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戸建て売却

家を売るのと貸すのはどちらが得?売却・賃貸のメリット・デメリットと判断基準を解説

家 売る 貸す
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いらない家を売るか貸すかは、多くの人が悩む選択だと思います。

不動産会社に相談しに行っても、最終的には自分で判断する問題なのでどうすればいいか悩んでしまいますよね。

今回は、売るか貸すか判断するポイントを分かりやすく解説していきます。

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家の売却と賃貸(貸家)の現状【2024年】

家を売却するか、賃貸に出すかを考える前に、まずは現在の売却と賃貸の状況を確認しましょう。

上記は、1993年から2018年の既存住宅の流通数のシェアをグラフ化したものです。

新築住宅を含む流通のうち、既存住宅(中古戸建)の流通数の割合は徐々に上昇していることが分かります。

区分 2022年3月 2022年4月 2022年5月 2022年6月 2022年7月 2022年8月 2022年9月 2022年10月 2022年11月 2022年12月 2023年1月 2023年2月
件数 1,349 1,255 1,252 1,156 1,251 940 1,177 1,295 1,076 1,052 1,003 1,158
平均価格(万円) 3,978 3,950 3,973 4,096 4,118 4,076 4,170 3,978 4,102 4,219 4,066 4,134

引用:(公財)不動産流通推進センター 2023不動産業統計集(3月期改訂)「首都圏戸建成約物件平均価格の推移」

上記は、首都圏での中古戸建の取引数と平均価格をまとめたものです。

こうしてみると、月間で1,000件以上はコンスタントに取引があることが分かります。

上記資料によると、貸家戸建ての割合は、賃貸住宅全体の約2%程度となっています。

また、直近の貸家戸建ての供給戸数は、年間で約6,000戸となっています。

家(戸建て)の売却と賃貸はどちらも取引が一定数ありますが、中古戸建の賃貸需要の低さを考えると、売却の方がメリットは出しやすいと言えます。

家の売却と賃貸(貸家)どちらが良いかは一概に言えない

結論としては、家の売却と賃貸(貸家)のどちらが良いかは、その物件の個別性(築年数・立地など)外的要因(住宅ローン金利・経済状況など)目的や家族構成・今後の計画などによって異なるため、一概には言えません。

そのため、物件の状況や持ち主の意志を元に、しっかりと判断しなければいけません。

家を売却するか賃貸(貸家)に出すか判断するポイント

家を売却するべきケース

家を売却するべきケース
  • 今後住む予定がない
  • まとまった資金が必要

今住んでいる家を売却することを選ぶなら、今後住む予定がない時に選ぶのがおすすめです。

物件価格は、築年数が古いほど安くなり、逆に築年数が浅い家ほど高値で売却できます。

今後住む予定がなく、まとまった資金が必要という方は売却を選ぶのがいいでしょう。

売る方法も様々あります。自身にとって得になる方法で売却を進めましょう。

家を賃貸に出すべきケース

家を賃貸に出すべきケース
  • 今後住む予定がある
  • 貸家需要の高いエリアである

逆に今住んでいる家に今後も済む予定がある方は貸すことを第一に選ぶのがおすすめです。

例えば、長く住んでいるうちに愛着が湧いてしまって手放すのが惜しい方将来的に戻ってくる可能性がある方には賃貸がおすすめです。

ただし、貸す方法を選ぶ場合、物件を借りたいと思う方が現れなければ成立しないうえ、物件がある地域の需要度に応じて確率が変動します。

特に都心部は賃貸需要が非常に高いため、入居者が現れやすいうえ、空室になってもすぐに新しい入居者が現れます。

ただし、家賃収入があっても住宅の維持管理費や管理会社への手数料、固定資産税や都市計画税などの納付義務があるため、手元に残る資金は売却した時よりも少ないでしょう。

家を売るメリット・デメリット

家を売るメリット
家を売るデメリット
  • まとまった代金を得られる
  • 所有の手間や維持費・税金がかからない
  • 収益を得る難易度が低い
  • 家を手放す必要がある
  • ローンを完済する必要がある

家を売る一番大きなメリットは、まとまった代金を得られる点です。

また、不動産は所有しているだけで固定資産税などがかかる他、設備の修理などで様々な費用が発生しますが、こうした手間やコストをなくすことができます。

加えて、貸家を運営する場合は、物件の状態の維持や広告活動、居住者へのケアなど様々な対応が必要ですが、売却の場合は成約までの手続きや販売活動は基本的に仲介業者が一任します。

一方で、建てた家を手放す必要があることや、引渡し前にローンを完済する必要があるのがデメリットです。

家を賃貸に出すメリット・デメリット

家を賃貸に出すメリット
家を賃貸に出すデメリット
  • 継続的に収益を得られる
  • 家を所有したままでいられる
  • 初期費用がかかる
  • 広告活動や設備修理などのコストがかかる
  • 売り時を逃す恐れがある

家を賃貸に出す最大のメリットは、収益を継続的に得られる可能性がある点です。

一戸あたりの賃料収入は売却時よりも大きくありませんが、コンスタントに収益を得られれば、最終的に売却よりも大きな利益を得らえる可能性はあります。

また、家を所有したままなので、将来的に再び住まいとして利用したり、売却したりすることができます。

一方で、家を賃貸に出す際は、クリーニング費などの初期費用が発生します。入居者募集のための広告活動は、管理会社に委託する場合やオーナー本人が実施する場合がありますが、いずれにせよ、費用が発生します。

また、売却時よりも、賃料収入を得て収益化(黒字化)できる確証がないことも、注意すべき点になります。

加えて、賃貸経営の出口戦略を誤った結果、売り時を逃してしまうというリスクもあります。

不動産投資家の多くは家賃収入を入居率0になるまで得ようとする訳ではなく、家賃収入はあるが、売却による利益も鑑みて、利益が最大になるタイミングで売却をするのが基本となります。この目線がないと、結果的に売却したほうがお得だったということになる可能性が高いです。

売却したほうが良い家の特徴

ここでは、所有している家を売却するのに向いている家の特徴を3つご紹介します。

住宅ローンが未完済の物件

住宅ローンが残っている家は、仲介売買や業者買取に打ってつけの物件です。

物件を賃貸にして投資物件にするには、金融機関が所有している担保をローン完済で相殺し、名義共々自分のものにする必要があります。

また住宅ローンを組んで購入した物件を賃貸として他人に貸していることが判明した場合、アパートローンへの買い替えが機関側から求められます。

ただし、転勤などのやむを得ない理由で、家を貸すとなれば住宅ローンのまま貸すことを機関側が承認してくれます。

物件周辺環境・条件が悪いもの

2つ目は、最寄駅から徒歩10分以上の物件経済的価値がない古家などの物件です。

これらの特徴をも持った土地に立つ不動産を賃貸住宅にして借り手を待っていたとしても、周辺環境・条件が悪いなどの理由から購入を希望する方が現れることはなく、家の維持管理費がかかる一方です。

購入者が現れれば相場よりも少し高値で売れますが、一向に現れなければただただ時間とお金を浪費しているだけです。

コスト削減のためにも、このような条件下にある物件は早々に手放すのがいいでしょう。

リフォームを一度もしていない物件

3つ目は、リフォームをしていない物件です。

経年劣化がひどいという理由からリフォームを行えば、当然リフォーム代が発生します。

その後に物件を売却しても、住宅の築年数が変わることはなく最悪の場合、リフォームにかけた費用よりも安くなることもしばしあります。

古家など老朽化が目立つ物件は、リフォームせずそのままの状態で売却を進めた方が無駄な出費を掛けずに済みます。

ただし、賃貸住宅にする考えであれば、リフォームしてから市場に出すのがいいでしょう。

賃貸に出したほうが良い家の特徴

ここでは、所有している家を賃貸住宅にするのに向いている家の特徴を2つご紹介します。

住宅ローンが完済済みの物件

金融機関で借り入れた住宅ローンを完済している物件であれば、不動産投資用物件として賃貸に出すことができます。

ローンを完済することによって、金融機関が所有していた抵当権(担保)が相殺されるので、銀行との繋がりがなくなったおかけで物件を自由に貸し出すことができます。

物件周辺環境が良好な土地にある物件

2つ目は、物件周辺環境が良好な土地にある物件です。

利便性が高い地域にある物件ほど貸し出し需要が高く、不動産会社の仲介に出せば3ヶ月以内に借り手が見つかります。

物件周辺環境が良好な土地とは、具体的に以下のような土地柄を指します。

  • 住宅から最寄り駅が近い
  • 学校やスーパーなどの公共機関から近い
  • 都心部に位置している

などが挙げられます。

そのほかにも、住宅の日当たりが南向きといった物件条件がいいものも借り手が見つかりやすいです。

家の売却と賃貸の収支シミュレーションを比較

家を売るか貸すか迷っている方が最も気になるのが収支の違いだと思います。

同じステータスの家を売りに出すのと賃貸に出すのではどちらがよりお得なのか、以下の物件を例にしてチェックしていきましょう。

項目 金額
路線価 50万円
土地面積 100㎡
購入時の費用 7,500万円
毎月の費用 12万円

家を売却した時の利益(代金)を計算

まずは、家を売却した時の代金を計算していきます。

売却価格の基準となる公示地価は、(路線価×土地面積)×1.25で計算することができます。

今回のケースを当てはめると、(50万円×100㎡)×1.25=6250万円となります。

築20~25年より浅い物件なら、ここに建物の価値も付加されます。

ただ、実際は内装の状態や周辺環境によっても価格は変化するため、一概にこの価格で売れるとは言えません。

本当に精度の高い価格を知りたいなら、不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

家を賃貸に出した時の賃料を計算

家を賃貸に出した時は、一体いくらの利益が見込めるのでしょうか?

まずは、家の賃貸経営でかかる維持費の計算をしましょう。

維持費は、住まいとして活用する中でかかっている維持費に加えて、修繕費や業務委託費などを2万円程度上乗せした金額が相場になります。

現在支払っている費用は12万円なので、だいたい14万円が相場となります。

賃貸経営をおこなう際は費用を差し引いて5~7割ほどの収益を維持しないとプラスにはならないので、家賃は月28~39万円ほどに設定しないと収益を上げることは出来ません。

毎月賃料の7割の利益(25万円)があるとすると、売却時の目安6250万円に追いつくまで250か月(約21年弱)かかる試算になります。

事業用ローンを利用して更に投資を拡大していくなら賃貸に出すメリットはありますが、一気にまとまった収益を得たいという方は基本的に売却のほうをおすすめします。

家を売却する際の注意点

転勤期間の目途が不明という理由から売却を選択された場合、転勤当日までに住宅を売却してしまうのはほぼ不可能に近いです。

ここからは、転勤を理由に持ち家を売却することを選択した際の注意点を紹介します。

転勤当日までに査定を済ませておく

持ち家を手放す時は訪問査定を受けて、媒介契約を結ばなければなりません。

査定額は、ネットでも調べることができますが、住宅の個別評価額が査定額に反映されてないことや、個人間での取引はトラブルの元になるなど、危惧すべきことが多々あります。

また転居後に査定を行えば、その都度、交通費が発生してしまいます。

余計な出費を出さないためにも、査定は転居前に済ませておくのが妥当です。

なお、買い手が見つかったときに交わす売買契約を、持ち回り契約という方法にすれば、現地に戻らずとも売却できます。

ただし、売り手・買い手のどちらかが「対面を望む」という場合だと利用できません。

前もって相場額をリサーチしておくこと

持ち家を手放す時は、転居前までに訪問査定と媒介契約を交わしておく必要があります。

訪問査定を行えば、住宅の個別事情が評価され、正当な売却価格が算出されるわけですが、業者によっては、契約を取るという目的から多額の売却金を出してくるところもあります。

売り手にとって高く売れば、大きな利となりますが、買い手がつかない状態が続く恐れがあります。

売却は買い手がつかなければ意味を成しません。

売買契約を締結させるためにも、自動シミュレーターや一括査定サイトなどを駆使して売却価格の相場範囲をリサーチしておきましょう。

相場額の範囲が分かれば、業者に売却の主導権を握られずに済むばかりか悪徳企業に騙されずに済みます。

仲介は転居前に住んでいたエリアにある業者にお願いする

売却を行うために訪問査定を依頼するわけですが、依頼する不動産会社は持ち家がある地元で活躍している不動産会社にお願いするのが最適です。

理由は、地元の特徴を知り尽くしていることが挙げられます。

地元の特徴を知り尽くしている業者であれば、地域の特徴や魅力を買い手にうまく伝えられるので、買い手が見つかりやすいメリットがあります。

ローン残債額の確認をする

売却を選択すると決めたら、購入時に組んだ住宅ローンの残債額がいくらあるかを必ず確認しなければなりません。

そもそも持ち家を売却するには、金融機関が持つ抵当権を抹消しなければ売却が行えません。

例えば、ローンの残債額を売却価格が上回っているアンダーローンの状態であれば、物件の売却が行えます。

逆に売却額がローン残債額を下回るオーバーローンの場合、売却は不可能です。

オーバーローンになった場合、自己資産で不足分を補う方法とは別で、任意売却という方法もあります。

任意売却とは、金融機関側にローン残債額の圧縮をお願いして、売却に至るというものです。

しかし任意売却を選択した場合、債務者は債務不履行を起こしたものとみなされ、ブラックリストに氏名と住所が5~7年もの間記録されます。

家を賃貸に出す際の注意点

持ち家を賃貸化する時でも、売却同様、住宅ローンの残債額を確認しておく必要があります。

ここでは、住宅ローンがある状態で賃貸化するときの注意点を2点紹介します。

賃貸化するなら不動産投資ローンの借り換えが必須

住宅購入時に組む住宅ローンの利用使途は、物件購入時の資金 に宛がうことを目的にしており、それ以外の目的で利用することはできません。

ましてや、購入した物件を賃貸化するということは、不動産投資を始めるということを指しています。

この行為を行った時点で、契約内容に違反し、一括返済を債権者側から求められます。

このような事態を避けるため、賃貸化するときは、不動産投資ローンへの借り換えを行うことが最善です。

住宅ローン控除の利用ができない

住宅ローン控除の利用ができない

持ち家に住んでいない状態だと、住宅ローン控除などの節税措置が受けられません。

住宅ローンの控除を受けるには、所有者本人、またはその家族が居住していることで受けられます。

第3者に住宅の貸し出しを行っている最中やダレも住んでない空き家状態だと、控除は受けられません。

また賃貸化して持ち家に戻ってきた場合、ローン控除の再利用が可能となりますが、再開は戻ってきた年の翌年以降にあります。

家を賃貸・売却の判断は収支を比較して決めるがおすすめ

家の価値は購入した段階と築年数が古くなっていくのにつれて収益物件の利回りが下がっていきます。

つまり、今後素人が賃貸経営をして成功する可能性は、どんどん低くなってしまうのです。

単純な成功率やリスクの低さで考えるなら、売却手続きを組むのが妥当です。

どうしても不動産投資に挑戦したい方は、事前に最低限の知識を学んだうえで、リスク覚悟で実行するようにしましょう。

完了まで60秒!大手不動産会社の売却価格をスピード査定