急な相続や引っ越しや転勤などでマンションを売るか貸すか、多くの人が悩んでいることと思います。
マンションを売るか貸すかする際は、どちらがお得なのかを比較した上でどうするかを判断することが多いですが、どちらがお得なのかは物件の状態や時期によって異なるため一概に言うことはできません。
では、一体どこを見てマンションを売るか貸すか判断すれば良いのでしょうか?
今回この記事では、売却と賃貸それぞれのメリット・デメリットとどんな部分に注意して判断すれば良いのかを説明していきます。
マンションを売るか貸すかを決める判断基準【フローチャート】
所有しているマンションを売るか貸すかを決める判断基準について紹介をしていきます。
どうするかこまった際は上記のフローチャートをたどって判断をしてみてください。
ただし、フローチャートに沿っての判断だけでは本当にこれで良いのか心配になってしまいますよね。
そこで、マンションを売るか貸すか迷った時の判断基準を詳しく見ていきましょう。
判断基準1】再度住む予定があるか
マンションを一度売却してしまうと再び自分の物にするのは、ほぼ不可能です。
そのため再度住む予定があるのか、マンションを売却しても後悔をしないのかをしっかりと考えた上で判断する必要があります。
ただし利用しないマンションは所有しているだけでも管理費・維持費が発生するので費用との兼ね合いをする必要があります。
物件の売却の場合は、不動産会社に仲介を依頼して個人間で売買をする方法と不動産会社にマンションを買い取ってもらう2つの方法があります。
前者の仲介でマンションを売却する方法ではマンションを相場よりも高い金額で売却することができますが、不動産会社の買取と異なりマンションの売却までに期間が長い場合があります。
マンションを早く売却したいのか、高く売りたいのかによって売却方法が異なります。
ローン残債があるマンションも売却できる?ローンが残る物件を売る流れ・注意点をケース別に解説
判断基準2】維持管理をおこなう手間やコストは捻出できるか
今住んでいるマンションに、もう一度住む予定がある場合や賃貸として貸し出しを行い収益物件としてマンションを運用することも出来ます。
ただし、収益物件としてマンションを運営する場合は管理の手間がかかってしまうので、管理の手間をかける事が出来るかどうかが賃貸として貸し出すことが出来るかどうかの判断基準になります。
一言で賃貸にすると言っても、貸し出す物件の住宅ローンが完済していることが前提条件となってしまいます、また賃貸契約にも不通借家契約と定期借家契約の2種類の契約方法があります。
賃貸として貸し出したマンションを再び自宅として利用する予定がある場合は、入居期間が設けられている定期借家契約を利用するのがおすすめです。
住む予定はないが、マンション経営を本格的に始めたい人は、普通借家契約を結ぶのがおすすめです。
判断基準3】住宅ローン残債の有無・残高
マンションに住宅ローン残債がある場合は、売却か賃貸かの判断はより慎重に行わないといけません。
住宅ローンが少ない、あるいは完済しているのであればマンションを売却することがおすすめです。
売却する際は住宅ローンを一括返済しなければいけないので、売却価格や資金に余裕を持って売却するようにしましょう。
たいして、住宅ローンの残高が多い場合はマンションとして貸し出すことで収益物件として賃料を得ながらローンの返済をすることが出来ます。
マンションを売るメリット・デメリット
転勤や離婚といった人生で大きな転換があった際にマンションを売るという選択肢が生まれてきます。
せっかく購入をしこれまで住んでいたマンションを売却することは、色々と考えてしまう点もあるかもしれませんが、早めに対応をすることでリスクを最小限に抑えることが出来ます。
マンションを売るメリット・デメリットについて紹介していきます。
マンションを売るメリット
マンションを売るメリットは次の2点です。
- 運用・保有の手間や責任がなくなる
- まとまった現金が手に入る
マンションは所有をしているだけで様々な責任を負う必要があります。
マンションという不動産を所有しているため固定資産税、火災などがあった際は賠償責任、老後の相続が発生してしまいます。
売却をしてしまえば、税金やその後の処理をする必要がなく今後の面倒な手続きもすべて回避することが出来ます。
また、マンションを売却することでまとまった現金を一括で手にすることが出来ます。
まとまった現金が必要な人はマンションを売却することで資金計画を立てやすくなります。
マンションを売るデメリット
次にマンションを売るデメリットについて紹介します。
マンションの売却のデメリットは次の点です。
- 手間がかかる
- 譲渡所得税が発生する
- 一度手放すと再度取得するのが難しい
マンションの売却方法によってもどれだけの手間がかかるかは異なりますが、不動産仲介業者を利用してマンションを売却する場合は、マンションの売却まで半年~1年ほどの期間を有することも珍しくありません。
中には1年が経過してもマンションが売却できないなんてこともありえます。
不動産買取業者への売却であれば期間が長くなることはありませんが、相場の8割程度での売却となってしまうため、マンション売却の利益が小さくなってしまいます。
また、マンションを売却した際に利益が発生した際は、譲渡所得税がかかります。
不動産売却でかかる税金はいくら?費用の計算方法から節税・控除のポイントまで分かりやすく解説
マンションを賃貸に出すメリット・デメリット
マンションを貸すメリット・デメリットについて紹介します。
最近は投資先としてマンション等の不動産に注目が集まっており、マンションオーナーとなる人が急激に増加しています。
ブログや成功者の体験談で「不労所得で生活」にあこがれる人も多いです。
ただし、賃貸経営にはメリットもありますがデメリットももちろんあります。
マンションを賃貸に出すメリット
マンションを貸すメリットは以下の2つです。
- 安定収入を見込める
- 再び住むことができる
前者では、マンションを賃貸として貸し出すことで毎月家賃として決まった金額を手に入れることが出来ます。
一般的なマンションであればマンションの購入代金を回収するまでに10年、収益性の高い物件であれば5年前後の時間が必要です。
利益が出るまでは、長期の運用が必要ですが、空き部屋にならない限り安定したsy通乳を得ることが出来ます。
また、賃貸として貸し出しているということはその物件の所有権を有しているので、賃貸ではなく家として利用することも出来ます。
ローンを借りる際の担保とすることも出来るので手元に不動産の資産を残しておけるのは非常に大きなメリットです。
分譲マンションを貸す方法とは?流れや収益化のコツ・注意点を分かりやすく解説
マンションを賃貸に出すデメリット
人気の無い・立地の悪いマンションは借主が出ず空室となってしまう可能性があります。
マンションを空室の期間は家賃収入を得ることができず、入居者を探すための広告費などの余計な費用が必要な場合もあります。
また、借主が家賃を振り込んでくれなかったり、物件を丁寧に扱ってくれずメンテナンスが必要になります。
マンションの住人が近所トラブルを発生した際は、直接利用していなくても所有者が責任や対応をする必要があるケースも珍しくありません。
マンションを売る流れ【全7ステップ】
マンションを売る流れについて紹介していきます。
- 査定依頼
- 媒介契約
- 販売活動
- 内覧対応
- 売買契約
- 決済・引き渡し
- 確定申告
【Step1】査定依頼
マンション売却をする際は必ず、マンションの相場価格を把握しておくことが大切です。
査定をすることで予算や期間などのマンション売却までのスケジュールを立てることが出来ます。
マンション等の不動産は一般の方が持つ資産としては非常に高額なものです。
いざという時には担保にしてローンを組むことが出来るため損をしないためにもマンションの査定を最初に行いましょう。
【Step2】媒介契約
※不動産買取業者にマンションを売却する人は⑤売買契約へ
マンションを売却する際に不動産仲介業者を利用するなら媒介契約を結ぶ必要があります。
一言に媒介契約と言っても次の3種類の媒介契約があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任契約
契約方法によって長所・短所が異なるのでどの契約方法を利用するかは、しっかりと検討する必要があります。
【Step3】販売活動
媒介契約を結んだ後は、マンションの売却活動を進めていきます。
媒介契約の種類によっても異なりますが、基本的にマンションの売主が対応をするものはありません。
不動産仲介業者がマンションの購入希望者を連れてきてくれます。
【Step4】内覧対応
マンションの購入希望者が来た際に、内覧対応をする必要があります。
内覧対応は土日祝を希望する人が多いので、スケジュールの調整をする必要があります。
買い先行ですでに引っ越しが終わっているような場合は、不動産仲介業者に内覧対応をすべて依頼することも出来ますが、売り先行の住みながら売却の場合は防犯上の観点からも内覧の対応をするようにしましょう。
【Step5】売買契約
マンションの売却が決まった際は、売買契約をする必要があります。
不動産仲介業者を利用する際は媒介契約を結んでいますが、売買契約と媒介契約は異なります。
また、不動産仲介は売買契約を結ぶタイミングで、マンション売却額の一部を仲介手数料として支払う必要があります。
このタイミングでマンションの売却代は振り込まれていないので、自分の資金から仲介手数料を支払っておく必要があります。
【Step6】決済・引き渡し
マンションの売却代金の入金と引き渡しは同一タイミングで行われます。
マンションの引き渡し後の引越し先等を確保できていないと、次に住むところがなくなってしまいます。
入金・引き渡しのタイミングは慎重に調整する必要があります。
スケジュール調整をうまく行わないと生活の基盤を失うことになってしまう可能性もあります。
【Step7】確定申告
マンションを売却して利益が生まれた際は必ず確定申告をするようにしましょう。
売買益がでたのにも関わらず確定申告を行っていないと税の未申告として扱われてしまいます。
また、マンションを売却することで損失を出た場合も確定申告を行い損益通算を行うことで納税額を減額することも出来ます。
マンションを売却した際は、利益・損失問わず確定申告を行うようにしましょう。
マンションを賃貸に出す流れ
ここでは、今住んでいるマンションを賃貸にすると決めた後の大まかな流れを解説します。
【Step1】不動産会社を選ぶ
まずは数ある不動産会社の中から自分に合った不動産会社を1社見つけることです。
会社選びのコツは、ネットでの口コミ・評判や担当営業者に直接会って話を伺うことを基準にしてみましょう。
話を聞く中で、業界団体への加盟の確認もしましょう。
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【Step2】3種類の貸し出し方法から1つ選ぶ
話を聞いていく中で自分に合った不動産会社と契約を交わしたら、物件を貸し出す方法を決めていきます。
賃貸方法 | 内容 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
普通借家契約 | 入居制限を設けず、2年おきに契約更新をする | 一般的な賃貸方法で、入居者が集まりやすい | 賃貸契約が優先され、途中での売却などが難しい |
定期借家契約 | 契約期間を決めて、その期間で契約をおこなう | 賃貸に出した後に物件を取り戻すのが容易 | 居住期間が短くなり、入居者がつきにくい |
サブリース | 管理会社が物件を借り上げて、賃貸運営をする |
|
管理会社へ手数料を支払う義務が発生する |
方法1】普通借家契約
普通借家契約は、2年おきに賃貸契約を更新する契約方法で、入居期限を設けない契約方法です。
借りたい人に物件を貸して毎月一定の家賃を収めてもらうという一般的な方法であると同時に、契約期間中は物件の売却ができず、正当な理由なしで借用人を退去させることができません。
方法2】定期借家契約
定期借家契約は、契約期限を設けてその間は入居して頂き、契約満了に達したら契約更新は行わない契約方法です。
この方法は、将来的にはまた自分が住む予定を立てている方におすすめの契約方法です。
また契約が終了していても入居者との合意があれば、再契約が結べます。
方法3】サブリース
サブリースは、一括借り上げという方法です。
具体的には、不動産会社がマンションを借り受けて、入居者に貸し出すという方法です。
この方法を用いれば、空室状態が続いても会社側から毎月家賃が振り込まれますが、オーナーは管理会社へ毎月手数料を支払わなければなりません。
【Step3】家賃の設定
物件を貸し出すためには、毎月収める家賃を決める必要があります。
家賃は、近隣物件や地域相場から妥当な額を設定するのがおすすめです。
【Step4】広告を作成して入居者を募る
次は、入居者を募る広告制作を行いますが、多くの場合、契約を結んだ不動産会社がすべて取り仕切って行います。
物件を掲載するときは、集客力があるポータルサイトを利用して、借り手が気になる周辺環境の情報や物件の細かい情報、見栄えがいい写真を使うのが効果的です。
【Step5】公共料金の支払先などの伝言・手続き
最後に入居者に払ってもらう電気・ガス・水道などの公共料金の支払先やゴミ出しルールなどを不動産会社に伝えておきましょう
これらの情報を残して置くことで、入居者が困ることなく快適な暮らしを実現できます。
また入居者が物件に引っ越してくる秘話前もって管理組合に伝えておくと、組合側もスムーズに行動できます。
マンションを売る・貸す際にかかる費用
マンションを売る・貸す際にかかる費用について紹介します。
売る・貸すどちらでも初期費用、手数料・諸費用が発生するので利用する際は注意が必要です。
マンションを売る場合、マンションを貸す場合について詳しく説明していきます。
マンション売却にかかる費用・手数料はいくら?負担をできるだけ安く抑えるコツ
マンションを売る場合の費用
マンションを売却するとき、以下の費用が発生します。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 清掃費用
- 修繕費
- 譲渡所得税(所得税+住民税)
マンション売却にかかる費用・手数料はいくら?負担をできるだけ安く抑えるコツ
仲介手数料
マンションを仲介売却で売却した場合、仲介を引き受けてくれた会社に仲介手数料を支払わなければなりません。
手数料は、売却益の一部から支払うことになっており、金額に応じて上限額が設けられています。
売買価格 | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売却価格×5%(+消費税) |
200万円を超え400万円以下の部分 | 売却価格×4%(+消費税) |
400万円を超える部分 | 売却価格×3%(+消費税) |
例えば、売却益が2,000万円だった場合の仲介手数料は、2,000万円×3%+6万円(+消費税)で約72.6万円の手数料が発生します。
印紙税
印紙税は、売買契約書や譲渡証明書に貼る印紙の費用です。
物件価格によって印紙税の額が決まります。
記載された契約金額 | 税額 |
---|---|
500万円以上1,000万円以下の場合 | 5千円 |
1,000万円以上 5,000万円以下の場合 | 1万円 |
5,000万円以上 1億円以下場合 | 3万円 |
登記費用
登記費用は、売却に伴う所有権移転登記に必要な費用です。
登記費用は土地や建物の価格、登記の内容により変動します。
例えば、所有権移転のために支払う登記費用は、固定資産税評価額に税率を乗じて算出します。
また登記手続きは個人でもできますが、内容が複雑ゆえ、多くの方が司法書士に依頼するケースが多いです。
その時に支払う報酬の相場は約4.5万円~5.5万円程度となっています。
ただし、立ち合い費用などの別途費用が菅さんされる場合もあるので、約10万円前後を見積もっておくのが妥当です。
清掃費用
清掃費用は、物件を買主に引き渡す前に行うハウスクリーニングの費用です。
依頼する業者の規模や、引き渡す物件の間取り、入居済みか空室かなどの状況によって、費用が変わってきます。
修繕費
物件に大きなダメージがある場合や設備の老朽化箇所の修繕を行うために支払う費用です。
修繕費用は、修繕工事を施す箇所や規模、使用する建材の種類などによって価格が変わってきます。
譲渡所得税(所得税+住民税)
マンションを売却して利益を得たら、翌年2月半ばに確定申告を提出して、所得税と住民税を納税します。
課税される額は、売却した物件を所有していた期間によって前後します。
基本的に譲渡所得税の税率は、売却した年の1月1日までの期間で5年以上であれば、20.315%、5年未満だった場合は39.63%の税金が加算されます。
ただし、売却益が購入時の価格を下回ったり、軽減税率として制定されている特例措置の活用が利用できた場合に限り、譲渡所得税の納税が免除されます。
マンションを賃貸に出す場合の費用
所有するマンションを、入居希望者に貸し出すときは、以下の費用が発生します。
- 仲介手数料
- 管理費・共益費
- 修繕積立費
- リフォーム費用
- 火災保険料
仲介手数料
物件を賃貸仲介業者を介して貸し出す場合、1ヶ月分の賃料相当額を手数料として支払います。
仲介手数料は、0.5ヶ月分が原則であり、例えば、家賃6万円のマンションを貸し出した場合は3万円の手数料が発生することになります。
ただし、消費税10%が手数料に加算されるため、正確には、3.3万円の手数料が発生します。
しかし、中には、家賃1ヶ月分の手数料を敷いてくる会社もありますのでご注意ください。
管理費・共益費
物件を良好な状態に維持するために必要な管理費や共益日は、マンションのオーナーが負担することになっています。
管理費の平均は、マンションの総戸数や建物の形態、地域によって価格が変動します。
修繕積立費
マンションも1つのものである以上、時間の経過に伴って外壁が劣化していきます。
いつまでも良好な状態をキープするためにも、定期的に物件のメンテナンスや修繕が必要です。
修繕積立費は、メンテナンスを行うために必要な資金源であり、築年数に応じて費用が増加していきます。
リフォーム費用
マンションが築古だったり、汚れや破損がひどい場合は、リフォームなどを施してから貸し出すのが最適です。
またリフォームではなく、専有部分に付加価値を付けるリノベーションを施すという手もあります。
費用は、工事の内容によって前後し、約数百万円もの費用が発生します。
なお、リフォーム等を施す際は、一度仲介会社に相談してから実施するのがいいでしょう。
火災保険料
大切な物件を守るための保険として、火災保険や地震保険などに加入しておきましょう。
例えば、火災保険の場合、オーナーは建物に関する付保を結び、入居者は家財に対する保険を締結する運びになります。
マンションを売る際の注意点
注意点1】売却したマンションを再購入するのは難しい
マンションを一度売却した後に、思い入れのあるマンションを売って後悔したと思って買戻しを検討しても、実際にマンションを買戻しするのはとても難しいです。
マンションを売却する際は、もう二度と自分の手元に戻らなくても問題がないかどうか慎重に判断する必要があります。
住居として利用していたマンションであればなおさら後ろ髪を引く思いがある可能性もあります。
家族で住んでいるのであれば、必ず家族の了承も忘れずにとるようにしましょう。
注意点2】築年数が古いマンションは売れにくく価格が低い
築年数 | 東京都 | 東京都(都区部) | 東京都(多摩) | 埼玉県 | 千葉県 | 神奈川県 | 横浜・川崎 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
~築5年 | 9,940万円 | 10,541万円 | 5,299万円 | 5,604万円 | 5,327万円 | 5,803万円 | 6,003万円 |
~築10年 | 8,472万円 | 8,997万円 | 5,510万円 | 4,688万円 | 4,694万円 | 5,955万円 | 6,173万円 |
~築15年 | 7,797万円 | 8,178万円 | 5,336万円 | 4,518万円 | 4,482万円 | 5,319万円 | 5,596万円 |
~築20年 | 6,973万円 | 7,513万円 | 4,299万円 | 3,594万円 | 3,862万円 | 5,454万円 | 5,799万円 |
~築25年 | 6,217万円 | 6,595万円 | 4,388万円 | 3,787万円 | 3,741万円 | 4,466万円 | 4,738万円 |
~築30年 | 5,246万円 | 5,877万円 | 3,336万円 | 2,722万円 | 2,376万円 | 3,429万円 | 3,709万円 |
築30年~ | 3,296万円 | 3,637万円 | 1,838万円 | 1,306万円 | 1,346万円 | 2,010万円 | 2,150万円 |
出典:レインズ: 首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年4~6月】より
マンションを売却する際は築年数が非常に重要です。
特別な事情が無い限り一般的には築年数が浅い物件の方が、築年数が経過している物件よりも高額で売却することが出来ます。
また、築年数の経過は価格に影響するだけでなく、成約状況にも大きく影響します。
年/(成約件数/新規登録件数) | 築0~5年 | 築6~10年 | 築11~15年 | 築16~20年 | 築21~25年 | 築26~30年 | 築31~35年 | 築36~40年 | 築41年~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013年 | 105 | 128 | 122 | 103 | 74 | 83 | 80 | 90 | 88 |
2014年 | 129 | 123 | 129 | 99 | 78 | 77 | 80 | 82 | 86 |
2015年 | 124 | 110 | 136 | 109 | 82 | 72 | 83 | 84 | 87 |
2016年 | 117 | 109 | 137 | 111 | 95 | 72 | 80 | 76 | 85 |
2017年 | 120 | 119 | 132 | 115 | 94 | 72 | 76 | 75 | 83 |
2018年 | 125 | 146 | 133 | 127 | 94 | 70 | 71 | 68 | 74 |
2019年 | 124 | 169 | 138 | 137 | 99 | 71 | 63 | 64 | 71 |
2020年 | 133 | 185 | 141 | 143 | 104 | 72 | 57 | 60 | 68 |
2021年 | 123 | 165 | 143 | 141 | 114 | 80 | 63 | 65 | 68 |
2022年 | 138 | 169 | 148 | 135 | 106 | 84 | 62 | 68 | 68 |
2023年 | 166 | 176 | 171 | 136 | 112 | 82 | 60 | 64 | 65 |
※単位:%(小数点1位以下は切り捨て)
上記は、各年の中古マンション(首都圏)の成約件数とレインズ新規登録件数(売り出し物件数)をパーセンテージ表示したものですが、2023年のデータを見ると築26年以降のマンションは売り出し物件の数が成約件数を超過しており、売れ残りが多く発生しているであろうことが分かります。
こうした状況も踏まえると、マンション売却の場合、築年数が25年を経過するかどうかが一つのターニングポイントになると言えます。
注意点3】第一印象が成約結果を左右することも
マンションを売却する場合、まずは物件広告を見て、立地や築年数、賃貸マンションの場合は利回りなどがチェックされます。
その後に購入希望者からの内覧申込があり、物件が購入されるかどうかの判断がおこなわれます。
買い手も人間なので、物件広告を見た段階では条件がマッチしていると思っていても、一目見た瞬間に「何か違う…」と思われてしまうことがあります。
内覧前には清掃をおこない、内覧時に与える第一印象をできるだけ良くすることが大切です。
注意点4】賃貸マンションは利回りと入居状況が重視される
入居者がいて契約中の賃貸マンションについては、オーナーチェンジといって、居住者はそのままでオーナーの権利のみを売買する方法が一般的です。
オーナーチェンジの買い手がまず気になるのが、購入したいマンションの利回りです。
物件タイプ | 利回りの理想的な数値 |
---|---|
区分マンション |
|
一棟マンション |
|
一棟アパート |
|
利回りは高いほど利益率が高いことになりますが、現実的に入居者が集まらない条件である可能性もあります。
例えば、築年数が古いマンション(価値の低いマンション)に対して高い賃料を設定すると利回りは高くなりますが、古いマンションに高い家賃を払って住みたい方はほぼいないので、結果的に損をしてしまいます。
そのため、利回りだけでなく、実際に入居者がいるのかどうかもチェックをされます。売却時のマンションは、できるだけ空室がない状態の方が売れる可能性は高いです。
マンションを賃貸に出す際の注意点
マンションを貸す際の注意点について紹介します。
- マンション管理は労力と手間がかかる
- 入居者がつかない可能性がある
- 入居者トラブルで更に労力がかかることも
それぞれを詳しく見ていきましょう。
注意点1】マンション管理は労力と手間がかかる
マンションを賃貸として貸し出して個人で管理をするのはとても難しいです。
特に初めて不動産オーナーとなった場合は対応しなければいけないことが複数あり時間的にも行動的にもとても追い込まれてしまう可能性があります。
不動産管理会社に管理の依頼をすることで管理手数料が発生するというデメリットもありますが、基本的に賃貸物件の管理を個人ですることは難しく不動産管理会社に依頼をする必要があります。
注意点2】入居者がつかない可能性がある
マンションを賃貸として貸し出しを行っていても、利用者がいない場合は賃貸収入を得ることが出来ません。
4月、9月等は転勤・入学が多くあり不動産を利用する人にも転機が訪れる機会となります。
人気のないマンションは、この空室問題とずっと付き合っていく必要があるので、マンションを賃貸に出して利用をする人がいるのか客観的に判断をする必要があります。
利用者が退去しても、すぐに新しい利用者が見つかるような人気の高いマンションであれば空室問題の心配はする必要がありません。
注意点3】入居者トラブルで更に労力がかかることも
賃貸マンションは人が暮らしている以上、オーナーと入居者のトラブルや入居者間のトラブルが発生する可能性も良くあります。
特に管理会社を挟まないと、入居者からのクレーム対応などが精神的・肉体的にも負担になる可能性が高いです。
家賃滞納者への説得や、隣の部屋の騒音に対しての相談への対応など、中には勇気が必要なものもあります。
こうしたトラブルが起こってしまった場合にどう対応するかは、管理会社への委託も含めて考えておいた方が良いでしょう。
【ケース別】マンションを売るべき?賃貸に出すべき?
住宅ローンが残っている場合
住宅ローンが残っている場合はローン残高によっても変わりますが、賃貸として貸し出すのがおすすめです。
賃貸として貸し出し、得た家賃報酬でローンを返済すれば約10~15年程で全て完成をすることが出来ます。
収益性がこのまま見込まれる物件であれば、そのまま賃貸として継続することもできますし、売却をすることも出来るとその時に合わせた対応を取ることが出来るようになります。
マンションの立地が悪い場合
マンションの立地が悪い場合は売却がおすすめです。
仮に賃貸として出しても賃貸契約を結ぼうとする人が見つからなければ家賃収入を得ることが出来ないためです。
家賃収入を得ることが出来なくても不動産として賃貸を所有しているだけで固定資産税などの税金は支払う必要があります。
そのため売るか貸すかで言うと売るのが良いです。
物件を自分で使う予定がある場合
物件を自分で使う予定があるのであれば、マンションを貸すのがおすすめです。
一度売却してしまうとマンションを自分の手元に戻すことはとても難しくなってしまうため、マンションの所有権は自分のまま第三者に貸出して家賃収入を得ましょう。
契約期間を定めておけば自分が利用する期間は借主がいないため、スムーズに引っ越しをすることが出来ます。
投資用マンションを所有している場合
投資用マンションを所有している場合は貸し出しがおすすめです。
貸出を来ない賃貸報酬を得て、これ以上の収益性が見込めないタイミングになったら売却をしましょう。
あくまでも投資用マンションであるため自分の状況ではなく不動産業界全体の市況に合わせ売るか貸すかを判断するようにしましょう。
PERが20以下の場合
PERが20以下の場合は賃貸に出すのがおすすめです。
売るか貸すか迷った時に、最初に見るべき指標がPERです。
PERは収益力を図る指標で、ある賃料で貸し出した時に、何年で購入価格を回収できるかを表しています。
PERは以下の計算式で求めることができます。
PER=購入価格÷(想定月間賃料×12)
例えば、1000万円で買ったマンションを月10万円で貸し出すとしましょう。
この時、PERは1000万円÷(10万円×12)=8.3333…となり、回収まで8年半弱かかることがわかります。
ちなみに、2017年発表された3大都市圏の平均PERはこちらです。
- 首都圏:24.49
- 近畿圏:22.21
- 中部圏:21.66
ただこれは新築物件を想定したもので、中古マンションの場合は築年数の経過も考慮しなければいけません。
また、20年の間、ずっと入居者がつく確証もありません。
中古物件の場合は、10~20くらいのPERが賃貸に出すには必要でしょう。
逆にPERが20以上の場合は売ることをおすすめします。
マンションを売る・貸し出す以外の選択肢
マンションは売る・貸し出す以外にも次のような選択肢があります。
- 空き家のまま所有する
- 期間サブリースやリロケーションを活用する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
空き部屋のまま所有する
せっかく買ったマンションだから手放したくない、けど賃貸として他の人に貸し出すのも手間だし嫌という方は、空き部屋のまま所有するのも一つの手です。
売却か賃貸で悩み、結局なし崩し的に空き部屋のままという方も実は多いです。
誰も住んでいないので内装が傷つく心配が一切なく、入居者が近所トラブルを起こすといったリスクもありません。
ただし、所有しているマンションが住んでいるエリアの遠方である場合は、所有しているだけで多くのデメリットを被る場合もあります。
- 高額な維持費用がかかる
- カビが発生するリスクがある
- 築年数が古くなって価値が下がる
- マンション内(管理組合)の役職が回ってくるかも知れない
- 修繕積立金が値上がりする可能性大
- 大規模修繕や建て替えの時期にバッティングする可能性がある
期間サブリースやリロケーションを活用する
期間サブリースやリロケーションとして活用することも出来ます。
期間サブリース | 期間限定で不動産会社に貸し出す方法。その間の用途は自由 |
---|---|
リロケーション | 業者に賃貸の客付け・管理を全て依頼し、一部収益をもらう方法 |
収益性はサブリースの方がたかいのですが、利用できるのが人気のエリアに限られているのが難点です。
一般の方は、賃貸経営の嫌な手間を全てお任せできるリロケーションをおすすめします。
マンションの売却・賃貸に関する良くある疑問
マンションを売るか貸すかはどこで判断すべき?
再入居予定がある場合や、管理に手間をかけられる状況であれば賃貸選択が考えられます。
完済近くのローンであれば売却を検討し、多額のローン残高がある場合は賃料収入での返済を視野に入れると良いでしょう。
マンションは売却や賃貸以外にどんな選択肢がある?
空き部屋として所有する場合、維持費の問題やカビのリスクが考慮されるべきですが、近隣トラブルのリスクは避けられます。
期間サブリースは期間限定で不動産会社に貸し出し、リロケーションは賃貸管理を業者に委託する方法で、効率的に運用できますが、エリアや条件による制約があります。
マンションを売るか貸すかは自分のライフプランによって決めよう
マンションを売るか貸すかは自分の現在置かれている状況によっても答えが変わります。
住宅ローンの残高や自分の置かれている状況をしっかりと鑑みた上で、どのようにするか判断する必要があります。
まずは、現状のマンションの持っている価値を知ることで売るか貸すか判断することが出来ます。
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