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戸建て売却

家は査定額で売れる?査定価格と売り出し価格の違いや損しないポイント・注意点

家 査定額で売れる
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家を売却する際、「査定額=売却価格」と考えてしまう方も多いでしょう。

しかし、査定額はあくまで目安であり、必ずしもその金額で売れるとは限りません

以下は、東日本不動産流通機構が2025年2月に発表している首都圏中古マンションの成約㎡単価と新規登録㎡単価の推移が分かるデータです。

成約㎡単価と新規登録㎡単価に差が見られることが分かるように、査定額がそのまま成約価格に繋がらないことが予想できます。

首都圏中古マンション㎡単価の推移※出典:東日本不動産流通機構「2025年2月度月例マーケットウォッチ

この記事では、家が査定額で売れるとは限らない理由や査定方法、不動産会社によって査定額が異なる理由などについて解説します。

また、家の査定額が高過ぎた際の注意点や査定時にチェックするポイントについても紹介しているので、損をしない売却を目指す方はぜひ参考にしてください。

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家が査定額で売れるとは限らない理由

査定額=「売出価格」「成約価格」ではない不動産の査定額はあくまで「目安の金額」であり、実際にその金額で売れるとは限りません。

査定額が実際の売却価格と異なる理由はいくつかありますが、大きなポイントは「査定額の算出方法」と「市場の動向」にあります。

ここでは、査定額の意味と、査定額がそのまま売出価格や成約価格にならない理由について解説します。

家の査定額は「3ヶ月以内に売れると予想する価格」だから

結論をいうと不動産会社が提示する査定額は「3ヶ月以内に売れると予想される価格」であり、市場の状況を考慮したうえでの目安の金額であるため、必ずしも査定額で売却できるわけではありません。

不動産会社の査定額は、過去の成約事例や現在の市場状況をもとに算出されます。

一般的に不動産は長期間売れ残ると価格が下がる傾向にあるため、3ヶ月以内に売却できる可能性が高い価格として査定額が設定されているのです。

最終的な売却価格は買主の希望や交渉によって変動することを考慮したうえで、査定額だけに頼らず、売出価格の設定や市場動向をよく確認することが大切です。

査定額=「売出価格」「成約価格」ではないから

査定額と実際の売却価格は必ずしも一致しません。

不動産売却には「査定額」「売出価格」「成約価格」という3つの価格があり、それぞれ意味は以下のとおりです。

  • 査定額:不動産会社が市場価格をもとに算出した「3ヶ月以内に売れると予想する価格」
  • 売出価格:売主が市場の状況を考慮して設定する「最初の販売価格」
  • 成約価格:実際に買主が購入した「最終的な取引価格」

査定額はあくまで目安であり、「売主の希望」「買主の予算」「市場の動向」などによって最終的な成約価格は変動します。

そのため、査定額を参考にしつつ、適切な価格設定と交渉が重要です。

家査定の2つの依頼方法

机上査定と訪問査定の違い

家の査定方法には、大きく分けて「机上査定(簡易査定)」「訪問査定」の2種類があります。

それぞれの査定方法にはメリット・デメリットがあり、目的に応じて使い分けることが重要です。

ここでは、机上査定と訪問査定の特徴や違いについて解説します。

  • 机上査定(簡易査定)
  • 訪問査定

机上査定(簡易査定)

机上査定は家の所在地や広さ、築年数などの基本情報をもとに算出される簡易的な査定方法です。

査定結果は早ければ翌日、遅くとも3日程度で受け取れるため、スピーディーにおおよその価格を把握できます。

ただし、物件の具体的な状態や周辺環境は考慮されないため、訪問査定と比べると精度はやや低めです。

家のおおよその市場価値を把握したい場合や、売却を検討し始めた段階での参考として活用するのに適しているでしょう。

訪問査定

訪問査定は不動産会社の担当者が実際に家を訪れ、室内外の状態や設備、周辺環境などを詳しく確認したうえで行う査定方法です。

査定結果が出るまでに約1週間かかることが多いですが、机上査定よりも精度が高く、より具体的な売却価格の目安を把握できるため、本格的に売却を進める際には訪問査定を受けることになります。

不動産会社によって査定額が異なる理由

ここでは、不動産会社によって査定額が異なる理由を以下の2つに分けて紹介します。

  • 経験や取扱実績が異なるから
  • 売却戦略が違うから

経験や取扱実績が異なるから

不動産会社によって査定額に大きな差が出る要因の一つは、経験や取扱実績の違いです。

査定額は過去の取引事例をもとに算出されるのが一般的ですが、どのデータをどのように活用するかは不動産会社ごとに異なります。

物件種別や経験・取扱実績だけでなく用いるデータも異なるため、査定額にずれが発生するわけです。

例えば、マンション売却に特化した不動産会社はその分野のデータを多く持っているため、土地売却に特化した会社よりも精度の高い査定額を算出できる傾向にあります。

売却戦略が違うから

不動産会社によって査定額が異なる理由の二つ目は、売却戦略の違いです。

例えば、家を売るまでの期限に余裕がある場合は相場より高めの価格で売り出し、買主の反応を見ながら調整する戦略をとる会社もあります。

時間をかけてでもできるだけ高く売りたい売主にはこの売却戦略が適しているでしょう。

一方、早期売却を優先する会社は市場の相場よりもやや低めの査定額を提示し、短期間で買主を見つける方針をとることがあります。

家の査定額が高過ぎた際の注意点

家の査定額が高過ぎた際の注意点

家の査定額が高過ぎると一見メリットがあるように思えますが、実際にはさまざまなリスクを伴います。

相場とかけ離れた価格で売り出すと買主が見つかりにくくなり、売却までの期間が長引いたり、最終的な成約価格が期待よりも低くなったりする可能性が少なくありません。

ここでは、査定額が高すぎる場合の注意点を3つ紹介します。

  • 成約価格に差が生まれやすい
  • 売却が長引く恐れがある
  • 値下げをしても売れ残る場合がある

注意点1】成約価格に差が生まれやすい

査定額はあくまで「売出価格の目安」であり、必ずしもその価格で売れるわけではありません。

実際の市場では買主側が価格交渉を行い、最終的な成約価格は査定額よりも低くなるケースがほとんどです。

特に、周辺相場と比べて明らかに高いと価格を下げざるを得なくなり、最初から適正価格で売り出した場合よりも結果的に低い価格で売却することになってしまうリスクもあるため、査定額だけでなく実際の取引事例や市場動向を踏まえた価格設定を行うことが重要です。

注意点2】売却が長引く恐れがある

多くの買主は周辺の相場を調査したうえで購入を検討するため、明らかに高い価格で売り出された物件は敬遠され、問い合わせや内覧の数が減る傾向にあります。

例えば、同じエリアで似た条件の物件が相場通りの価格で売りに出されている場合、買主はそちらを優先して検討するでしょう。

結果として、高すぎる査定額で売り出した物件は市場に長く残り、売却が長期化してしまいます。

売却期間が長引くと買主に「なかなか売れない物件=何か問題がある」と思われる可能性もあるため、適正価格での売り出しが重要です。

注意点3】値下げをしても売れ残る場合がある

市場に長く出ている物件は買主から「人気がない」「何かしら問題がある」と判断されやすいため、後から値下げしても興味を引くことが難しくなり、結果的に売れ残る可能性が高まります。

また、売却が長引くと住宅ローンの支払いが続いたり、維持費や固定資産税の負担が増えたりする点もデメリットです。

最終的に売れ残った場合はさらに大幅な値下げをすることになり、最初から適正価格で売り出した場合よりも低い価格で売却することになりかねません。

家の査定時にチェックするポイント

家を売る際の査定額は不動産会社によって異なる場合があり、適正価格で売却するためには査定額の妥当性を判断することが重要です。

ここでは、家の査定を受ける際にチェックするべきポイントを2つ紹介します。

  • 不動産会社の取引事例は豊富か
  • 査定額の根拠は明確か

不動産会社の取引事例は豊富か

家の査定を依頼する際は、不動産会社のホームページや口コミサイトなどで取引事例が豊富かどうかを確認しましょう

取引事例が多い会社ほど蓄積されたデータをもとに多角的な分析ができるため、より精度の高い査定額が期待できます。

また、不動産会社ごとに得意とする物件種別やエリアは異なるため、売却を検討している物件と似た条件の取引経験が豊富かどうかを、営業担当者に直接確認することも大切です。

査定額の根拠は明確か

不動産会社が提示する査定額が妥当かどうかを判断するには、「なぜこの金額なのか?」を確認することが重要です。

査定額を算出する際には、主に以下の3つのポイントが考慮されます。

  • 近隣の類似物件の成約価格:同じような条件の物件がいくらで売れたか
  • 現在の市場動向:不動産価格が上昇・下降しているか
  • 物件の個別要因:築年数、間取り、日当たり、リフォーム状況など

不動産会社に査定を依頼する際は査定額の根拠を具体的に説明してもらい、内容に納得できるかどうかを判断しましょう。

また1社の査定だけでなく複数社の査定結果を比較することで、より客観的な価格を把握できます。

家を査定額で売るためにできる工夫

家をより高く・早く売却するためには査定額にこだわるだけでなく、適切な売却戦略を立てることが欠かせません。

不動産市場の動向や売却活動の進め方によって、実際の成約価格は大きく変わることもあります。

ここでは、家を査定額あるいはできるだけ高く・早く売るために意識すべきポイントを紹介します。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 営業担当者との相性は良いか
  • 自分でも相場を把握する

複数の不動産会社に査定を依頼する

家を高く売るためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。

1社だけの価格では市場相場を正確に把握することが難しく、提示された金額の妥当性を判断できません。

また、不動産会社によっては媒介契約を結ぶために相場を無視した高過ぎる査定額を提示してくる場合もあります。

高額な価格は一見魅力的ですが、長期間売れ残った後に値下げを迫られるリスクも無視できないため、最低でも3社以上に査定を依頼しましょう。

営業担当者との相性は良いか

営業担当者の対応や提案力によって、売却のスピードや成約価格に大きな差が出ることがあります。

例えば、売却活動の進め方や価格交渉の戦略、購入希望者へのアプローチ方法などは、営業担当者の経験やスキルに左右される部分がほとんどです。

また、売主とのコミュニケーションが円滑でないと要望がうまく伝わらず、希望通りの売却ができない可能性もあります。

営業担当者の質を見極めるには査定依頼時の対応をチェックするのが有効です。

「査定額の根拠を明確に説明できるか」、「質問に対して丁寧に回答してくれるか」などを確認するとよいでしょう。

自分でも相場を把握する

不動産会社が算出した家の査定額をそのまま受け入れるのではなく、自分でも市場の相場を把握しておくことが大切です。

なぜなら、提示された査定額が適正かどうかを判断でき、不動産会社の提案に対して主体的に交渉できるようになるからです。

相場を調べる方法としては、以下のような手段があります。

  • 不動産ポータルサイトを活用する:同じエリア・条件の物件がどのくらいの価格で売り出されているかを確認できる
  • レインズマーケットインフォメーション」や「不動産情報ライブラリ」をチェックする:実際の成約事例をもとに価格の目安を把握できる
  • 不動産一括査定サイトを利用する:複数の査定額を比較し、価格の妥当性を判断する材料になる

まとめ:家の査定額が高すぎたら根拠を確認しよう

家の査定額が高すぎる場合、必ずしもその価格で売れるとは限りません。

不動産会社ごとに査定の基準や売却戦略が異なるため、高額な査定額が提示された場合は根拠を慎重に確認することが重要です。

特に、市場相場から大きく乖離した査定額は売却の長期化や値下げのリスクを伴うため、査定額だけで不動産会社を選ぶのではなく、過去の取引事例や担当者の提案内容にも注目して信頼できる会社を選びましょう。

不動産会社ごとの査定額や対応を比較するには不動産一括査定サイトの活用が便利です。

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