土地を売却する際は、まず不動産会社に査定を依頼することが大切です。
土地の査定を依頼することで、土地がいくらで売れるかの目星を付けられる上、各社の査定結果を比較することで、どの不動産会社と契約すれば売却が成功しそうかが分かります。
今回は、土地査定の方法や注意点について、詳しく解説していきます。
土地査定は無料で出来る!コスト0で相場を自分で調べる方法と査定方法・注意点
土地の査定方法【2種類】
査定依頼の方法 | 内容 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
机上査定 | 申込データ+業者の所有データで簡易査定 |
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訪問査定 | 机上査定に加えて、担当者が物件を実際に訪問して調査 |
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土地の査定は、簡易査定(机上査定)と訪問査定という2種類の方法があります。
それぞれかかる日数や正確性が異なり、使い分けることで上手く土地を売ることができます。
それではここから、2つの査定方法の違いを分かりやすく解説していきます!
簡易査定(机上査定)
・短時間で売却の相場がわかる
・査定後に売却価格が変動する場合がある
簡易査定は、不動産の実物をチェックすることなく、概要やデータをもとに簡易的に土地を査定します。
売却の検討段階である、仲介先を探しているという方にとっては、おすすめの方法です。
簡易査定のメリットは、個人情報の共有を最低限で済ませることができることです。
特に、相続された土地の査定を頼む場合は、相続理由などのあまり言いたくない情報を教えなくてはなりません。
また、媒介契約の誘いを断りやすいという点もメリットの1つです。
一方のデメリットは、土地の現況を確認した上で査定をしている訳ではないので、精度が非常に高く結果が信頼できるとは一概に言えないという点です。
ただし、簡易査定は各社の方針・売却戦略などはある程度踏まえた上で価格算出しているので、例えば不動産一括査定サイトを使って複数社に簡易査定を依頼し、結果を比較して絞り込むという使い方もできます。
訪問査定
・売り出し価格の変動が起きにくい
・売却に迷っている人には不向き
訪問査定は、簡易査定に加えて現地調査の結果も加味して査定額を算出する方法です。
地質の状態や、騒音についてなどの近隣状況のほか、簡易査定ではわからない情報が盛り込まれるので、より正確な査定価格が算出できます。
一方、訪問調査をおこなうためのスケジュール調整が必要だったり、実際に不動産会社が来訪するので周囲に売却を検討していることがバレやすくなったりするのがデメリットです。
土地の仲介売却では訪問査定を必ず実施する
不動産会社と契約をする前にその業者の訪問査定を受ける必要があるので、売却を検討している場合は、以下の2通りの流れのうちどちらか一方を選ぶだけでしかありません。
- 簡易査定→訪問査定→媒介契約
- 訪問査定→媒介契約
最初に複数社を比較することで、不動産会社探しをスムーズに出来るので、前者の流れを取るほうが土地売却ではおすすめです。
大手不動産会社ランキング!売上高・売却仲介件数・評判を比較!信頼できる不動産会社はどこ?
土地査定額の計算方法
土地の査定には2つの計算方法があり、ケースによって計算方法を変えたり、それぞれを組み合わせることで価格を算出していきます。
- 取引事例比較法
- 収益還元法(直接還元法・DCF法)
取引事例比較法
取引事例比較法は、周辺地域の面積や形状の似た土地がかつていくらで取引されたかのデータを集め、それを参考に査定結果を出す方法です。
例えば上記のような場合、状況を整理すると、以下のようになります。
駅までの距離(徒歩) | 坪数 | 成約価格 | |
---|---|---|---|
土地A | 6分 | 50坪 | ? |
土地B | 3分 | 100坪 | 1,000万円 |
土地C | 9分 | 80坪 | 650万円 |
この時、土地Aの価格は以下の式で求められます。
(1,000万円÷100+650万円÷80)×50÷2=453万1,250円
ただし実際はここまで簡単な計算式ではなく、より多くの項目や多くの事例を比較します。
また、算出された金額は、下記4つの要因を元に価格を補正されます。
要因 | 詳細 |
---|---|
事情補正 | 離婚や転勤、借金など、早期に売却が必要な理由がある場合など |
時点修正 | 周辺環境が大きく変化しているケースや、経済状況の変化など |
地域要因 | 過去の取引事例の時期に比べて、そのエリアがどう変化しているか |
個別的要因 | 不動産そのもののキズ・凹みなどの劣化状況やリフォーム状況など |
収益還元法(直接還元法・DCF法)
収益還元法は一般的な取引よりも、事業目的の取引で用いられる計算方法です。
収益還元法は、更に2つの方法に分かれます。
- 直接還元法
- DCF法
直接還元法は、一定期間の収益を還元利回りで割って価格を求める方法で、DCF法は土地の保有期間中に得られる利益+期間終了後に売って得られる利益を現在の価格に割り戻して算出する方法です。
土地の査定額を決めるポイント(評価項目)
土地の個別の査定評価は、上記のように各項目の点数評価をおこない、それに基づいて価格が算出されます。
ここからは、実際に評価される項目の詳細について紹介していきます。
交通の便
土地から最寄り駅まで徒歩何分以内かといった交通の便は、査定価格に大きく影響します。
徒歩分数の算出は、一般的に下記のルールでおこなわれます。
- 徒歩1分=道路距離80mで算出
- 道路距離(実際に歩く道のりの長さ)で算出
- 信号待ち、踏切待ちなどを考慮した分数調整はおこなわない
一般的に交通の便と言うと、土地が中心部に位置しているか、中心部への交通の便が良いかなども想起されますが、そもそもこれらの条件は査定価格の大元となる公示地価にも反映されているため、細かく評価しないケースが多いです。
買い物の便
近くにスーパーなどがあるかといった、買い物の便も土地の査定額に影響します。
食料・日用品など以外にも、ドラッグストアなどが近くにあると評価されます。
前面道路の状況
建築基準法で定められている接道義務は、土地に住宅を建てる場合は幅員4m以上の道路に間口が2m以上接していないといけないとなっています。
こちらの基準が守られていない場合は、査定価格が低くなります。
形状
土地の形状は正方形や、やや長方形(整形)だと評価が高く、台形地、旗竿地、三角地などの不整形地は評価が低くなります。
同じ面積でも不整形地だと建てられる住宅が狭くなったりと、不便が生じてしまいます。
間口・奥行
土地の間口・奥行が広いほど査定価格は高まります。
同じ600㎡の土地でも横6m×縦100mより、横20m×縦30mの均等がとれた土地のほうが使い勝手が良く評価は高いです。
また、道路からの奥行が広いと駐車場なども設置しやすくなるので、店舗利用のメリットが大きくなります。
排水施設
土地に住宅を建てたり、活用する上でインフラ環境が整備されているかどうかも重要なポイントです。
特に、排水設備や水道設備が古くなっているケースも多く、引き直しが必要な場合は評価が低くなります。
古家付き土地は他の敷地を跨いで水道が敷かれていることもありますが、この場合は大規模な改修工事が必要になります。
街路の整備
土地の周辺の街路が十分に整理されているかも評価の対象になります。
ここでいう整備されている状態とは、1】無駄なものがなく、交通の便に優れている状態 2】公共空間として良好な状態 などを指します。
住宅が整然と立ち並んでいる閑静な住宅街などは、高い評価を受けやすいです。
周辺の状況
主に街並みや、周辺にある施設の良し悪しが評価されます。
一般的に嫌悪施設と見なされる建物などが近くにある場合は、評価が低くなります。
出典:公益財団法人不動産流通推進センター「<住宅地近辺における主な嫌悪施設>」
現 象 施 設 騒音や振動の発生 高速道路等の主要道路、飛行場、鉄道、地下軌道、航空基地、大型車両出入りの物流施設 等 煤煙や臭気(悪臭)の発生 工場、下水道処理場、ごみ焼却場、養豚・養鶏場、火葬場 等 危険を感じさせる ガスタンク、ガソリンスタンド、高圧線鉄塔、危険物取扱工場、危険物貯蔵施設、暴力団組事務所 等 心理的に忌避される 墓地、刑務所、風俗店、葬儀場 等
隣地の状況
隣地がどのような状況かによっても、土地の査定評価は変わります。
隣地が管理されており、良い状態を維持しているほど評価は高くなり、荒地や放置された空地の場合は評価が低くなります。
日照・採光・通風
土地の日当たりが良いか、通気性が良いかについても、評価の対象となります。
高低差
周辺の道路より一段高かったり、低かったりすると査定価格は下がってしまいます。
接する道路と高低差があるのは危険ですし、ガス・水道を引く際にコストがかかります。
低い土地は排水をポンプアップするコストがかかりますし、高い土地は階段を設けるコストがかかります。このように、買った後に余計な手間・費用がかかる土地は売却価格を低くすることで買主の施工依頼費を確保します。
傾斜した土地は家を建てる前に造成をする必要があります。これは買主に大きな負担となるので、よほどアクセスの良い傾斜地でないと売れにくいです。
但し、自然災害が多い今日、ハザードマップから水害の危険性があるエリアでは、高い土地が有益である場合もあります。
土地の査定額を自分で調べる方法
いざ土地を査定してもらおうと考えても、近くの不動産会社を探し、資料をそろえ、時間を作って査定を依頼するのは結構な労力が要ります。
そんな方におすすめなのが、ネットでもできる以下の土地査定の方法です。
- 不動産ポータルサイトで調べる方法
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」で調べる方法
- 不動産一括査定サイトで調べる方法
ここからは、それぞれの方法をより詳しく紹介していきます。
不動産ポータルサイトで調べる
ポータルサイトとはSUUMO、アットホームなど、多くの方が利用する大手総合情報サイトのことです。
上はSUUMOで東京都港区の土地を検索した結果ですが、このように、売出し中の土地を一気に見ることができます。
条件の絞り込みも出来るので、周辺の類似した土地がいくらで売られているのかを調べ、査定額の参考にすることができます。
国土交通省「不動産情報ライブラリ」で調べる
不動産情報ライブラリとは、国土交通省が運営している不動産情報サービスです。
「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」という項目から、特定のエリアの不動産取引情報をチェックすることができます。
不動産一括査定サイトで調べる
近年、土地や中古住宅を売りたい方の多くが利用しているのが、一括査定サービスです。
土地のカンタンな情報を連絡先を記入(所要時間約60秒)するだけで、複数社(当サイトは最大6社)に査定を依頼することができます。
一括査定サービスは登録業者の広告料で運営されているので、無料で使うことができますよ!
※現在、一括査定サイトは大小合わせて50サイト近く存在します。どれを使えば良いかわからない方は、こちらのおすすめランキングをご覧ください!
不動産一括査定サイトおすすめ比較ランキング!不動産売却におすすめの人気15社を厳選紹介【2024年最新】
土地査定の流れ【全7ステップ】
ここからは、所有する土地を実際に売ると決めてから、どのような手続きを踏んで業者との契約に至るかを説明していきます。
ちなみに、大まかな流れは以下の通りとなります。
- 名義人の確認
- 詳細情報の確認
- 複数社へ査定依頼
- 査定額を基に候補を絞り込み
- 訪問査定
- 今後の売却方針の決定
- 媒介契約
それでは、それぞれの手続きの内容をより詳しく見ていきましょう。
【Step1】名義人の確認
特に相続した土地などは、誰が名義人か曖昧になっていることが多いです。
また、名義人は1人とは限りません。兄弟や親族との共同名義になっている場合だってあります。
共有名義の不動産を売却する方法とは?売る時にかかる税金・費用やトラブルを避ける方法を解説
まずは名義人が誰かを調べ、自分でなかったり、他にも名義人がいたりするならば、彼らを説得しなければ査定・売却に出すことはできません。
名義人に関する情報は登記簿謄本に記されているので、まずはこの書類を法務局で発行してもらいましょう。
【Step2】詳細情報の確認
登記簿謄本には名義人の他にも、面積などの大切な情報が記載されているので確認しましょう。
特に土地売却で気を付けたいのは、境界が明確かどうかという点です。
隣家の木が境界を侵入して生えていたり、逆にこちらが境界を跨いでいたりする可能性があります。
しっかり境界線で土地を区分けしていないと査定・売却はできないので、まずは確認を業者にお願いしましょう。
境界に問題がなくても、登記簿の情報が古いままという場合は、更新が必要です。
ちなみに、土地売却時に法務局で取得する書類は、登記簿謄本を含めて以下のようなものがあります。
書類名 | 内容 |
---|---|
登記事項証明書(登記簿謄本) | 土地の権利関係を表す。土地の売却時には必須で取得する。 |
公図 | 敷地の範囲を示す図面。効力は地図に匹敵するか、それに準ずる。 |
登記事項証明書(登記簿謄本) | 土地の権利関係を表す。土地の売却時には必須で取得する。 |
地積測量図 | 敷地の面積・範囲を示す図面。※土地によっては無いことも多い。 |
隣接地の要約書 | 隣接地の登記事項要約書。境界確認のため、公図を見ながら、すべての隣接地分取得する。 |
閉鎖登記簿謄本 | 土地が合筆されたときなどに閉鎖された古い登記簿謄本。地歴が問題になったときに証明のため取得する。 |
旧紙公図 | 明治期から作られた公図。地歴が気になる場合など、時代を遡って調べたい場合のみ取得 |
【Step3】複数社へ査定依頼
諸準備が完了したら、次に土地の査定を不動産会社へ依頼します。
このとき、当サイトでも提供している一括査定サービスを使うと、効率よく複数社へ依頼ができて便利です。
ただ、こちらで紹介しているような大手業者は、一括査定サイトに登録せず自社でWEB査定サービスを提供していることも多いです。
この時机上査定・訪問査定どちらの方法で査定を行ってもらうことができるかを確認しましょう。
【Step4】査定額を基に候補を絞り込み
査定額が出そろったら、候補を2,3社ほどに絞りこんでいきます。
まず、査定額を比較して、明らかに飛びぬけて高値を付けているところは外しましょう。
媒介契約を結ぶため、あえて査定額を吊り上げてる可能性が高いです。
残った会社の中からどれを選ぶか悩むところですが、一番平均的な価格を付けたところと契約するのがおすすめです。
査定額は「うちならこれくらいで売れる」という見積もりですが、同時に、業者の不動産を見る目が適切かどうかの指標でもあります。
売り出し価格は売り手の意思で高めることができるので、まずは相手がちゃんとした業者かどうかを見分けましょう。
【Step5】訪問査定
土地の査定には、簡易査定(机上査定)と訪問査定という2種類の査定方法があります。
どちらにするか迷いますが、まず複数社に簡易査定を依頼し、絞り込んだ上で2、3社に訪問査定を依頼するのがおすすめです。
訪問査定は実際に担当者が現地に赴き、地盤調査などをした上で、より高精度の査定額を算出する方法です。
このとき、実際に担当者と対面し話す機会があると思います。
査定結果だけでなく、対応・人柄も見て最終的な契約先を決定しましょう。
※どうしても1社に絞れない場合は、複数社と同時に契約を結ぶ一般媒介契約という方法がおすすめです。
【Step6】今後の売却方針の決定
業者を絞り込んだら、再度、担当者としっかり相談をしていきます。
いつまでにいくらで売りたいか、保証・検査サービスは利用するか、費用はいつまでに支払うかなど、細かい方針の確認をしましょう。
特に、建物付きの土地を売却する場合は、そのまま建物付きで売るか、立て壊し、更地にして売るかの大きな選択に迫られます。
【Step7】媒介契約
方針を確認して問題がなければ、不動産会社と媒介契約を交わします。
その後の土地販売活動は、基本的に仲介業者に一任することになりますが、なるべく売り手も積極的に土地の管理や清掃などを手伝うようにしましょう。
【土地の種類別】査定のコツ
ひとくちに「土地」といっても、周囲の利用状況や、国や自治体の方針によって、さまざまな属性に分けられます。
こうした、属性に振り分けられた土地を用途地域といいます。
用途地域の種類は、大きくわけて以下のようになります。
- 住居専用地域・住居地域
- 準住居地域
- 商業地域
- 工業地域
- 山・山林・農地
- 都市計画区域・市街化調整区域
ここからは、それぞれどんな土地なのか、価格相場はどう異なるのか見ていきましょう。
住居専用地域・住居地域の査定
住居専用地域や住居地域は、法律によって細かい規定がありますが、一般的には住宅地と考えてもらって良いです。
住宅の跡地や、周辺が住宅地帯のエリアにある土地などが、これにあたります。
最も一般的に売買されるタイプで、査定相場は高くもなければ、低くもないといった感じでしょうか。
そこに新築を建てる買い手が多いので、面積の広さやアクセスの良し悪しが査定額に大きく影響します。
準住居地域の査定
準居住地域は基本的に住居地域と同じ扱いですが、道路に面していたりしている場合が多いです。
交通の弁や景観・治安などとの調和をとることが、準住居地域には求められます。
例えばラブホテル、風俗店などの用途は、準住居地域では制限されています。
交通量の多いアクセスの良いエリアが指定されることが多く、高額で査定される傾向にあります。
商業地の査定
商業地は、法人や事業者が営利目的で利用する土地のことです。
例えば、駅の目の前にはマイホームはありませんが、飲食店はこぞって進出しますよね?
これは、駅前の土地が商業地として保護されているからです。
店舗利用などが多いので、アクセスが非常に良かったり、大型施設の跡地などは非常に大きな面積だったりするので、売却相場は住宅地よりも高めです。
工業地の査定
東京都品川区の港南エリアなどは、工業施設の建設や、関連備品などの輸送施設のために、土地利用を制限されています。
このような、海沿いの大規模な土地を工業地といいます。
希少性が高いのでかなりの高額(5000万円前後)で取引され、土地の中では最も高値で売れる種類です。
一般の人が工業地を所有しているケースは少ないですが、国の方針(公共の福祉)によって、所有地が工業地に指定される場合も稀にあります。
山林・農地の査定
山地や農地を売りたい場合は、上のケースとはかなり異なります。
まず、山地に関しては、バブル期に流行した原野商法(無価値の土地を買わせる詐欺行為)経由のものが多いので、需要はかなり低いです。
また、農地は国の農業保護の方針のため、安易に均して家を建てるといったことはできません。
まずは査定額よりも、こうした特殊なルールをいかにクリアするかが肝心です。専門で山地や農地の取り扱いをしている業者もあるので、一度相談してみましょう。
市街化調整区域の査定
都市計画で定められた特殊な区域を都市計画区域といいます。
都市計画区域は市街化区域、市街化調整区域、非線引き都市計画区域の3種類に分かれており、それぞれ以下の特徴があります。
都市計画区域の種類 | 内容 |
---|---|
市街化区域 | 都市開発や施設の新築を優先的におこなう地域。すでに市街地となっている区域の他に10年以内に計画的に市街化を進める地域も含まれる |
市街化調整区域 | 市街化を抑制する目的で指定された地域。サービス業以外の目的の土地利用が優先される。 |
非線引都市計画区域 | 市街化・市街化調整区域ではないが、都市計画区域に含まれるエリア |
これらは、国が過剰な都市化を制限したり、逆に都市開発をしたりする際に、住宅エリアと都市部の境目になるような立地の地域が指定されます。
この地域の土地は勝手に用途を変えて売ったり、高い建物を建てたりすることを禁止しているケースが多いです。
まずは売却が可能かどうかを自治体や業者に確認するようにしましょう。
市街化調整区域内の不動産を売るには?売却・手放す際のポイントと注意点
土地を査定する際の注意点
注意点1】査定価格が相場と乖離していないか確認する
土地の査定結果が相場と乖離しているケースもあるので、注意が必要です。
査定価格が相場より低い不動産会社と契約すると、その分安く売られて損をする可能性が高いです。
また、査定価格が相場よりも大幅に高い不動産会社は正確に査定をおこなおうという意図はなく、とにかく契約を獲得しようとする悪徳業者である可能性も十分考えられます。
不動産会社に足元を見られないためにも、事前に相場を調べておくことをおすすめします。
注意点2】査定価格の根拠に納得できない部分は質問する
不動産会社に査定を依頼すると、下記のような不動産査定書がWebや郵送で届きます。
査定書の大まかな説明の流れは、1】不動産の登記上のプロフィール 2】不動産の個別の評価 3】査定価格の計算結果 となります。
専門的な用語も使われてはいますが、基本的には査定価格がどのように算出されたのかの流れ・根拠が初心者にもわかるような構成になっています。
「周辺環境」の評価が思ったより低いなど、根拠が不明な評価については必ず確認するようにしましょう。
注意点3】売り出し価格を適切に設定する
- 不動産会社によって査定がおこなわれる(査定価格の提案)
- 売主が最終的に売り出し価格を決定(または不動産会社の提案を承認)する
- 買主と合意した成約価格を決定する
土地を売却する際は、不動産会社の査定価格を参考にはしつつ、最終的な売り出し価格は売主の判断によって決定されます。
査定価格を相場に則った価格だとすると、売り出し価格の設定の仕方によって、下記のメリット・デメリットが生じます。
価格設定 | メリット | デメリット |
---|---|---|
売り出し価格>査定価格 | 相場より高く売れる | 平均より成約が遅くなる |
売り出し価格<査定価格 | 平均より成約が早くなる | 相場より価格が低くなる |
売り出し価格が相場より高いと、高額で売れる一方で、買い手が「割高」と見なして敬遠するため、売れ残りのリスクは高くなります。
一方、売り出し価格が相場より低いと、「割安」と見なされて買い手がつきやすくなる一方で、相場より安く売ることになってしまいます。
売主の希望やスケジュールに合わせて、どのような価格設定をおこなうか考えておきましょう。
株式会社グローベルスが不動産売却をした134名を対象に実施した独自アンケートによると、不動産売却をした人たちは「金額の高さ>売却の早さ」を優先していることがわかりました。
多少時間がかかっても(+6ヵ月程度)、相場と同じやそれ以上に高く売りたい | 105名(78.4%) |
---|---|
多少価格が下がっても(相場の2割減程度)、できるだけ早く(依頼から換金まで2週間程度で)売りたい | 29名(21.6%) |
土地査定に関するよくある質問
ここでは、土地査定の方法に関することや知っておきたいことを質問形式で解説していきます。
土地査定を行う方法とは?
机上査定は、簡易査定とも呼ばれており、査定対象の土地が持つデータを基に査定額を出しています。
当方法は、売却を検討している方、仲介先を検討している方におすすめです。
一方、訪問査定は、担当者が現地に赴き、査定対象の土地が持つデータに加えて、実際に見た情報を加味して査定を行います。
査定結果は、机上査定で出た金額よりも正確な金額が知れます。
不動産一括査定サイト選びのポイントはある?
一言で不動産会社といっても、取り扱っている分野は会社ごとに異なります。
今回のように土地売却を満足いく形で済ませたい方は、土地売却を専門に取り扱ってきた会社を選びましょう。
同様に、売却する土地の所在地を営業対応エリアにしている業者を選ぶことも大切です。
不動産一括査定サイトで依頼が出せるのは、運営元と提携を結んでいる会社に限れ、必ずしも地元の不動産会社が加入しているという保証はありません。
サイト名 | 運営会社 | 登録会社数 | 同時依頼件数 | 対応地域 | 入力時間の目安 | 査定可能な種類 | 査定実績 | 利用満足度 | IR活動 営業利益 |
IR活動 株価 |
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---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HOME4U |
公式HP |
NTTデータ・スマートソーシング | 約2,300社 | 最大6社 | 全国 | 約1分 | 8種 | 査定数累計55万件以上 | 9割 | 58,302百万円 |
19.73円 |
すまいValue |
公式HP | 合同6社 | 6社 | 最大6社 | 全国 | 約1分 | 7種 | 87万人以上 | 95.5% | 98,124百万円 |
157.28 円 |
リビンマッチ |
公式HP | リビン・テクノロジーズ | 約1,700社 | 最大6社 | 全国 | 約45秒 | 11種 | 約440万件 | 82% | 172百万円 |
75.55円 |
おうちクラベル |
公式HP | SREホールディングス株式会社 | 約1,500社 | 最大15社 | 全国 | 約1分 | 5種 | 非公開 | 記載なし | 2,212百万円 |
85.83円 |
いえカツLIFE |
公式HP | リビン・テクノロジーズ | 約800社 | 最大6社 | 関東エリア | 約1分 | 5種 | 年間50万人以上 | 96.3% |
921百万円 | 25.07円 |
イエウール |
公式HP | 株式会社Speee | 約2,300社 | 最大6社 | 全国 | 約1分 | 7種 | 年間20万人以上 | 記載なし | 90百万円 | -2.61円 |
土地の査定額が低くても高値売却できる
土地の査定額はあくまで売却価格の目安であり、必ずしもその金額でしか売れないという訳ではありません。
土地の査定額が低くても、売主による売却前の丁寧な準備や買い手とのマッチングがあれば、査定額よりも高値で売れる可能性は十分あります。
査定額は不動産会社によってそれぞれ異なるので、まずは比較をして高く売ってくれそうな業者と契約しましょう。
ただし、査定の方法によって売却価格や不動産の評価額が異なることがあるのは頭に入れておくようにしましょう。