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不動産売却

不動産の転売行為は違法?個人でも利益が出る?違法の基準や利益の出し方について解説

不動産 転売
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戸建て住宅やマンション・アパートの1室を第三者に貸し出して収益を得る現物不動産投資には、所有する物件や土地などの不動産を転売して、収益を得る方法もあります。

この転売は、不動産会社の仲介を通して、取引が行われますが、転売という言葉を悪い意味でとらえている方が多いゆえ、取引に違法性を感じる方もいます。

そこで今回は、不動産転売にかけられた違法性の有無を解説すると同時に、転売する不動産を高額で売却するタイミングと儲かる物件の特徴を紹介します。

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不動産転売にかけられた違法性の有無

他所で仕入れたものを第三者に売って収益を得る転売という行為に対して、違法性や怪しい橋を渡るものというイメージが根強い現代において、高額金融商品にあたる不動産を転売するのは違法と思われる方も多いです。

ここでは、不動産転売における違法性の有無を解説します。

転売行為自体に違法性はない

転売という行為自体に違法性を見出される方も多いですが、あくまで物品を購入して売却するだけの行為という観点から、違法性はありません。

不動産転売の場合は、物件や土地を他所で購入し、それを第三者に売却するという行為に当たります。

また不動産転売行為が違法だと認識されたのが、80年代~90年代のバブル景気による土地価格の高騰が原因とされています。

これが原因で、制定された土地基本法第四条「投機的取引」に抵触するものと考える方もいますが、あくまで健全な経済の発展のために適正な利用を図ることを目的に制定された法律になります。

また法律による誤認的解釈から「転売=違法」という明記からそのような認識になったといえます。

反復継続による不動産転売は違法

転売行為自体に違法性はありませんが、安く仕入れた不動産を高値で繰り返し売却する行為は、転売による投機目的による反復継続とみなされ、法的処置を下される可能性があります。

転売を行うこと自体に違法性はありませんが、繰り返し転売を行う行為は業とみなされます。

宅地建物取引業法における不動産取引を業として行えるのは、宅地建物取引業の免許を取得した会社のみとされています。

つまり、免許を持たない個人が繰り返し不動産転売を行う行為は、違法ということになります。

ただし、違法と断定されるような明確な基準は設けられていません。

個人間で転売を行って利益を出していくなら、短期的に繰り返し行うのではなく、一定の期間を設けてから行うのがいいでしょう。

不動産転売は昔ほど儲かっていない5つの理由

不動産会社の仲介を通して、取引を行う不動産転売は、安く仕入れた不動産を売り手の言い値で売却できることから儲けが出ると思われますが、バブル期に比べて今はそれほど高い儲けが出ておりません。

考えられる理由としては、以下の5つが挙げられます。

不動産転売が儲かっていない理由
  • 短期所有時にかけられる税金が高い
  • 節税控除が何度も使えない
  • 価格変動が小さい
  • 長期所有による物価の低下リスク
  • 転売による高額コストの発生

ここからは、上記で挙げた5つの理由を1つずつ解説していきます。

短期所有時にかけられる税金が高い

転売行為のみならず、不動産会社の仲介を経て不動産を売却し、利益を得れば、譲渡所得が課せられます。

さらに転売に行って売却益を得れば、所得税と併せて住民税が課せられます。

この時にかけられる所得税と住民税は、転売した不動産の所有年数に応じて課せられる税額が大きく変動します。

不動産の所有期間 所得税※復興特別所得税を含む 住民税
5年以下の短期譲渡所得 30.63% 9.0%
5年以上の長期譲渡所得 15.315% 5.0%

つまり、安く仕入れた不動産を市場に出して、買い手と売買契約を交わしても、売却益の何割かを税金として差し引かれることが原因となって儲かっていないのです。

ある程度の儲けを出すなら、不動産を5年以上所有してから市場に出すのがベストです。

節税控除が何度も使えない

不動産売買には3,000万円までの特別控除など、多数の税制控除が用意されています。

しかし控除利用には、移住しなくなってから3年が経過する年の年末までに売却することを条件にしているため、短期間で何度も利用できるものではありません。

定期的に転売を行っていると、税金控除が適用できず、課せられる税金額が高額になってしまうことから儲けが出ないということになります。

価格変動が小さい

バブル経済が崩壊した現代では、不動産の価格変動がバブル全盛期に比べて緩やかになっていることから、購入時と売却時の価格に大きな差がないことから大きな儲けが出しにくい状態です。

そもそも不動産の市場価値は、株式や債券などの金融商品のように値動きが激しい商品ではありません。

そのため、購入時と売却時に大きな差異がなく、場合によっては赤字を招く恐れがあることから転売は儲かっていないといえます。

長期所有による物価の低下リスク

戸建て住宅やマンション・アパートの物価額は、築年数を経るごとに価格が大きく下落していきます。

一戸建ての築年数と価値低下の関係例えば、上記図のような戸建て住宅の築年数と価格低下の関係からうかがえるように、1年目から10年目にかけて、価格が7~6割まで下がり、20年目以降は価格低下が緩やかになっています。

所有期間が長ければ、売却時に発生する所得税と住民税の税額を抑えられますが、物件の価格は築年数を経る子度に下がっていくため、売却するなら、5年目以降の10年目以内に行うのが最適といえます。

また安価で購入できた物件を売却する時、エリア需要によっては半年以上も買い手を探す必要が出てきます。

転売による高額コストの発生

所有する不動産を転売するとき、以下の3点を用意しなければならないことから、転売による儲けは出ていないと言われています。

不動産転売時に用意しなければならないもの
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記費用

不動産を転売する場合、不動産会社に仲介を依頼して売買契約を取ることが一般的です。

その時の仲介役を買ってくれた会社側に報奨金として支払うのが仲介手数料です。

支払う仲介手数料の金額は、法で指定されているので、売却益の数割を持っていかれれることはありません。

売却価格 仲介手数料
200万円以下 取引額の5%+消費税
200万以上400万円未満 取引額の4%+2万円+消費税
400万円以上 取引額の3%+6万円+消費税

そのほか、売買契約書に張り付けて納税する印紙税と登記手続きとして納める登記税の2種類の税が売り手に課せられます。

そのほか、物件購入時に利用したローン一括返済用の費用や証明書類の発行手数料など、多方面で出費が発生することから儲けが出ていません。

転売で儲かる不動産の選定方法

前説で紹介した5つの理由から不動産転売は、儲けが出ていないと言われています。

しかし、インフレにある日本において転売する物件の選定を見誤らず、以下の特徴を抑えていれば、不動産転売を行ってもしっかり儲けが出せます。

転売で儲けが出せる不動産の選定方法
  • エリア需要の高さから物件を選ぶ
  • 築年数が古い不動産を選ぶ
  • 土地活用ができる不動産を選ぶ

エリア需要の高さから物件を選ぶ

不動産を購入して売却益を出していく場合、物件の築年数や瑕疵、などの外的要因を見るよりも物件の立地エリアの需要性を見て選ぶのかおすすめです。

大まかな理由としては、物件があるエリアで都市開発が行われば、エリア需要が高騰、それに比例して物件価格も上昇するケースがあるためです。

また開発が進むまでにかかるランニングコストを考慮すると、現状でエリア需要が高いところにある物件を選ぶのが最適です。

具体的には、以下の特徴を抑えているエリアであれば、買い手が見つかりやすいうえ値高値で取引することができます。

エリア需要が高い土地の特徴
  • 最寄駅から徒歩数分圏内
  • 学校や病院などの公共施設が充実している
  • 嫌悪施設が近くにない

など、買い手にとってメリットになる点が多々あるエリアほど、買い手が付きやすく、利益も出ます。

築年数が古い不動産を選ぶ

築年数が古い物件ほど安く購入できますが、高値で売却するのは難しいです。

しかしリフォームやリノベーションを行えるだけの資金がある場合は、これらをセットにして売却するという手が使えますし、物件を解体し、更地にしてから売却するという手も使えます。

購入者の中には、古い物件を自分好みにリフォームしたいという方がいます。

そういう方にとって、リフォームやリノベーションをセットにして売却する行為は、需要あるものとして好評を博しています。

土地活用ができる不動産を選ぶ

物件を解体して、更地として売却する場合、駐車場経営や駐輪所経営、トランクルームなどの土地活用ができることを前提にするのも1つの選定方法です。

また土地売買は、不動産会社の仲介を設けず、個人間で取引することもできます。

不動産転売で利益を出す方法

不動産の転売行為に違法性はないものの、繰り返し売却する行為は違法とみなされます。

また、短期所有の不動産を売却した時にかけられる譲渡所得税が高額だったり、節税控除が何度も使用できないなどの理由から、転売は儲けが出ないとも言われています。

しかし、前述した特徴を持つ不動産を選ぶと同時に、以下の方法を持って不動産転売を行うことで、利益が得られる可能性があります。

不動産転売で利益を出す方法
  • 不動産会社を立ち上げてから転売を行う
  • 土地付きの築古物件を購入して転売する
  • 不動産を一定期間所有してから転売する
  • 自分自身の人脈を活用して不動産を転売する

不動産会社を立ち上げてから転売を行う

自分の不動産会社を設立し、宅地建物取引業の免許を取得することは、不動産転売での高度な戦略です。

法人化することで、譲渡益にかけられる税金が短期譲渡所得税から法人税に切り替わります。

2023年11月現在、法人税の税率は23.2%となっており、短期譲渡所得税の税率よりも低く設定されています。

加えて、不動産業者となれば、レインズなどの業者専用のネットワークも活用できるうえ、業者間のつながりから個人では得られない希少な情報も入手できます。

しかし、これには宅地建物取引士の資格取得や複雑な法的要件を満たす必要があり、相当な努力と資本が必要です。

長期的に見れば、業界における信頼と専門知識の構築により、より良い取引が可能になるでしょう。

土地付きの築古物件を購入して転売する

築古物件の購入とその後のリフォームやリノベーションを通じた転売は、地方や郊外で特に効果的な戦略です。

この方法は、低コストで物件を仕入れ、価値を高めることに重点を置いています。

成功の鍵は、物件の潜在的な価値を見極め、適切な改修を行い、市場ニーズに合わせて転売することにあります。

ただし、この方法は市場の需要とリフォームコストの精密な評価を要求します。

不動産を一定期間所有してから転売する

不動産を5年以上所有し、長期譲渡所得として転売することは、税率の面で有利です。

この間、不動産を賃貸に出すことで収入を得つつ、物件の価値を高めることが可能です。

戦略の成功は、適切な不動産の選択、効果的な賃貸管理、そしてタイミング良く市場に出すことにかかっています。

不動産運用の知識と市場動向の理解が不可欠です。

自分自身の人脈を活用して不動産を転売する

個人のネットワークを活用した不動産転売は、特に未公開の取引や特別な機会を捉える際に強みを発揮します。

知人や業界関係者からの情報を通じて、他の投資家が気付いていない物件を見つけることができます。

成功の鍵は、信頼できる人脈の構築と、迅速かつ効果的な交渉スキルにあります。

不動産を高額で転売するベストタイミング5選

高値で転売できる不動産の特徴を3つ紹介してきましたが、転売を行うタイミングもまた重要な要素です。

安く購入した不動産を高値で転売するときは、以下のタイミングで行うのが理想です。

転売を行うベストタイミング
  • 建設需要が高騰したとき
  • 新築物件の住宅価格相場が高騰したとき
  • ローン金利相場が下落したとき
  • 所有期間が5年を過ぎたとき
  • 新生活シーズン

5つのタイミングを、ここから1つずつ解説していきます。

建設需要が高騰したとき

建設費の相場価格が前後するように、建設需要もまた比例して高騰・下落を起こします。

たとえば、建設相場価格が高騰すれば、新築・中古物件の相場価格も高騰し、土地価格も高騰します。

逆に建設相場が下落すれば、物件・土地価格も下落することを指しますので、建設費の値動きを把握すれば、高値で売却できたということになります。

新築物件の住宅価格相場が高騰したとき

建設費の値動きの把握と併せて、新築物件の価格相場の値動きも確認しておきましょう。

新築物件の価格相場が高騰すれば、住宅の増加に伴い、土地価格も高騰します。

例えば、所有している土地近辺で新築住宅が販売された場合、土地価格が上がっている可能性があります。

これに合わせて、中古物件の価格相場も把握しておきましょう。

中古物件の価格相場は、新築物件の価格相場を元に設定されていますので、価格が上がれば相場価格が上がり、下がれば相場価格も下がります。

ローン金利相場が下落したとき

不動産を購入するとき、9割近くの方が住宅ローンを組んで購入に至ります。

住宅ローンを組む時、返済期間に応じて金利と利息が加算されます。

この時に課せられる金利には、固定金利と変動金利の2種類があります。

ここでいう売り時は、組むローンに課せられた金利の値が下落したタイミングで市場に出すことです。

金利が下がれば、返済額も減額できるので、買い手にとっては好都合といえます。

たった1%違うだけで、返済額が数百万円も変わってきますので、日本銀行の長期プライムレートで金利推移を定期的に確認しましょう。

所有期間が5年を過ぎたとき

不動産の所有年月が5年を過ぎたタイミングで売却に至ると、売却益に対して課せられる住民税と所得税の税額を抑えられます。

5年越えの物件を売却してくるオーナーは、不特定多数存在するため、買い手の減少や物件価格の下落を招く恐れがあります。

5年超過による売却は絶対であっても、物件価格の相場推移を把握して、売り時を予測することが売り手に求められます。

新生活シーズン

ここまで4つのタイミングを紹介してきましたが、時期によって売れるときと売れない時があります。

中でも売れやすい時期と言われているのが、新生活シーズンに当たる1月下旬~4月上旬です。

この時期は、入学や転勤などのライフイベントが盛んに行われることから、不動産市場が活気付く絶好の機会です。

しかし、ネットの普及によって、買い手の好きなタイミングで不動産が探せるようになった現代においては、売れる時期と売れない時期に大きな差が出ていません。

とはいえ、無計画で売却する行為だけは避けましょう。

不動産転売を成功させるコツ

不動産を転売して利益を得るには、前述した方法とタイミングを見極めながら転売活動を行う必要があります。

ここでは、不動産転売を成功させるコツを4つ紹介します。

情報収集に力を入れる

不動産転売の成功は情報収集に大きく依存します。

市場や地域の発展性を考慮し、将来価値のある物件を見極めることが重要です。

不動産業者専用サイトの利用や、知人ネットワークを通じた未公開情報の収集も有効です。

さらに、地価の動向や今後の発展予測も重要な判断材料となります。

不動産に付加価値をつける

購入した不動産にリフォームやリノベーションを施すことで、その価値を高めることが可能です。

特に、地方や郊外の庭付き戸建てのような物件は、適切な改修によって大きな利益を生み出すことがあります。

ただし、リフォーム費用が転売価格を超えないよう注意が必要です。

所有期間中は運用で利益を出す

不動産を所有している期間中の収益化は、転売における重要な戦略です。

例えば、賃貸経営や駐車場としての運用などが考えられます。

これにより、税負担を最小限に抑えつつ、定期的な収入を確保できます。

ただし、売却時期の見極めと契約内容の管理には十分に留意する必要があります。

売り出す際は一括査定サイトを活用する

不動産を売却する際は、一括査定サイトを活用して複数の不動産会社から査定を受けることが重要です。

これにより、市場価格の理解が深まり、適切な価格での売却が可能になります。

また、買取業務を行う業者との比較も有効な選択肢です。

様々なオプションを比較検討し、最適な売却方法を見つけましょう。

不動産転売を行うなら時期を見極めてから行うこと

ここまで、不動産転売の違法性と高値で売却するタイミングと物件選定の方法を紹介してきました。

不動産の転売行為自体に違法性はありませんが、免許を持たない個人が繰り返し転売を行う行為は業とみなされ、法に抵触する可能性が高いです。

高頻度で転売を行うよりも、一定期間の間隔をあけてから転売を行うのが最適であり、法に触れることもありません。

ただし、転売による売却は、バブル経済時に比べて儲かっていないと言われています。

儲けを出していきたいという方は、今回紹介した選定方法とタイミングを参考に、転売を行ってみてはいかがでしょうか。

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