Step | 手続き | 所要時間 |
---|---|---|
1 | 売却活動の準備・不動産会社への相談 | 売却を検討してから2週間~1ヶ月程度 |
2 | 不動産一括査定サイトで複数社を比較 | 査定依頼から1週間~3週間前後 |
3 | 媒介契約の締結 | 契約を依頼してから3~5日前後 |
4 | 売却活動・内覧準備 | 契約から1ヵ月~6ヵ月ほど(更に長引く場合あり) |
5 | 内覧対応 | 1回あたり30分前後(成約まで平均5回前後) |
6 | 売買契約 | 契約の決定から1~3週間前後 |
7 | 引き渡し・決済 | 契約から1~2ヶ月前後 |
8 | 確定申告の提出 | 引き渡した翌年の翌年2月16日から3月15日まで |
不動産売却(仲介売却)は、不動産会社の仲介のもと不特定多数へ売り出し、マッチした購入検討者と契約をするというものです。
上記の流れのため、売り出し時点でいつ頃までに成約が取れるかを厳密に知ることはできません。
ただし、不動産が売却されるまでの期間の目安を知っておくことは、その後の住み替えや引っ越しなどのタイミングを見極めるためにも重要です。
今回は、不動産売却にかかる期間の目安と、その内訳について解説します。
【免許登録】
宅地建物取引業免許:国土交通大臣(4)第7845号
一級建築士事務所登録:東京都知事 第62093号(東京本社)
特定建設業許可:東京都知事 (特-2) 第135078号(東京本社)
不動産特定共同事業許可:東京都知事 第134号(東京本社)
賃貸住宅管理業登録:国土交通大臣(1)第1722号(東京本社)
不動産売却期間の目安は3ヶ月から6ヶ月
冒頭でも触れたように、売り出しから売買契約が成立するまでにかかる売却期間の平均は、3ヶ月~6ヶ月前後の期間を要すると言われています。
また物件種別や地域等、売り出す場所・物件種別によって売り出しから売買契約成立までにかかる時間は前後します。
物件種別 | 売却に要する平均期間 |
---|---|
マンション | 3ヶ月前後 |
戸建て住宅 | 6ヶ月前後 |
ただし、売り出す物件の状態や条件次第では、6ヶ月以上や、1年、2年以上かかる事例もあります。
そのデータというのが、以下のものになります。

上記データは、複数の不動産ポータルサイトが成約までにかかる時間を調査した結果を基に独自に作成したデータになります。
先のデータ全体では、2~3ヶ月以内に成約できたという数値が高い一方、6ヶ月以内に成約が取れたという割合が76%も占めています。
売却期間がどれくらいかかるかはエリアによっても異なり、首都圏などはよりスムーズに売却される傾向にあります。
以下の表は、公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している「首都圏における中古一戸建て」の平均売却期間をまとめたものです。
年度 | 日数 |
---|---|
2020年 | 111.3日 |
2021年 | 101.2日 |
2022年 | 81.2日 |
2023年 | 83.3日 |
2024年 | 97.3日 |
※参考:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2024年度)」
売りに出した不動産が早々に売れるのは非常にいい傾向にあるといってもいいです。
しかし、売り急ぎは以下のようなリスクを招く原因になります。
- 成約を急ぐあまり、売り出し価格の引き下げがおこなわれやすい
- 購入希望者から想定外の値下げ価格希望を受けても、売り出しを長引かせたくないため、そのまま不利な条件で契約しやすい
- 慎重さを欠いた結果、不動産会社による詐欺や契約などの法的なトラブルに気づきにくい
とはいえ、物件の価値は、購入希望者の個人的感覚に左右される部分が大きいので、無闇に相場より安い価格設定をするのがいいとも限りません。
損を防ぎながら、利益が出る不動産売却を行うなら、3~6ヶ月ほど希望者の出入りを見ておくのが理想的です。
それを見越して、売却計画を立てるなら、以下のような時間を目安に計画立てを行うのがいいでしょう。
手続き | 売却検討開始からかかる時間の目安 |
---|---|
【STEP1】業者に相談・査定依頼 | ~約1.2週間 |
【STEP2】査定結果で絞込み | ~約2週間から1か月 |
【STEP3】媒介契約 | ~約1か月から2か月 |
【STEP4】販売活動・内覧 | ~約2か月から5か月 |
【STEP5】契約・引き渡し | ~約3か月から6か月 |
不動産売却にかかる期間と成約価格への影響
売出~成約期間 | 売出価格(万円) | 取引価格(万円) | 価格乖離率(%) | 割合(%) |
---|---|---|---|---|
1ヵ月以内 | 4,889 | 4,761 | ⁻2.61% | 31.7% |
2ヵ月以内 | 5,102 | 4,874 | ⁻4.47% | 13.8% |
3ヵ月以内 | 5,085 | 4,783 | ⁻5.93% | 11.9% |
4ヵ月以内 | 5,241 | 4,866 | ⁻7.16% | 8.7% |
5ヵ月以内 | 5,020 | 4,603 | ⁻8.30% | 6.1% |
6ヵ月以内 | 5,224 | 4,680 | ⁻8.50% | 5.6% |
7ヵ月以内 | 5,204 | 4,713 | ⁻9.45% | 4.7% |
8ヵ月以内 | 5,272 | 4,696 | ⁻10.93% | 3.5% |
9ヵ月以内 | 4,833 | 4,265 | ⁻11.74% | 2.9% |
10ヵ月以内 | 5,079 | 4,521 | ⁻10.98% | 2.7% |
11ヵ月以内 | 4,921 | 4,243 | ⁻13.77% | 2.0% |
12ヵ月以内 | 4,542 | 4,027 | ⁻11.36% | 6.4% |
上記は、首都圏における2023年の中古マンションの価格乖離率を、成約までにかかった期間ごとに分類したものです。
データを見ると、成約までにかかる期間が長引くのに比例して、売り出し価格と成約価格の乖離はマイナス方向に引き下がっているのが分かります。
こうなる理由としては、下記の3点が考えられます。
- 1】不人気で資産価値の低い低価格物件ほど売れ残っている
- 2】売れ残りが長引くと、売主(売主側仲介業者)が売り出し価格を自発的に引き下げることが多い
- 3】売れ残る物件には何かしらの欠陥があり、そこを理由に買主から値下げ要求をされている
不動産売却が完了するまでかかる期間と流れ
- 売却活動の準備・不動産会社への相談【売却を検討してから2週間~1ヶ月程度】
- 不動産一括査定サイトで複数社を比較【査定依頼から1週間~3週間前後】
- 媒介契約の締結【契約を依頼してから3~5日前後】
- 売却活動・内覧準備【契約から1ヵ月~6ヵ月ほど(更に長引く場合あり)】
- 内覧対応【1回あたり30分前後(成約まで平均5回前後)】
- 不動産売買契約【契約の決定から1~3週間前後】
- 引き渡し・決済【契約から1.5ヵ月~2ヶ月後】
- 確定申告の提出【引き渡した翌年の翌年2月16日から3月15日まで】
ここからは、不動産売却の手順に沿って、各手続きの流れと、それぞれにかかる期間について解説をしていきます。
Step1】売却活動の準備・不動産会社への相談【売却を検討してから2週間~1ヶ月程度】
所有している不動産を売却する可能性が出てきたら、家族の同意や売却すべきかの確認などを進めていきましょう。
特に、売却前に下記のような内容を整理しておくことが重要です。
- 売却の目的は何か
- 売却後の手残りは最低いくら必要か
- 売却後に最低いくらの資金が必要か
- 売り出しから成約までは何か月(何年)後まで待てるか
- 成約価格は最低いくらに設定するか
- もし、上記条件に合わない場合はどうするか
売却が可能な最低条件を整理しておくことで、その後に失敗するリスクを大きく減らすことができます。
また、上記の内容を不動産会社へ相談する前にある程度は自分の中で整理しておくと、不動産会社側に引き込まれて不本意な契約を結んでしまう可能性が減ります。
Step2】不動産一括査定サイトで複数社を比較【査定依頼から1週間~3週間前後】

不動産一括査定サイトは、複数の不動産会社から一度に査定が受けられる査定サイトです。
査定したい不動産の情報などを入力して、サイトに登録されている複数の不動産会社に一括で査定依頼をすることができます。

一括査定サイトを活用しての業者選びには1~5日前後の時間を要する一方、訪問査定は、実際に査定担当者が現地に赴いて精査します。
仮に2~3社に訪問査定を依頼した場合、結果が出そろうまで約1~2週間近い時間を要します。
Step3】媒介契約の締結【契約を依頼してから3~5日前後】
適切な不動産会社を選定した後は、媒介契約の締結に進みます。
媒介契約とは、大まかにいうと不動産会社に販売活動を委託する代わりに、成約時には売却代金の一部を仲介手数料として支払うことを定める契約になります。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つの契約方法があります。
契約の種類 | 契約の有効期間 | 売り手自身が買い手を見つけること | 依頼可能な業者数 | 仲介業者からの報告 |
---|---|---|---|---|
一般媒介契約 | 3ヶ月以内 | 可能 | 複数社と契約可能(契約数の上限なし) | なし |
専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に一度、メールか文書で連絡 |
属専任媒介契約 | 3ヶ月以内 | できない | 1社のみ | 1週間に一度、メールか文書で連絡 |
3つの契約方法のうち、どの方法が最も早く売れるかに関しては、不動産の種類や条件にもよるため、一概には言えません。
一般的には、専属専任媒介契約を選んでおくと無難です。
Step4】売却活動・内覧準備【契約から1ヵ月~6ヵ月ほど(更に長引く場合あり)】
媒介契約を結んだら、販売活動が本格的に開始されます。
販売活動では、レインズへの登録や物件広告の作成、近隣へのポスティング、必要書類の取得や作成などの業務を仲介業者がおこないます。
物件広告のポスティングやWebへの掲載が始まると、内覧の申込も少しずつ出てきます。
こうなれば、本格的に内覧準備を進めていきます。
Step5】内覧対応【1回あたり30分前後(成約まで平均5回前後)】
内覧対応では、実際に購入希望者が訪問してきて、敷地周辺から物件の内部まで、細かくチェックをします。
掃除に力をいれて綺麗な状態にし、できるだけ購入希望者からの印象を良くすることが大切です。
内覧前に整理しておきたいポイントは下記の通りです。
- 売主は内覧に同席するか
- 内覧前に家財道具などを処分するか
- 内覧の準備は当日どのように行うか(換気・出迎え・照明の点灯など)
- 内覧前にどんな準備をおこなうか(清掃・整頓整理など)
内覧対応は、購入希望者と売買契約を締結するまでの間、継続して行う活動です。
そのため、人によっては3ヶ月程度で契約を結ぶことができる一方、なかなか買い手が見つからない場合は半年以上の時間を要する可能性があります。
Step6】不動産売買契約【契約の決定から1~3週間前後】
内覧後、買い手との間で価格や条件が合意されたら、正式な売買契約の手続きに進みます。
この際、契約内容に関する疑問や不明点がある場合には、その都度確認・質問を行うことが重要です。
確実な売買契約を締結するために、不動産専門家や司法書士と連携しながら手続きを進めることも考慮すべきです。
また、売買契約締結後、媒介契約を結んでいる仲介会社に成功報酬として仲介手数料を支払います。
なお、支払い額は、売却価格に応じて決定します。
売却価格(税抜) | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下 | 取引物件価格(税抜)×5%+消費税 |
200万円超~400万円以下 | 取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
Step7】引き渡し・決済【契約から1.5ヵ月~2ヶ月後】
売買契約後、指定された日に物件の引き渡しと決済が行われます。引き渡し・決済は売買契約から1.5ヵ月~2ヵ月後になることが多いですが、これは買主側の住宅ローン審査を待つ必要があるからというのが大きな理由です。
- 物件内にある家具・私物をすべて新居に移動させる
- 引っ越し作業時に出たゴミや不用品を片付ける
- その他、契約時に決めていた引き渡しまでの対応事項を完了させる
- 司法書士の手配(登記作業)や銀行への連絡(ローン一括返済)
また、決済には、残金の支払いや物件の鍵の引き渡しなどが行われます。
それらと並行して、関連する公的手続きや各種の移転登記もこの時期に進められるため、適切に手続きを進めるための情報収集や専門家との連携が必要になります。
Step8】確定申告の提出【引き渡した翌年の翌年2月16日から3月15日まで】
不動産の売却に伴い、所得税や住民税の申告が必要となる場合があります。
特に、不動産を売却して利益が出た場合や、一定の条件を満たす物件の売却には、税金が発生する可能性が高くなります。
このような場合、翌年の確定申告時に所得税や住民税の申告を行う必要があります。
不動産売却に関する税務の手続きは複雑なため、税理士などの専門家と連携し、適切な申告を行うことが大切です。
※2月16日または3月15日が土日の場合、翌月曜日が期限になる(2025年:2/17~3/17)

こちらに申告書の取得方法から記入・申告の仕方まで分かりやすくまとめてあるので、ぜひ参考にしてください。
不動産売却の確定申告は必要?申告の流れ・必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】
不動産売却の期間が長引く原因
立地が良く状態の良い物件は短期間で売れやすく、アクセスの悪い築古物件・状態の悪い物件は売れ残りやすい傾向にあります。
その他にも、農地や広大過ぎる敷地など、一般的な需要が低い不動産は売り出し期間が長引きやすいです。
一方で、アクセスが良く状態が悪くない不動産も、他の要因で売れ残りが長引く可能性は十分にあります。
今回は、不動産の状態や条件とは別の理由で売り出し期間が長引いてしまう理由について解説します。
原因1】売却実績が低い会社に依頼した
不動産売却の実績が低く営業力のない会社に依頼をしてしまい、希望価格通りに売れなかったというケースも考えられます。
不動産を価格相場以上で売却するためには、やはり仲介物件を本来の価値よりも魅力的に見せる営業力は重要となります。
不動産仲介事業の実績が高い業者は、全国で仲介手数料収入が上位に位置する超大手業者はもちろんのこと、地域密着型でそのエリアの物件を多く扱っている中小業者なども含まれます。
順位 | 会社 | 2023年仲介物件数 | 物件の平均成約価格 | 手数料収入 | 手数料率※ | 1件当たりの平均手数料 | 宅地建物取引業免許 | 店舗数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 三井不動産リアルティ(三井のリハウス) | 39,106件 | 4,905万円 | 901億2,000万円 | 約4.7% | 約218万円 | 国土交通大臣(15)第777号 | 291店舗 |
2位 | 東急リバブル![]() |
30,265件 | 6,157万円 | 715億4,000万円 | 約4.5% | 約248万円 | 国土交通大臣(12)第2611号 | 220店舗 |
3位 | 住友不動産ステップ(旧 住友不動産販売)![]() |
34,906件 | 9,571万円 | 712億7,800万円 | 約4.91% | 約395万円 | 国土交通大臣(13)第2077号 | 256店舗 |
4位 | 野村不動産グループ![]() |
9,985件※ | 9,571万円 | 398億3,300万円 | 約4.12% | 約395万円 | 国土交通大臣(14)第1370号 | 94店舗 |
5位 | 三井住友トラスト不動産![]() |
8,226件 | 6,690万円 | 229億2,800万円 | 約4.16% | 約278万円 | 国土交通大臣(10)第3397号 | 71店舗 |
6位 | 三菱UFJ不動産販売![]() |
4,341件 | 9,676万円 | 190億300万円 | 約4.2% | 約409万円 | 国土交通大臣(9)第3890号 | 35店舗 |
7位 | みずほ不動産販売![]() |
3,815件 | 10,774万円 | 177億6,700万円 | 約4.15% | 約446万円 | 国土交通大臣(9)第3529号 | 49店舗 |
8位 | オープンハウス![]() |
8,497件 | 23,205万円 | 150億5,100万円 | 約4.17% | 約182万円 | 国土交通大臣(3)第7349号 | 62店舗 |
9位 | 積水ハウス不動産東京![]() |
7,075件 | 11,425万円 | 126億8,400万円 | 約4.41% | 約159万円 | 国土交通大臣(13)第2250号 | 115店舗 |
10位 | 東宝ハウスグループ![]() |
6,268件 | 59,230万円 | 98億7,100万円 | 約3.2% | 約874万円 | – | 8店舗 |
11位 | 三菱地所リアルエステートサービス![]() |
1,197件 | ― | 90億円 | 約3.27% | 約802万円 | 国土交通大臣(14)第1512号 | 9店舗 |
13位 | 大京穴吹不動産![]() |
4,528件 | ― | 77億円 | 約4.58% | 約144万円 | 国土交通大臣(8)第4139号 | 74店舗 |
※野村不動産グループは野村不動産と野村不動産アーバンネット(現:野村不動産ソリューションズ)の合算
※手数料率:年間の仲介物件の売買価格の総額に対して、不動産会社が得た手数料収入(仲介手数料)の比率。この比率が40%を超えると両手仲介が多く、囲い込みのリスクが発生する(囲い込みのリスクを完全に避けたいなら、SRE REALTY(旧SRE不動産)など片手仲介100%の不動産会社と契約するのがおすすめ)
※上記は2023年度の不動産仲介業者の実績
原因2】売却活動が受け身姿勢の会社に依頼した
仲介業者の中には、販売コストをかけて仲介物件を少しでも高く売ることに消極的(積極的でない)な不動産会社も多く存在します。
これは仲介売買の報酬である仲介手数料の仕組みの問題もあります。

正規の不動産会社は仲介物件をレインズというデータベースに登録します。レインズに登録された物件は全国すべての不動産会社が閲覧でき、物件探しをしている顧客に紹介することができます。
それとは別に、売り出し価格を相場より高めに設定した場合は、その価格での成約を実現するためにコストをかけて販売活動を実施していきます。ただし、コストを鑑みると多少高値で売却ができても、不動産会社にとって赤字である可能性もあります。
取引額(不動産の売買価格) | 仲介手数料(法定の上限額) |
---|---|
200万円以下 | (売買価格(税抜き)× 5.0%) + 消費税(10%) |
200万円超400万円以下 | (売却額(税抜き)× 4.0%+2万円) + 消費税(10%) |
400万円超 | (売却額(税抜き)× 3.0% + 6万円) + 消費税(10%) |
例えば、営業コスト10万円で物件を2,000万円で売却した場合(ケースA)と、営業コスト50万円で物件を2,500万円で売却した場合(ケースB)は、ケースAの利益が56万円+税、ケースBの利益が31万円+税となり、安値で売却したAの方が利益が高くなってしまいます。
こうした理由で、売主から見て積極的に高値で売却する姿勢がみられない仲介業者もいますが、売主からするとこうした業者と契約するメリットは全くありません。
もちろん、営業力というのは単に営業コストが高いかどうかではないので、担当者の身のこなしや説明の分かりやすさなどもしっかり比較することが大切です。
原因3】売り出し価格が高すぎる
不動産の売り出し価格は不動産会社の査定価格をベースに決めますが、最終的には不動産会社が提示したプランから、売主が自分の意向に沿ったプランを選ぶことが多いです。
売り出し価格の設定は、一般的に査定価格に近しい売り出し価格を設定するケースと、査定価格より売り出し価格を高値に設定してじっくり売るケース、査定価格より売り出し価格を低く設定して早く売るケースの3通りに分かれています。
売却のスケジュールに余裕がある場合は、査定価格より売り出し価格を高く設定し、相場価格以上で売ることを目指すのも一つの手です。
ただし、相場価格と売り出し価格の乖離が大きくなると、購入希望者から割高と見なされて売れ残りのリスクが非常に高くなります。
価格設定が原因で買い手が現れない場合は、価格を見直すのも一つの手です。
原因4】権利関係などが複雑
不動産の権利関係が複雑だったり、法的に用途が制限されているエリアだったりする場合は、買い手がつきにくく売れ残りやすい状態になります。

例えば、土地の借地権と底地権の所有者が別の場合などは、土地の使用権が一部制限されるため、買い手がつきにくい傾向にあります。
このような用途を制限されるようなものがあるかどうかは、事前にチェックしておく必要があります。
不動産の売却期間に関する注意点
注意点1】不動産ポータルサイトで検索されにくくなる
SUUMOやアットホームなどの物件検索が可能なポータルサイトでは、新規に売り出された”新着物件”の方が検索されやすく、また地域絞り込み検索でもより上部に表示されるケースが多いです。
一方で、売り出し期間が長引くと検索システムのアルゴリズム上、ユーザーに見られにくくなってしまいます。
今では多くの方がこうしたポータルサイトを利用しているので、検索されにくくなることの影響は大きいです。
注意点2】訳あり物件かもしれないという疑いをかけられる
売却期間が長引くと、それを見ている購入希望者から「こんなに売れ残るということは、表面上はわからない欠陥などがあるのではないか?」という疑いをかけられやすくなります。
ポータルサイトのシェアが高まったこともあり、物件購入を検討しているエリアの売り出し物件を半年や1年以上物色している方も少なくありません。
こうした方が増えていることもあり、売れ残り物件は余計に目立ちやすくなってしまいます。
注意点3】売却のスケジュールは長めにとるのが正解
売却の成果や引っ越しなどのその後の計画なども加味して、不動産を売り出してから成約までにかかる期間は短いに越したことはありません。
ただし、売主が余裕を持って対応できる期間は、長めにとっておくほど売却の成功率は高まります。
つまり、早期の成約を期待して準備はしつつ、売れ残る可能性も含めて対応可能な期間は長めにとっておくのが正解ということになります。
スケジュールに余裕を持つことで、契約時のトラブルや値下げのリスクの可能性が低くなります。
不動産の売却期間を短縮する方法
ここまで、不動産の売却期間が長引くデメリットを解説しました。
何度も言うように期間が長くなるか短くなるかは運も大きく関係していますが、売主と仲介会社の売却戦略次第では、短期間売却を果たすことができます。
以下は、不動産の売却期間短縮に効果的な方法です
- 売り出し価格を下げる
- 不動産が売れやすい時期に合わせて不動産を売る
- 売却相場を調査しておく
- 適切な媒介契約を選択して売りに出す
- 買取保証サービスの利用を検討しておく
ここからは、上記5つの方法について解説して行きます。
短縮する方法1】売り出し価格を下げる
市場価格よりも高く設定された物件は、購入希望者を見つけるのが難しく、売却に時間がかかることが多いです。
逆に、適正な価格、あるいは市場平均よりやや低めに設定すると、多くの購入希望者の目を引くきっかけになります。

売却プラン | 査定価格 | スタンダート | チャレンジ | スピード |
---|---|---|---|---|
売出提案価格 | 2,184万円 | 2,180万円~2,380万円 | 2,380万円~2,580万円 | 1,980万円~2,180万円 |
査定価格乖離率 | – | 99.8%~108.9% | 108.9%~118.1% | 90.6%~99.8% |
90日以内成約割合 | – | 81% | 72% | 88% |
上記は三井のリハウス(三井不動産リアルティ)が設定した、ある物件(査定価格2,184万円)の売却プランになります。上記のプランでは、売り出し価格を査定価格より最大1割下げることで、成約までの期間を早めています。
売り出し価格を下げることで成約までの期間は早まりますが、売り出し価格を下げればその分、成約価格も下がるので注意が必要です。
短縮する方法2】売れやすい時期に合わせて不動産を売る
不動産市場は季節や経済状況により変動するため、売却を検討する際のタイミングは非常に重要です。
例えば、春や初夏・秋は新生活のスタートや転勤のシーズンと重なり、物件の需要が増加する傾向があります。
一般的には、2月~3月と9月~11月に取引が多くなり、反対に1月と8月は取引が少ない傾向にあると言われています。
年月 | 成約件数(件) | 平均価格(万円) |
---|---|---|
2022年3月 | 1,349 | 3,978 |
2022年4月 | 1,255 | 3,950 |
2022年5月 | 1,252 | 3,973 |
2022年6月 | 1,156 | 4,096 |
2022年7月 | 1,251 | 4,118 |
2022年8月 | 940 | 4,076 |
2022年9月 | 1,177 | 4,170 |
2022年10月 | 1,295 | 3,978 |
2022年11月 | 1,076 | 4,102 |
2022年12月 | 1,052 | 4,219 |
2023年1月 | 1,003 | 4,066 |
2023年2月 | 1,158 | 4,134 |
このような売れ筋の時期に売り出すことで、多くの買い手からの関心を引きつけ、売却期間を短縮することが期待できます。
また、経済的な好況期には、投資や自宅購入の動きが活発となり、売却のチャンスも増加します。
短縮する方法3】売却相場を調査しておく
不動産の売却を検討する際、その地域や物件タイプの現在の市場価格を前もって調査しておきましょう。
- レインズ(REINS Market Information)を利用する
- 不動産情報ライブラリ(旧 土地総合情報システム)を利用する
- 不動産ポータルサイトを利用する
売却相場を事前に調査することで、適切な価格帯での売り出しを実現でき、早期の取引完了が期待できます。
また、相場情報を元に適切な価格設定を行うことで、価格交渉時の自信や根拠となり、スムーズな取引を進められます。
短縮する方法4】適切な媒介契約を選択して売りに出す
不動産の売却を進める際、独占媒介契約や一般媒介契約など、いくつかの契約形態があります。
例えば、専属媒介契約では、一つの業者だけが販売活動を行い、その業者が集中的にマーケティングを行います。
一方、一般媒介契約では、複数の業者が同時に販売活動を行うため、広範囲に物件情報が広まります。
契約形態により、売却期間や成功確率が変わるため、自身の状況や目的に合った契約を選ぶことが重要です。
短縮する方法5】不動産買取保証の利用を検討しておく

不動産買取保証は、一定の期間内に物件が売却できない場合、不動産業者が事前に定めた価格で買取を行うサービスです。
これにより、確実に売却を完了させることができ、売却のリスクを低減することが可能となります。
もし、迅速な売却や確実な取引を希望する場合は、このようなサービスの利用を検討することで、売却期間の短縮が期待できます。
不動産買取は仲介で売れた価格の約2割減となるので損ではありますが、保証サービスを提供しているような大手業者は仲介手数料の値引き特典なども提供しているので、合わせて使えばそこまで損はしませんよ。
買取保証サービスに対応している業者は、こちらで詳しく紹介しています!
不動産売却の期間が長引いた時に取る行動
前節で紹介した方法を活用しても、購入希望者のニーズに適わないなど、様々な理由で売却期間が長引いてしまうケースがあります。
売却期間にゆとりをもって始めたが、活動に割ける時間が限られている場合や、活動にまだある程度のゆとりが残されているなら、以下のようなアクションを起こしてみましょう。
- 不動産買取に切り替える
- 時間に余裕があるときは次の繁忙期に合わせて売却を仕切り直す
- 媒介契約を結んでいる会社を変える
ここからは、上記3つの行動について解説して行きます。
不動産買取に切り替える
不動産売却が期待通り進まない場合、買取サービスの利用も検討しましょう。
不動産買取は、業者が直接買い取る形となるため、確実かつ迅速に物件売却を完了させられます。
特に、急な転勤や資金調達の必要から早期売却を希望する場合には有効です。
ただし、市場価格よりも低く設定されることが多いため、買取価格と市場価格のバランスをよく検討することが重要です。
時間に余裕があるときは次の繁忙期に合わせて売却を仕切り直す
不動産の取引は季節や経済の動向に影響を受けやすく、売れ筋の時期には多くの買い手が市場に出てくることがあります。
特に、春や初夏には新しい生活をスタートさせる方々が多く、物件の需要が上昇します。
もし、売却活動が進まない場合には、次の繁忙期を狙って再度、売却活動を開始することで、より多くの買い手に物件をアピールするチャンスが増える可能性があります。
媒介契約を結んでいる会社を変える
長期間にわたり不動産の売却が進まない場合、その原因の一つとして媒介している不動産会社の販売活動や提案内容に問題がある可能性も考えられます。
新しい視点やアプローチで物件を売り出すため、契約を結んでいる会社を変更することを検討しましょう。
新しい不動産会社は、過去の販売活動を踏まえた上で、新たなマーケティング戦略や価格提案を行ってくれることが期待でき、これにより売却が進展する可能性が高まります。
長期間の不動産売却は計画と根気が大事
不動産売却にかかる期間は、査定から契約まで短ければ3~4ヶ月、長いと半年から1年以上もかかります。
長期間に渡って細かい手順を踏まなければならないので、あらかじめ手続きや費用についてしっかり計画を立てておくことが肝心です。
また売却期間が伸びていくなかで自分が満足する金額で不動産を売るためには、根気が必要になります。あらかじめ早く高く売れるタイミングで、査定申し込みをする計画を立てることをおすすめします。