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不動産売却

不動産買取とは?仲介売却とどっちがお得?メリット・デメリットと損しないための注意点

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この記事の監修者
監修者
一般社団法人相続実務協会代表理事
曽根 惠子さん

相続実務士。 一般社団法人相続実務協会代表理事。 株式会社夢相続代表取締役。

公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士。

【経歴】 京都府立大学女子短期大学部卒業、株式会社PHP研究所勤務。

その後、昭和62年不動産会社設立、相続コーディネート業務を開始。

◆YouTube 夢相続チャンネル

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戸建て住宅やマンションなどの不動産を売却する方法は多岐に及びますが、代表的な売却方法として、仲介売却と業者買取のいずれかを選択される方が多いです。

売却方法 仲介売却 不動産買取
買主 個人 不動産会社
売却活動の期間 購入希望者が現れるまで
※平均3~6ヶ月前後
買取条件が合えば、短期間で売却可能
※平均1~2ヶ月前後
売却価格(相場) 市場価格の90%~110% 市場価格の70%前後
契約不適合責任の有無 原則免除
※適用される場合がある
あり
仲介手数料の有無 なし あり
おすすめの方 ・不動産を短期間で売却したい方
・築古ゆえ仲介売却を断られてしまった方
・不動産を高値で売却したい方
・抵当権付きの不動産を売却したい方

どちらの売却方法を選択するかは、売主自身が考えている売却ニーズや問題解決の糸口になる方法を基準に考えるのが妥当です。

例えば、不動産を短期間で売却したい方や仲介売却では買い手が付きにくそうな物件であれば、業者買取を選択するのがベストです。

また、従来は成約価格が時価よりも低いことから敬遠されていた不動産買取ですが、2020年頃から様々な理由で買取を選ぶ人が増加しています。これから不動産の売却を検討している方も、不動産買取の特徴を一度知っておく必要があるでしょう。

今回は不動産買取の特徴、仲介売却との違い、そして業者買取で不動産を売りに出すときの一連の流れについて解説します。

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Contents

不動産買取とは?

不動産買取とは、不動産会社が不動産を所有者から直接買い取る方法です。
※不動産会社によっては自社で直接買取をおこなわず、適切な買取業者を窓口となって紹介する仕組みを採用しているケースもあります。(三井のリハウスなど)

不動産買取の特徴まとめ
不動産買取の特徴 概要
スピーディーな取引 不動産会社が直接買い取るため、仲介を待つことなく迅速に売却が可能です。
成約が確実 買い手を見つける必要がないため、売却が確実に行われます。
市場状況や買い手の都合に左右されることなく、計画的に不動産を売却できる点が大きな利点です。
手間の軽減 買取では、物件の広告や見学会の準備が不要で、売主の手間が大幅に削減されます。
また、物件の状態に関わらず買取ってもらえるケースが多いため、リフォームや修繕の必要がありません。
プライバシーの保護 物件情報が広く公開されることなく取引が行われるため、プライバシーが守られます。
近隣への影響を気にせずに済む点も魅力の一つです。

通常、不動産会社は物件の買い手を見つける仲介役を務めます。

しかし、築年数や立地、周辺環境の変化・需要などの外的要因の影響で買い手が付きにくい場合は、仲介売却ではなく買取を勧めてくれる場合があります。

特に急いで不動産を現金化したい方にとって、買取は仲介に比べて手軽で速やかな方法と言えます。

買取後、不動産業者は物件をリノベーションするなどして、市場に再度販売することが一般的です。

不動産買取のビジネスモデル
買い取った物件が再販されるまで流れ
  1. 対象の不動産を買い取る
  2. 買い取った物件をリフォーム・リノベーション
  3. 市場に売りに出す
  4. 売買の成立

■参照:国土交通省|買取再販事業についてより

近年は以前と比較して不動産買取の認知度が向上しており、早期に換金できる方法として不動産買取を選択するケースが増加(参考:東急リバブルHP)しています。

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不動産買取と仲介売却の違い

不動産の売却には、仲介売却と買取の二つの主要な方法があり、それぞれに特徴と利点が存在します。

売却方法を選択する際は、高値で売却したいか、早期売却を優先するか、または物件の特性を考慮して、自身のニーズに最も合った方法を選ぶことが重要です。

例えば、短期間で売却を希望する場合や、仲介売却が困難と思われる物件の場合は、業者買取が適していると言えるでしょう。

ここからは、それらの点を踏まえて、不動産買取と仲介売却の違いについて解説します。

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違い1】不動産買取は仲介売却より価格が3割ほど低い

仲介売却と不動産買取の大きな違いの1つは、売買契約成立後に得る利益の大きさです。

仲介売却ではほぼ市場価格での取引となる一方で、買取の場合は価格が約7割程度まで下がってしまいます。

買取価格が下がる主な理由
価格が下がる理由 詳細
再販コストが利益から引かれるため 再販にかかるリノベ・リフォーム代などを差し引いている
状態の悪い物件も瑕疵の確認をせず買い取るため 状態の確認をせず、”状態が悪い箇所もある”前提での評価をしている
価格交渉などが行われるケースが少ないため 状態の悪い物件を”買い取ってもらう”ことが多く、売主側から希望価格を提示するケースなどが少ない
売主側に営業のプロがついていないから 高く売りたい素人VS安く仕入れたいプロ(不動産会社)の構図になるので、交渉が通りにくい

この価格差は、特に「現在の住まいを高く売却して、より良い住まいへの住み替えを目指す」という人にとって、大きなデメリットとなります。

売却価格が低くなることは、新たな住宅購入の際の頭金や、住み替えに伴う資金計画に直接影響を与え、希望する住まいへの移行を困難にする可能性があります。

違い2】不動産買取は仲介売却より短期間で売却ができる

不動産買取は最初から購入する相手(買取業者)が決まっており、申込から契約~引き渡しまで2週間~1ヵ月ほどとスムーズに進められます。

一方、仲介売却の場合は不動産会社と媒介契約を結んだあと、広告の作成・広告掲載などの販売活動、内覧の実施などをおこなう必要があるため、成約までに時間がかかります。(平均3~6ヵ月ほど)

不動産売却の利用者が気にしているポイント

株式会社グローベルスが不動産売却をした134名を対象に実施した独自アンケートによると、不動産売却をした人たちは「金額の高さ>売却の早さ」を優先していることがわかりました。

多少時間がかかっても(+6ヵ月程度)、相場と同じやそれ以上に高く売りたい 105名(78.4%)
多少価格が下がっても(相場の2割減程度)、できるだけ早く(依頼から換金まで2週間程度で)売りたい 29名(21.6%)
不動産売却をした人の優先度

実際に株式会社グローベルスが実施したアンケート調査によると、全体の78.4%が早く成約するよりも、価格が高くなることを希望するという結果になっています。

しかし逆に言えば、不動産を売る際に価格より早く終わらせたいという方が2割もいるということになります。こうした方には、買取がおすすめです。

違い3】不動産買取は仲介売却と比べて売れ残る心配がない

前述の通り、仲介売却は成約まで時間がかかるだけでなく、物件広告をみた購入希望者とのマッチングになるので、売れ残る可能性も十分にあります。

一方で、不動産買取の場合は、不動産会社が契約を断らない限りは売れ残るリスクはありません。

違い4】不動産買取は条件・状態の悪い不動産も成約しやすい

不動産買取では、買取業者は仕入れた物件をリノベや解体して再販する前提で価格を設定しています。

価格もその分下がってしまいますが、築年数が古い・欠陥がある物件なども売却しやすいというメリットがあります。

一方で、仲介売却の場合は、購入した中古住宅を新居として利用しようと考えている方も多いため、買取よりも不動産を選ぶ目は厳しくなります。

そのため、仲介売却で売れ残ってしまった物件を買取に出すケースも多いです。

不動産買取がおすすめのケース

不動産買取は、仲介売却とは違って、不動産を中心に買い取っている業者に買取依頼を出すので、売却活動を行う手間を省けるほか、仲介手数料の支払いがなくなるなどの吏員があります。

加えて、売却活動に割く期間も短期間で済みます。

これらの特徴から、不動産買取は以下のような場面で利用するのが好ましいです。

ここからは、上記リストで挙げた5つの場面について解説して行きます。

ケース1】離婚や転居するとき

離婚や転居を検討している時、不動産売却を急いで進める必要があります。

財産分与の実施は離婚から2年間の猶予がありますが、離婚から時間が経過するほど、共有者同士の話し合いは難しくなってしまいます。

また、転居の際も早めに住み替えをおこなわないと、仮住まいとの契約や家賃の支払いが発生してしまいます。

仲介売却で売却活動を行った場合、最短で3ヶ月、遅くとも6ヶ月以上の時間を要します。※

※売却プランや売出価格の設定次第で、よりスピーディな売却が可能なケースもあります

加えて、買い手が見つかるまでにかかる時間は、物件の状態や立地など、様々な要素で変わってきます。

また住宅購入時に住宅ローンを夫婦の収入を合算した形で契約した連帯債務を解消するには、抱えているローンを完済するしか点がありません。

これらの点を考慮すると、仲介売却で買い手を探すよりも、短期間で不動産問題が解決できる不動産買取に分があります。

短期間での売却が可能なうえ、急な生活の変動や移転に迅速に対応できます。

さらに、離婚の際には精神的な負担も大きく、スピーディに物件の取引を完了させることで、新しい生活に専念できます。

【完全ガイド】離婚に伴う家の財産分与の進め方は?移転登記の必要書類や離婚と相続の対応の違い・時効や税金などの注意点を解説

ケース2】相続税を納めるとき

亡くなった親族から不動産などの遺産を相続すると、相続税の納付が命じられます。

相続税は、一定の期間内に納付する必要があり、これに遅れると過料が発生します。

加えて、納税は原則、現金納付となっています。

相続税の納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内となっています。

相続を知った日から売却活動に着手すれば、仲介売却で不動産を現金に換金できますが、その間に相続人同士での財産分与の話し合いを行う必要があります。

この話し合いにかかる期間を売却活動の期間に加えると、あっという間に10ヶ月という時間が経ってしまう恐れがあります。

限られた時間内で納付を済ませるとなれば、手早く不動産を現金に換金できる不動産買取を選択するのが得策です。

不動産買取を選択すれば、資金確保が容易なうえ、相続税の納付がスムーズに行えます。

また、相続によって得た不動産が急に売却されると、相場よりも低い価格で取引されるリスクもあります。

相続した不動産の査定はどうやる?3つの依頼方法と4つの計算方法を解説

ケース3】解体が必要な築古物件を売却するとき

築古物件や改修が必要な物件は、一般市場での売却が難しい場合があります。

仮に、一般市場に出して買い手が見つかるとすれば、好立地に建っている物件に限定されます。

しかし、不動産買取専門の業者に依頼すれば、業者負担で不動産の取り壊しやリノベーション工事を物件の買取後に施す算段なので、築古物件を手放すのに最適です。

無論、取り壊しが必要と判断されれば、買取業者が負担する取り壊し費用の分だけ買取価格が安くなってしまいます。

空き家が売れない理由と対処法を解説!古い空き家は解体すべき?

ただし、状態がそこまで悪い訳ではない築古物件であれば、仲介売却で成約する可能性は十分あります。

年次 築0~5年 築6~10年 築11~15年 築16~20年 築21~25年 築26~30年 築31年~
2011年 8.4% 15.5% 17.1% 16.9% 14.2% 10.4% 17.5%
2012年 8.2% 15.1% 16.6% 16.9% 14.4% 10.3% 18.5%
2013年 7.6% 15.3% 16.0% 16.9% 14.1% 10.5% 19.6%
2014年 7.2% 14.8% 15.4% 18.2% 13.6% 10.6% 20.2%
2015年 9.0% 13.4% 15.5% 16.1% 13.9% 11.5% 20.6%
2016年 9.3% 13.3% 14.4% 16.0% 14.0% 11.6% 21.5%
2017年 9.2% 13.1% 14.8% 15.2% 14.3% 12.0% 21.4%
2018年 9.6% 12.7% 15.0% 14.4% 14.9% 11.9% 21.5%
2019年 8.4% 13.5% 14.2% 15.5% 15.2% 11.3% 21.9%
2020年 9.4% 14.1% 13.2% 14.1% 14.3% 11.2% 23.8%
2021年 11.3% 14.9% 12.8% 13.7% 12.8% 10.5% 24.0%

出典:REINS「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2021年)」

上記の資料にもあるように、築31年以上の物件は中古物件の購入を希望する方から好まれる傾向にあります。

ケース4】ローンや借金の返済を行うとき

金融的な困難に直面しているときや、迅速な資金調達が必要という場面に直面することもあります。

不動産を保有している場合、その物件を買取してもらうことで、迅速に現金を手に入れ、ローンや借金の返済が行えます。

特に金利や遅延損害金が膨らむ前に資金を確保することが、経済的損失を最小限に抑えられます。

また一部の買取業者では、リースバックという売却方法を行っているところもあります。

資金繰り問題を解決するために不動産売却を考えているなら、売却後も今の家に住み続けられるリースバックを利用するのが得策です。

リースバックの仕組みとは?メリット・デメリット・注意点をわかりやすく解説

ケース5】事故物件を売却するとき

物理的・心理的瑕疵などの影響で住み心地の良さを掻く事故物件の売却は非常に難しいと言われています。

主な瑕疵(欠陥)の例
物理的な欠陥 水漏れ・雨漏りや設備の故障・柱の腐敗や耐震性の不足 など
法律的な瑕疵 建築制限のオーバー、接道義務を果たしていない など
心理的な瑕疵 過去に自殺や殺人事件が物件内で起きた、近隣に指定暴力団事務所があった など
環境的な瑕疵 夜中を通して騒音や睡眠を妨害するレベルの振動があるエリアだった など

仮に買い手が付いた場合には、瑕疵に関する情報を開示しなければならず、売買契約成立後に開示されていない瑕疵が見つかれば、責任問題に発展します。

加えて、瑕疵の内容によっては、売却価格が低くなるほか、売却活動の時間も長期に及びます。

特に近年は2020年4月1日に民法が改正され、従来の制度では引き渡し後の売主への賠償請求にあった時効がなくなりました。そのため、瑕疵のある物件を売却するリスクは近年より大きくなっています。

民法改正後の内容
民法改正前の内容
項目 起算点と請求期間
① 債務不履行に基づく損害賠償請求権 権利を行使できると知った日から5年
権利を行使できると認められた日から10年
② 不法行為に基づく損害賠償請求権 損害および加害者であると知った日から3年
不法行為を受けた日および加害者が権利行使可能になった日から20年
③ (①②)による特則・生命・身体の侵害による損害賠償請求権 請求権の内容を知った日から5年
加害者が権利行使可能になった日から20年
項目 起算点と請求期間
① 債務不履行に基づく損害賠償請求権 加害者が権利行使可能になった日から10年
② 不法行為に基づく損害賠償請求権 請求権の内容を知った日から3年
不法行為を受けた日から20年

一方、不動産買取を利用すれば、取引価格は仲介売却時よりも安価になってしまうものの、事故物件を手放すことができます。

事故物件の所有名義から外れれば、固定資産税や都市計画税などの納税義務がなくなります。

ただし、事故物件を買い取ってもらう時、物件に見られる物理的・心理的瑕疵を告知しなければ契約そのものが破綻します。

事故物件買取・訳あり物件買取におすすめの業者ランキング!いわく付き物件でも高く買い取ってくれる28社を厳選

不動産買取の流れ

不動産を買い取ってもらうまでの流れを紹介します。

  1. 必要書類の用意
  2. 不動産相場を確認
  3. 不動産買取の査定依頼
  4. 売買契約を結ぶ
  5. 決済
  6. 確定申告の提出

不動産買取は、仲介に比べてスムーズに行われる為、事前に書類等を準備しておくとよりスムーズに買取を行ってもらえます。

買取の契約が完了した後も、確定申告の提出があるので忘れないようにしましょう。

【Step1】不動産買取に必要な書類を準備

不動産買取に必要な書類は買い取ってもらう不動産が家なのかマンションなのか、土地なのかによって異なります。

すべての不動産買取に共通して必要な書類は、例えば下記などがあります。

不動産買取の必要書類
  • 本人確認できる身分証明書
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 住民票

上記の書類は最低限必要で、建築設計図や物件の間取り図等が買い取ってもらう物件によって必要になります。

事前にどのような書類が必要が調べておきましょう。

不動産売却に必要な書類の種類・取得方法を紹介!売却依頼から決済・引き渡しに必要な書類を一覧で紹介

【Step2】不動産の売却相場を確認

不動産会社に査定してもらう前に、自分で不動産の相場を確認しておきましょう。

もし不動産会社に依頼して、予想以上に安く提示された時に指摘できるようにしておく事が重要です。

万が一、悪徳業者に会った場合対処できるので、査定してもらう前に自分で確認しておきましょう。

【Step3】不動産査定を依頼

個人で相場を把握したら、次に不動産会社に査定を依頼します。

不動産会社への査定は1社だけでなく複数社に依頼してもらうことが重要です。

査定方法は下記の2通りあります。

  • 簡易査定
  • 訪問査定

簡易査定は不動産会社の担当が物件に訪問する事無く査定を出してくれるので、最初は簡易査定をおすすめします。

優良不動産会社を絞り込めたら、訪問査定をしてもらいより細かく見て査定してもらいましょう。

【最新】不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気16社を厳選紹介

【Step4】売買契約の締結

不動産査定をしてもらい、買い取ってもらう不動産会社が決まれば条件の確認をします。

不動産会社を決める際は、買取価格は満足できるものなのか、本当に信頼できる担当者か確認して決断しましょう。

条件の確認は具体的なスケジュールや必要書類の確認を行うので、些細な分からない所も積極的に質問しておきましょう。

売買の条件に問題が無ければ売買契約を締結し、手付金を受け取ることができます。

【Step5】決済

不動産会社が買取金額を全て渡し、売主が物件を引き渡せば買取手続きが完了します。

一般的に銀行で行われます。

【Step6】確定申告の提出

不動産売却時の確定申告の流れ
【Step1】国税庁公式サイトから書類をダウンロード
国税庁公式サイト
【Step2】譲渡所得の内訳書を作成
譲渡所得の内訳書
【Step3】申告書B第一表の左半分を記入
申告書B第一表の左半分を記入
【Step4】申告書B第二表を作成
申告書B第二表
【Step5】申告書第三表に内訳書の記載を転記
申告書第三表
【Step6】申告書第三表の右上に算出した税額を記入
第三表の右上に算出した税額を記入
【Step7】申告書B第一表の右側を記入して完成
申告書B第一表の右側を記入して完成

不動産を売却することによって利益が出た場合は確定申告する必要があります。

不動産を売って損失になった場合も軽減措置を受けることができるので、税務署で確認をしてみましょう。

確定申告の提出を怠ると、最悪の場合税務署から通知が来てペナルティを受けるので注意しましょう。

不動産売却の確定申告は必要?申告の流れ・必要書類の書き方を完全ガイド【決定版】

不動産買取のメリット

不動産買取は仲介売却に比べると売却価格が低いのですが、下記のようなメリットがあります。

ここからは、それぞれのメリットを詳しく見ていきます。

メリット1】仲介手数料がかからない

仲介売却にかかる費用としてもっとも高額なのが仲介手数料です。

仲介手数料とは、仲介売却が成立した段階で業者に支払う報酬のことです。

この仲介手数料は、売却価格に応じて金額が決まっています。

取引額 仲介手数料(法定の上限額)
200万円以下 売却額×5%+消費税
200万円超400万円以下 売却額×4%+2万円+消費税
400万円超 売却額×3%+6万円+消費税

例えば家を1,000万円で売った場合、仲介手数料は39.6万円となります。かなりの高額ですね。

一方、不動産買取では仲介手数料は一切かかりません。

その分だけ買取価格は低くなりますが、売却の費用だけみれば買取のほうがお得なのです。

不動産売却の仲介手数料はいくらが相場?なぜ払うの?根拠・計算方法を解説

メリット2】仲介売却に比べて半年近く成約が早い

不動産買取の最大のメリットが換金までにかかる期間の短さです。

早ければ不動産会社に相談にいったその日に見積もり・契約をしてもらうことができ、最短2週間前後で売却し代金の受け取りが可能です。

遅くても1か月未満で買い取ってもらえるので、転勤間近で処分を急ぐ人などにおすすめです。一方、仲介売却は平均成約期間が3~6か月、場合によっては1年以上かかることもあります。

更に、仲介売却は相手あってのものなので、なかなか買い手が見つからないこともあります。不動産買取の場合は買い手がはっきりしており、早く結論が出せるのです。

メリット3】契約不適合責任が免除される

仲介売却の場合、引き渡しから一定の期間までにシロアリ・雨漏りなど未共有のトラブルが発覚すれば、買主は売主に賠償請求できるという決まりがあります。

この制度を契約不適合責任(民法第五百六十三条/商法第五百二十六条)といいます。

仲介売却は、契約不適合責任が無くなるまで安心はできないのです。

いっぽう不動産買取の場合は、契約不適合責任を免除した契約としますので、引き渡し後に売主が賠償する必要はありません。

早く処分して安心したい人はもちろんのこと、売却後に賠償などの不安をかかえたくない方にも買取は向いています。

メリット4】内覧のための掃除・簡易リフォームが不要

仲介売却では、売主が売り出し物件にリフォームなどを施す必要はないことが一般的ではあります。

しかし、実際はそうとも限りません。売り出されている類似物件が周辺にある中、買主は数件に絞り込み、あとは第一印象で決めていくのです。

買主の厳しい基準をクリアしようと思えば、掃除やリフォームをして、見た目をよくしておかないといけないため、費用がかかります。

高く売ろうと熱心な人ほど費用と労力を使ってしまいがちです。

いっぽう、不動産買取は100%そのままの引き渡しが可能なので掃除もリフォームも不要で、準備費用を0円に抑えることができます。

メリット5】不動産会社の適切な対応で納得できる

仲介売却の相手は一般顧客なのに対し、業者買取の相手は不動産会社です。

仲介売却では、強く値下げを要求してくる人や、素性が怪しい人に当たることも十分あります。

人によっては契約直前でキャンセルされたり、良い物件なのに売れ残ったりと、理不尽な目に合うこともないとはいえません。

そもそも売主と買主が一般の方どおしだと希望がまとまりにくかったり、無理な条件を出されたり、ローンがつかなかったりなどスムーズにいかずに苦労をすることもあります。

その点、不動産買取はプロが適正価格で買い取ってくれるので不満が残らないのです。

また、引き渡しまでのスケジュールも業者が無理がなく、スムーズに行えるようにサポートをしてもらえるので安心です。

メリット6】売却の情報を周りに出さずに売れる

不動産買取は不動産会社と依頼者のやり取りで進んでいきます。

物件の訪問調査でも、調査員は社名を隠した車でこっそり来てくれるので、気づかれても周りからはリフォーム業者と見分けがつきません。

いっぽう、仲介売却はレインズやSUUMOやアットホームといったアクセスの多いサイトに売出情報を掲載します。

また、近所に買主募集のチラシを配ることもあります。

仲介売却を依頼すれば、近所の人に知られず引っ越しをするのは困難だと言えるでしょう。

それに比べて不動産買取は売却の情報をオープンにせずに不動産会社と依頼者の間で契約を進められますので、周りに情報が知られることなく売却することができます。

メリット7】引き渡し後の資金計画が早く立てられる

仲介売却では値引き交渉があったりするため売買代金を決めて、買主と契約を交わすまではいくらが手元に残るのかはわからないといえます。

査定額のまま売り出しても、途中で下げたり、買主からさらに値下げを要求されたりすることは応々にしてあることなのです。

いっぽう、不動産買取は最初の査定額と実際の買取価格はほぼ同じなので、売買代金をどう使うかの計画を早めに立てることができます。

売り出し価格は仲介売却のほうが大きいといえますが、契約が終わるまでは金額が確定していないため、次の手続きを進めることはできません。

よって流動的な仲介売却よりも、確実な不動産買取を選択することで早く計画が立てられます。

不動産買取のデメリット

不動産買取には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

一つずつ見ていきましょう。

デメリット1】売却価格が安くなる

不動産買取の最も大きなデメリットが、仲介売却に比べて価格が下がってしまうことです。

買取を依頼すると仲介売却に比べて価格が7割前後まで下がるので、不動産の平均価格帯を考えると数百万円の差があることも珍しくありません。

不動産は多くの一般人にとって所有している最も高額な資産であり、ほぼ全ての方が少しでも高い価格で売れたほうが良いと思っているでしょう。

不動産の売却相場はいくら?価格の調べ方や相場の推移・変動要因について解説【最新】

デメリット2】価格に納得できないことがある

家の買取価格は、各社が査定して提示するため、決められた金額はないのです。

仲介売却の場合、過去の取引事例や周辺の売り出し価格も鑑みて設定されます。

仲介売却は不特定多数に対して売り出すので、合理的な価格設定により買主を探して売買を成立させなければなりません。

不動産買取の場合は不動産会社と売主の合意による契約になるので、他の事例を参照するよりも、物件自体の査定により価格が決められます。

再販する前提のもとに買い取りしますので、それを見越した価格設定となりますが、売主にとっても早期に確実に売却できるとはいうものの、安くなること自体、納得できることもあるかもしれません。

デメリット3】誰の手に移ったか分かりにくい

買い取ってもらった不動産はその会社の手によってリフォームされ、再販される訳では必ずしもありません。

買取後に他の業者へ転売される事例も少なくありません。

愛着のある不動産が最終的に誰の手へ渡ったか分からないことにたいして、不満を覚える方もいるでしょう。

低い価格で買取をおこない、他社へ高値で転売している業者もいますが、売主は売却後のことについて、意見を言う立場にはありませんので、不安や不満となるかもしれません。

買取に向いていない不動産の特徴

中には、不動産買取をすると明らかに損をする不動産もあります。

買取に向いていない不動産には、大きく分けて2つの傾向があります。

買取に向いていない不動産

価値・人気の高い不動産

築年数の浅い建物や、アクセスが非常によい不動産は非常に高値で売れる可能性があります。

こうした不動産はあえて買取に出すより、じっくり仲介売却をおこない希望価格で売却するほうが損はないと言えます。

仲介売却をしたくても、近く転勤などがあるなら、引っ越し後に元住居を仲介売却でじっくり売っていくことがおすすめです。

先に引越ししてしまうことは一般的には不利と言われていますが、人気の物件なら引越し費用を全て回収しても余るくらいの金額で売れます。

引っ越し後にゆっくり売却しても損はないため不動産買取でなくてよいと言えます。

再販の難しい不動産

敷地が分割できない大きな土地など、不動産会社が再販しにくいものは買取を断られることもあります。

買取のハードルは仲介売却よりずっと低いので、買取を断られると仲介で売れることもない状況になります。

ただ、特定の備付設備のリノベーションに業者が対応しておらず買取を断るケースもありますので、この場合は他社なら売れる可能性もあるので、あきらめずに相談してみましょう。

不動産買取を選ぶべき人

時間に余裕がない

時間に余裕がなく、早めに物件を処分したいなら迷わず不動産買取を選ぶべきでしょう。

時間に余裕がないケースは転勤間近な場合が多いのですが、兄弟と不動産を共有相続した時や、離婚後に夫婦名義の物件を持て余している時なども当てはまります。

例えば、実家を3兄弟で共有相続したにも関わらず、結局最後まで親と同居していた3男が家を独占しており、他の兄弟が不満を持つパターンなどです。

こうした場合は家を独占している人には明け渡しに協力してもらうことが必要ですが、買取に出して早めに換金すれば文字通り均等分割できるので、トラブルをスムーズに解消できます。

共有名義の不動産を売却する方法とは?売却時にかかる諸経費や売却前に行う決め事について解説

利益をあまり気にしていない

「どうせ、うちのボロ家は高く売れないから、処分できれば何でも良い」と考える人は意外にあることでしょう。

価格にこだわりがないなら、早期に処分できる不動産買取がおすすめです。

しかし、何も考えず不動産買取を選ぶ人の中には、仲介売却に比べて買取価格が低いことを知らないケースも多々あります。

何も考えず買取を選び、後から後悔することのないようにしましょう。

いつまでにお金が必要か確定している

まとまったお金が必要なイベントが1年以内にあるなら、不動産買取を選ぶのが無難です。

仲介売却にかかる期間は平均3~6か月と言われていますが、いつ売れるかは不確定なので1年経っても売れ残っているケースもあるかもしれません。

それでも希望額での売却を求めたいなら、最初に仲介売却で売り出し、期限が来たら買い取ってもらう買取保証サービスがおすすめです。

売却準備に力を入れられない

仲介売却は買主を見つけないといけないため、内覧で気に入ってもらおうとしたら、掃除・整理整頓・リフォームなどやることにはキリがありません。

立地条件の良い物件でも、中が非常に汚れていれば売れないこともあります。

整理整頓などの売却準備に時間が使えないなら、買取を選ぶのも一つの手です。

不動産の築年数が古い

頑丈で良い間取りの建物でも、築年数が30年、40年を超えていれば高いお金を払って住もうとは思わないものです。

築古でも状態が良ければ売れる可能性はありますが、成約までには時間がかかると思っておいた方が良いでしょう。

仲介売却に期待することがないのであれば、築古物件は業者に買い取ってもらうのが無難です。

古い家を売る方法10選!築40年超の売れないボロ屋も売却するコツ

売却を知られたくない理由がある

「プライバシー徹底保護の上で仲介売却します!」とPRする業者はいますが、販売営業をしていく上でどうしても情報は漏れてしまいます。

人に知られたくない理由があり、こっそり引っ越したいという方は買取を選ぶ必要があります。

仲介売却で失敗した

仲介売却は難易度が高く、希望額で売れないなどのケースも多々あります。

けれども、一度仲介売却で売れなかった不動産でも買取に出せばスムーズに換金できる可能性もあります。

不動産買取を選ぶべきではない人

何より高く売れることを優先したい

高額売却を第一の目標にしているなら、迷わず仲介売却を選択しましょう。

時間はかかってしまいますが、買取価格よりも高い価格で売却できると言えます。

時間的な余裕がある

「自分は特にお金はいらない」という方でも、引き渡し後にかかる細かい引っ越し費用や将来の生活費を考えると、少しでも高く売るに越したことはありません。

人生のうちで数千万円のお金が入ってくるチャンスは、家を売るときだけかも知れません。

時間に余裕があるのであれば、まず仲介売却を検討しましょう。

内覧が来ても気にならない

業者の仲介で売り出すと、希望者が内覧に訪れるようになります。

大変ですが、基本的には内覧のたびに掃除・整理整頓をして見栄えをよくするのが理想的です。

また、中には食事時に内覧に来たりするのを嫌がり、借家に一度引っ越して空にしてから内覧を募集し、売れたらそれを元手に新居を購入して再度引っ越す…という人もいます。

しかし、この方法は余分にコスト(家賃や往復の引っ越し代など)がかかるのでおすすめできません。

内覧が来ても気にしないような性格の人のほうが仲介売却に向いているのかも知れません。

ハウスクリーニングなどの費用をかけてもよい

前述の通り、購入希望者に気に入られるには様々な準備をしても、やりすぎるということはありません。

でも、準備費は売れるかどうか分からない段階で費用をかけていきますので、負担は大きいですし、費用をかけたくない人には向いていません。

仲介売却を臨むなら、ハウスクリーニングなどの諸準備用のお金が少なくても15万円前後用意できていることが理想的です。

不動産の築年数が浅い

不動産の価値に影響する最も重要な項目は築年数です。

築年数が15年以下の物件なら、仲介売却で早く高く売れる可能性が大きいです。

逆にこうした築浅物件を買取に出すのは損になるかもしれないため注意しましょう。

人気のエリアに不動産がある

都圏や地方の大都市、そのベッドタウンにある不動産は高く売れる傾向にあります。

こうした物件も仲介売却でじっくり高く売ることをおすすめします。

不動産買取を成功させる方法

不動産買取はどこに依頼しても結果は同じと考えている人も多いのですが、依頼する会社により価格が違うのです。

いつまでにいくらで買い取るかというのは各不動産会社の査定により決まる部分が大きく、会社の独自の査定や判断で価格が決まると言えます。

地方だと不動産関係の手続きは全て地元の不動産会社1社に依頼しているという方も多いのですが、買取に出す際は、この方法はおすすめできません。

必ず複数社の査定額や対応を比較するようにしましょう。

一般的に中古住宅の建物の評価額は、次の計算式で計算することができます。

建物の減価額=再調達減価×経過年数÷耐用年数

※耐用年数については木造住宅については20~25年を設定しています。

参考:【指針参考資料2】中古住宅の建物評価の実態①

方法1】買取価格の提示から換金スピードまでの期間を把握する

買取価格は査定を依頼する不動産会社によって異なります。

参考にするデータや実績の違いが、価格に反映されるからです。

特に買取価格は本来の価値から再販費用を引くので、リフォームに対してどんな方針を持っているかも重要です。

業者のリフォーム方針 売主への影響 再販時の買主への影響
骨組みから徹底的に見直してリフォーム マイナス(利益が大きく引かれてしまう) プラス(安心して住むことが出来る)
もともとの物件の良さを生かして最低限のリフォーム プラス(利益の下がり幅が小さい) マイナス(安全性に不安が残る)

また、申込からどれくらいの期間で換金してくれるかも不動産会社によって異なり、最短翌日のところから3週間以上のところまで様々です。

また、公式サイトに上記のように書いてあっても、物件の状況や営業マンが抱えている案件の数によってはもっとかかるケースもあるので注意しましょう。

方法2】不動産会社が実施している不動産買取の特典・キャンペーンを把握する

不動産会社によっては、契約してくれた人向けにキャンペーンを実施しているところもあります。

買取を成功させるのが第一ですが、どうしても2、3社で迷って選べないならこうしたキャンペーンで選ぶのも一つの手でしょう。

方法3】少しでも高く買い取ってくれる不動産会社を探す

買取相場は実際価格の6割ほどですが、不動産会社によっては8割前後で買い取ってくれるところも存在します。

再販のためにはリフォーム代が必要になりますが、企業努力で最低限の値引きで済ませているところもあります。

ホームページで「買取相場と仲介相場の間を目指しています!」と宣言する買取業者もいるので、しっかり探してみてはいかがでしょうか。

方法4】不動産買取保証サービスを利用する

買取保証制度

最近大手不動産会社がはじめた新しいサービスに「買取保証サービス」があります。

これは売り始めてから一定期間は仲介売却をおこない、期間を過ぎたら不動産会社に買い取ってもらう方法です。

短期間だけ高額売却にチャレンジでき、同時に売れ残りも防ぐことのできる一石二鳥のサービスとなります。

仲介売却にチャレンジできる期間は1.5か月や3か月のところ、自分で期間を選べるところもあり様々です。複数社の設定する期間を見比べるようにしましょう。

買取保証サービスに対応していない不動産会社もまだまだ多く、大手中心となっています。大手不動産会社のランキングをこちらにまとめてあるので、併せてお読みください。

マンションの買取保証サービスは本当にお得?メリット・デメリットを解説

方法5】不動産一括査定サイトで買取査定額を比較する

不動産一括査定サイトの仕組み

複数社の買取査定を簡単に比較できるサービスが一括査定サイトです。

簡単な物件情報を入力・送信するだけで平均最大6社に一括で査定依頼をすることができます。

不動産買取では査定額と実際の買取価格がほぼイコールなので、比較して査定額の高いところに買取依頼をすれば確実にお得です。

仲介売却だと手数料欲しさに査定額を吊り上げることもありますが、不動産買取は仲介手数料が必要ないので、こうした悪徳商法を受けることはあまりなく、安心して利用できます。

不動産売却では査定額だけ高い・相場より高すぎる業者に注意しよう!見積もり額だけで選ぶべきでない理由と対処法

信頼できる不動産買取業者の選び方

不動産の買取価格は不動産会社によって異なります。

これは不動産の見方・評価が不動産会社によって異なるというのもありますが、少しでも高く買い取りたいというモチベーションの有無も大きく関係しています。

また、不動産会社がどんな物件の買取を得意としているかでも、結果は変わってきます。

自分の不動産を高く買い取ってくれる不動産会社を探すには、どこに注目すれば良いのでしょうか?不動産会社選びのポイントを紹介していきます。

選び方1】各社の買取査定を比較する

まずは、買取査定を複数社に依頼し、その金額を比較してみることがおすすめです。

買取の場合は査定額と実際の売買価格はほぼ同額なので、比較すればするほど成功率は高まります。

また、買取に出す際は契約をして、引き渡せばそれで終わりです。

買取は仲介売却のように相続・税金の相談や書類作成、説明、検査・保証といった様々なことを求められないので、査定額で比較しやすいという側面もあります。

買取査定は無料なので、大手、中小のさまざまな不動産会社へ気軽に依頼してみましょう。

選び方2】不動産タイプ別の買取実績を確認する

不動産会社によっては、買い取る物件はほぼ全て家、ほぼ全てマンションというところもあります。

過去の買取の99%がマンションの不動産会社に一戸建て買取を依頼するのは専門外として避けたいのですが、依頼すると一戸建て買取は出来ない訳ではないので、間違って買取依頼をすればどんどん手続きを進められてしまいます。

さらにややこしいのが、買取業者の多くが公式サイトに「昨年の買取実績は驚きの〇〇件!」というように、不動産タイプに触れず件数だけ述べていることです。

都会の1Rマンションやアパート買取をメインにやっているところが件数は多くなりやすいので、特に一戸建て買取の場合は公式サイトの言葉に惑わされないようにしましょう。

タイプ別の実績を聞くのは別にタブーではないので、勇気を出して質問してみましょう。

選び方3】物件の短所・長所を素直に伝えてくれるか確認

不動産会社に相談しにいくと、「その物件は非常に良いので今すぐ買取に出さないと損ですよ!」と強く契約に流されるケースもあります。

こうした押し売り系の不動産会社は物件の短所や買取のデメリットをあえて教えず契約を結ぼうとするので危険です。

「この物件は設備が故障しているので相場より少し安くなりますね…」とか、「この物件なら仲介売却に出した方がいいですよ…」とかを正直に言ってくれる不動産会社のほうが信頼できます。

客観的に不動産を見て評価できるということは、相場勘や観察力に優れていることになります。

この2点が備わっている会社ほど、適正価格で買い取ってくれる可能性は高いです。

選び方4】査定価格の根拠がしっかりしている

査定額の根拠が初心者でも納得できるくらいしっかりしていることも重要です。

買取の話し合いは直に当事者間でおこなわれるため、安い価格を提示されても拒否できるのはあなたしかいません。

必ず査定額の根拠を、納得できるまで質問しましょう。

選び方5】優良不動産会社は大手・中小関係ない

買取不動産会社を知名度・人気だけで決める人もいますが、会社の規模と買取価格はあまり関係がありません。

大手支店の査定額より、近所の老舗業者の査定額のほうが高いケースは山ほどありますし、中小=実績がないという結び付けは危険です。

確かに大手の資金力は魅力ですが、地域密着型の中小には詳しい地域の知見や、地域の独自ネットワークといった強みもあります。

まずは大手、中小という偏見を持たず、フラットな目線で業者選びをすすめていきましょう。

不動産買取で事前に知っておくべきポイント【ケース別】

不動産買取では、買い取ってもらう不動産によって知っておくべきポイントが異なります。

今回は、家・土地・空き地の場合と状況別に知っておくべき事をまとめました。

どの不動産を売る予定なのか把握した上で、知っておくべき事を把握しましょう。

家の買取の場合

家の買取で注目すべきてポイントは他のジャンルと共通しています。

  • 仲介より安い価格を提示される
  • 買取できない物件もある
  • 複数社見積もりして最善価格をだす

家での買取は、物件の状況によっては買取をお断りされる土地も存在します。

土地の買取の場合

土地の買取はマンションと異なる部分に注目しなければなりません。

  • 土地の測量
  • 古家の有無は価格にあまり関係ない

土地はマンションのように一室を売却する方法ではない為、土地の測量が必要です。

土地の広さによって価格が異なるので重要です。

また土地の面積は登記簿に記載されていますが、年月が経つと土地が変化している可能性もあるので、売却する前に測量してもらった方が正確です。

ただし、実際は不動産会社が買取した後に確定測量をしてくれる所が多いので個人で測量しなくても問題ないです。

土地の買取は、土地に古家があっても不動産がそのまま買い取ってくれるケースが多く、売り手が苦労する可能性は低いです。

空き家の買取の場合

空き家は古い物件が多く、他の物件より売れにくいです。

  • 更地にして売却すると価値が高くなるが解体工事の費用が発生する
  • リフォームして売却すると売れやすくなるが費用がかかる
  • 第三者に譲渡すると無償譲渡になる可能性が高い

空き家の買取は、様々な条件によって買い取って貰える・もらえないケースが異なります。

買い取ってもらったとしても、買取は売却金額が5~8割下がってしまう恐れがあるので注意しましょう。

不動産買取保証(売却保証)とは?

最近、対応する不動産会社が増えているサービスに、買取保証サービスがあります。

買取保証とは、最初は仲介で売り出し、一定期間を過ぎても売れなかったら業者が直接買い取ってくれるという仕組みです。

売主の中には、仲介売却に挑戦したいけど転勤期限が近くて売れ残るのが怖いという方がいます。

買取保証の場合は売れ残るリスク0で高額売却に挑戦できるので、大きなメリットと言えます。

買取保証を依頼できる不動産の条件

買取保証が出来る不動産は、一定水準以上の条件をクリアしている必要があります。

もともと売れる見込みのない物件は買取保証の対象にならないことが多いので注意しましょう。

買取保証の条件として良くあるものは以下の内容です。

項目 制限
対応エリア 特定の営業エリア内
対象 戸建て・土地・マンションのみ
広さ 敷地面積40㎡以上、専有面積30㎡以上
築年数 築30年以内
媒介条件 専属専任媒介契約
売却保証額 査定した価格の〇%

買取保証を依頼するリスク

買取保証を依頼する場合は注意が必要です。

まず、買取保証制度を利用する場合は専属専任媒介契約を結ぶため、途中での契約解除や業者変更が難しくなります。

何となくお得感のある仕組みですが、結果的に買取になれば、価格は下げられるため予定した金額は、売主には入ってきません。

中には買取保証を結ばせた上であえて安く自社買取できるよう営業活動を制限し、買取後に他社へ高く転売するケースもあるので注意しましょう。

不動産買取の注意点

不動産買取にはメリットとデメリットがあるので、自分に合った方法で家を売却するのが一番です。

しかし、不動産買取をしてもらう際には、次の点に注意しましょう。

買取してもらえないこともあるので、事前に確認が必要です。

以下にそれぞれ解説していきます。

注意点1】不動産の状態・条件によっては買い取ってもらえない

不動産会社によっては、築年数の古い物件や状態の悪い物件を買取してもらえないことがあります。

特に築年数が古くて評価額がほぼないケースは、買取対象にならないこともあるので気を付けましょう。

状態が悪い物件でもリノベーションやリフォームをすれば買取してもらえる可能性はありますが、改修工事をする前に不動産会社に確認しておいた方が良いです。

リフォームやリノベーションは費用が数十万円~数百万円かかるため、改修工事後の価格が付かない場合は損になります。

注意点2】住宅ローンを完済しておく必要がある

家を売却する際には住宅ローンを全額返還して抵当権を抹消する必要がありますが、買取してもらう場合でも同じくローンを返済しなければなりません。

買取価格よりも高額の住宅ローンが残っている場合は、自己資金で補う必要があります。

買取は仲介を頼むよりも売却価格が安くなってしまうので、住宅ローンが返済できない可能性が高いです。

買取をしてもらう際はできるだけ高額買取してくれる不動産会社を選びましょう。

それでも資金面で不安がある場合は、仲介を選ぶようにしましょう。

ローンの残ってる家を売る方法!残債のある戸建てを売却するコツと完済できない時の注意点

注意点3】地域の知見がある不動産会社に依頼する

不動産会社に買取してもらう場合、依頼する不動産会社は地域のことを理解している不動産会社にしましょう。

ほとんどの場合は地元に強い小中不動産会社か、全国展開してノウハウを持っている大手不動産会社に頼むことになりますが、中には別地域の不動産会社から連絡をもらうこともあります。

別地域の不動産会社は地域の買取価格を知らないため、ネット上の過去情報だけで買取価格を提示してきます。

そのため相場から外れていることが多く、安値で買取されてしまう可能性が高いです。

不動産の買取を頼む際は地域の不動産会社か大手で全国展開している会社、または専門の不動産買取業者に頼みましょう。

不動産買取と仲介売却の選択で迷ったときの判断ポイント

不動産の売却方法には、仲介売却と不動産買取など、様々な売却方法があります。

物件を売却するなら、仲介売却で売却するのがセオリーですが、物件の状態や売主の事情次第では、不動産買取やリースバックなどの方法を選択した方がいいこともあります。

ここでは、冒頭で取り上げた「不動産買取を選ぶべき人」と「不動産買取を選ぶべきではない人」を踏まえて、不動産買取と仲介売却の選択で迷ったときの判断基準について解説します。

売却後に得られる利益よりも物件を手放すことを優先するなら買取がおすすめ

不動産買取は、業者が直接不動産を購入する形式をとるので、売買におけるプロセスが非常にシンプルでスピーディです。

不動産買取を利用は、何らかの理由で急ぎの資金調達が必要な時や、煩雑な手続きを避けたい時などの場面に有効です。

また、不動産買取は業者相手に買取取引を締結させるので、確実性を持って不動産売買が行えます。

一方で、物件の評価額は仲介売却に比べやや低めに設定されるケースが多いので、高値で売りたいなど、利益を第一に考えている方が利用する方法ではありません。

時間にゆとりがあり利益優先の方は仲介売却がおすすめ

仲介売却は、不動産業者が仲介となって、物件を市場に出して売却を目指す方法です。

この方法の最大の利点は、市場価格での取引に期待できることです。

時間をかけて適切な買い手を見つけることで、最大限の利益を求めることができます。

ただし、市場の動向や物件の人気度によっては売却までに時間がかかる場合があります。

そのため、時間的な余裕があるかつ、最大の利益を追求したい方に向いている方法です。

買取保証なら両方法で物件の売却が進められる

買取保証とは、一定期間内に物件が売れない場合に、不動産業者が指定された価格で買い取るというサービスです。

これにより、仲介売却の方法で市場価格を試みつつ、一定期間内に売却が成立しない場合のリスク回避ができます。

買取保証を活用することで、物件の最大価値を追求しながらも、最悪のケースでも確実に手放せる安心感が得られます。

この方法は、最大の利益とスピーディな取引のバランスを求める方におすすめです。

不動産買取に関するよくある質問

人生の内に不動産買取を何度も利用する人はとても少ないです。

人によっては、人生の内に1度も経験しないという人もいます。

不動産買取を成功するためにもよくある質問をしっかりと確認して、失敗しないようにしましょう。

不動産買取にかかる期間は?

利用する不動産買取業者によってもことなりますが、査定の依頼をしてから約1週間で不動産買取ができます。

登記移転に必要な資料や物件の情報が記載している資料を事前に準備しておくことで、スムーズに不動産買取を行う事ができます。

最短で3日で買取ができるとうたっている企業もあるので、急遽売却する必要がある場合は不動産買取を利用して売却するようにしましょう。

不動産仲介の場合は最短でも数か月の期間が必要です。

不動産の買取時にかかる費用は?

不動産の買取時にかかる費用は、司法書士報酬と印紙代です。

※会社によっては他の費用が発生するケースあり

直接不動産買取業者に売却をしているので、仲介手数料などの費用が発生することなく売却ができます。

不動産売却をした年は、確定申告を忘れないようにしましょう。

不動産売却の費用・手数料を一覧で紹介!諸費用の金額相場・計算方法

物件にキズや凹みがあっても買取をしてもらえる?

不動産買取は再販を前提としているため、表面のキズや凹みは問題ないとみなされるケースがほとんどです。

ただし、状態の悪い物件を買い取ってもらえるかどうかは、各買取業者の判断次第となります。

不動産買取業者の中には、訳あり物件などに特化している企業もあるので物件が傷んでいる場合は、傷んでいる物件の買取に強い不動産買取業者を利用しましょう。

買取が決まった後に引き渡すまでの期間は?

不動産買取が決まった後に物件を引き渡すまでの期間は、一般的に1カ月が目安となります。

早めに換金したい、住み替えのために引き渡し日を調整したいという方は、スケジュールを買取業者と相談して調整することも可能です。

また、引っ越し代が必要な場合は相談によっては売買代金を前もって一部支払ってもらうことも可能です。

買取業者によって対応が異なるので、まずは相談をしてみましょう。

家財道具もそのまま処分してもらえる?

基本的に不要な家具は処分が必須ですが、買取業者によっては、不要な家具はそのままにして不動産買取をしてくれる業者もいます。

買取業者によって、対応が異なるので家具をそのまま不動産買取したい場合は、不要な家具処理も対応してくれる業者を選ぶようにしましょう。

家の査定の注意点40選!失敗しないために知っておきたいリスクと対処法

備え付け設備が故障している場合は修理が必要?

備え付け設備が故障している場合、買取に出す前に売主が故障している箇所を修理する必要はありません。

不動産買取業者が修理やリフォームをしてから売却をするためです。

特に水回りは、経年劣化や摩耗によって破損がしやすいです。

修理してから不動産買取をした方が高く売却できると考える人もいますが、修理にかかった費用以上に買取価格があがるかどうかは、買取業者や設備のグレードに左右されるので、むやみやたらな修理はしないようにしましょう。

不動産買取のほうが得するか状況を考えて検討しよう

最初に説明をした通り、不動産会社に直接買取を依頼する人の件数は近年増加しています。

これは、引渡し・換金までスムーズにおこなえる、物件広告などから売却中であることを周囲にバレる心配がないといった特色と、売主の要望や物件の状況が合致するケースが増えていることや、不動産買取という手法の認知度が上がってきたことが理由です。

一方で、不動産買取は時価よりも成約価格が下がるという大きなデメリットがあるので、注意が必要です。

事前に、本当に不動産会社に買い取ってもらうのが良いかどうかを慎重に考えて判断しましょう。

 

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