売り出したマンションに買い手がつかないままだと、住み替えができないだけでなく、管理費や税金を払い続けないといけません。
こうした事態を防ぐために、なかなか売却できないときには早めの対策が必要です。
この記事では、売れないマンションを短期間かつ高額で売却するには、どのような対策をとればよいのかについて解説します。
家や土地の場合と異なる部分もあるので、違いを理解しながら参照していただければ幸いです。
→マンション査定の方法とは?4種類の査定方法と計算方法・査定の流れ
- 6ヶ月経ってもマンションが売れない!このまま放置するとどうなる?
- マンションが売れない主な理由10選
- 売れないマンションにありがちな特徴とは?
- マンションが売れない時期・タイミング
- 売れないマンションは放棄ができず“負動産”化するケースも
- 築40年を超える売れないマンションはどう処分すれば良い?
- ダブルローン状態のマンションは売れない可能性が高い
- マンションが売れない状況を改善する7つの施策
- 今後マンションがもっと売れない時代がやってくる
- 中古マンションが売却できない理由は需要・供給の不一致
- マンションが売れないときは売却価格の見直しをするのが最も効果的
- リフォームは不要?マンションが売れない状態を簡単に改善する方法
- 悪徳業者が原因でマンションが売れない可能性もあるので要注意!
- 業者買取をすれば最短1ヵ月で売ることができる!
- 高く早く売りたい方におすすめの買取保証サービス
- 中古マンションを売る時に知っておきたい損切り (売り逃げ)という考え方
6ヶ月経ってもマンションが売れない!このまま放置するとどうなる?
マンションを売り出してから成約するまでの期間は平均3~6ヶ月と言われています。
しかし、築年数が比較的浅めのマンションも運やタイミング次第では6か月以上売れ残るケースも多々あります。
まず注意してほしいのが、売れ残っている時もこちらの各種費用の支払い義務は消えないということです。
- 修繕積立金
- 管理費
- 固定資産税
マンションを売却中でも所有権は消えませんから税金はずっと支払わなければいけません。売り出し中の利用していない物件のために費用を支払うなんて馬鹿らしいですよね。
そこで、状況を打開するためにこちらの2つの選択肢を取るようになります。
- 値下げをして売れやすくする
- 売却を一度ストップする
詳しくは後述しますが、6ヶ月経っても売れないならそのまま売っていても成約の可能性は薄いので、何かしらのアクションを起こす必要があります。
マンションが売れない主な理由10選
売り出し価格が物件の質に対して高すぎる、人口が非常に少ない地域に立っているというような、誰の目からみても売れにくい物件は別として、売れてもおかしくないのになかなか売れないマンションというのも多数存在します。
不動産売却はタイミングも重要なので、購入希望者を待ってみることも必要ですが、以下のような特徴があるとマンションの広さや立地が良くても売れにくいことが多いです。
- 世帯数が多い
- 同じ築年数のマンションよりも管理費が高い
- 売り出し価格が高すぎる
- 不動産会社に問題がある
- マンション内外で競争が起きている
- 内覧準備ができていない・内覧対応が下手
①世帯数が多い
部屋数がいくつもあるマンションを売り出す場合は、基本的に角部屋や最上階から先に買われていくので、部屋の位置によってはなかなか売れない場合もあります。
また、それぞれの部屋の間取りが同じであれば値下げをしないと売れ残ってしまいますが、他の部屋の売り手も同じことを考えていたら価格競争が始まり、値段はどんどん下がっていきます。
このような大規模マンションの売却は、売り出しのタイミングが重要となります。
他に売りに出ている部屋が一つもないときに売り出せば、需要は大きく上がり、短期で売却に結び付きやすいです。
競合がいない時期と売れやすい時期どちらを取るか
マンションが売れやすい時期は、春・秋です。
この時期は転勤・転職による転居者が増えるので、買い手の数が増えるのです。
基本的にはこのシーズンに売るのが理想的ですが、売り時ということは同時に競合の数も増える時期ということになります。
競合がいない時期と売れやすい時期、どちらを選ぶのは悩みどころですが、例えば分譲マンションは高層階ほど早く売れやすいので、自室より高いところに売り出し物件があるかどうかでチェックしても良いでしょう。
比較的高層階の部屋なら、競合が多少強くても売れやすい時期に売り、低層階なら競合のいない時期に売るというのが賢い考え方です。
②同じ築年数のマンションよりも管理費が高い
マンションは築年数が経つほど維持費が高くなっていきます。
いくら売却額を下げても高額の管理費負担を嫌がる買い手は多いので、同じくらいの築年数のマンションの中でも管理費が高い場合は売れにくいです。
また、管理費が高いと、維持が大変な物件だという印象を与えかねません。
管理費とのバランスを考えて売却額を設定する、管理費が高い理由をしっかりと説明するなどの対応をおこないましょう。
設備交換を済ませてしまうのも一つの手
管理費が増加する時期になると、換気扇や冷暖房など、住宅設備のどこかしらに欠陥が出てきます。
特に築20年前後は設備の交換時期なので、交換しないまま売り出すと、購入後に修繕費用が必要になる可能性が高く、買主に嫌がられてしまいます。
特に投資目的で物件選びをしている人は、こうした将来的なコストを厳しくチェックしてくるので、売り出し前に売主負担で交換してしまうのも一つの手です。
③売り出し価格が高すぎる
バブル期に新築・購入されたマンションは、間取りやデザインが今の流行にあっていないにもかかわらず、高額で売り出されることが多いです。
高額で購入をした分、しっかり元を取りたいと考える気持ちはわかりますが、客観的にみて適切と思われるような価格をつけなければ、いつまで経っても売れ残ったままです。
自分の物件を過大評価してしまう原因は、愛着があるということの他に、相場を知らないという点が挙げられます。
同じような築年数・形の物件を複数調べた上で価格を設定しなおすことをおすすめします。
→マンション査定サイトおすすめ25選!マンション査定に人気のサービスを口コミ・使いやすさで徹底比較
高すぎる査定額を提示する詐欺が横行している
複数の不動産会社に査定を依頼すると、1社だけ明らかに高い金額を提示してくることがあります。
このとき、「良し!ここと契約すれば高く売れるぞ!」と素直に契約してしまうのは危険です。
なぜなら、彼らは契約を取りたいがために、わざと査定額をつり上げて売主の興味を引いている可能性があるからです。
もし、こうした悪徳業者と契約したとしても、そのままの値段を売れることなく、どんどん売れ残ってしまいます。
査定は、業者が物件の正確な価格を見抜く目を持っているか見極める機会でもあります。
事前に相場をしっかり調べたなら、査定額と相場を照らし合わせ、適正価格を付けてくれた業者と契約するのが、最も早く高く売ることができます。
④不動産会社に問題がある
契約した不動産会社に問題があり、マンションが売れないというケースもあります。
大手の不動産会社には、自社と契約している売主と買主をマッチングさせて、仲介手数料を両取りしようとするところもあります。
通称囲い込み(両手仲介)と呼ばれる方法で、通常の不動産売却よりも成約までの期間が大幅にかかってしまいます。
販売活動のモチベーションが低い業者も
媒介契約を交わすと、不動産会社に広告作成・掲載や販売営業などの販売活動をしてもらいます。
販売活動にかかる費用は、成約時に売主が支払う仲介手数料でまかなわれます。
→不動産売却の仲介手数料はいくらが相場?なぜ払うの?根拠・計算方法を解説
ただ、仲介手数料の金額は物件の売却額に比例して高くなるので、高値で売れなそうな物件なら「営業コストをかけても回収できないので無駄」と考えて販売活動に敢えて力を入れない、他の売れそうな物件を優先する業者も少なからずあります。
向こうは専門知識を使っていろいろ言い訳してくるので、なかなかそういった怠慢を見破るのは難しいです。
ただ最低限、契約する業者はしつこい営業に押し負けて受動的に選ぶのではなく、自分から複数業者を見比べて決定するようにしましょう。
⑤マンション内外で競争が起きている
周辺地域で同じような価格で築年数がより浅いマンションが売り出されていれば、買主はそちらに飛びつきます。
また、分譲マンションは自室より高層階の部屋が売り出されていると、強い競合となります。
→分譲マンションを高く売る全知識!3割増で売却するためのポイント11選
強い競合と売り出し時期が被ってしまえばどうにもならないので、周辺の市場をチェックして売り出すタイミングをずらすのも一つの手です。
また、競合に人気が集まればなかなか内覧の予約が取れず、仕方なく自分の部屋の内覧を予約してくるケースもあります。
買主が期待していない分ハードルは高いですが、ここで物件の印象を良く見せれば一発逆転もあり得ます!
⑥内覧準備ができていない・内覧対応が下手
内覧にくる買主は、中古とは言え新築並みの綺麗さを期待して訪問してきます。
そこで荷物が散らかっていたり、掃除が行き届いていなかったりしたら、買主はガッカリして帰ってしまいます。
大規模なリフォームまではやる必要はないですが、自力で綺麗にならない部分はハウスクリーニングを頼むのがおすすめです。
また、家族が普通に暮らしている中で内覧を実施すると、購入希望者がゆっくり見られません。
担当者に許可を取って、内覧時は家族で外出するのも、成約率を上げる一つの手です。
室内の掃除は売り出し段階から力を入れる
買主がマンションを選ぶ際は、ネットやチラシに掲載された広告写真が業者選びの大きなポイントとなります。
写真だけでなく、PR文なども媒介契約した初期段階に業者が調査した印象が中心になります。
そのため、内覧前ではなく部屋内の掃除は最初のうちからやっていくのがおすすめです。
⑦同じ棟内に売却されている部屋がある
自分が売りに出している分譲マンションがあるエリアのすぐ隣や同じマンションの棟内で売却時期が重なっていると、不動産売買の競合として見られるため、売却が難しくなります。
同じマンションとでは、部屋の間取りや立地などが同じでも、売却されている部屋の階数や角部屋かそれ以外か、日照条件、エレベーターまでの距離など細かい部分で比較が行われます。
もし相場料金に近い価格で売りに出しているにもかかわらず、買い手が見つからない場合は、同じ棟内に売却されている部屋がある可能性があります。
⑧室内が掃除されていない
買い手は自分が欲しいと思う物件を見つけたら、内覧を申し込んで購入するか否かを検討します。
内覧申し込みがあれば、売買契約に至るまであと一歩のところですが、毎度購入を断念されるというときは、部屋の掃除が行き届いてない、あるいは清潔な状態とは程遠い状態です。
内覧者にいい印象を持ってもらうためにも、玄関、リビング、水回りなどは入念に掃除して清潔な状態をキープしましょう。
また窓際に遮蔽物になるような家具を置くと、室内に光が差さず室内そのものが暗くなるため配置を考えましょう。
⑨物件需要が低い
売却するマンションの築年数や室内・建物そのもの状態に問題はない場合、建物がある周辺エリアや立地、環境条件が悪い、需要が少ないという理由で買い手が見つからないこともあります。
買い手の購入需要が低いエリアや立地条件・環境とは、最寄り駅まで距離がある物件や、スーパーや病院など生活利便施設が少ない、あるいは遠い、騒音が気になるエリアが挙げられます。
そのほかにも日当たりや風通し、エリアの治安が悪いなども挙げられます。
⑩当て物件にされている
物件購入者が内覧希望を不動産会社にするとき、会社側を購入者が提示した条件に見合った物件を見繕います。
この見繕いの過程で提示された条件に見合ったものを見繕うわけですが、提示されたマンション別でスペックが異なります。
そのスペック違いに優劣がつけられて、あなたが売りに出しているマンションが他のマンションの引き立て役、当て物件にされているからいつまでも売れ残っている可能性があります。
売れないマンションにありがちな特徴とは?
マンションが売れないのは売主や仲介業者の責任もありますが、そもそもマンションの質が低い・購入希望者の需要を満たしていないために売れないというケースも少なからずあります。
一体、どんなマンションが売れにくいのでしょうか?当てはまる特徴を1つずつ紹介していきます。
駅までの徒歩距離がかかる
駅周辺にマンションを新築するケースが増えており、駅までのアクセスの良さを買主も強く求めるようになってきています。
再開発が進み、駅徒歩0分というマンションも増えてきているため、アクセスの悪いマンションはより売れにくくなってしまっています。
売れるマンションは駅までの距離が6分以内というのが一つの目安になっています。
共有部分が整理されていない
部屋内がしっかり片付いていたとしても、共用部分・エントランスが整理されていなければ売れ残る可能性は高くなります。
ごみ捨て場や自転車置き場なども、内覧時にチェックされるので注意しましょう。
他の入居者が安定生活を営んでいない
近隣住民がどんな人か、入居後の安定生活に悪影響を及ぼさないかということも内覧時にチェックされます。
例えば、隣の部屋のポストがパンパンでチラシが溢れていたら、「夜中に帰ってきたりするのだろうか」「何をやってる人なのだろうか」と不安になってしまう方が多いです。
特定の宗教や政党を応援するチラシが貼ってあったりする場合なども、買主に警戒されてしまいます。
管理規約が厳しい
マンションは一戸建てと違い、棟ごとに管理規約が定められています。
ペット禁止、喫煙禁止、カップル同居禁止…など、様々な禁止事項が設定されている場合、他の条件が良くても売れない確率は上がってしまいます。
不必要な規約が多いと判断したら、一度管理会社に問い合わせてみることをおすすめします。
マンションが売れない時期・タイミング
マンションが売れないのは、売る時期も大きく影響しています。
需要が高い時期に売り出せば売れやすいですが、逆に需要の低い時期に売り出せば売れない可能性は高くなります。
マンションの売れない時期は季節だけでなく、経済状況・周辺環境なども大きく関わってきます。
ここからは、売り出しを考えたほうが良い、売れない時期はいつか紹介していきます。
築年数を経過しすぎてしまっている
マンションは築年数が古くなりすぎると全く売れません。
これは面積や立地などがどんなに好条件でも同じです。
中古マンションをスムーズに売りたいなら、なるべく早いタイミングで手続きを進めることをおすすめします。
人の移動が少ない季節はNG
中古マンションの需要が増えるのは、転勤などでまとまった人数が流入してくるタイミングです。
このタイミングに売り出すと売れやすいと言われていますが、逆に決算期直前などは転勤の可能性が低く、売れ残りリスクが高まります。
周辺環境が悪化している
周辺の店舗・施設が次々閉まっているタイミングは需要も下がっており、売れ残る可能性が高まっています。
他の町に新駅が開通して開発の拠点を奪われた場合などもこれに当てはまります。
住宅ローンの金利が高いタイミング
マンションを購入する方のほとんどは住宅ローンを利用するため、ローン金利の高いタイミングは売れにくい傾向にあります。
金利の低いタイミングを逃さず売却することが大事です。
修繕工事直前は売れ残りやすい
マンションは十数年に一回大規模な修繕をおこないますが、その直前に売り出しても売れ残る可能性は高いです。
設備の修繕コストを買主に押し付けていると思われる可能性があるので注意しましょう。
増税の直後などは売れ残りやすい
税率がアップした直後にマンションを売り出しても、売れ残る可能性は高いです。
増税が家計を圧迫するため、こうしたことが起こるのですが、実際は微々たる増税でもニュースで取り上げられることで各家庭の出費が抑えられるケースもあります。
売れないマンションは放棄ができず“負動産”化するケースも
売れないマンションは放棄することもできず、そのまま保管をするしかできない状況に陥る可能性も十分あります。
放棄できないマンションは築年数の経過によって倒壊などのリスクが高まるので、管理の責任・コストはどんどん上がっていきます。
居住用マンションが売れない場合は気軽に引っ越しをすることもできず、売れないマンションに行動が縛られてしまうことになります。
このように、本来は資産である不動産が負債のようになってしまうことを大手マスコミなどは「負動産」という造語で表現しています。
築40年を超える売れないマンションはどう処分すれば良い?
一戸建てはほとんど木造である一方、マンションは鉄筋や鉄骨が多いので、より頑丈な傾向にあります。
それでも、築40年を超えたマンションは人気が非常に低く、売れ残る可能性が高いです。
こうした築40年超の売れないマンションは、どのように処分をするのが正解なのでしょうか?
リフォームをすれば築40年超の中古マンションでも売れる可能性がある
築年数が40年を超える築古マンションでも、リフォームをおこなえば付加価値がついて売れる可能性は高まります。
特にマンションは管理会社の主導で10数年に1度大規模な修繕をおこなうことも多く、築古でも売れる余地は十分にあります。
ただ、分譲マンションの所有者などは契約内容によってはこちらが手動でリフォームを実施できない可能性も高く、売却前の適切な時期に対応できるとは限りません。
アクセスの良さをPRすれば売れる可能性がある
マンションを建てられる場所には限りがあり、古いマンションほど地価の高いエリアに建っている可能性が高いです。
東京でも六本木や日本橋といった極めて地価の高いエリアは、一部のタワマンを除いて築年数が40年を超えるマンションの割合が非常に多いです。
築年数の古いマンションでも立地の良さを重点的にPRすれば、売れる可能性が出てきます。
ダブルローン状態のマンションは売れない可能性が高い
条件の良いマンションでも、ダブルローン状態では売れ残る可能性が高いです。
ダブルローンとは、現在所有しているマンションに住宅ローンが残っている一方で、新居の住宅ローンを借りようとしているケースです。
ダブルローンは審査通過の可能性が低いので、結果的に売買が成立する確率が高いです。
そのため、売却と購入のタイミングを考慮せずにローン審査へ申し込むのはおすすめしません。
まずは今所有しているマンションの売却を完了させて、住宅ローンを完済した後に新居購入に集中するのがセオリーです。
マンションが売れない状況を改善する7つの施策
①水回りの掃除は特に重点的に!
様々な要因でマンションを売却したいのになかなか売れない場合、どのような解決策をとればよいのでしょうか。
まず考えられるのは部屋の掃除などです。
マンションの見栄えを向上させるために、こうした室内の掃除やリフォームは必須です。
具体的には、壁や床にできているシミを取ったり、窓拭き掃除といった簡単なことだけでも非常に効果的です。
また、臭いのもとになったり、汚れが目立ちやすい水回りの掃除も欠かせません。
さらに、いらないものを処分して部屋を広く見えるようにすれば、効果は驚くほど上がります。
ただしリフォームはやりすぎてしまうと、その分高額な費用が発生してしまいます。
そうなれ掛かってしまったリフォーム料金を価格に上乗せすることになり、買い手が現れない原因にもつながりますので、注意が必要です。
②売却価格を値下げしよう
マンションの売り出し価格が相場よりも高すぎるために、マンションの買い手が見つからないとき、売り出し価格の見直しをする必要があります。。
査定価格よりも高額なときは査定価格に近付けたり、その地域の売りに出されている似たようなマンションの平均的な価格を参考にして、一般的な相場価格に近い適正価格での売却を目指しましょう。
価格が適正価格であるだけで、買い手を集める効果は驚くほど上がります。
マイナス200万円を2回に分けておこなう
平均売却期間である6か月を超えたら、値下げを検討しはじめましょう。
この時の注意点は、値下げ幅を低すぎず高すぎない絶妙な金額に設定することです。
相場としては、1回の値下げで200万円下げるのが良いとされています。
これより値下げ額が少なくても買主は価格が下がったことに気づきませんし、逆に下げ過ぎたらマンションを売り出した意味がありません。
一度200万円を下げたら、数か月待ちましょう。
それでも売れ残ってしまった場合は、更に200万円(トータル400万円)を下げます。
これで、買い手はかなり付きやすくなると思います。
それでも売れ残ってしまう場合は、値段より他の部分に問題がある可能性が高いです。他に原因を探すか、一旦売却をストップしてしまうというのも一つの手でしょう。
売買契約時に値下げ交渉されることもあるので注意
値下げをしてやっと成約が取れたと思ったら、売買契約時に買主から値下げ交渉を受ける可能性もあります。
売主にとって難しいのは、値下げ交渉を受けた時の対応です。
売主は一応、中古のマンションを提供する立場ではありますが、ところどころにキズや凹みがある住まいを「高額で買ってくださる」という負い目もあります。
また、単純に早く売りたいと思ったら、値下げ交渉を断り契約をキャンセルされ、また数か月売り続けるというのは避けたいところです。
もし値下げの希望をくらったら、自分の中で下げられる範囲内なら快く承諾してしまったほうがスムーズですよ。
③担当業者を変更する
実は契約している不動産会社が問題なこともあります。
担当者が頑張っているのに売れないのか、頑張ってないから売れないのかを見分けるのは困難ですが、売り出しから1ヶ月たっても問い合わせや内覧申込がこない場合は、販売活動に不足があることが多いです。
媒介契約は3ヶ月ごとに更新するのですが、その前に契約を解除することもできます。
ただこれは業者に落ち度があることを証明できないとなかなか難しいので、最初に期限を設定して、そこまでに売れなかったら契約を解除してもらうといった依頼を事前にしておきましょう。
実際にこちらには、売り出しから1ヶ月で担当業者を変えたところ、高額で売却できた主婦の体験談が掲載されています。
3ヶ月更新までに改善点を提示しておく
急に契約解除を申し渡したらトラブルになり兼ねませんし、場合によってはこちらが賠償金を支払わないといけなくなります。
これを避けるためには、事前に問題点を提示しておき、契約の更新時期までに改善するよう依頼しておきましょう。
こうすることで、改善が見られない時に契約を解除する正当な理由ができますし、契約を更新しないだけで業者変更ができるので複雑な手続きが不要になります。
→不動産売却で仲介業者の変更・契約解除はできる?解約の流れや違約金が発生するケースについて解説
④諦めずに粘って売り続ける
一度売り出したマンションは必ず売り切るという覚悟を持って売却に臨まないと、損をする可能性が高いです。
不動産は資産として扱われるので持っているだけで価値があるという方もいますが、高い税金などを考えると、不要になった物件はなるべく早く手放してしまったほうがお得です。
不動産売却はタイミングとスピードが結果を左右することを肝に銘じて、詳細なプランを売り出し前に作成しておきましょう。
⑤一度売却をストップして再度売り出す
6か月売れ残った物件と、7ヶ月売れ残った物件のその後1ヶ月間の成約率は前者のほうが高い傾向にあります。
これは、現在ほとんどの人がネットを使って物件選びをしていることに関係があります。
売り始めの物件は「新着物件」としてSUUMOなどのポータルサイトで検索されやすい位置に広告を掲載してもらえますが、掲載時間が長引けば長引くほど検索されにくくなっていきます。
値下げをしても検索されないので、意味がない可能性も十分あるのです。
値下げをしても売れ残ってしまう場合は、一旦売却をやめた上で価格を適正化し、再度売り出すのをおすすめします。
こうすることで、広告が再び購入希望者の目に留まることになり、早期成約が見込めます。
ただ、売却をやめてから再売出しまでの間隔が狭すぎると、戦略的に売り出しをやめたと見抜かれてしまうので、買主は警戒をします。
再売出しのためには、一定期間を空けておく必要があります。
⑥住人視点で物件をアピ―ルする
所有するマンションを売却するためにも、購入希望者から寄せられた質疑にはしっかり答えられるようにしておきましょう。
例えば、マンションの案内、設備の説明は会社任せでも問題ありませんが、実際に住んでみた感想や利便性に関する説明などは住んでいた人にしかわかりません。
日中・夜間の騒音や日当たり、共有スペースの使い勝手、管理状況などは住んでみないことには分からない情報であり、購入希望者もまた知りたい情報の1つです。
⑦ホームインスペクション・ハウスクリーニングの実施
中古マンションを購入するとき、購入者は住宅に欠陥や設備不良がないかや、経年劣化が進んでいるのではないかとあらゆる点で不安になっています。
購入希望者の不安を解決するためにも、ホームインスペクション(住宅診断)やハウスクリーニングを行いましょう。
ホームインスペクションは、建物状況の調査です。
専門家が第三者視点で物件の欠陥や劣化具合、修繕箇所のチェックを行います。
売却前に実施して物件の状態・状況を診断していれば、内覧の時に内覧者の不安を解消できます。
また水回りや壁紙にできた目立つ傷を修繕するなら、売り出す前にハウスクリーニングを行いましょう。
目立つ汚れがなくなり、部屋がきれいになって好印象を持たれます。
今後マンションがもっと売れない時代がやってくる
以前は、中古マンションもボロボロでない限り、売り続ければいつかは買い手がつく雰囲気がありました。
ただ現在は、売れないマンションは2、3年経っても売れ残る事例が増えています。
これだけを見て、2020年現在は既にマンションが売れない時代に突入していると言う方も多いです。
しかし、2020年までは東京オリンピック特需もあって、まだまだマンションが売れやすい時代と言われています。
マンションが本格的に売れなくなると言われているのは2020年の東京オリンピック以降です。
マンションの供給数は減らない一方、少子高齢化の本格的な進展などにより需要が減っていき、中古のマンションほど売れ残るケースが増加すると見られています。
更に今後進展するのが、持ち家率の減少・賃貸率の増加です。
昔はベッドタウンに庭付き一戸建てを建てるのがステータスでした。
しかし現在は都市部サービス業への主要産業移行がより進み、更に中心部のタワマンも多く建設されたことで、職場の近くの賃貸マンションに住む方が増加しています。
この流れは年々進展していくと予測され、2040年には日本全体の持ち家率が50%を切ると言われています。
売れないマンションを早く売る意識が必要
マンションがいつまで経っても売れないと、「少し様子を見てみよう」「一旦時間を空けよう」と言う方が増えてきます。
ただ、前述のように今後のことを考えると2020年現在はまだまだマンションが売れやすい時期であり、放置しておくことで更に売れ残る可能性は増えていきます。
マンション売却の期間は平均3~6か月と言われていますが、マンションの売れ残りが不安な場合は3か月以内で売れるような売却プランの設定、売り出し価格設定をおすすめします。
中古マンションが売却できない理由は需要・供給の不一致
売れていない中古マンションをみると、今の需要に応じた価格になっていない、または需要がない状態のものがほとんどです。しかし、時代、地域の相場に合った価格設定をするのは至難の業でもあります。
一般論としていえるのは、最初から高く売り出している物件は売れないということです。
需要を生み出すためには、まず人を引き寄せなければなりません。相場より高い価格で売り出していると、そもそも問い合わせが来ないため購入希望者との交渉すらできないです。
これに比べて、適正価格で売り出したマンションは交渉過程で値上げされる可能性のほうが高いです。
周辺環境から需要を分析しよう
マンションは一戸建てよりも耐年数が長く、頻繁に取り壊されることもありません。
そのため、建設当初に比べて周辺環境が大きく変化していることもあります。
新しくマンションが1棟たてば、数十、数百戸の住宅が新築されたことと同じなので、古いマンションの価値は大きく下がります。
周辺の住宅事情を調べ、売れるときに売るというのが、マンションを高く売却するコツです。
マンションが売れないときは売却価格の見直しをするのが最も効果的
売り出し価格の設定は、不動産業者の査定価格をもとに決定しますが、査定価格は高すぎるケースもあるので注意しましょう。
一般的に、業者は実際売却額の2割増しほどで査定価格を提示すると言われています。その理由としては、売り手に期待をさせ、仲介契約を結びやすくしたいからです。
特に中古マンションは相場以下の額で売りたいと買い手は思うはずです。
売却額を売り出しから一度も見直していないのであれば、頃合いをみての引き下げも考えましょう。
同じ地域の競合物件に注意
同じ造りや地域の物件は、階数、日当たり、間取りによっても価格が変わりますが、基本的に安値の物件から先に売却されます。
そのため、同じ地域に競合するマンションをみつけたら、そこよりも価格を低くすることを検討しましょう。
また、競合が強く、なかなか売れないときは、売り出しを止め、期間を空けてから再度、値下げして売り出すという方法も有効です。
ポータルサイトは新着順に表示するため、多くの人の目にも入りやすくなります。
長期間売り出すと更なる値下げが必要になるので、こうした工夫が必要です。
リフォームは不要?マンションが売れない状態を簡単に改善する方法
内覧後に断られてしまうことが多く、なかなか契約に辿り着かないときは、物件の状態に問題があることが多いです。そのため業者へクリーニングなどを頼んでしまうのも有効です。
しかし、中古マンションの場合、リフォームは不要とされています。
一度、売り手の好みに応じたリフォームをしてしまうと、引き渡し後に買い手が新調できないのでマイナス評価につながります。
買い手は、自分の趣味や家族構成に合わせたリフォームをおこないたいと思っています。
リフォームについては、購入希望者へ全て任せてしまう方が良いでしょう。
クリーニングは内覧前に済ませておこう
中古マンションにリフォームは不要ですが、クリーニングは内覧前に済ませておかないと、売れ遅れの原因になります。
内覧時によくチェックされるのが、台所や洗面所などの水回りです。自分で綺麗にするのが難しい場所なので、ハウスクリーニングを業者に頼みましょう。
実際に売却に出されている物件でも、「ハウスクリーニング済」と表記されているものは売れやすいです。
悪徳業者が原因でマンションが売れない可能性もあるので要注意!
物件がなかなか売れない場合、仲介先の不動産会社が悪徳業者である可能性もあります。
実際、両手仲介を目指して囲い込みを行うケースは多いです。
囲い込みをされているかどうか確認するには、コンサルタントや他の不動産業者に相談し、マンションの登録情報をみせてもらうという方法があります。
情報登録がされていない、広告が出ていないという場合は囲い込みの可能性が高いので、早めに仲介先を変更しましょう。
物件の広告チェックは自ら行おう
囲い込みを防ぐためにも、業者が出している広告は売り手自身がしっかりチェックしておきましょう。
最近では、業者に宣伝を任せるとネット広告しか出してくれないことも多いです。
しかし、いくらインターネット時代とはいえ、折り込みチラシやビラも少なからず効果があります。
紙媒体を使った宣伝も依頼した上で、内容が希望者を引きつけるものかどうかもチェックしておきましょう。
業者買取をすれば最短1ヵ月で売ることができる!
分譲マンションの売り方は、仲介売却と業者買取の2種類があります。
仲介と買取には、それぞれメリット・デメリットがあります。
売却方法 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
内容 | 仲介業者に販売活動を依頼 | 不動産会社に買い取ってもらう |
長所 | 高額で売れやすい | 成約の可能性が高く、現金化も早い |
短所 | 売れるまで時間がかかる(平均3~6ヵ月) | 利益が低い(仲介の2割減) |
業者買取を選ぶと1ヵ月以内で売ることができますが、その分価格は低くなってしまうので注意しましょう。
買取にはスピード以外のメリットも3つある
業者買取の特徴としては、スピード以外にこちらの3点が挙げられます。
- 周りに知られることがない
- 瑕疵担保責任が免除される
- 仲介手数料が0になる
ただなによりも、売却価格が低くなってしまうのが大きなデメリットで、こればかりはどうしようもありません。
相場以上で買い取ってくれる業者も多くいる
マンションの買取価格相場は仲介売却の約6割になりますが、なかには相場以上で買い取ってくれる業者も存在します。
仲介売却は査定価格より低く売れることも多いですが、買取時の査定額は業者が「この値段で買い取ります」と設定した価格なので、値段が変わることはありません。
そのため、一括査定サイトなどを使って複数社を比較すれば、確実に価格を高めることができます。
※高く買い取ってくれると評判の業者は、こちらの記事でまとめています。
→マンション買取業者おすすめランキング!買取大手の買取再販戸数や保証を徹底比較
買取が向いている人の4つの特徴
買取が向いている人は、こちらの項目のいずれかにあてはまる人です。
- どうしても早く売却したい
- まとまった現金がすぐほしい
- 周囲に知られず売却したい
- 瑕疵担保責任を負いたくない
ただ、中古物件を売る時にはさまざまな費用・税金がかかることも考えると、少しでも高く売るほうが絶対に良いです。
当サイトでは、基本的には仲介売却をおすすめし、どうしても早く売りたい事情がある方に業者買取をおすすめしています。
高く早く売りたい方におすすめの買取保証サービス
最近、大手業者を中心に人気を博しているのが買取保証サービスです。
買取保証サービスとはこちらのように、一定期間は仲介売却をおこない、期限が過ぎたら業者に買い取ってもらう方法です。
最初のうちは高額売却に挑戦することができ、売れなかったとしても買取にシフトできるので、売れ残り続けることはありません。
ただ、仲介売却をいつまで出来るかは業者によって異なります。1ヶ月半や3ヶ月に設定されていたり、自分で決められたりと様々なので、ご利用の際は必ず条件を確認しましょう。
また、買取保証サービスを提供しているのは大手が多く、街の小さな不動産屋では出来ないことも多いので注意しましょう。
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中古マンションを売る時に知っておきたい損切り (売り逃げ)という考え方
築年数が30年以上の古いマンションなどは、売っても高利益を見込めません。
ただ、それでも売却をする人が多いのは、損切り(売り逃げ)という考え方によるところが強いです。
古くなったマンションは使い道がないですし、大規模修繕の必要性も高まってきます。
そのため、売れる時に売ってしまい上手に物件を処分するほうが今後コストの支払いや責任を被らなくて済むというのが損切りの考え方です。
つまり、利益をあげるために中古マンションを売るのではなく、あくまで物件の処分を最重視するということです。
この考えを持っていないと、古い物件に見合わない金額を付け、いつまでも成約が取れないということになり兼ねません。こうなれば逆に損をしてしまうので注意しましょう。