マンションを売る際に最大の関門となるのが内覧です。
不動産会社の販売営業で物件に興味を持つ方が現れても、内覧で実際に物件を見た後に購入を断られてしまう事例は多々あります。
内覧を成功させるには、事前の準備がとても重要になります。
今回は、マンションの内覧準備もポイントを解説していきます。
マンション売却の内覧準備のポイント10選
第一印象に関わる箇所から掃除する
マンションの内覧を成功させるには、掃除・整理整頓が不可欠です。
ただ、マンションの室内を隅から隅まで掃除するのは時間がかかりますし、売却を開始したらいつ内覧希望者がくるか分かりませんから、第一印象に関わる部分から優先的に掃除したほうが良いです。
まずはキッチンや風呂、トイレなどの水回りから掃除しましょう。
プロの手を借りるのも一つの手
内覧では掃除が重要ですが、汚れ方によっては自分でやるのに限界がある場合もあります。
特に水回りで頑固な水垢がついていたり、水漏れがあったりする場合は、プロの業者に依頼することをおすすめします。
ピンポイントでの依頼なら数千円で済むことも多いです。
不要なものを減らす
引っ越しの際はいらないものと必要なものを選別しながら荷造りを進めるかと思います。
これを内覧準備の段階で前倒しして進めていくだけで、内覧の成功率はアップします。
ものがないだけで部屋が広く、明るく見えるようになります。
物置・収納BOXの中までキレイにする
内覧前にモノを物置・収納BOXへ詰め込む方もいますが、物置などはいつ開けられてしまうか分かりません。
特に主婦の方は物件選びで収納の有無を重視するので、物置の中身はできるだけ空にしておいたほうが良いです。
物置の中も油断せずに整理するようにしましょう。
においに気を付ける
長年住んでいると気づきませんが、家ごとに独特な臭いが付いてしまっています。
嫌な臭いを防ぐために、フローラルな香りをつける方もいますが、内覧にくる方にとっては、それが必ずしも良いにおいという訳ではありません。
内覧前は出来るだけ無味無臭を目指して、換気を長時間おこなうようにしましょう。
ホームステージングも検討しよう
最近話題の方法として、ホームステージングというものがあります。
大手不動産会社が最近導入した方法で、内覧準備をプロのインテリアデザイナーに依頼するやり方です。
大幅に第一印象がアップするので、内覧がクリアできる可能性は高まります。
対応している業者がまだ多い訳ではないので、利用を検討する方は不動産屋選びから注意していきましょう。
傷・凹みなどを隠さない
中古マンションを売却する際にネックになるのがフローリングなどの傷・凹みです。
できれば内覧前に直しておきたい箇所ですが、直せない時は隠さずに見せてあげたほうが、結果的に売主のためになります。
マンション売却には瑕疵担保責任というものがあり、故意に隠した欠陥が引き渡し後にバレた場合、一定期間内なら買主が売主に賠償金を請求できることになっています。
「デメリットは隠したほうが売れやすいのでは?」と魔が差すこともありますが、素直に全て伝えるようにしましょう。
スリッパなど最低限の準備をする
内覧では、訪問者がスムーズにマンションを見れるような最低限のもてなしは実施する必要があります。
玄関前にはスリッパをおく、ベランダには綺麗なサンダルをおくといった準備をキチンとしていれば、それだけで成約率は高まります。
エントランスなどの共用部分もチェックする
内覧では部屋だけでなく、エントランスや供与郎廊下もチェックされます。
内覧準備では、これらの箇所も注意深く観察する必要があります。
ただ、共用部分は住民が勝手にいじるのは限度があります。
気になる箇所が見つかったら、管理会社に連絡して対応してもらうことをおすすめします。
質問に対する回答のシミュレーションをする
以下のような質問は内覧時の定番なので、事前にある程度の答えは考えておくことをおすすめします。
- どうして売るんですか?
- 騒音はどうですか?
- 街の暮らしやすさはどうですか?
- 隣の方はいつ頃帰ってくるんですか? …
仲介業者も物件のPRをしてくれますが、長年住んでいることに裏打ちされた意見は売主にしか言うことができません。
できれば質問に回答しつつ、長所のアピールも出来ると良いですね。
マンションの内覧当日に実施したい6つの準備
マンションの内覧は売り出し始めた段階でコツコツおこなうことが大切ですが、それとは別に内覧当日で実施したいこともあります。
ポイントをしっかりおさえて、しっかり対応しましょう。
内覧しやすい環境を作る
ペットや子供が走り回って騒がしいような場合、そのまま内覧を実施するのはリスクがあります。
モデルルームの展示会のようなイメージで、最大限綺麗に保ちながら訪問客を迎えいれる準備をしましょう。
明るい照明に替える
内覧当日は自然光をカーテン全開で入れながら、全ての照明をONにして最大限明るい状態を保つのがセオリーです。
部屋内を最大限明るくすることで、実際よりも部屋が広く、白く見えるようになります。
使いこんだ照明は光度が落ちている可能性もあるので、内覧が決まったら新しいものに替えることをおすすめします。
換気は全開にする
内覧前は窓を全開にして思いきり換気をしましょう。
こもっている生活臭を飛ばし、快適な空気の中で内覧をしてもらうことで、印象も良くなります。
温度を適温にする
部屋の温度が寒すぎたり、暑すぎたりしないようにしましょう。
適温でないとそればかりが気になってしまう他、マンション自体の保温性や断熱性が疑われてしまいます。
できれば冷房・暖房を付けず、天気の良い日を狙って内覧を実施することをおすすめします。
根拠のないことを口走らない・約束しない
内覧では売主と訪問客が直接話すこともあるかと思います。
この時、100%の根拠がないことを約束すると、後で大きなトラブルに見舞われます。
「価格はこれ以上下げられる」「今なら優先的に売る」「騒音は全くない」といった、後でどうなるか分からないこと、人によって感じ方が違うことは安易に口走らないようにしましょう。
回答は事前に準備しておくのが理想ですが、もし予想外の質問が飛んで来たら、頼りない印象を与えてしまったとしても、正直に「分からない」「決めてない」と答えるほうが自分の為になります。
もてなす態度を見せておく
1日で複数件の内覧を回る人も多く、1件にそこまで時間をかけられないことも少なくありません。
それでも内覧を早く切り上げるかどうかは相手が決めることなので、迎え入れる側はお茶を用意するなど、最低限の迎えるポーズは取っておく必要があります。
マンションの内覧に失敗したら必ず理由を聞くべし
マンションの内覧を実施した後、気に入ってもらったら購入申込をしてもらえます。
購入申し込みを受けたら売主のほうで選別をし、問題なければ売買契約を実施します。
一方、購入に至らなかった場合も仲介業者を経由して連絡が来ます。
この時、なぜ内覧に失敗したのかを必ず聞き、今後へ活かすようにする必要があります。
上記で挙げた主な理由ではなく、意外な原因がある可能性も十分あります。
マンション内覧はまず実施件数を増やすことが重要!内覧を増やすポイント
マンションの内覧で失敗した時に、反省ばかりしていても仕方ありません。
相手も人である以上、好みに合う・合わないというのはどうしても出てきます。
1回の内覧を成功させるよう徹底的に準備をするのは非常に大切ですが、内覧の実施件数を増やすほうが成約にはつながりやすいです。
内覧の実施件数を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?詳しく解説していきます。
ポイント➀適正価格で売り出す
マンションの内覧に来てもらうには、少なからず「買い時のマンションだ」と思ってもらう必要があります。
買い時と思われるために何より重要なのは、お買い得な物件だと思われることです。
高額売却にこだわるあまり、価格を割高に設定してしまえば内覧の件数はガクッと減ります。
売れ残れば結果的に価格を下げざるを得なくなるので、最初から適正価格で売り出したほうが良いことが多いです。
ポイント②内覧対応できる時間を多く取る
内覧の申込が来ても、売主が多忙で対応できない可能性があります。
この場合、買主はお客さんなので「こっちのスケジュールを優先してくれないって何事だよ」と思われかねません。
中古マンションの売買では、完璧でない物件に対して高額を払ってくれる買主をやはり立てていかなければいけません。
出来るだけ希望されたスケジュールを優先できるよう、時間に余裕を持たせておきましょう。
ポイント③全く内覧申込がない場合は広告内容を見直す
内覧を実施した後に断られるのではなく、そもそも内覧の申込自体がないというケースも考えられます。
購入希望者のほとんどは広告の内容や写真を見て内覧をするかどうか決めているので、全く連絡がこないのは広告に問題がある可能性が高いです。
広告写真はキレイに写っているか、何をPRポイントに設定しているかなどを再度チェックしましょう。
ポイント④それでも全く内覧がない場合は値下げ・買取を検討する
様々な対応をしても内覧申込が全くない場合、マンション自体に問題がある可能性が高いです。
条件が悪くて買い手がつかないマンションは、価格を相場以下に下げてお得さをアピールする、不動産会社へ直接買取に出すといった対応をおすすめします。
この時、利益を優先せずに今後のコストをなくす、損切りの考え方で物件を処分する必要があります。
マンション売却時の内覧準備に迷ったらとにかくシンプルが大事
どうすれば訪問客は喜んでくれるのか、何か飾り付けをしたほうが良いのかなど、内覧準備に力を入れすぎるあまり、どうすれば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。
内覧も物件もそうですが、とにかくシンプルであればあるほど好まれます。
内覧準備に迷ったら、一度シンプルに立ち返ってみましょう。