「マンションの売り時は大規模修繕の前?後?」
「修繕時期を確認する方法はある?」
マンションを売却しようと考えている人は、どのタイミングで売ると高額で売れやすいのか考えているのではないでしょうか?
特に大規模修繕があると、マンションの外観が綺麗になるので、終わってから売った方が良いのか悩みますよね。
結論から言えば、マンションは大規模修繕の前に売るのが一般的にはおすすめです。
大規模修繕前に売る場合と後で売る場合の特徴を理解して、どちらが自分に合っているか判断しましょう。
この記事ではマンションの大規模修繕について解説してから、売り時別の特徴を解説していきます。
マンションの大規模修繕とは?
マンションの大規模修繕とは、マンションの資産価値を保つ目的で、マンション共用部を12~15年周期で修繕する工事のことを指します。
12~15年は、外壁のコーキングや防水補修が必要になるタイミングで、それに合わせて他の修繕工事を行います。
マンションの外周に足場を設置して、配管交換や塗装工事を行います。
工事期間は小規模なマンションで3~4か月、大規模なマンションで半年~1年程度です。
大規模修繕が行われなければ雨漏りやひび割れといったトラブルが発生してしまうので、必ず行われます。
修繕積立金が増額される
マンションの大規模修繕を行うための資金は、居住者から修繕積立金として集められます。
大規模修繕は工事費も高いため、毎月一定額積立金を徴収します。
しかし、大規模修繕を実施すると、修繕積立金が次の理由で増額されやすくなります。
- 長期修繕計画を立てていない
- 時代の経過で工事費が高くなる
- 修繕積立金を使い切った
大規模修繕の計画が立てられていないケースや、一度目の大規模修繕で積立金を使い切ってしまった場合、次の大規模修繕までに資金を蓄える必要があります。
そのため修繕積立金が増額されやすくなっており、マンションにその後移り住んでくる人は損しやすくなります。
マンションの大規模修繕前に売る時の特徴
マンションは大規模修繕前に売るのが良いと言われますが、次のメリットとデメリットがあります。
- 築年数が浅いため高額売却しやすい
- 修繕積立金が安い
- 外観がそれほど良くない
マンションの大規模修繕前は綺麗になる前なので人気が出づらいデメリットがあります。
以下にそれぞれのメリットとデメリットを解説します。
築年数が浅いため高額売却しやすい
大規模修繕前にマンションを売るメリットとしては、大規模修繕を待ってから売るより築年数が浅くなる点があります。
大規模修繕は大きなマンションでは1年近くかかることもあるので、売却期間を考えれば築年数の差は大きくなります。
中古物件でも築年数が古くなると需要は減るので、築年数の浅い状態で売ることで高額売却を狙いやすいです。
築15年以内の一度目の大規模修繕前に売ることができれば、内装や外観もそれほど劣化していないため、リフォーム代などをかけずに高額で売却しやすくなります。
修繕積立金が安い
大規模修繕のための修繕積立金は、大規模修繕を重ねるたびに高額になる傾向があります。
大規模修繕自体の費用がかかっていく他、積立金が足りなくなる可能性もあるからです。
そのため、大規模修繕前に売却すると、修繕積立金が上がる前に売却できるので、買主の負担になりづらいです。
外観がそれほど良くない
大規模修繕では、外見や内装の修繕を行います。
そのため大規模修繕後は外観が綺麗に感じますが、修繕前に売却すると綺麗さをアピールできません。
築年数が古い物件では外壁などが明らかに劣化していることもあり、綺麗ではないと判断されるケースもあります。
ただし、多少見た目が古いとしても、共用部分の掃除が行き届いている場合はマンション売却が可能なので、不動産会社に相談しましょう。
マンションの大規模修繕後に売る時の特徴
マンションの大規模修繕の後に売る場合、次のようなメリットとデメリットがあります。
- 綺麗なので内覧時の印象が良い
- 修繕積立費が高くなってしまう
外観は綺麗になりますが、修繕積立金が高額になるので買い手の負担になりやすく、買い手が見つかりづらくなります。
以下にそれぞれのメリットとデメリットを解説します。
綺麗なので内覧時の印象が良い
大規模修繕後にマンションを売却するメリットは、外観や共用部の綺麗さをアピールできる点です。
内覧時の印象を良くすることができるので、マンションの外観を重視している買い手が見つかりやすいです。
築年数が多少古い物件でも、見た目が綺麗であれば評価も高くなります。
修繕積立費が高くなってしまう
マンションの大規模修繕後は、修繕積立金が高く設定されるケースがあります。
たとえ積立金が安くなったとしても、修繕積立金が工事費用に足りなくなって臨時徴収を受ける可能性があります。
どの程度の積立金があるかを判断しておかなければ、大規模修繕後に積立金が増額することもあるので気をつけましょう。
大規模修繕の時期や修繕積立金の金額を確認する方法
大規模修繕の時期や修繕積立金の金額を確認する方法としては、大きく分けて次の3つの確認するポイントがあります。
- 長期修繕計画
- 前回の大規模修繕の時期
- 修繕積立金のガイドライン
それぞれの書類を確認すると、修繕時期や積立金の金額は把握できます。
大規模修繕後に積立金が増額されるかどうかも分かるので、確認しておきましょう。
以下にそれぞれの確認するポイントを解説します。
長期修繕計画
マンション購入時に、管理組合からもらった書類の中にある長期修繕計画を見れば、修繕積立金の金額が分かります。
長期修繕計画では、修繕積立金の金額設定や、どのタイミングで増額するかなどが決められています。
ただし、中には長期修繕計画を立てていないマンションや、積立金が変わることもあるので気をつけましょう。
前回の大規模修繕の時期
大規模修繕がいつ行われるかを確認する場合は、前回の大規模修繕がいつ行われたかを確認しましょう。
大規模修繕のスパンは12~15年間隔なので、前回の修繕から同じ程度期間が空くことが予想できます。
築年数が浅くまだ大規模修繕を行っていないマンションの場合は、築12年~15年のタイミングで起こると計算しておけばいいです。
ただし、物件の状態によっては期間が前後することもあります。
修繕積立金のガイドライン
修繕積立金の金額は、国土交通省が出している「マンションの修繕積立金に関するガイド」を確認すればわかります。
床面積あたりの修繕積立金の目安が提示されています。
例えば15階未満で延床面積が5000㎡未満であれば、平均218円/㎡が月ごとにかかるとされています。
現在の修繕積立金が相場よりも安い場合、将来的に増額されることもあると考えておくと良いです。
マンションの売り時は大規模修繕前がおすすめ!修繕積立金を計算しておこう
マンションは大規模修繕前に売ることで、修繕積立金が増額される前に売却できるのでおすすめです。
大規模修繕は外観が綺麗になるメリットはありますが、修繕積立金の増額は買い手の負担になりやすいので、可能であれば修繕前に売却しましょう。
修繕時期や積立金を確認する場合は、長期修繕計画や修繕積立金のガイドラインを確認すると良いです。
マンションの売り時を見極めて、高額売却しましょう。