自宅を売る際は、まず不動産会社に査定をしてもらう必要があります。
ただ、忙しい中わざわざ店舗に赴き、業者の説明を聞くのは時間のムダ!と感じる方も多いでしょう。
そこで今回は、その場で簡単に自宅査定が出るおすすめツールの紹介と、自宅査定の注意点を分かりやすく解説していきます!
不動産査定とは?売却査定の種類と流れ・査定額相場の計算方法を解説
自宅査定はネットから簡単に依頼できる
現在はネットから自宅査定を依頼できるツールが多数リリースされています。
自宅の評価額がいくらか知りたい時、こうしたツールを使って簡単に申し込むことができるのです。
自宅の査定をネットで依頼する流れは以下の通りです。
- 申込情報を入力
- 対応する不動産会社の中から依頼したいところを選ぶ
- 査定依頼・結果が届くのを待つ
自宅の査定依頼は意外とカンタンで、60秒ほどで全て終わらせることが出来ます。
自宅査定を依頼する流れ
こちらは、大体どこのサイトにも共通する一括査定の申込フォームになります。
査定したい物件の所在地を入力して、申し込み画面にジャンプしましょう。
最初に、 詳しい物件情報を記入します。ここで記入するのは以下の通りです。
- 物件の所在地
- 専有面積
- 間取り
- 建築年
- 物件の現状(居住中/賃貸中/空室/その他)
- 申込者と物件の関係
全て記入が完了したら、次に進みましょう。
次に、査定の理由や不動産会社に伝えたい希望などを記入していきます。
この時、訪問査定と机上査定という2種類の方法から選ぶようになります。
最後に申し込み者の個人情報を記入します。
すると、所在地や申込者の要望に応じて、査定に対応している業者が表示されます。
あとは、依頼したい会社をチェックして、申し込めば完了です。
まだ売却を検討中の方でも気軽に査定ができるので、ぜひ一度試してみてください。
おすすめの自宅査定ツール4選!利用料完全無料
ここからは、自宅査定におすすめのツールを4つ紹介しています。
サービス名 | 公式サイト | 査定可能件数 | 査定結果の正確さ | 査定のスピード | 対象の物件種別 | 対象エリア |
---|---|---|---|---|---|---|
HOME4U | 最大6社 | ○ | ○ | 土地・一戸建て・マンション | 全国 | |
イエイ |
最大6社 | △ | ○ | 土地・一戸建て・マンション | 全国 | |
HowMA(ハウマ) | 最大6社 | ○ | △ | 一戸建て・マンション | 全国 | |
10秒でDo | ― | △ | ○ | 土地・一戸建て・マンション | 全国 |
4つのツールの共通点は、利用料が完全無料なところとプライバシーの保護に力を入れているところです。
自宅査定ツールの悪い口コミで多いのが「個人情報が流出した」「営業電話がしつこい」というものです。
そこで今回は、個人情報を入力する必要のないもの、プライバシーマークの認定を受けているものを中心に紹介していきます。
不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気16社を厳選紹介
HOME4U
HOME4Uは、不動産一括査定サイトの中でも早くから運用されているので信頼性が高いです。
申込情報をカンタン入力(所要時間60秒ほど)するだけで、1000社に上る優良業者の中から最大6社に一括査定を依頼することができます。
NTTグループの会社が運営していること、プライバシーマークの認定を受けていることから、トラブルの心配をせず安心して申し込むことができますよ!
→HOME4Uの本当の評価とは?口コミ・評判とメリット・デメリットを徹底解説
イエイ
イエイは自宅査定ツールの中でも老舗で、信頼性と実績がある人気のサービスです。
独自に登録会社の審査を厳しく行っており、悪徳業者やクレームの多い業者は徹底排除しています。
登録会社の中の優良企業の割合はトップクラスに高いといって良いでしょう。
また、専門スタッフが常駐しており、ツール利用時のトラブルや自宅査定に関する相談に24時間対応しています。
更に、イエイのスタッフによるお断り代行サービスも大きな魅力です。
一括査定をおこない、そこから1社に絞り込んで契約するまでの段階で、複数社と連絡を取り合うこともあります。
そうなると、最終的に1社に決めた時に断りの電話を入れなければならないのが面倒ですよね?
イエイはこの断りの電話を代行してくれるので安心!トラブルの不安もなく手間もかかりません。
現在はWeb申込者限定で最大10万円分のギフトカードプレゼントを行っています。まだ売却を検討中の方も気軽に申し込めるので、お早目に利用してみましょう!
HowMa(ハウマ)
ハウマは、搭載されたAIが査定額を算出してくれる便利なツールです。
不動産会社に情報を送り、査定してもらうというフローを踏まないので、個人情報が流出する心配がなく安心して利用できます。
現在の査定額だけでなく、将来の予測推移までチェックすることができるのでおすすめですよ!
10秒でDo
10秒でDoは、大手フランチャイズ業者のHouseDoが運営している自宅査定アプリです。
その名の通り、住所や面積、築年数といった簡単情報を入力すれば、10秒ほどで査定額を算出することができます。
10秒でDoも最初に個人情報を入力する必要がないので、流出の心配がありません。
10秒査定の結果に納得いけば、そのままメールアドレスを不動産会社に送って、本格的な査定をしてもらうことも可能です。
自宅査定ツールの特徴と種類
一言に自宅査定ツールと言ってもその種類と特徴はそれぞれ異なります。
自宅査定ツールの特徴と種類について紹介していきます。
不動産一括査定サイト
不動産一括査定サイトは、一度の申し込みで複数の企業に自宅の査定をしてもらうことが出来ます。
不動産会社ごとに申し込みをする必要がないので、忙しい人でも一度に4~56社程度の不動産会社に査定を出すことが出来るので、自宅を最も高く売れる不動産会社をすぐに見つけることが出来ます。
おすすめの不動産一括査定サイトはHOME4Uです。
物件タイプ、都道府県、市町村、エリアを入力すれば最短60秒でスピード査定をすることが出来ます。
使い方に不安がある場合は平日の10~18時までであれば「0120-245-171」に電話することで専属のオペレーターに相談に乗ってもらえます。
AI査定サイト
AI査定サイトは、不動産会社に査定を依頼するのではなくAIを利用して自動的に自宅の査定価格を算出することが出来ます。
不動産会社を通さないので営業の電話やメールなどが一切ないので試しに査定に出してみようという気軽な感覚で利用することが出来ます。
ただし、AIが自動的に査定をするため実際の建物の損傷状況や劣化具合などを100%考慮することができないため査定価格の信頼性が不動産会社に依頼するよりも低いです。
AI査定で出た価格はあくまでも参考程度にし、売却をする際は不動産会社の査定を利用することをおすすめします。
不動産サイト
売却したい不動産の地域にある不動産ポータルサイトや全国展開している不動産会社であれば、都道府県地域を入力するだけで、大まかな価格相場を知ることが出来ます。
築年数や専有面積などの詳細情報まで入力すると自宅の査定価格の目安を知ることが出来ます。
ただし利用する際は氏名・住所・電話番号などの個人情報の入力を求められ、営業の連絡がある場合もあるので利用する際は人によっては注意が必要です。
不動産査定アプリ
不動産査定専門のアプリで自宅の査定をすることも可能です。
Webページでの査定と大きな違いはなく査定価格を出すために必要な情報も同じです。
AI査定サイトと同じように気軽に利用することができますが、査定価格の信頼性はAI査定サイト同様にあまり高くないので参考程度に利用するようにしましょう。
不動産査定ソフト
一般の人が利用する機会はあまりありませんが、実は不動産の価格を査定するための専門用のソフトがあります、
不動産査定ソフトを利用するのは、不動産会社の人などでお客さんに提示する不動産価格を算出する際に利用することが多いです。
そのため、業者向けの有料版ソフトを購入するしか利用する方法はありません。
自宅査定ツールの口コミ・評判は良い?悪い?
ここまで、おすすめの自宅査定ツールを3つ紹介しましたが、実際の利用者からの評判はどうなっているのでしょうか。
ここからは、実際にツールを利用した人の口コミを交えながら、本当の使いやすさや利用時の注意点を解説していきます。
査定申込が簡単に出来ると評判!
自宅査定ツールを利用した方が口をそろえて言うのは「査定の申し込みがこんなに簡単とは知らなかった」という意見です。
家の見積もりと聞くと、様々な書類や話し合いの時間が必要になるというイメージがあります。
自宅査定ツールを使えば最短10秒ほどで結果が確認できるので、予想を良い意味で裏切られた方が多いようですね。
ただ、こんなに早く結果が算出されるのは、そもそも不動産会社がおこなう査定は、一般人が思うほど厳正なものではないということでもあります。※詳しくは後述
プロの算出した金額だからといって、信用しすぎないようにしましょう。
個人情報も流出しにくい
引っ越し見積もり、車の買取見積もりなどの査定サービスにも共通するデメリットが、個人情報の流出です。
「連絡先を入力して2、3社に送ったら、共有していない100社くらいからどんどん連絡がきた」という方も中にはいます。
ただ、そもそも不動産会社から連絡が来るのは悪いことではありません。
申込者が入力した内容だけでは精度の高い見積もりができないと判断されれば、電話で追加情報をヒアリングすることもあります。
また、「こちらのサービスの内容・注意点を事前に知ってもらいたい」という思いから説明の電話をかけてくる可能性もあります。
とはいえ、周辺地域の不動産会社は担当者ごとの関係も深いので、プライベートの席でポロっと「あの家が査定に出したらしいよ」なんて噂話をする可能性も0ではありません。
そもそも、狭い地域の中で売れる可能性のある家は数件程度です。ですから、「あの家が売り出しそう」と言われれば、周辺の不動産会社ならすぐ「ああ、あの家ね」と理解できるレベルです。
登記簿謄本は自宅の持ち主以外も閲覧できるので、依頼していない不動産会社でもより詳しい情報を取得することは簡単にできます。
ここまでの説明を踏まえると、知らない会社から連絡が来るのはサイトや、依頼した会社のせいでは必ずしもありません。
ただ、サイトサービスに欠陥があったり、依頼をしたのが悪徳業者だったりすれば流出するリスクはあります。
選べる不動産タイプが家、土地、マンションの3つしかないような簡素なサービスは利用しないこと、悪徳業者に申し込んだと感じたら早めにサイト運営会社や自治体に連絡することを心がけましょう。
自宅査定ツールの査定額はどれくらい信用できる?
自宅査定ツールの評判自体は良いですが、サービスとしての信用度はどれくらい高いのでしょうか。
正直に言えば、自宅査定ツールが出す結果は、あくまで参考程度に見ておくほうが良いです。
実際、自宅査定ツールが算出した金額が本当の売却価格と大きくズレる可能性も十分あります。
ここからは、なぜ査定額と実際の価格にズレが生じてしまうのかを解説していきます。
自宅の中身までは調べることが出来ない
差が生じる最大の理由は、自宅査定ツールは建物内部の状況まで評価することはできないという点です。
ツールでは、立地の良い築浅の自宅は無条件で高値が付きます。
しかし、中を見るとフローリングに凹みがあったり、床にキズがついているかも知れません。
内部の損傷・劣化が激しい自宅を購入したい人はなかなかいません。
そのため、ツールでは高評価の自宅が売れないケースは多々あるのです。
営業マンの長年の勘は今でも有効
自宅査定ツールは、搭載されたAIが一瞬で何万というデータを処理して査定額を算出します。
人間が処理できる遥か多くのデータをチェックできるわけですが、だからと言って、不動産会社の営業マンより信頼できるわけではありません。
中古の自宅を購入するのは、売主たちと同じ素人です。スキルのある営業マンがあえて高めの査定額を付け、営業力で顧客を獲得するケースも多々あります。
また、同じ地域でも道路を挟むと”荒れた学区”だったり、眺めが悪かったり、ドブのにおいがしたりする可能性があります。
こうした、人にしか分からない微妙なニーズの違いもあるので、不動産会社の担当マンのアドバイスは仰ぐ価値があるのです。
自宅にいながら査定を依頼するメリット
不動産のように高額な資産を扱う際は、ネットではなく実際に来店して相談すべきという考えの方も多いでしょう。
それも正しい考えですが、自宅からネットで査定依頼するのにも、多くのメリットがあるのです。
メリット1】対面を避けることで冷静になれる
そもそも、不動産会社が無料査定をするのはほとんどが営業目的で、そこから契約をとることを彼らは目指しています。
来店して担当者と1対1では話せば、プロの営業トークにやられて勢いで契約を結んでしまうかも知れません。
不動産屋の店舗内の雰囲気はとにかく独特です。自宅で査定結果を一歩引いた目で見ることも大切ですよ。
メリット2】査定を依頼するだけで済む
不動産会社に来店すると、さまざまなアンケートを書かせられたり、興味のないサービスを勧められたりして、とにかく時間がかかります。
「売る予定はないけど、とりあえず価格だけ知りたい」という方は自宅で査定に申し込むのがおすすめです。
メリット3】査定額を知ってから相談に行ける
不動産を売る場合は、査定額や対応・提示プランなどに納得した業者と契約するようになります。どこと契約するか考える時、チェックするポイントは意外に多いのです。
予約して来店しても、対応が気に入らなかったり、査定額が気に入らなかったりする可能性が高く、何社も予約・来店しないといけなくなります。
一方、自宅で一括査定を依頼すれば、最初に査定額を比較して候補を何社かに絞り込めます。
来店や相談する機会を最小限にとどめることが出来るのです。
メリット4】査定額の価値は比較しないと意味がない
あなたの自宅を査定に出して「3000万円」と言われても、それが高いか低いか分かりませんよね。
不動産は一つとして同じものがなく、高いか低いかを知るには複数社の査定額を比較しないと分かりません。
1社にだけ来店して、査定結果に納得するのはやめましょう。
自宅査定は匿名で依頼できる
自宅の査定は、氏名や連絡先を共有せずに依頼することもできます。
一括見積もりサービスを使う際に注意したいのが、個人情報の流出です。
実際、一括査定に申し込んだら全く知らない業者からメールや電話が来た…という口コミも多いのです。
一方、ライフルホームズの匿名査定サービスなら、簡単な物件情報を入力するだけで査定を依頼することができます。
来店して査定依頼する際も個人情報を共有するので、勧誘・営業を一切シャットアウトして査定を申し込むには、匿名サービスを使うしかないのです。
査定結果の信ぴょう性には疑問が残る
不動産一括査定サイトの申し込みフォームには必要最低限の項目しかありません。これは利用者が申し込みやすくするためです。
不動産会社によっては、申し込み後に電話をかけてヒアリングし、より正確な査定価格を算出することもあります。
一方、匿名査定は連絡先を交換しないので、業者も簡単すぎる情報で価格を算出するしかありません。
そのため、価格の信ぴょう性には疑問が残るのです。
実名査定をしないと自宅は売れない
自宅を売る際は、査定を依頼して価格に納得したら契約を結びます。
査定は、自宅を売るための最初の手続きでもあるのです。
もちろん、契約の際は個人情報が必要になるので、最終的には実名を共有しなければいけません。
匿名査定はあくまで自宅の価格を知る参考にしかならないことは覚えておきましょう。
自宅の査定額=売却価格ではないので注意
ツールが算出した自宅の査定額通りに売れるとは限りません。
査定額は、「ある会社と契約をして、3か月程度で成約が取れた時に売れそうな価格」のことです。
運・タイミングが悪くて売れ残ってしまったり、相手が値下げを要求してきたりすれば、査定額通りには売れません。
また、査定額はあくまで各社の私見であり、金額が大きく外れてもペナルティは受けません。
加えて、そもそも査定額通りに売らないといけないルールもありません。
自宅の売り出し価格は、売主自身が査定額を無視して決定することも出来ます。
ただ、査定額とかけ離れた価格を付けると、買主が「割に合わない」と思って売れ残る可能性が高いです。
査定額より高く売るにしても、最大で1~0.5%増程度にとどめておきましょう。
運・タイミング次第で条件の良い自宅も売れ残る
そもそも、中古住宅の需要はそこまで高いわけではありません。
1、2人世帯ならマンションを借りるでしょうし、まとまったお金を手にしたら新築を建てる方のほうが多いでしょう。
「家を建てるほどのお金はないが、大世帯なのでマンションは狭い」という人の数も、少子高齢化で減少してきています。
つまり、いかに立地や条件の良い自宅でも、たまたま購入希望者が現れず、売れ残るケースも多々あるのです。
半年経っての売れ残る場合は、値下げをして成約率を上げるのがセオリーなので、どんどん利益は査定額以下に下がっていってしまいます。
契約時に1割近くの値下げを要求されることも
契約直前の価格交渉で、向こうから値下げを要求されることもあります。
こちらが突っぱねれば良い話ですが、せっかく苦労して内覧をクリアできたのに、また一からやり直すのも面倒ですよね。
どうしても大金を支払う買主が優位なので、一度値下げを拒否したら契約を断られる可能性もあります。
事前に「○○万円までの値下げはOK。それ以上は絶対ダメ」という基準を持っておくと良いでしょう。
査定額以下で売れても大丈夫な時に売り出す
残高が3000万円のローンを返済する目的で自宅を売る時、査定額が3000万円ジャストだったら売り出すのは危険です。
税金・費用の支払いを考えてないですし、上で挙げたようなケースが起こって値下げされる可能性もあります。
査定額が目標ギリギリでも強気で売り出すことはできます。ただ、不動産売却は失敗した時のリスクが大きいので、慎重に計画を立てていきましょう。
自宅査定でよく見られるポイント
自宅の査定額はどのように決まっているのでしょうか?
居住用住宅の評価は、本来“住みやすさ”というあいまいなものでしかありません。
ただ、不動産会社が査定額を算出する際は、特定の項目を評価して、その総合評価で価格をつけていくという方法で基準額を決定していきます。
訪問調査で良く見られるのは、こちらのポイントです。
- 築年数
- アクセス・立地
- 面積
- 利用状態(傷・凹みなど)
- 雨漏り・白アリ被害等の有無
- 騒音など生活を阻害する事情の有無
- その他特殊な事情
ここから、一つひとつのポイントを詳しくみていきましょう。
ポイント1】築年数
自宅の査定額を決める項目として最も重要なのが築年数です。
特に戸建て住宅は築年数の経過による価値の低下が著しく、築25年ほどで建物部分の価値はほぼ0になってしまいます。
上のグラフを見ると築25年あたりから価格推移が横ばいになっているのが分かりますが、これは建物部分の価値が0になり、敷地部分の価値しかつかなくなったからです。
例えば、建物部分と土地部分の購入価格がどちらも1,400万円、計2,800万円の自宅があったとします。
建物の価値が25年で0になると考えれば、築10年時の大まかな査定価格は以下の計算式で算出できます。
(1,400万円÷25)×10+1,400万円=1,960万円
築年数以外にも様々な要素が組み合わさっているので一概にこの価格の通りではありません。ただ、築年数に基づき算出された金額が査定額のベースになります。
ポイント2】アクセス・立地
自宅の立地も査定額に大きく影響します。
例えば、秋田県の自宅査定額は平均1,100~1.400万円ほどなのに対し、東京都は平均6,500万円ほどになります。
地域によって中古住宅の需要・ブランドが全く異なるので、いくら築浅で立派な物件でも地方の自宅を都心並みの価格で売るのは困難です。
また、同じエリアでも駅から近いかどうかで査定額は変わってきます。
目安としては都市部へアクセスできる駅から徒歩6分以内のエリアにあれば好立地と言えるでしょう。
ポイント3】面積
同じ場所に建物を建てるなら、面積の大きな建物の方が価格は高くなりがちです。
ただ、意外にも面積の大きさは築年数やアクセスに比べると重要な要素ではありません。
あまりに大きすぎる自宅だと持て余してしまう上に、購入価格もムダに高くなるので買い手が付きません。
住みやすい適切な面積の自宅のほうが、査定評価は高くなります。
ポイント4】状態(傷・凹みなど)
築浅の自宅でも使い方が悪ければ早く劣化してしまいます。
中古住宅を購入する方の多くは自分でリフォームをする前提でいます。そのため、多少の傷や凹みはそのままで構いません。
不動産会社も表面上の傷より、築年数や構造の頑丈さなどを見るので、査定額に影響したとしても微々たるものです。
ただ、高額のリフォームがかかるような欠陥がある場合、買主に購入を敬遠される要因になります。
例えば、時価2000万円の自宅にリフォーム代200万円かかる欠陥があれば、買主は実質2,200万円で購入することになります。
この場合、200万円分を引いて1800万円で売り出すこともあります。
ポイント5】雨漏り・白アリ被害等の有無
雨漏りやシロアリ被害の有無も、査定価格に影響します。
これも傷や凹みがあった時と同じで、リフォームにかかる費用を時価から差し引くのが一般的です。
ただ、これらの被害は売主の過失ではないので、業者によっては保証があるところもあります。
ポイント6】騒音など生活を阻害する事情の有無
騒音がひどい、買い物がしにくい、近くに暴力団のアジトがあるなどの、ネガティブな要素が査定額に影響を及ぼすこともあります。
査定に響く要素は、買主の安定した生活を脅かすかどうかで決まります。
自宅の耐震性が低いといった欠陥はダイレクトに影響しますし、近くで殺人が起きた場合なども心理的に安定生活を阻害します。
逆に売主と近隣住民が疎遠で仲が悪いというのは、買主の安定生活にダイレクトに影響する訳ではありません。
ポイント7】その他特殊な事情
立地によっては、自治体の条例でむやみに売れないケースもあります。
また、市街化調整区域内に建っている自宅などもなかなか売りにくい傾向にあります。
厳しい制限がある、売れにくいエリアの自宅は査定価格が下がる傾向にあります。
自宅査定を依頼する前にチェックしたいポイント
自宅査定を依頼する前に、いくつかチェックが必要なポイントがあります。
自宅の状態・状況は人によって異なるため、売却のアプローチはそれぞれ違います。
自宅の状況によってはいくら査定額が高くても売却できない可能性があるので注意しましょう。
ここからは、自宅査定の前にチェックしたいポイントを解説していきます。
住宅ローンの残債の有無と金額を確認
まずは、現在の住宅ローンの残債を確認しましょう。
リアルタイムの残債が分からない方は金融機関に連絡をすると残高証明書を発行してもらえます。
ローンの残る自宅を売却する際は、引き渡し時に必ず残債を一括返済する必要があります。
住宅ローンを借りる際には自宅に抵当権を設定しているので、これを取り外さないと引き渡せないためです。
残債と査定額を比較して、残債のほうが明らかに上回っていたら売却をすることはできません。
契約した後に引き渡せないことに気付くとトラブルが発生するので、事前にチェックしておきましょう。
必要書類の確認
自宅を売るためには、様々な書類の取得・提出が必要になります。
これらの書類の中に取得できないものがあればスムーズな売却はできませんし、代替書類を準備する必要があります。
事前にどんな書類が必要なのか、チェックしておくことをおすすめします。
不動産売却に必要な書類の種類・取得方法を紹介!売却依頼から決済・引き渡しに必要な書類を一覧で紹介
大まかな目標額を決めておく
査定を依頼する前に、いくらで売れるのが理想なのかをだいたい算出しておきましょう。
3,000万円の新居購入費に売却代金を利用したいのであれば、自宅は3,000万円以上で売れるのが理想です。
ただ、3,000万円を下回った場合も貯金から300万円まで捻出できるというのであれば、理想:3,000万円、最低:2,700万円という基準が出来ます。
もし査定額がこれを大きく下回ったら、売却以外の方法を考えるか、違うところから費用を捻出する必要があります。
こうした算段を全くしないと、目標額に届かないのを大事な自宅を手放した後に気づくことになり、大損失を被る可能性があります。
自宅の修繕履歴を確認しておく
今まで自宅に施した細かいリフォームや修繕の履歴はレントロールと呼ばれるものにまとめられています。
今まで物件にどんな手を施したかというのは査定額を算出する上で非常に重要ですし、購入希望者へのアピールにもなります。
フォーマット自由で自分で作成しても構わないので、取得から現在までの修繕履歴をまずは洗い直しましょう。
土地の境界と利用履歴を確認する
登記簿謄本で土地の境界が明確に規定されているのかをまずは確認する必要があります。
周囲がブロック塀や生垣で区切られており、何となく境界線が施されているように見えても、実際には一度も正確な測量がなされていない可能性があります。
土地の価値が例えば1万円/㎡の場合、境界がズレていたら売主・買主のどちらかが損失を受けることになります。
公正に取引をするために、測量履歴がない・過去の測量結果が明らかに実情と異なる場合は再度測量を依頼しなければいけません。
合わせて、土地が過去にどう利用されてきたかの調査も重要です。
自宅の敷地に使われる前に工場や病院の跡地として利用していた場合、土壌が汚染されているリスクがあります。
自宅査定の注意点
自宅査定はネットから無料で依頼が出来て便利ですが、いくつか注意しなければいけないポイントも存在します。
自宅査定の注意点は一体どこにあるのでしょうか?
自宅の査定額は実際の売却額と必ずしもイコールではない
まず注意してほしいのは、査定額と実際の売却額は100%イコールという訳ではないということです。
査定額はあくまで、「うちの会社が通常通り販売活動をすればこれくらいの金額で売れる」という前提条件があるので、逆に想定外のことが起これば価格は全く変わったものになります。
運やタイミング次第では条件の良い自宅でも売れ残る可能性があります。この際は成約率を上げるために価格を自ら下げるのが一般的です。
また、契約前に購入希望者から値引き交渉を受けるケースも多いです。値引きしないと契約を結んでくれそうにない場合は、快くある程度まで下げてあげるほうが良かったりもします。
ただ裏を返せば、査定額よりも高く売れる可能性は十分あるということでもあります。
特に売主自信が掃除・整理整頓に注力し、第一印象を大幅にアップさせることができれば利益も上がっていく可能性が高いです。
査定額の一番高い業者と契約するのが常に正解ではない
査定額の一番高い業者と契約すれば、高く売れる可能性が高いのは確かです。
多くの一括査定サービスも複数社の査定額を比較すれば高く売ってくれる業者がわかるとしていますが、不動産会社の中にはこのことを把握しており、敢えて査定額を吊り上げて契約を取ろうとするところも少なくありません。
完全に悪意のある行為ですが、そもそも査定は「私見」で売却価格と乖離があっても責任に問われることは一切ないので、業者にリスクは全然ないのです。
こうした業者は平均価格の2割増し程度で査定額を算出してくる傾向にありますが、そのまま売り出しても割高過ぎて売れません。
そのため、業者は途中で理由を付けて値下げをしていくようになります。
最初から適正価格で売るよりも、途中で適正価格まで下げるほうが「売れ残り物件」というレッテルも乗っているので、結果が上手くいかない可能性が高いです。
ただ、仲介業者にとっては仲介手数料を得られるかどうかが問題であり、売却価格が数百万円違っていても特にリスクはないのです。
とはいえ、売主からすれば手残りが数百万円以上変わるのは大問題でしょう。
こうした事態を防ぐには査定額に絶対の信頼を置かないこと、事前にだいたいの相場を調べておくことをおすすめします。
希望・セールスポイントは査定時に全て告げる
不動産会社が査定サービスを無料提供しているのは決して善意のためではありません。
不動産を売りたい方を集客して契約を取るのが理由なので、査定に申し込んだ段階から営業は始まります。
営業をかけられている時は自社の有利な方向へ引き込もうと相手がしてくるのを見抜き、こちらも希望をどんどんぶつけていかなければいけません。
交渉のテーブルに着く前に相性が悪いと判断して査定時に断るほうがハードルは低いのでおすすめですよ!
自宅の査定額は2つの方法で計算される
自宅の査定額は、最初に決まった計算方法で基準額を算出し、その上で前述のようなポイントの評価で微修正する形を取ります。
自宅の査定額は、主に以下の2つの方法で計算されます。
- 取引事例比較法
- 原価法
それぞれの計算方法を詳しく解説していきます。
住宅街にある自宅は取引事例比較法で査定
住宅が密集しているエリアの自宅は、取引事例比較法を使って査定をします。
これは、過去の成約事例データを使い、自宅の査定額を求める方法です。
例えば査定したい自宅Aと同じ築年数・駅徒歩時間の物件B・Cがあったとします。
自宅A | 物件B | 物件C | |
---|---|---|---|
成約価格 | - | 2000万円 | 3000万円 |
面積 | 90㎡ | 80㎡ | 100㎡ |
この時、自宅Aの査定価格は、以下の計算式で求められます。
(2000万円+3000万円)÷(80㎡+100㎡)×90【㎡】=2500万円
かなり大まかですが、これが取引事例比較法の流れとなります。
実際はもっと多くのデータを使い、かつ年数の経過による相場の変動も考慮して計算されます。
築古の自宅は原価法で査定
築年数が30年、40年と古くなってくると、当時と今の状況がかなり違うので、取引事例比較法が意味をなさなくなってきます。
こうした自宅の査定に有効なのが原価法で、築古の自宅を今立て壊し、当時の状態をそのまま立て直した時にかかる費用から価値を逆算していきます。
原価法の計算式は、以下の通りです。
査定価格=再調達価格×延床面積×(耐用年数の残り÷構造ごとの法定耐用年数)
耐用年数とは、その物件を安全に利用できる目安の年数のことで、以下のように法律できまっています。
構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
軽量鉄骨造(厚さ3㎜以下) | 築19年 |
木造 | 築22年 |
軽量鉄骨造(厚さ3~4㎜) | 築27年 |
鉄筋コンクリート造 | 築47年 |
自宅の査定相場を自分で調べる3つの方法
自宅の査定はツールを使わなくてもある程度自分で調べることができます。
最初に自力である程度の価格のイメージをつけておけば、そもそも売るべきかどうかの判断が付きやすくなります。
また、あまりにも相場から外れた価格を提示してくる業者を排除することもできます。
自宅の査定相場は、以下の3つの方法で調べることができます。
- SUUMOなどのポータルサイトを使う
- 不動産ジャパンを使う
- 土地総合情報システムを使う
詳しい相場の調べ方はこちらにまとめています。ぜひ参考にしてください。
不動産の売却相場はいくら?価格の調べ方や相場の推移・変動要因について解説【2024年最新】
自宅査定ツールは信憑性と個人情報の流出に注意しよう
ここまで、自宅査定ツールの紹介と、査定時の注意点について解説していきました。
ツールを利用する際は、金額の信ぴょう性とプライバシーの保護に特に注目しましょう。
連絡先を記入せず、匿名で自宅査定ができるタイプは便利ですが、不動産会社への依頼ではないので売却につなげることはできません。
まずは匿名ツールを試し、金額にある程度納得いけばHOME4Uのような不動産会社に一括査定できるツールを利用することをおすすめします。