タワーマンション通称「タワマン」
何階からがタワーマンションと呼ばれるのか知らない方も結構いるのではないでしょうか。
タワーマンションと聞くと「明るい視界」「豪華な夜景」をイメージする方が多いと思いすが、タワマンならではの悩みもたくさんあります。
ここではタワーマンションの定義とメリット・デメリットについてご紹介していきます。
タワーマンションのメリット・デメリットについて理解することで、購入する際の失敗も少なくなりますよ。
何階建てからがタワーマンション?タワマン(超高層マンション)の定義まとめ
- 建物の高さが60メートル超(建築基準法第20条)
- 建物の高さが98m以上(環境アセスメント条例適用基準)
- 階数が20階以上(高さ60メートルをクリアする階数)
- 国土交通大臣に耐震性の認定を受けている
- 緊急用ヘリポートを設置している(高さ100メートル以上の場合)
実は「何階以上ならタワーマンション」という確実な定義はありません。
タワーマンション自体には法的な基準はありませんが、建築基準法や消防法では階数や高さによって基準が異なっています。
建築基準法では高さが60メートルを超える建築物を超高層建築物とする取り決めがあり、超高層建築物に対しては構造耐久力の厳しい基準があります。
さらに高さ100メートル以上になると、消防法によって緊急用のヘリポートの設置義務も生じます。
建築基準法や消防法から考えて、一般的な目安としてこちらがタワーマンションの定義と考えてよいでしょう。
タワーマンションの価格相場はいくら?
タワーマンションの価格は間取りにはあまり影響されません。
それよりも、階数と面積によって変わることが多いです。
例えば、駅チカのタワーマンションだと、1K~1LDKで約20万~35万円、2LDK~3LDKだと40万~50万円が相場でしょう。
タワーマンションは一般的なマンションの2~6倍の値段ですが、タワーマンションの1Kは一般的なマンションの2LDKや3LDKと広さは変わりません。
タワマンの階数によってどのくらい価格は違う?
タワーマンションは階数によって価格が変わると説明しました。
例えば最上階が20階のマンションの場合、最上階とどのくらい価格が違うのか見てみましょう。
20階建てマンションの階ごとの価格の違い
最上階 | 6849万円 |
---|---|
15階 | 5647万円 |
10階 | 5460万円 |
最上階が40階のマンションの場合は最上階と、最上階でない階はかなり価格が違ってきます。
40階建てタワマンの階ごとの価格の違い
最上階 | 18.311万円 |
---|---|
35階 | 12.077万円 |
30階 | 7.142万円 |
20階のタワーマンションだとあまり違いは見られませんが、40階のタワーマンションは階数による価格の違いが顕著に見られますね。
最上階に近づくにつれて、間取りが変化するタイプのタワーマンションは、さらに階数差による価格の違いがみられます。
タワーマンションに住むメリット
眺めがいい
タワーマンションと聞いて多くの方が最初にイメージするのが、窓からの素晴らしい眺めだと思います。
昼間は遠くの山や高層ビル・自然、夜になると美しい夜景や、下に見える花火・・・。閉鎖的な都会の中で、開放感がある空間に住めるのは気持ちがよさそうですね。
ステータス性が高い
タワーマンションは機能面でも充実してしますが、「みんなに自慢できる」というステータス性が高いのも特徴です。
タワーマンションに憧れを持っている人も多いため、周りに住んでいる場所を言っても恥ずかしくない、むしろ誇れるのではないでしょうか。
近隣の目が気にならない
一般的なマンションだと、窓を開けると隣の人と目が合ってしまって気まずい・・なんてこともありますが、タワーマンションは外から家の中を見られる心配がありません。
昼間でもカーテンを開けられる環境は、快適に暮らせそうです。
虫が少ない
一般的なマンションだと、窓を開けたときに虫が入ってきたり、ゴキブリがでて不快な思いをしたりすることもあります。
タワーマンションなら一般的なマンションと比べて虫に遭遇する確率が低いです。
ゴキブリは排水管をつたって上の階に上ってきますが、ゴキブリが昇ってこられないような高層階に住んでいたら、その心配もありません。
虫がエレベーターに乗ってくる可能性も0ではありませんが、遭遇率は一般的なマンションに比べて低いでしょう。
セキュリティがしっかりしている
タワーマンションは防犯面でも安心です。
オートロックや防犯カメラがついているだけではなく、昼は管理人・夜は警備員が巡回して24時間の警備体制が整っているマンションが多いです。
また、タワーマンションは窓からの侵入が難しいので、空き巣に入られる心配もありません。
1人暮らしの女性の方は安心して住むことができますね。
施設・サービスが充実している
タワーマンションはスペックの高い施設や、サービスを備えている物件が多いです。
例えば、パーティールームやフィットネス施設・ライブラリーなどの共有施設が充実しているのもタワーマンションの魅力です。
忙しくてジムに通う暇がない・・という方も、自宅のマンションで手軽に通うことができます。
立地が良く生活しやすい
タワーマンションは立地がよいことがほとんどです。
最寄り駅に直結しているなど交通も便利で、近くに複合商業施設や文化施設がつくられていることも多いでしょう。
また、窓が北向きでも日差しが差し込むため、部屋が暗くなる心配もありません。
高層階は外の騒音や排気ガスも気にならなくなるのも嬉しいですね。
節税対策になる
タワーマンションは固定資産税が安くなるため、節税対策になります。
ただ、タワーマンションを節税のために購入している人が増えてきて、税務当局がタワーマンションの節税対策車に対して厳しく対処している傾向にあるため、今後どうなるかは分かりません。
タワーマンションに住むデメリット
エレベーターの待ち時間が長い
住んでいる人に対するエレベーターの設置台数が少ないので、朝急いでいるときに「エレベーターが来ない・・」となりがちです。
エレベーターが低層階と高層階で分かれていないマンションの場合、エレベーターの待ち時間がさらに長く感じることも・・
洗濯物が外に干せない
オフィスビルのようなタワーマンション場合、窓が開かなかったり、バルコニーがないため洗濯物を外に干せません。
窓が開けられても、風が強くて外に干せないので、どうしても部屋干しが嫌だという方には向かないかもしれません。
「洋服は部屋干しでいいけど、布団は外に干したい・・」タワーマンションに住んでいると、布団は乾燥機に持ち込む必要がありそうです。
管理費が高い
タワーマンションは共有施設が充実していますが、その反面維持費がかかります。
サービスが充実しているタワーマンションほど、毎月の管理費が高くなるといえるでしょう。
買い物したものを運ぶのが大変
買い物をして家まで帰るときにエレベーターを待つ時間があるので、荷物を運ぶのに大変だという声もあります。
また逆にゴミ捨てをするときも、ゴミ捨て場までもっていくのが大変と感じることもあるようです。
地震の揺れを感じやすい
高い建物ほど揺れを感じやすいため、タワーマンションでは一般的なマンションより揺れを強く感じます。
タワーマンションの耐震基準は厳しいので、建物自体の耐震構造は心配ありませんが、揺れを感じやすいため、揺れが苦手な方には厳しいでしょう。
エレベーターが止まる危険も
地震で避難しなければいけないときや、火災が起きてしまったときは一刻も早く非難したいですよね。
地震が起きたとき、まずは外に出る道を確保することが大切だ、ということはみなさんもご存じかと思います。
タワーマンションは外に出るためには、エレベーターを使わなければいけません。しかし災害時のエレベーターはかなり混みます。かといって階段で下るのは大変です。
また地震や火災でなくても、定期点検でエレベーターが使えないこともあり、不便を感じることがあるでしょう。
住民間の格差がある
高層階になればなるほど価格も高くなるため、低層階に住んでいる人は高層階に住んでいる人に見下されることも珍しくありません。
低層階に住んでいる人は、なんとなくコンプレックスを感じている人も少なくないようです。
健康被害が懸念されている
高層階に住むことによって次のような健康被害も懸念されています。
- 抑うつ症状
- 流産
タワーマンションは開発地に建てられていることが多いため、自然に囲まれた環境にあるとはいえません。そのため緑が少なくなることによる、抑うつ症状が懸念されています。
流産についての原因は不明です。
しかし一般的な流産する確率は15%程度なのに対し、タワーマンションの10階以上に住む女性が流産する確率は38.9%にも上っています。
タワーマンション住むことで、流産する確率が倍以上になっていることは、女性の皆さんは見過ごせませんよね。
タワーマンションを購入する際のポイント
タワーマンションの購入は大きな投資となるため、慎重な判断が必要です。
失敗しないためには以下のポイントに注意すると良いでしょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
立地条件の確認
立地条件は不動産取引の中で最も重要な要素とされています。
物件の価値を大きく左右し、生活の便利さを直接決定します。
交通アクセスは職場や学校への通勤・通学時間を左右するため、最寄り駅からの距離やバスの利便性を確認しましょう。
また周辺環境は生活の質に影響を与えます。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、レストラン、公園などが徒歩圏内にあると便利です。
さらに治安の良さも非常に重要な要素です。
警察の統計データや地元住民の声を調査し、将来的な開発計画があるかも確認するとよいでしょう。
建物の品質と設備
物件の品質は長期的な住みやすさと価値を左右します。
建築会社の信頼性や施工品質、築年数、建物の構造(鉄筋コンクリート等)を確認しましょう。
また耐震性、遮音性なども重要なポイントです。
共用部分の清潔さや設備のメンテナンス状況(エレベーター、駐車場、共有施設等)も長期的な住み心地に影響を与えます。
物件の総合的な品質を評価するために、専門家の意見を求めることも考えると良いでしょう。
管理組合の状況
管理組合の運営状況は、マンションの長期的な価値と住み心地に直結します。
管理組合が活発であればあるほど、共用部分のメンテナンスやトラブル対応がスムーズに行われ、快適な住環境が保たれます。
また修繕積立金の充実度は大規模修繕の時に重要となります。
資金繰りが健全であれば、予期しない出費や引き上げを避けることができます。
フロアと向きの選択
タワーマンションの場合、フロアや部屋の向きは眺望や日当たり、風通し、騒音などに影響を与えます。
高層階は眺望が良く、騒音が少ないですが、災害時の避難やエレベーター待ち時間の長さなども考慮する必要があります。
部屋の向きによっては日当たりが良い一方、夏場の日射熱や冬場の風寒を受けやすい等の問題もあります。
これらを総合的に考えて、最適なフロアと向きを選びましょう。
金融機関との交渉
住宅ローンは長期にわたる大きな借入れですので、金利や返済条件を納得のいくものにすることが重要です。
複数の金融機関から見積もりを取って比較しましょう。
金融機関ごとに提供するサービスや対応が異なるため、自分のライフスタイルや予定に最適なものを選ぶと良いです。
将来的なリセール価格
物件の将来価値を考慮することは、投資としての側面を考える時に重要です。
特にタワーマンションの場合、新築時の価値が時間と共に下がる傾向があります。
周辺の市場動向や物件の独自性、耐久性などを考慮し、将来のリセール価格を見積もることが重要です。
その上で、自身のライフプランや経済状況と照らし合わせ、最適な投資を選ぶべきです。
タワーマンションの購入はメリットとデメリットを理解した上で検討しよう
いかがでしたか?一般的にタワーマンションは60メートル以上の建物、または20階以上の建物であり、メリットもデメリットもあることが分かったのではないでしょうか。
タワーマンションは眺めが良かったり、ステータスにもなりますが、緑が少なかったり、災害時の避難が不安なども面もあります。タワーマンションに住むのが向いているか向いていないかは、あなたが住む家に何を重視するかによります。
タワーマンションのメリット・デメリットを考慮した上で、購入を検討するようにしましょう。