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不動産売却

店舗を売る方法とは?飲食店の売却相場や居抜き売却のコツ・かかる税金を徹底解説

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店舗の売買は居抜き売却を中心に、非常に活発におこなわれています。

大きな金額が動く取引である一方で、期待通りに価格が伸びなかったり、売買でトラブルが発生してしまったりするケースもあります。

今回は、店舗を売る方法から、知っておきたい注意点まで詳しく解説していきます。

そこで今回は、店舗を売る方法や売却相場を詳しく解説していきます。

この記事の監修者
中西諒太_プロフィール
監修者
城都不動産株式会社 代表取締役
中西諒太さん

宅地建物取引士/2級FP/住宅ローンアドバイザー

賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理会社の勤務を経て独立。2022年に法人設立。

現在は都心で不動産事業を営むかたわら、WEBメディアで監修や執筆に従事している。

●城都不動産株式会社公式ホームページ
(https://ryoestate.com/)

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Contents

店舗を売る2通りの方法

店舗売却の方法は、まっさらな空き家(スケルトン)を売買する他に引継ぎ売却居抜き売却の2種類があります。

  • 引継ぎ売却:店舗のブランドや外観・商品などをそのまま引き継ぐ形で売買をおこなう
  • 居抜き売却:店舗を、什器や備品などが設置されたままの状態で売買をおこなう

一般的に、店舗は居抜きで売却するケースが多いです。

それぞれの売り方の、売主側のメリット・デメリットは下記の通りです。

売却方法 売主側のメリット・デメリット
空き家にして売却する(スケルトン)
空き家にして売却するメリット
空き家にして売却するデメリット
出店に必要な備品・設備を引き渡さず、次の出店などに使える
居抜き売却などと比べて買い手にとって魅力がない
引継ぎ売却
引継ぎ売却のメリット
引継ぎ売却のデメリット
買い手から人気が出やすく、高値で売れやすい
ほとんどのものを引き渡してしまう
居抜き売却
居抜き売却のメリット
居抜き売却のデメリット
最もオーソドックスな方法で、売れやすい

店舗を売るメリット

店舗を売るメリット

飲食店を手放したいと思った時、知り合いに譲渡するなどのやり方もありますが、金銭面のメリットを考えると売却が一番お得です。

また、金銭的な理由以外にも店舗を売るメリットは存在します。

メリット1】店じまいや次の店舗出店の費用を回収できる

店じまいでは、下記のような高額な費用を元の持ち主が支払う必要があります。

  • 原状回復費用
  • クリーニング費用
  • 不要な設備などの撤去費用
  • 保証金+保証金期間内償却

一般的な飲食店の売場面積を30~50㎡とすれば、閉店にかかる費用は少なくても総額500万円以上になります。

オーナーからすれば経済的な負担が大きいため、店じまいも容易ではないのです。

こうした懸念も店舗を売却すれば、売却代金を費用に充てて、余った代金を次の開店費用などに充てることが出来ます。

メリット2】維持費・税金などの支払い義務がなくなる

上記のように、店じまいをするにしても、オーナーは最後まで責任をもって原状回復をおこなう必要があります。

しかし、売却をしてしまえば、店舗を管理する責任はそのまま次のオーナーに移ります。

また、引き渡しをすることによって、店舗の維持費や固定資産税などの税金を支払う必要がなくなります。

店舗を売る際は居抜き売却がおすすめな理由

店舗を売る時の基本的な方法が居抜き売却です。

これは、店舗の設備などを撤去せずそのまま売る方法で、設備の処分費を節約し、撤退コストを減らすことができます。

その他にも、居抜き売却には以下のようなメリットがあります。

理由1】通常の物件価値に造作譲渡料が加わる

一般的に中古の戸建てなどを売却する際は、物件内や敷地内を空にした状態で引き渡します。

一方、店舗の居抜き売却では什器や設備をそのままの状態で引き渡すので、普通の不動産売却に加えて、付加価値分(造作譲渡料)だけ高く売れます。

この造作譲渡料は居抜き物件にのみ認められている価値で、通常の不動産売却では設備などを引き渡しても価格に反映されませんが、居抜き物件では下記のような項目が価格に反映されます。

造作譲渡料とみなされるもの
  • 設備や什器の性能
  • 内装や外装のデザイン
  • 店舗の集客力 など

簡潔に言えば、単純に店舗物件そのものの価値だけでなく、その店舗が利益の出る作りや仕組みかどうかも価格に反映されるということです。

理由2】原状回復をする必要がない

通常、店舗を退去する際は原状回復をしなければいけません。

原状回復ですべきことは以下のような作業です。

  • 看板・設備などの撤去
  • 店舗内の修繕
  • 内装解体工事
  • スケルトン仕上げ
  • 廃棄物処理

居抜き売却では、買い手が現状の内装や設備を引き継ぐことで、上記のような原状回復作業が不要となります。

売却までの時間も短縮にもつながりますし、引き渡しまでの期間が短縮されることで、に支払いが必要な維持コストの削減にもなります。

居抜き売却の仕組み

テナントに入っている店舗を居抜き売却する場合、主に2種類の契約が締結されます。

契約 契約者 内容
造作譲渡契約 店主(売主)と買主 内装設備や厨房機器などの造作の譲渡条件について契約をする
賃貸借契約 管理会社(大家)と買主 新しいオーナーがテナントを借りるために契約をする

この場合、店舗は店主とは別の管理会社が所有している賃貸物件ですが、店舗内の設備などの、いわゆる造作の譲渡については、管理会社を離さず決めることができます。

また、居抜き売却は造作をどう取り扱うかによって、造作譲渡付と現状引き渡しの2種類の方法に分けられます。

造作譲渡

造作譲渡は、現在のオーナーと次のオーナー(買主)が双方合意のもと、造作物の譲渡条件を決めます。

  • 造作A:引き上げ(売主が引き取る)
  • 造作B:無償での譲渡
  • 造作C・D:有償での譲渡(それぞれ○○万円・△△万円)

上記のように、造作物ごとに細かく条件を決めることができます。

造作譲渡契約を結んだら、契約内容の通りに造作譲渡をおこない、買主は売主へ決められた代金を支払います。

それと並行して、買主は貸主と賃貸借契約を結びます。

現状引き渡し

現状引き渡しは造作の譲渡条件を細かく決めず、造作物を全て引き渡す方法です。

この場合、売主(現オーナー)が現物引き渡しをする相手は、貸主(管理会社)になります。

売主と貸主が造作譲渡契約を結び、貸主が代金を払った後に、貸主と新オーナー(買主)が賃貸借契約を結ぶという形になります。

例えば、あるテナントの賃料が月20万円、造作譲渡で売主が得られる利益が200万円だとすると、造作譲渡と現状引き渡しでは、以下のようなお金の流れの違いがあります。

造作譲渡 現状引き渡し
  1. 売主と買主が造作譲渡契約を結ぶ
  2. 買主から売主へ200万円が払われる
  3. 買主と貸主が賃貸借契約を結ぶ
  4. 買主は貸主に月20万円の賃料を支払う
  1. 売主と貸主が造作譲渡契約を結ぶ
  2. 貸主から売主へ200万円が払われる
  3. 買主と貸主が賃貸借契約を結ぶ
  4. 買主は貸主に月20万円+αの賃料を支払う

店舗を居抜き売却する流れ

居抜き売却は、店舗のオーナー自身が取引相手を探しておこなう方法と、仲介業者に依頼をして進める方法の2通りがあります。

それぞれの流れを比較していきます。

パターン1】オーナー自身で店舗を居抜き売却する流れ

  1. 解約予告・造作譲渡の承諾
  2. 買い手の募集
  3. 売買条件の交渉
  4. オーナーへの紹介
  5. 造作譲渡契約
  6. 賃貸借契約
  7. 引き渡し・決済

Step1】解約予告・造作譲渡の承諾

店舗を退去する際は、まずオーナーに解約の予告をしましょう。

この時、造作譲渡(居抜き売却)を出来るかどうかの許可をもらいます。

物件によっては、備え付け設備などの影響で居抜き売却ができない可能性もあります。

家主からの明示的な同意を得ることは、後のトラブルを避ける上で非常に重要です。

Step2】買い手の募集

買い手を募集するために、不動産ポータルサイトやビジネスブローカーなどを利用して、店舗の販売情報を公開します。

業者の仲介を挟まない場合、自分で募集をかけなくてはいけません。

募集は店舗のHPなどを通じておこなったり、知り合いを通じて募集をかけたりするのが一般的です。

Step3】売買条件の交渉

購入希望者との間で、売買条件の交渉をしていきます。

そのまま売ることはできるのか、 設備の修繕は必要か、修繕費用がかかるなら負担はどちらがするのかといった話し合いを進めていきます。

Step4】テナント・ビル管理会社への紹介・相談など

売却する店舗がオーナーの持ち物件だったとしても、売却をする場合は店舗が入っているビルや商業施設の管理会社に報告する義務があるケースがほとんどです。

場合によっては、売主から管理会社へ買主を紹介するケースもあります。

Step5】造作譲渡契約

居抜き売却が成立したら、造作譲渡契約を結びます。

契約時は売主と買主、行政書士などの立会人のもと、契約書の読み合いをおこないます。

契約書のフォーマットは自由ですが、こちらのような重要項目は記載が必要です。

  • 造作譲渡する品のリスト
  • 造作譲渡料
  • 引き渡し日
  • 代金の支払い方法・支払い期限
  • 途中キャンセルの罰則 など…

読み合わせた上で納得をすれば、契約を締結します。

Step6】賃貸借契約

テナントに入っている貸店舗の場合、売主はテナント管理会社と賃貸借契約を解除(期間満了以外の場合)し、買主はテナント管理会社と新たに賃貸借契約を結びます。

通常の賃貸借契約と変わるのは、居抜き売却の場合、譲渡される造作の内容によって物件の価値が変わり、それに伴い買主に提示される賃料も変わる可能性があるということです。(造作譲渡の場合)

Step7】引き渡し・決済

全ての契約を終えたら、決めた日時に店舗の引き渡しと代金などの決済をおこないます。

売却代金は、店舗引き渡し後に振り込まれるのが一般的です。

パターン2】居抜き売却専門業者と契約した際の流れ

  1. 業者への見積もり依頼・相談
  2. 媒介契約
  3. 解約予告・造作譲渡の承諾
  4. 買い手の募集
  5. 売買条件の交渉
  6. オーナーへの紹介
  7. 造作譲渡契約
  8. 賃貸借契約
  9. 引き渡し・決済

居抜き売却には専門の仲介業者がいます。時間に余裕のない方や手続きが不安な方は、彼らに依頼してしまったほうが良いでしょう。

媒介契約を結んだあとの手続きなども、基本的には仲介業者が代行して進めてくれます。

個人で売却するパターンとの違いは、成約時に仲介手数料の支払いが必要であるということです。

仲介手数料は、売却価格に比例して上がっていきます。計算式は以下の通りです。

取引額 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円
400万円超 売却額×3%+6万円

店舗の居抜き売却相場

居抜き売却の相場に関しては、買主が店舗展開の費用をいくらと考えているかで変わります。

ただの引っ越しとは違い、事業は設備や材料の仕入れなどをまずおこなわなければいけません。

こうした必要最低限の費用を支払い、残ったお金で店舗を決めていくのが一般的です。

店舗の居抜き売却の相場は、現在100万円~250万円ほどとなっています。

不動産の売却相場はいくら?価格の調べ方や相場の推移・変動要因について解説【最新】

現在の居抜き売却市場は供給過多の傾向

居抜き売却は、以前はポピュラーではなく空き店舗を売買するよりお得というインパクトもあったので600万円ほどの高値が付きました。

しかし、現在は居抜き売却を仲介する業者が増え、コストを抑えられるメリットも浸透したことで多くの売主が実施をすることになりました。

周辺地域でも数件の店舗が居抜き売却で出されているというケースが珍しくなくなり、結果的に相場が下がってしまったのです。

不動産価格は今後どう推移する?市場・市況の動向・価格高騰がいつまで続くかの見通しを徹底解説【最新】

相場以上で売れる店舗の特徴

居抜き売却の相場は下がってしまいましたが、それでも高く売れる店舗というのは存在します。

では、相場以上で高く売れる店舗とはどんなものでしょうか?

ここから解説していきます。

最も重要なのは立地の良さ

店舗の価格を決める最も大きな要素が立地です。

同じ事業をおこなうにしても、立地によって利益は何十倍にもなります。

居抜き売買業者も立地の良い店舗を仲介しようと考えているので、相見積もりをすれば好条件で売ってくれる可能性が高いです。

面積は10~15坪が最も人気

店舗の面積というのは、広ければ広いほど良いわけではありません。

設備の規模によっては広すぎると上手く稼働しないものがありますし、事業によっては集客できる見込み数にも限りがあります。

カウンタータイプの店舗で、10~15坪ほどのものが人気は最も高いです。

客席・厨房の清潔さも価格に影響

飲食関係だと、焦げやこびりついた汚れなど、プロに頼んでも完璧にキレイにはできない部分が出てきます。

こうなってしまうと売却価格はガクッと下がってしまうので注意しましょう。

経営時にいかにキレイに使っていたか、汚れてしまった時の対応をスピーディにおこなったが、店舗売却では重要となります。

店舗を売るのにおすすめの売却業者【7選】

店舗売却には専門の業者も多く、経験豊富な彼らに任せることで成功へグッと近づきます。

通常の不動産会社でも店舗売却に対応はしていますが、専門業者は成功のノウハウがあったり、独自のネットワークを築いていたりするので、安心して任せることができます。

今回は、厳選したおすすめ業者を紹介していきます。

公式サイト 対象不動産 対象エリア 運営会社 宅地建物取引業者免許
テンポイノベーションテンポイノベーション 飲食店店舗 東京周辺 株式会社 テンポイノベーション 東京都知事(1)第110710 号
テンポスマートM&A Properties(テンポスマート)  居抜き物件・居抜き店舗・貸店舗 関東 ホクトシステム株式会社
レスタンダードレスタンダード 店舗 関東 レスタンダード株式会社 東京都知事(3)第92957号
M&AオークションM&Aオークション 居抜き物件 全国 株式会社M&Aオークション
居抜き情報.COM居抜き情報.COM 飲食店店舗 首都圏:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県
関西:大阪府・兵庫県・京都府
東海:愛知県
株式会社シンクロ・フード
飲食店買取JP飲食店買取JP 飲食店店舗 東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・東海エリア 株式会社eeeats(イーツ)
店舗売却おたすけ.com店舗売却おたすけ.com 飲食店店舗 全国 株式会社Provinet

テンポイノベーション│店舗売却おすすめ業者 1位

テンポイノベーション

テンポイノベーションは東京周辺の飲食店の居抜き売却に特化した専門業者です。

居抜き売却事業は、以下の3つのメリットがあり、高い人気を得ています。

  1. 仲介手数料完全無料
  2. 購入希望者を多数保有
  3. プライバシー徹底厳守

売却コストを大幅に削減することで、利益率を上げることができます。

テンポイノベーションの口コミ・評判

・何もかもわからず途方に暮れていたが、閉店処理を徹底的にサポートしてもらえて大満足です。

・費用や税金関係の相談にもしっかり乗ってくれて助かりました。

M&A Properties(テンポスマート)│店舗売却おすすめ業者 2位

M&A Properties(テンポスマート)

テンポスマートは、M&A Propertiesという企業が運営しているサービスです。

店舗物件専門のポータルサイトで、売り出し中の居抜き物件、スケルトン物件が多数掲載されています。

高い集客力を誇るこの会社に依頼すれば、スピーディに売れること間違いありません!

M&A Properties(テンポスマート)の口コミ・評判

・飲食店の譲渡を徹底サポートしてくれました。

・担当の方がデキるオーラを出してて、こちらも安心して依頼できました!

レスタンダード│店舗売却おすすめ業者 3位

レスタンダード

レスタンダードは店舗不動産を専門に扱う不動産会社です。

売却・閉店・撤退・譲渡をワンストップで支援してくれるので、安心して任せられます。

また、公式サイト内にネット査定フォームがあり、簡単に店舗の見積もり額を知ることができておすすめです。

レスタンダードの口コミ・評判

・店舗専門の業者ということで、安心して依頼することができました。

・隠れ家的PRをしてた物件で売れるか不安でしたが、上手くPRしていただきました。

M&Aオークション│店舗売却おすすめ業者 4位

M&Aオークション

M&Aオークションは居抜き売却に特化した会社で、「店舗そのまま」というサイトも運営しています。

M&Aオークションと契約すれば、上記のサイトに物件が掲載されます。集客力が高く、スピーディにマッチングできます。

そのほかにも閉店や買取、売却、委託にも幅広く対応しています。

M&Aオークションの口コミ・評判

・幅広い選択肢・可能性を提案していただきました。

・他社で言われていたよりずっと早く売れました。感謝しかありません。

居抜き情報.COM│店舗売却おすすめ業者 5位

居抜き情報.COM居抜き情報.COMは店舗買取を行っている業者です。

店舗売却サポートというサービスがあり、無料で相談することができます。

居抜き情報.COMは売主だけでなく買主を集客するサイトも運営している為、満足な金額で買取ってもらえる可能性が高いです。

オンラインで無料査定することもできるので、気になる人はオンライン査定から依頼してみてください。

飲食店買取JP│店舗売却おすすめ業者 6位

飲食店買取JP飲食店買取りJPは飲食店を専門として買取サービスで、特に飲食店の店舗を積極的に買取っています。

売却した際の買取手数料が0円で、買主に譲渡するまでサポートしてくれるので安心して利用することができます。

無料の買取オンライン査定をやっているので「無料で相談してみたいかも?」と思った人は気軽に相談してみてください。

店舗売却おたすけ.com│店舗売却おすすめ業者 7位

店舗売却おたすけ.com店舗売却おたすけ.comは複数の店舗買取業者にまとめて査定を依頼できるサービスを提供しています。

物件情報を入力して依頼するだけで、一番高く買取ってくれる業者を見つけられるので「最適の業者でスムーズに売りたい!」というニーズに応えてくれます。

査定も無料で行えるので「ちょっと比較したいな!」という人も気軽に利用してみましょう。

店舗売却にかかる税金・費用

店舗売却にかかる税金・費用は、基本的に以下の4種類です。

  • 印紙税
  • 譲渡所得税
  • 仲介手数料
  • 承諾料

ここからは、内容を一つずつ解説していきます。

印紙税

印紙税とは、その名の通り売買契約を結んだ際に契約書へ印紙を貼って納める税金のことです。

意味合いとしては、国や自治体に対して公正な店舗取引を担保してくれたことに対する報酬として支払われます。

印紙税は、店舗売却価格と比例して以下のように金額が決まっています。

不動産売却代金 印紙税額
100万円以下 500円
500万円以下 1,000円
1,000万円以下 5,000円
5,000万円以下 10,000円
1億円以下 30,000円

 

上記に対応する印紙を購入しておきましょう。

収入印紙はコンビニでも入手できますが、店舗売買で使われるような高額の印紙は取り揃えていない可能性があります。

郵便局なら高額印紙も用意してあるので、こちらに問い合わせてみましょう。

譲渡所得税

店舗の売却価格が購入時のコストを上回った時、その差額(売却益)に対して税金が発生し、所得税と住民税に上乗せされます。

これを譲渡所得税と言います。

譲渡所得税は、以下の計算式で課税額を算出することができます。

譲渡所得税=税率×〔譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用))

税率は、店舗の所有期間が5年以内か、5年超かによって以下のように設定されています。

短期譲渡所得(所有期間5年以内) 長期譲渡所得(所有期間5年超)
所得税 30% 15%
住民税 15% 5%

 

譲渡所得税が発生したら、売却の翌年に確定申告をする必要があるので注意しましょう。

仲介手数料

一般的には、店舗の売却は仲介業者に依頼をします。

この時、成約時に報酬として売り上げの一部を支払います。

これが仲介手数料です。

仲介手数料は売却価格に応じて以下の計算式で算出されます。

取引額 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円
400万円超 売却額×3%+6万円

この仲介手数料があらゆるコストの中で最も高額になるケースが多いので、注意が必要です。

承諾料

店舗の運営者が売主になる時、その上にいる物件のオーナーに承諾を取って建物や備品を売るようになります。

この時、売却を許可する代わりにオーナーが支払いを求めてくるのが承諾料です。

この承諾料はだいたい売却価格の1割が相場となっています。

店舗売却を成功させるポイント【業態別】

店舗と言っても、様々な形態があります。

同じ間取りでも用途に応じて改装を施していれば。それはもはや違う物件と考えた方が良いでしょう。

ここからは、店舗の業態別に売却を成功させるコツを紹介していきます。

居酒屋・ダイニングバーを売るコツ

このタイプのお店は数が多く、需要が高いので売れやすいです。

最近は郊外から都市部に移る店舗が増えているので、まずは立地をチェックしましょう。

その他に重要なのが転用性です。

流行りをいかに取り入れるかがカギなので、こだわり無く時代に応じて厨房も変えていく必要があります。

また、席数を確保できるかどうかも重要なポイントです。席数が十分あれば、宴会コースなど違った需要を生むこともできます。

カフェを売るコツ

カフェはアクセスが悪くても独自の需要があります。

ただ、2割が厨房・8割がホールという独特の配分があるので、これに上手くハマるかどうかが売却のカギです。

レストランを売る

レストランを売る際は、まず専用機器のメンテナンスが重要になります。

日頃からケアをしっかりしていれば、高く売れやすくなります。

また、席効率はどんなイメージのレストランかによっても異なるので、転用性が高いに越したことはありません。

美容室・エステ店を売るコツ

美容室の場合、水回りの工事が非常に高額になります。

中古でも水回りがしっかりしていれば、高く売れる可能性は十分にあります。

また、シャワーの水圧もシャンプーの満足度に関わるので大事です。

エステサロンの場合は、広さや内装のイメージが重要になります。

雰囲気重視で室数が少ない店も室数が多いのに内装が殺風景な店も高くは売れません。

重要なのは2つのバランスです。

フランス料理店を売るコツ

フレンチは他の業態への転用性が高く、高額で売れやすいタイプです。

内装・インテリアにこだわったお店なら、プラスアルファの価格がついても不思議ではありません。

また、ワインセラーなどの専用設備も高くうれます。

イタリア料理店を売るコツ

イタリアンも設備が充実しており、高く売れやすいタイプです。

パスタ鍋、ピザ窯、エスプレッソマシーンなどの専用設備をどれだけキレイに扱っているかが売却結果を左右するでしょう。

中華料理屋を売るコツ

中華料理は油を多用する、においや煙が発生するため、住宅街の真ん中で開業するのは敬遠されます。

逆に言えば希少性が高いので、高額で売れる可能性も十分あります。

まず注意したいのが清潔感です。中古の場合、油がこびりついて取れないケースも少なくありません。

また、十分なガス容量があるかどうかも重要です。

すでに大容量を確保できる店なら需要が高いですが、工事してガス管を引き込む余裕があれば十分売れるでしょう。

ラーメン屋 を売るコツ

ラーメン屋は居抜き売却の需要が非常に高いです。

脱サラ後に始めるお店の中でも人気が高く、かつ設備が基本的に同じなので売りやすいです。

高く売れるラーメン屋は、規模・店内配置・排水設備がキチンとしています。売却準備ではそれらの見直しをしましょう。

和食屋・寿司屋を売るコツ

これらのお店は、なにより内装が重要になります。

和風の雰囲気がしっかり出せるかどうかがお店の人気を決定すると言っても過言ではありません。ゴタゴタしていないシンプルな内装が買い手に好まれます。

和食屋・寿司屋と一概にいっても、メインの料理だけでなく揚げ物や麺類を出すところも増えているので、厨房の転用性もポイントになってきます。

カラオケ・パブ・スナックのお店を売るコツ

これらの店舗は、何より防音設備がしっかりしているかどうかが結果を左右します。

パブやスナックは買い手がどんなお店にしたいかで変わってくるので、とにかくいろんな人に広告を見てもらうことが大切です。

そば・うどん屋を売るコツ

そば・うどん屋にあるフライヤーは天ぷら以外にも様々な揚げ物に対応できるので重宝されます。

また、製麺機はラーメンなども作れるので、幅広い方に向けて売ることができます。

ただ、内装が基本的に和テイストとなるので、ニーズとのズレが生まれる可能性もあります。注意しましょう。

アジア料理・エスニック料理店を売るコツ

韓国料理やインド料理などのお店を売る際は、何より専用の器具がそろっており、清潔感を保てているかがポイントになります。

料理によってはにおいがこびりついてしまうものも少なくないので、注意が必要です。

また、これらのタイプのお店は昼休みのサラリーマン・OLのランチ人気が高いので、オフィス街に位置しているとポイントが高いですよ。

焼肉屋を売るコツ

焼肉屋を売るために重要なのは、クレンリネスの状態です。

開業前にクリーニング業者への依頼が必要だと高額コストがかかるので敬遠されてしまいます。

日頃から汚れや付着するにおいのケアはしておきましょう。

また、ファミリー向け、中規模店、高級店のどれに当てはまるかで売り方も変わってきます。

鉄板焼き・お好み焼き・もんじゃ焼き屋を売るコツ

これらのタイプで重視されるのが、ガスの容量です。

各テーブルにガス設備が設置されているタイプは珍しく重宝されますが、すべての設備が問題なく機能するか売る前にチェックしましょう。

また、小麦粉を大量に使うことが多いので、収納スペースも確保できるかが重要です。

テイクアウト(たこ焼き・タイ焼き・かき氷・タピオカなど)店を売るコツ

このタイプは大規模な設備があるかどうかより、立地が何より重要になってきます。

立地さえ確保できれば流行に合わせて業態を変えることもできるので、人通りの多い駅前などのお店は高く売れます。

お弁当屋・惣菜屋を売るコツ

このタイプのお店も、意外とフライヤーや大きな鍋など、レストラン並みの厨房設備が求められます。

また、立地もテイクアウト店とは違い、住宅街の近くにあるほうが需要は高いです。

加えて、地域によって繁盛する時間帯が違うので、それが買主の希望に合うかどうかも重要になります。

ケバブ・クレープなどの専門店を売るコツ

メニューの幅がない専門店は、専門設備がいかに充実しているかが大切になってきます。

また、食べ物の流行り廃りは激しいので、早めに売却することをおすすめします。

店舗売却を成功させるポイント【売る理由別】

店舗を売る理由は、人によってバラバラだと思います。

どんな理由・目的でお店を売るかによって、売り方は変わってきます。

今回は、ケース別におすすめの売り方を紹介していきます。

理由1】移転が理由で従来の店舗を売りたい

移転がきっかけで店舗を売る際は、原状回復と移転先探し、契約を同時に進める必要があります。

計画をしっかり立てて閉店手続きをしましょう。

また、「常連さんが来て移転を伝えたい」と、売る期限を先延ばしにしていると高く売れにくくなります。

一旦売ると決めたら、早く手続きを進めることをおすすめします。

理由2】購入後に気に入らない点が発覚したので売りたい

移転して初めて、お客さんの質がマッチしないとわかることもあるでしょう。

ただ、ミスマッチを感じたとしても、オープンしてすぐに売るのは勿体ないです。

まずは土地柄に合わせてメニューや内装、接客を見直しましょう。

それでも売るべきと判断したなら、どうやって売るかのプランが重要になってきます。

理由3】高齢が理由で閉店(店じまい)をするから売りたい

後継者がおらず、店じまいをする際は年齢がネックになります。

売却後にまた店を続けるのか、それともセカンドライフを満喫するのかによって売り方は変わってきます。

まずはあなた自身のライフプランを見直しましょう。

理由4】経営上以外の理由で営業ができないので売りたい

お店の切り盛りで無理がたたり、体調を壊してしまう方も多いです。

営業継続が困難だと判断したら、早めに売却を決断しましょう。

内装や造作の廃棄をして手遅れにならないように、居抜き売却をして楽に手放すのも体を守る一つの手です。

理由5】経営上の理由(赤字)で売りたい

売上不振で店舗を売らざるを得なくなった場合も、売ってしまうのがおすすめです。

ただ売っても同じことの繰り返しなので、事前に次はどうするかを考えておきましょう。

また、赤字で売ったことを周りに知られたくない方はプライバシー秘匿に力を入れている業者がおすすめです。

店舗を売る時の注意点

店舗を居抜きで売ろうとする時に注意するポイントがいくつかあります。

居抜き売却が相互メリットのある取引だとしても、売却工程を誤ると予想外のトラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。

注意点1】リース物品は返却する

店舗に残されている備品が売主の所有物ではなくリース物品だった場合、リース会社に速やかに返却しましょう。

リース会社への支払いが発生する場合は、支払いを全て済ませてから居抜き売却を進めていきましょう。

注意点2】設備の不具合は事前に伝える

居抜き売却しようとしている店舗で設備の不具合がある場合は事前に業者に伝えておきましょう。

不備を伝えないまま買主に売り渡してしまうと、後になって欠陥が分かり買主が売主に賠償請求を要求したり契約解除をお願いされたりします。

また買主に伝えた設備内容と実際に異なった場合は、売却価格を値引きされてしまう可能性もあるので注意してください。

注意点3】居抜き売却に強い業者に依頼する

どんなに条件の良い店舗でも、居抜き売却を依頼する業者が適当であれば売主が損をしてしまいます。

居抜き売却をサポートしてくれる業者の良し悪しで売却価格が下がってしまう可能性もあるので注意しましょう。

店舗売却の業者選びは不動産一括査定サイトを活用するのがおすすめ

不動産一括査定サイトの仕組み

店舗の居抜き売却を業者に依頼する際は、契約先を慎重に選ぶことが何より重要です。

営業マンの広告コストや営業範囲などは、業者の実績・モチベーションによって大きく変わります。

こうしたデメリットをスムーズに解消できるサービスが、不動産一括査定サイトです。

店舗の簡単な情報を約60秒で入力すれば、最大6社以上に一括で査定依頼ができます。

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