を毎年払うようになります。

この時、課税額を計算する際の元になる金額が固定資産税評価額です。

固定資産税評価額は公的な評価額であり、公示価格の70%の水準になるように調整されています。

また、公示価格の1.1倍程度が土地の実勢価格の目安とされます。

以上により、固定資産税評価額を0.7で割り戻して公示価格を求め、1.1倍することでおおまかな査定価格が計算できます。

どちらの金額も裁判所に提出することが多い

個人再生をする際は裁判所に自宅の価値を申請しますが、この時は不動産会社の査定結果と固定資産税評価額の両方を提出することが多いです。

査定結果は不動産取引のプロが近隣取引事例から算出するのに対し、固定資産税評価額は国土交通省の公示地価が基準になります。

2つの価格は目線が少し異なるので、両方とも参考にされることが多いのです。

不動産会社の査定結果は、不動産査定書という書類で提示されます。

また、固定資産税評価額も、固定資産評価証明書という書類に記載があります。

そのため、申請時はこちらの2つの書類を合わせて提出することになります。

個人再生で自宅の査定額が必要なのは清算価値が重要になるから

個人再生を希望する方が持ち家を所有している場合、その評価額を財産目録として裁判所に申告しなければいけません。

前述した自宅の査定価格を個人再生の場合は清算価値と言います。

住宅の清算価値=評価額ですが、ローンの残債がある場合は評価額から残債を引いた額が清算価値となります。

この清算価値が高すぎると、個人再生をすることで逆に返済額が高くなってしまう可能性があります。

清算価値保障の原則で自宅査定額以上の返済義務が発生

個人再生では、最低でも清算価値以上の金額を返済しなければいけません。

これが清算価値保障の原則です。

自宅の査定額から住宅ローン残高を差し引いた金額が1000万円の方は、個人再生を申し立てた時の最低弁済額は1000万円以上になるというわけです。

弁済額が高すぎて到底払えそうにない場合、個人再生の開始が決定されないケースもあります。

個人再生を希望する方は、常に自宅の査定額に気を配る必要があります。

個人再生時の自宅査定は一括査定サイトを使うのがおすすめ

不動産一括査定サイトを利用しよう

個人再生前に査定価格(=清算価値)を知る際は、なるべく多くの不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

ただ、業者1社ごとに個別に連絡を取って査定依頼をしていては、時間と手間がかかりすぎてしまいます。

そこでおすすめなのが、一括査定サイトを使う方法です。

簡単な物件情報を入力するだけで、査定に対応している業者へ一括で査定依頼をすることができます。

サイトは業者の広告費で運営されているので利用料は完全無料なうえ、すぐに売る予定がない方でも、自宅の査定額を確認する目的で利用しています。

郊外・田舎の自宅査定にも対応しているので、気になる方は利用してみましょう。

自宅の査定額が高すぎる時に個人再生を選ぶのはNG

自宅の査定額が高すぎる時に個人再生を選ぶと、結果的に返済額が高くなってしまう可能性があります。

債務整理をおこなうにあたって持ち家が残るのは嬉しいことですが、それによって固定資産税や維持費の支払いも続けないといけないので大変です。

個人再生で借金を減らしたいのであれば、「なぜ持ち家を残しておくべきなのか」をまずは考えましょう。

愛着や見栄だけで自宅を残したいと思っているなら、債務整理よりも前にキッパリと売ってしまう方が自分の為といえます。

個人再生のために家の査定額を安くしたらどうなる?

もし、不動産会社と共謀するなどして家の査定額を相場よりも意図的にかなり低い金額とした場合、裁判所には必ずバレてしまいます。

これは、併せて固定資産額評価証明書を提出するので、金額を比較すれば確認できるからです。

固定資産税評価額は公的な評価額であり、基本的にはこちらに記載の金額が基準となります。

不動産会社の査定額も、実勢価格に基づいた常識の範囲内に収まっている必要があります。

リースバックは査定額の高い自宅を手放したくない方におすすめ

リースバックの仕組み

不動産会社が提供する、最近話題のサービスの一つに「リースバック」があります。

リースバックは、まず自宅を不動産会社に買い取ってもらいます。

リースバックは、まず自宅を不動産会社に買い取ってもらいます。

その後、売却代金を受け取った後に賃貸借契約を結んで、家賃を払いながらそのまま住み続ける方法です。

自宅を手放さずにまとまったお金を受け取ることができ、傍目から見ると何ら変わりなく生活し続けるのでプライバシーも保護されます。

買い取ってもらった物件については、契約書上にあらかじめ明記した特約条件で後日買い戻すことも可能です。

リースバックにより賃貸住まいとなれば、固定資産税の負担もなくなるメリットもあります。

リースバックにはローンなどが絡まないので、信用情報が心配な方も安心して利用することができます。

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