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マンション売却

マンションが売れない!売れない理由と対処法を徹底解説【ずっと売れないとどうなる?】

マンション 売れない
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中古のマンション価格が高騰している一方で、築年数の古いマンションなどの売れ残りリスクは近年より大きくなっています。

売れない期間が長引くと、更に売れにくくなるという状況の中で、マンションの維持コストを早く無くすためには、どのようにすれば良いのでしょうか。

今回は、マンションが売れないとどうなるのか、売れ残りそうなマンションでも処分する方法はあるのかを解説していきます。

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マンションがずっと売れないとどうなる?【売れ残りのリスク】

6ヶ月経ってもマンションが売れない!このまま放置するとどうなる?

マンションを売り出してから成約するまでの期間は平均3~6ヶ月と言われていますが、立地や築年数などの条件が悪いと、1年以上売れ残るケースもあります。

売れ残りが長引いた時に発生するリスクを紹介します。

リスク1】管理・維持コストがかかり続ける

マンションが売り出し中だったとしても、所有権が売主にある以上、下記のような支払いは発生し続けます。

  • 修繕積立金
  • 管理費
  • 固定資産税

また、マンションを維持する上で必要な物理的なコスト(マンション現況確認のための交通費や、簡易リフォーム代など)も発生し続けます。

特に、空き部屋のマンションを所有している場合は、劣化が早まるので維持管理の負担も高まります。

リスク2】築年数の経過により売れ残る確率が上がり続ける

一般的に、築年数の浅いマンションほど売れやすく、築年数の古いマンションほど売れ残りやすい傾向があります。

近年、この傾向は更に加速しています。

年/(成約件数/新規登録件数) 築0~5年 築6~10年 築11~15年 築16~20年 築21~25年 築26~30年 築31~35年 築36~40年 築41年~
2013年 105 128 122 103 74 83 80 90 88
2014年 129 123 129 99 78 77 80 82 86
2015年 124 110 136 109 82 72 83 84 87
2016年 117 109 137 111 95 72 80 76 85
2017年 120 119 132 115 94 72 76 75 83
2018年 125 146 133 127 94 70 71 68 74
2019年 124 169 138 137 99 71 63 64 71
2020年 133 185 141 143 104 72 57 60 68
2021年 123 165 143 141 114 80 63 65 68
2022年 138 169 148 135 106 84 62 68 68
2023年 166 176 171 136 112 82 60 64 65

※単位:%(小数点1位以下は切り捨て)

上記は、中古マンション(首都圏)の成約件数とレインズ新規登録件数(売り出し物件数)の割合をパーセンテージで表したもので、値が高いほど売り手市場で売却しやすく、値が低いほど買い手市場で成約が難しいと考えられます。

上記を見ると、近年は築年数の浅いマンションがより売りやすくなり、築年数の古いマンションがより売れにくくなっていることが分かります。

2023年の築31年以上のマンションの数値は65%~60%で、単純計算で売り出し物件の半数近くが売れ残ったり、売却を諦めたりしていることが分かります。

こうした傾向は少子高齢化や給与格差、都市部への人口集中などで今後より大きくなると考えられます。

リスク3】売れないマンションを引き取ってもらう手段は原則ない

マンションの買い手が全くつかず、管理も限界となった時に、マンションを引き取ってくれる機関というのは原則存在しません。

国や自治体へ無償で寄付できるケースもありますが、これは公共事業に土地や建物が活用できることが前提になるため、引き取ってもらえるマンションはかなり限られています。

第三者向けに引き取り手を無償で募集するのも一つの手ですが、それでも引き取り手が見つかるケースはレアでしょう。

リスク4】築60年以降に超高額コストがかかる可能性も

RC造マンションの寿命は諸説ありますが、近年では築68年が一つの目安だと考えられています。※定期的な修繕をおこなえば、築100年以上まで伸びるという説もある

ここでいう寿命とは、簡易的なリフォームなどではどうにもならず、解体や建て直しが必要になるまでの期間という意味になります。

日本では、居住用マンションは1970年代から建築が始まっているので、2030年代以降に寿命を迎えるマンションが出てきます。

寿命を過ぎたマンションは倒壊などのリスクも出てくるので、行政指示のもと解体費用を出さざるを得なくなる可能性も十分にあります。

マンション解体費用は戸数×200万円が相場と言われており、非常に高額になってしまいます。

マンションが売れない主な理由

理由1】築年数が古い

前述の通り、築年数が古いマンションはそれだけで売れにくくなります。

単に築年数が古いマンションは劣化が気になるというだけでなく、資産価値が低下しているのも売れ残りやすい理由です。

特に近年はマンション・戸建てなどの住宅購入の需要が減っており、購入を検討している人も「購入と同じ価格で売れる物件を買いたい」と考える方が増えています。

ただし、築古のマンションでも、管理が行き届いていていれば購入を希望する層は一定数います。

理由2】売り出し価格が高い

中古マンションの売り出し価格は、不動産会社の査定価格を元に、売主が最終的に価格を決めます。

  1. 不動産会社によって査定がおこなわれる(査定価格の提案)
  2. 売主が最終的に売り出し価格を決定(または不動産会社の提案を承認)する
  3. 買主と合意した成約価格を決定する

この時、設定した売り出し価格が相場と比較して高いと、「割に合わない物件」とみなされて売れ残る可能性が大きくなります。

価格が原因で売れ残ってしまう場合は、価格の見直しが必要になります。

理由3】不動産会社に問題がある

契約した不動産会社に問題があり、マンションが売れないというケースもあります。

媒介契約を交わすと、不動産会社に広告作成・掲載や販売営業などの販売活動をしてもらいます。

販売活動にかかる費用は、成約時に売主が支払う仲介手数料でまかなわれます。

ただ、仲介手数料の金額は物件の売却額に比例して高くなるので、高値で売れなそうな物件なら「営業コストをかけても回収できないので無駄」と考えて販売活動に敢えて力を入れない、他の売れそうな物件を優先する業者も少なからずあります。

また、大手の不動産会社には、自社と契約している売主と買主を無理にマッチングさせて、仲介手数料を両取りしようとするところもあります。

囲い込み

囲い込みと呼ばれる方法で、通常の不動産売却よりも成約までの期間が大幅にかかってしまいます。

理由4】エリアの需要が低い

マンションのあるエリア自体の需要が低いケースもあります。

地方・郊外は人口が流入するタイミングが少ないので、粘り強く買い手を待ち続けなければいけません。

地方のエリアだと、そもそも集客が上手くいきにくいケースも多々あるので、不動産投資セミナーを実施している都内の不動産会社などに相談するのも一つの手です。

理由5】管理費や修繕積立金などが高い

同じような価格のマンションよりも管理費や修繕積立金が高いと、買い手に割高な印象を与えてしまい、売れ残りやすくなります。

オーナー自身がまず管理費・修繕積立金が適切かどうかの見直しをすることが大切であり、値下げが難しい場合は、売却時に仲介業者から金額の理由を説明してもらうのも一つの手です。

マンションが売れない時の対処法

対処法1】第一印象をアップさせる

マンションの第一印象が悪く、買い手が敬遠している可能性も一度考える必要があります。

マンション広告の写真は、清掃・整理整頓された状態で撮影するようにしましょう。

売主自身での対応が難しい場合は、ハウスクリーニング業者に依頼するのも一つの手です。

対処法2】売却価格を見直す

売り出し価格が高くて買い手がつかない場合は、売り出し価格を見直すことをおすすめします。

売出~成約期間 売出価格(万円) 取引価格(万円) 価格乖離率(%) 割合(%)
1ヵ月以内 4,889 4,761 ⁻2.61% 31.7%
2ヵ月以内 5,102 4,874 ⁻4.47% 13.8%
3ヵ月以内 5,085 4,783 ⁻5.93% 11.9%
4ヵ月以内 5,241 4,866 ⁻7.16% 8.7%
5ヵ月以内 5,020 4,603 ⁻8.30% 6.1%
6ヵ月以内 5,224 4,680 ⁻8.50% 5.6%
7ヵ月以内 5,204 4,713 ⁻9.45% 4.7%
8ヵ月以内 5,272 4,696 ⁻10.93% 3.5%
9ヵ月以内 4,833 4,265 ⁻11.74% 2.9%
10ヵ月以内 5,079 4,521 ⁻10.98% 2.7%
11ヵ月以内 4,921 4,243 ⁻13.77% 2.0%
12ヵ月以内 4,542 4,027 ⁻11.36% 6.4%

上記のように、売り出しからの期間が短い場合や、元々の評価が高いマンションほど値下げ幅は小さくなりますが、売り出し価格を付けた背景や売れ残りの状況などを考慮しないと、どれくらいの値下げが最適かは一概に言えません。

どのタイミングで、どれくらい見直すかについては、仲介業者と相談しながら決めていきましょう。

対処法3】担当業者を変更する

契約している不動産会社に原因があると感じたら、契約を解除して新しい仲介業者と契約するのも一つの手です。

媒介契約の当初期間は3ヵ月となっていますが、3ヵ月以内でも明らかに不動産会社側に非がある場合は、契約解除が可能です。

改善点や思っていることは売主から随時連絡をしながら、改善の動きを見せてくれているかどうかを確認した上で、契約解除すべきか判断するのが良いでしょう。

対処法4】売却を一度ストップする

売り出し期間が長く、市場に出ている期間が長いと、買い手から「売れ残り物件」として認知される可能性が高くなります。

特に現在は、WEBサイトで物件を探す買い手が増えているので、「半年前に掲載されていたマンションがまだ掲載されている」といった状況がより分かりやすくなってしまっています。

売れ残りが長くなったら、一旦売り出しから戦略を練り直す意味でも、売却をストップしてしまうのも一つの手です。

対処法5】ホームインスペクションの実施

購入希望者の不安を解決するために、ホームインスペクション(住宅診断)を実施するのも一つの手です。

室内・床下・天井裏・設備などの状況をプロが検査して、安全な住宅かどうかの証明書(報告書)を作成してもらうことができます。

特に築年数の古いマンションは居住者でも気づきにくい内部の腐食や劣化などが起こっている可能性があります。安全であることをインスペクション報告書で証明できれば、成約する確率はアップします。

対処法6】不動産会社に買い取ってもらう

仲介売却が難しい場合は、不動産会社に直接買い取ってもらうのも一つの手です。

売却方法 仲介売却 業者買取
買主 個人 不動産会社
売却活動の期間 購入希望者が現れるまで
※平均3~6ヶ月前後
買取条件が合えば、短期間で売却可能
※平均1~2ヶ月前後
売却価格 市場価格の6~8割程度
物件の状態次第では6割以下になるケースもあり
市場価格の7~9割程度
物件の状態次第では7割以下になるケースもあり
契約不適合責任の有無 原則免除
※適用される場合がある
あり
仲介手数料の有無 なし あり
おすすめの方 ・不動産を短期間で売却したい方
・築古ゆえ仲介売却を断られてしまった方
・不動産を高値で売却したい方
・抵当権付きの不動産を売却したい方

不動産買取は仲介売却に比べて成約価格が低くなりますが、その代わり状態の悪い物件でも取引してもらいやすいという特徴があります。

仲介売却で買い手がつかない場合は、こちらの方法も一度検討してみましょう。

対処法7】「高値で売れないと損」という考えを見直す

前述の通り、使い道のないマンションが売れ残ってしまうことで様々なリスクが発生するため、今では「マンションを無償でも良いので引き取ってほしい」と相談するが増えています。

また、ここ10年で不動産売買の市場は大きく変わり、1~2年売り出しても成約が取れないケースというのが非常に多くなっています。

年度(年) 新規登録件数(件) 成約件数(件) 成約件数の割合(%)    ※小数点2位以下切り捨て
2013 162,085 36,762 22.6%
2014 162,845 33,265 20.4%
2015 184,760 35,100 18.9%
2016 193,520 37,446 19.3%
2017 197,207 37,172 18.8%
2018 208,786 37,601 18.0%
2019 201,966 37,912 18.7%
2020 170,388 37,049 21.7%
2021 160,554 37,828 23.5%
2022 181,149 35,381 19.5%

東日本不動産流通機構「中古マンションの基本指標[首都圏]」

※同年度に、レインズへ新規登録された物件の件数

上記は首都圏の中古マンションの、年度ごとのレインズ新規登録(売り出し)件数と成約件数を比較したものですが、単純計算で新規登録物件の数の20%前後しか成約していないことが分かります。

このように、状態が良いマンション以外は売れ残りのリスクが高まっている状況では、「マンションは出来るだけ高く売らないと損」という考えを捨て、「本当に大きなリスクになる前に引き渡せれば成功」という考えにシフトするのも一つの手です。

マンションが売れない理由はどこにあるか見極めが重要

マンションが売れない理由は、売り出し価格などの改善できる理由から、築年数やエリアなどの改善が難しい理由まで様々考えられます。

改善できる理由であれば、売主自身の行動や、営業力の高い不動産会社に依頼することで解決できる可能性は十分あります。

改善が難しい理由だとしても、不動産会社次第でどうにかなる可能性があります。

売れない理由がどこにあるのかを、不動産会社と一緒に確認していくことは非常に重要です。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定