運営:株式会社グローベルス [国土交通大臣免許 (04)第007845号]
戸建て売却

実家買取で売れない空き家を現金化するには?買取の流れと注意点【後悔しないポイント】

実家 買取
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

築30~40年の実家を急に相続しても使い道がなく、処分したいという方は多いです。

国土交通省「空き家などの現状について」(平成25年)

国土交通省の「空き家などの現状について」(平成25年)によると長期不在・取り壊し予定などの住宅の割合は全国平均5.3%と20世帯に1世帯は実家の空き家問題が発生しています。

実家は空き家として放置しておくと劣化などの問題が発生してしまうため、早めに売り払ってしまうことをおすすめします。

築年数が古く、状態が悪い物件は仲介で売り出しても、なかなか買い手が見つかりません。こうした物件は、不動産会社に買い取ってもらうことをおすすめします。

今回は実家買取の方法、ポイントを詳しく説明していきます。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定

売れ残った実家は早めに処分すべき理由

理由1】放置していると固定資産税や管理費がかさむ

Webサイトに広告を掲載して売り出していると良いように見えますが、売れない限りは放置しているのと何ら変わりはありません。

不動産会社や知り合いなどが管理してくれないと、庭の雑草は伸び放題になり、柱もどんどん腐食されていきます。

また、放置していてもあなたが実家の持ち主である限り、毎年の固定資産税がかかってきます。その他にも、物件を所有することで様々な維持費がかかります。

築30年・木造2階建ての住宅の管理コスト(想定)
コスト 計算式 想定額
固定資産税(建物部分) 固定資産税評価額×1.4% 約10万円
固定資産税(敷地部分)
  • 固定資産税評価額の6分の1(土地が200㎡以下)
  • 固定資産税評価額の3分の1(土地が200㎡超)
約5万円
都市計画税(建物部分) 固定資産税評価額×0.3% 約2万円
都市計画税(敷地部分) 固定資産税評価額×0.3% 約900円
火災保険料 約1万円
光熱費・水道代 約2万円
交通費(年2回赴くことを想定) 指定席(片道:10,570 円)で2往復を夫婦で行くと想定 約8万4560円
合計 28万5460円

上記のケースはそれでも物件に赴き、気にかけていますが、2023年12月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」では、管理者がいる空き家でも、管理が行き届いていない空き家(管理不全空き家)は国や自治体により空き家指定されることになりました。

空き家認定を受けると、住宅用地の特例措置の対象外となり、固定資産税の支払いが6倍になります。

住宅用地の特例措置

住宅用地には課税標準の特例措置が設けられており、税負担が軽減されています。住宅用地の特例措置を適用した額(本則課税標準額)は、住宅用地の区分、固定資産税及び都市計画税に応じて下表のとおり算出されます。

用地 区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200m2までの部分 価格 × 1/6 価格 × 1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 価格 × 1/3 価格 × 2/3

引用:東京都主税局HP「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

理由1】悪臭の発生や不法侵入・放火のターゲットになる

古いタイプの戸建て住宅を放置すると、S字の水道管のカーブ部分に腐った水などが溜まり、周囲に悪臭を発生させることが良くあります。

古い家の下水のS字管

また、不法侵入や放火などの犯罪のターゲットにもなりやすくなってしまいます。

故意の火災ではなくても、空き家は近くに管理者がいないため、消防署への通報が遅れて火災が広がりやすいというリスクもあります。

売れない古い実家には買取がおすすめな理由

売れそうにない実家は不動産会社に直接買い取ってもらうのがおすすめです

買取をおすすめする理由は何なのか、ここから3つのメリットを紹介していきます。

理由1】条件の悪い物件も買い取ってもらいやすい

不動産会社は古い住宅などを買い取った後に、解体・更地化をして、場合によっては新しい建物を建てた上で再販をします。

つまり、不動産会社による買取は、再販するための土地の仕入れという側面が強いです。

そのため、状態の悪い空き家などでも、仕入れる価値があると判断されれば、スムーズに買い取ってもらうことが出来ます。

理由2】換金化が早く処分もスムーズ

不動産会社による買取は、最初に査定額(買取価格)を提示してもらい、引渡し・代金受け取りまでのスケジュールも共有してもらうことができます。

依頼から引渡しまでのスケジュールは最短2ヵ月~1ヵ月と非常にスムーズです。

仲介売却は引き渡しまで平均3~6ヵ月と言われますが、実際は状態の悪い空き家などで、数年売りに出しても買い手がつかないケースが多々あります。

理由2】遠方の実家もスムーズに売買できる

遠方の実家を仲介売買する場合、現地の買主が持ち主(売主)に説明を求めるケースもあります。

不動産売買はどうしても買主優位なので、希望されたら時間を見つけて現地に赴かなければいけません。

一方、業者買取は現地に赴く心配がありません。遠方の不動産会社に買取依頼の電話をすれば、向こうで動いてくれます。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定

実家買取を依頼するタイミング

実家の買取を依頼するタイミングは、大きく分けて以下の3ケースが多いです。

  • 実家を相続したタイミング
  • 親が介護施設に入ったタイミング
  • 実家を畳むタイミング

一つずつ見ていきましょう。

相続した不要な実家を買取に出すタイミング

相続した使い道のない実家をそのまま放置しても、固定資産税がかさむだけで何のメリットもありません。

この場合、実家を早めに買取に出すことでコストの支払いをなくすことができます。

親が介護施設に入ったタイミング

高齢の親が施設に入るタイミングで、実家を買取に出す方も多いです。

生前のうちに実家を整理できる他、施設へ入る時にかかる費用を工面することができます。

ただ、この場合、実家の所有権は親にあるので、その意思は尊重する必要があります。

もし認知症などで判断能力がないと見られた場合、正当な代理人として認められる必要があります。

実家を畳むタイミング

親と同居するため、今の実家を買取に出して二世帯住宅の新居を建てる計画の方も多いです。

築年数が古い実家は、仲介売却よりも買取に出すほうがスムーズに売れやすいです。

実家買取の流れ【6Step】

実家買取の流れは、大きく分けて以下の6ステップとなります。

  1. 事前準備
  2. 買取査定の依頼
  3. 買取価格を提示される
  4. 打合せ・交渉
  5. 契約
  6. 決済・引き渡し

基本的には不動産会社に来店相談をしたら、彼らのガイドに従って手続きを進めていけば良いです。

ただ、事前に実家買取の全体像を知っておくことで、スムーズに手続きが進む他、買取を成功させやすくなります。

ここからは、一つ一つのステップを手順に沿って解説しています。

Step1】事前準備

実家買取を依頼する前に、相場調査や書類準備などを進めていきましょう。

実家買取に必要な書類は業者によって異なりますが、基本的に以下の書類がいつでも取り出せる状況にしておけば、問題はないでしょう。

  1. 売買契約書
  2. 登記済権利証
  3. 身分証明書
  4. 実印
  5. 印鑑証明書
  6. 固定資産税納付書/固定資産税評価証明書
  7. 銀行口座書類
  8. ローン残高証明書
  9. 住民票
  10. 土地測量図面/境界確認書
  11. 建築確認通知書/検査済証
  12. 建築設計図/工事記録書
  13. 耐震診断報告書

Step2】買取査定の依頼

準備が済んだら、買取業者に査定を依頼しましょう。

この時、不動産一括査定サイトを利用すると複数社へスムーズに査定の依頼ができます。

実家買取の場合は査定額と利益がほぼイコールなので、できるだけ複数社に査定を依頼し、比較するのがおすすめです。

Step3】買取価格を提示される

査定を依頼したら、早ければその日のうちに実家の買取価格を提示してもらえます。

価格に納得のいく業者が見つかったら、そのまま交渉、契約へと進みます。

Step4】打合せ・交渉

提示された査定額は絶対条件ではないので、もう少し価格を高くしてほしい・条件を変更してほしいといった要望を伝えることができます。

希望のすり合わせをおこない、納得できる条件になるよう努力しましょう。

Step5】契約

納得できる条件にできたら、契約を結びます。

契約書を読み合わせる際は、交渉時に話し合った内容がキチンと記載されているかチェックをしましょう。

Step6】決済・引き渡し

最後に買取業者から代金をもらい、権利を引き渡します。

早い業者ならここまで1週間以内で完了するケースも珍しくありません。

実家買取で見られる項目

実家買取では、不動産会社が提示する価格に基づいて価格が算出されます。

ただ、買取業者は適当に価格を設定している訳ではありません。いくつかの項目に基づいて物件を評価し、価格を決定しています。

実家の買取価格を決める際によくみられるのが、こちらの6項目です。

  • 築年数
  • 交通アクセス
  • 周辺環境
  • 時点修正
  • 土地の形状
  • 間取りや眺め

その中でも、特に価格決定時に重視されるのが築年数です。

築年数の経過によって、どんなに立地の良い物件でも価値は減少してしまいます。

区分 鉄骨鉄筋コンクリート造 金属造(肉厚4㎜超) 金属造(肉厚3~4㎜) 金属造(肉厚3㎜以下) 木造・合成樹脂 木造モルタル造
法定耐用年数 47年 34年 27年 19年 22年 20年
償却率 0.015 0.02 0.025 0.036 0.031 0.034

上の表にある法定耐用年数とは、いわば法律で定められた不動産の“賞味期限”です。

実家の多くは木造住宅ですが、木造の場合は最大でも築22年が上限と定められています。

これはあくまでも減価償却をする上での基準であり、実際はそれ以上の築古でも現役の物件は多数存在しています。

しかしながら、実家を買取に出す場合、築年数が古いほど安くなるのは常識です。

以下は、2020年時点での、築年数別の戸建て住宅の平均買取価格です。

※金額は戸建ての仲介売却時の平均価格を0.7倍して算出しています。

築年数 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県
~10年 3,334.31万円 2,278.22万円 2,463.30万円 2,106.37万円
10~20年 3,298.75万円 1,874.78万円 2,032.73万円 1,581.93万円
20~30年 2,582.83万円 1,332.10万円 1,384.11万円 1,559.18万円
30年~ 2,045.75万円 1,013.81万円 1,312.92万円 1,520.75万円

築5年以内と築30年以降では、価格が大幅に下落していることが分かるかと思います。

実家を高く買い取って欲しいのであれば、出来るだけ早期に依頼することをおすすめします。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定

実家を買い取ってもらうか判断するポイント

ポイント1】今後使い道があるかどうかで選ぶ

一度、実家を買取に出してしまえば、その後買い戻すというのは現実的に相当難しいです。

将来的に地元に帰省して実家に住む可能性があるかどうかなど、今後活用する可能性を一度考えましょう。

将来的に利用する可能性が低いのであれば、早めに売却をした方が利益が大きくなり、維持管理費用も少なくて済みます。

ポイント2】周辺環境の変化で選ぶ

地方・郊外だと、昔からあった店舗の閉店や人口の流出など、マイナス方向へ地域が変化していっているケースも多々あります。

このような過疎傾向のある地域の物件は、今後資産価値が低くなり、現実的にも暮らしにくくなってしまいます。

所有者や相続人としても、そのようなエリアに住み続けるのは得策ではないので、早めに売り払った方が良いことが多いです。

実家買取を依頼する時の不動産会社の選び方

実家買取を依頼する際は、それに合った不動産会社を見つけて、契約することが大切です。

では、どんな業者が実家買取に向いているのでしょうか?ここからはおすすめ業者の特徴を紹介します。

選び方1】悪条件でも積極的に買い取ってくれる業者を選ぶ

実家の多くは一定以上の築年数を経過しており、かつ放置されていた時間も長い傾向にあります。

愛着がある実家だと認めたくないことではありますが、一般的に売られる不動産と比較して、条件が悪い傾向にあるのです。

条件の悪い不動産を再販しても大きな利益にならないので、経営方針によってはこうした物件の買取は一切おこなわないというところも少なくありません。

ただし、そうした業者との差別化を図るため、積極的に悪条件の物件を募集している業者も多数存在しています。

実家の状況を客観的に分析した上で、それにあった業者へ依頼することをおすすめします。

選び方2】税金・権利関係に詳しい業者を選ぶ

実家を買取に出す場合、その権利関係やかかる税金を整理しなければいけません。

不動産会社は単に売買の手続きをおこなってくれるだけでなく、こうした相談にも対応してくれることがほとんどです。

ただ、業者によって非常に詳しいところから、そうではないところまでピンキリなので、業者選びの際は十分注意する必要があります。

選び方3】身の上話を良く聞いてくれる業者を選ぶ

実家が普通の不動産と大きく違うのは、特に以下の2点です。

  • 築年数が長く、様々な用途で利用された歴史がある
  • 多くの親族が関係を持っており、権利関係が複雑

実家の概要を見た上で問題にピンとくるのが理想的ですが、上記のような複雑な内容はいくらプロでもすぐに分かる訳ではありません。

そこでおすすめなのが、しっかり話しを聞いてくれる不動産会社です。

身の上話から実家の歴史まで、様々な話をよく聞いてくれる業者なら、そこから課題解決の糸口を見つけてくれる可能性も十分あります。

実家買取前に家財道具を処分するべきかどうかも相談しよう

実家を買取に出したいと思っても、親の残した家財道具がそのまま担っているケースは多いです。

買取時に不要品を一緒に処分してくれるかどうかは、業者によって異なるので注意しましょう。

ただ、不動産会社が無料で処分してくれるにせよ、不用品はなるべく売っていくことをおすすめします。

特に以下のような品物は価格が付く可能性が高いです。リサイクルショップや買取専門店に持っていってみましょう。

電話 iPhone、スマートフォン、電話機
家電 DVDプレーヤー、コンポ、カメラ、ストーブ、スピーカー、テレビ、デスクトップPC、ビデオデッキ、ミシン、ラジオ、洗濯機、冷蔵庫、旋風機など
家具など ソファー、タンス、テーブル、食器棚、ベッド
その他 バッグ、楽器、骨とう品etc…
完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定