不動産取引において「レインズ」という言葉を耳にする機会は多いものの、その正体を正しく理解している方は少ないかもしれません。
レインズ(REINS)とは、不動産会社が利用する物件情報共有システムであり、売却を検討するうえで重要な役割を果たします。
しかし、一般の個人は原則として自由に閲覧・利用ができないため、その仕組みや活用方法を誤解しているケースも少なくありません。
本記事では、レインズの基本的な仕組みから、個人が確認するための方法、そして売却活動での活用ポイントまでを詳しく解説します。
| 売却査定の対応エリア | 東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、京都府 |
|---|---|
| 高値売却の成功率 | 業界1位※調査方法:インターネットリサーチ /調査会社:GMOリサーチ株式会社 /調査期間:2021年12月24日~27日 |
| 宅地建物取引業者免許 | 国土交通大臣(2)第9297号 |
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レインズとは?基本的な内容・仕組みをわかりやすく解説
レインズは、正式には不動産流通標準情報システムと呼ばれ、不動産会社が売却物件を登録・検索・共有するためのネットワークシステムです。
売主が不動産会社と専属専任媒介契約または専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社には物件情報をレインズへ登録する義務があります。一般媒介契約では登録義務はありませんが、不動産会社の判断で登録される場合もあります。
これにより、レインズに加入している不動産会社が物件情報を検索・閲覧できるようになります。
たとえば、「◯◯地域で一戸建てを探している」といった購入希望者が来店した場合、不動産会社はレインズを使って該当物件を抽出・紹介できます。
このように、レインズは売却活動の効率を高める重要なインフラといえますが、一般の方が自由に閲覧できるものではない点には注意が必要です。
レインズ(REINS)とは何の略?
レインズ(REINS)とは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称です。
このシステムは1988年の宅地建物取引業法改正により制度化され、国土交通大臣の指定を受けた「指定流通機構」4団体によって運営されています。
全国を以下の4つの区域に分け、それぞれにレインズの運営団体が存在します。
- 東日本レインズ(公益財団法人 東日本不動産流通機構)
- 中部レインズ(公益社団法人 中部圏不動産流通機構)
- 近畿レインズ(公益社団法人 近畿圏不動産流通機構)
- 西日本レインズ(公益社団法人 西日本不動産流通機構)
この4機構によって、各指定流通機構のエリアごとに不動産情報が共有され、物件情報の登録・検索・成約報告などを行う仕組みが整っています。
レインズを利用すると不動産売却がスムーズになる
レインズを活用する大きなメリットは、売却物件の情報を他の不動産会社へ共有できることです。
もしレインズを使わなければ、仲介業者が紙のチラシ配布やポータルサイトへの掲載を地道に進め、個別に買主を探す必要があります。
一方でレインズに登録すれば、次のような流れで売却活動を進めやすくなります。
- 仲介業者が物件情報をレインズに登録
- レインズに加入している不動産会社が物件情報を閲覧
- 購入希望者に該当物件を紹介した業者から問い合わせ
- 内覧・交渉を経て売買契約へ
このように、レインズのネットワークを通じて他の不動産会社にも物件情報を共有し、買主候補へ紹介される機会を広げられるため、成約機会を増やしやすくなります。
特に中古物件の購入希望者は、転勤やUターンなどによる遠方在住者も多く、エリア内での紙広告や店舗来店だけではリーチしづらいのが実情です。
そのため、レインズによる情報公開は、地元を超えて幅広い購入層に物件を訴求できる重要な手段といえます。
全国にある4つのレインズとは?
レインズは全国を4つのエリアに分け、それぞれ独立した指定流通機構が運営しています。
名称や対象エリア、運営団体が異なるため、物件登録や問い合わせの際は自分のエリアに対応する機構を確認する必要があります。
| 名前 | 運営団体 |
|---|---|
| 東日本レインズ | 公益財団法人 東日本不動産流通機構 |
| 中部レインズ | 公益社団法人 中部圏不動産流通機構 |
| 近畿レインズ | 公益社団法人 近畿圏不動産流通機構 |
| 西日本レインズ | 公益社団法人 西日本不動産流通機構 |
各機構は、それぞれの対象エリアでレインズを運営しています。
レインズの組織体制
各レインズ機構は、公益法人として運営されており、運営母体は不動産業界団体が中心です。
たとえば東日本レインズの場合は、公益財団法人が理事会・専門委員会を構成し、その下部に「サブセンター」が存在します。
このサブセンターには、地域の不動産業者が所属しており、次のような業務を担います。
- 入退会手続き
- 会員情報の管理
- 登録義務の遵守状況確認
- 会員への指導・研修・啓発
つまり、レインズは単なる検索システムではなく、不動産業界全体の透明性と適正取引を支える制度的な枠組みのひとつといえます。
レインズの利用実績(2024年4月1日~2025年3月31日)
東日本レインズが公表した2024年度の利用実績では、レインズの運用状況が明らかになっています。
特に売買物件の検索件数や成約報告件数など、一部の指標では前年比を上回る水準となっており、不動産業界における情報共有基盤としてレインズが利用されていることが分かります。
以下は、東日本レインズが発表した主なデータの概要です。
| カテゴリ | 項目 | 件数 | 増減率(%) |
|---|---|---|---|
| 登録売物件 | 専属 | 69,139件 | -4.2% |
| 専任 | 274,790件 | 2.6% | |
| 一般 | 141,591件 | 0.3% | |
| 媒介計 | 計 | 485,520件 | 0.9% |
| 売物件計 | 売主 | 362,635件 | -2.4% |
| 代理 | 18,225件 | 0.7% | |
| 計 | 866,380件 | -0.5% | |
| 賃貸物件 | 計 | 2,034,262件 | -7.6% |
| 登録計 | 計 | 2,900,642件 | -5.6% |
| 成約報告 | 売物件 | 106,849件 | 16.0% |
| 賃貸物件 | 240,229件 | 4.0% | |
| 成約報告計 | 計 | 347,078件 | 7.4% |
| 条件検索 | 売物件 | 99,313,716件 | 7.3% |
| 賃貸物件 | 42,669,611件 | -6.1% | |
| 成約売物件 | 16,810,145件 | 9.6% | |
| 成約賃貸物件 | 2,200,671件 | 13.8% | |
| 日報検索・会員検索 | 171,060件 | -51.0% | |
| 条件検索計 | 計 | 161,165,203件 | 3.6% |
| 詳細検索 | 売物件 | 44,615,455件 | 29.3% |
| 賃貸物件 | 18,036,601件 | 0.3% | |
| 成約売物件 | 3,082,830件 | 28.6% | |
| 成約賃貸物件 | 427,060件 | -28.4% | |
| 詳細検索計 | 計 | 66,161,946件 | 19.2% |
| 図面検索 | 売物件 | 221,636,356件 | 11.6% |
| 賃貸物件 | 115,679,282件 | -1.1% | |
| 成約売物件 | 26,659,312件 | 12.2% | |
| 成約賃貸物件 | 2,456,760件 | 11.8% | |
| 図面検索計 | 計 | 366,431,710件 | 7.3% |
| その他 | 変更・削除・再登録・更新・図面登録 | 19,767,969件 | 0.7% |
| 売物件(成約含む) | 416,768,791件 | 12.1% | |
| 賃貸物件(成約含む) | 199,834,697件 | -1.9% | |
| 会員検索 | 171,060件 | -51.0% | |
| 総アクセス件数 | 計 | 616,774,548件 | 7.1% |
参考:レインズ|レインズシステム利用実績報告_年度資料より
成約報告件数は増加していますが、レインズ利用だけが取引増加の要因とは限りません。
また、条件検索や図面検索などの利用数から、多くの不動産業者が日常的にレインズを活用していることが分かります。
スムーズにレインズへ物件を登録してもらうポイント
不動産売却を成功させるには、仲介業者に物件を迅速にレインズへ登録してもらうことが重要です。
レインズへの登録によって他の不動産業者が物件情報を確認できるようになるため、早期成約や買主候補の獲得が期待できます。
ただし、どの媒介契約でもレインズへの登録義務があるわけではないため、契約形態の違いを理解し、必要な働きかけを行うことが求められます。
- 専属専任媒介契約:媒介契約締結日の翌日から5営業日以内にレインズへの登録義務
- 専任媒介契約:媒介契約締結日の翌日から7営業日以内に登録義務
- 一般媒介契約:登録義務なし
「登録されているはず」と思い込まず、契約後は早い段階で登録の有無を確認しましょう。
早期登録を希望する場合は、売主から具体的に依頼をすることがポイントです。
効果は見込めなくてもお願いしてみる
専属専任媒介契約を結んだ場合でも、レインズへの登録はあくまで「媒介契約締結日の翌日から5営業日以内」とされており、即日登録されるとは限りません。
不動産会社によっては、登録期限内で手続きを行うケースもあります。
そのため、「できるだけ早く登録してもらえますか?」とひとこと依頼することで、早めに対応してもらえる可能性があります。
特に、売却に不安を感じている方や、周囲に競合物件が多いエリアの場合は、他よりも早くレインズに掲載されることがアドバンテージになるでしょう。
媒介契約後も積極的にやりとりを行い、売主側としても売却活動に関与する姿勢が大切です。
レインズは資格のない一般の方は原則ログインできない
レインズは全国の不動産会社が物件情報を共有・閲覧するために用いる業者専用のオンラインデータベースです。
そのため、宅地建物取引業の免許を持つ正規の不動産会社などが利用できる仕組みとなっており、原則として一般の方は自由にログインできません。
これは、不動産情報の適正な流通や個人情報の保護を目的とした制度設計に基づいています。
具体的には、ログインには「会員ID」「パスワード」「電子証明書」などが必要であり、これらは指定流通機構に所属する業者に限って発行されます。
したがって、物件を売却・購入しようとする一般の方が、レインズに直接アクセスして詳細なデータを自由に閲覧することはできません。
ただし、売却活動中の売主が登録証明書を受け取っている場合は、自分が売却依頼した物件の登録内容を確認できる場合があります。
この点については後述のブロックで詳しく解説します。
REINS Market Informationは個人でも閲覧可能
レインズ本体には原則として一般の方はログインできませんが、レインズの一部データを閲覧できる「REINS Market Information」という公開サイトが用意されています。
このサイトでは、過去の取引実績や成約価格の目安などを地域・物件種別別に確認することができます。
使い方はシンプルで、物件種別(マンション・戸建など)と地域(都道府県・市区町村)を選択し検索するだけで、直近の成約事例を一覧やグラフで確認できます。
また、専有面積や築年数、最寄り駅などで絞り込み検索をかけることも可能で、売却価格や市場相場の目安を把握するうえで参考になります。
- 物件の詳細情報(住所・部屋番号など)は非公開
- 閲覧できる情報には範囲がある
- 地方エリアではデータ件数が少ない場合もある
あくまで補助的な情報源とはなりますが、個人で不動産売却・購入を検討する際の第一歩としては有効です。
不動産ジャパンでは一般公開されている物件情報を確認できる
レインズとは別に、一般消費者が不動産情報を閲覧できるサービスとして、「不動産ジャパン」があります。
この「不動産ジャパン」は、公益財団法人 不動産流通推進センターが提供しており、一般消費者でもアクセス可能な不動産情報ポータルサイトです。
不動産ジャパンでは、一般公開されている売買・賃貸物件の情報を確認できます。
主な特徴としては以下の通りです。
- 全国の売買・賃貸物件を検索可能
- 不動産の売り方・買い方などの解説コンテンツも充実
- 公益財団法人不動産流通推進センターが運営している
また、単なる物件情報の提供にとどまらず、不動産取引に関する知識の普及を目的として、コラムや制度解説ページも用意されています。
不動産ジャパンはレインズ本体を閲覧できるサービスではありませんが、一般消費者が物件情報を検索できるポータルサイトとして活用できます。
登録証明書がもらえたら売主本人は自分の物件情報を確認できる
レインズは原則として不動産業者専用のサービスですが、「登録証明書」を仲介会社から受け取った場合は、売主本人が自分の売却依頼物件の登録内容を確認できるようになります。
この登録証明書には、売却物件に関する登録番号や、専用の確認用ID・パスワードが記載されており、レインズの「売却依頼主様向けログイン」ページから確認が可能です。
レインズ登録義務のある「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を締結したにもかかわらず証明書が届かない場合は、登録状況を確認しましょう。
再発行に時間がかかることがあるので注意
登録証明書は、不動産会社のレインズ管理画面内にある「未取得証明書」から出力できますが、一定期間が過ぎると証明書が自動削除される仕様となっています。
この場合、地域の指定流通機構に問い合わせて再発行を依頼しなければならず、時間がかかる可能性があります。
媒介契約締結後は、速やかに登録証明書を受け取ることが、情報確認のうえでも重要です。
レインズで売主が売却物件を確認する方法
売却活動が思うように進まない場合、「レインズに物件が登録されていないのでは?」という不安を抱くことがあります。
このようなときに役立つのが、「売却依頼主様向けログイン」機能です。
登録証明書を受け取っていれば、IDとパスワードを使ってレインズにログインし、自分の物件情報を確認することができます。
この確認により、以下のような情報が把握可能です。
- 物件がレインズに正しく登録されているか
- 登録されている物件概要の内容(価格、間取り、所在地など)
- 取引状況がどのように表示されているか
登録証明書の交付や確認方法の説明がない場合は、情報公開が適切に行われているか確認する必要があります。
そのような場合は、第三者の専門家や他社へのセカンドオピニオンも検討しましょう。
売主は登録証明書があれば自分の物件情報を確認できる
「レインズは不動産業者専用で、一般の方には関係ない」と思われがちですが、売主本人は登録証明書があれば、自分が売却依頼した物件の登録内容を確認できます。
特に、不動産売却時に媒介契約を結んで登録証明書を受け取れば、自分の物件がレインズに正しく登録されているかを確認できます。
これは、売却活動の進行状況を把握するうえでも役立ちます。
また、「REINS Market Information」では成約価格の目安を確認でき、「不動産ジャパン」では一般公開されている物件情報を確認できます。
ただし、これらはレインズ本体を自由に閲覧できるサービスではありません。
不動産を売却する際は、レインズの仕組みや確認方法を事前に理解しておくことが、トラブル回避や早期成約につながる重要なポイントです。
まずは媒介契約を結んだ不動産会社に、レインズ登録の有無と証明書の発行状況を確認することから始めましょう。
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