家を売却するときに、悩みがちなのが家具・家電の処分についてです。
家具・家電は大きくて重いため移動が大変でモノによっては処分するのにもコストがかかってしまうものも多いです。
できれば買い手の方に引き取ってもらいたいという方が多いのではないでしょうか。
確かにあまり自分では処分したくないインテリアですが、実際に売り手は家を売却するときにインテリアも処分しなければいけないのでしょうか。
今回は、家の売却時における家財道具の処理に関して説明していこうと思います。
家具・家電は家を引き渡す前に全て片付けるのが基本
不動産を売却するときには、家具や電化製品といった荷物を全て片づけた状態のまっさらな状態での引き渡しが原則となっております。
不要なものはすべて売り手が責任を持って処分する必要があります。
残念ですが、不動産の買い手にとって、元の持ち主の家財道具は引き渡し後の処分対象として認識されるのが一般的です。
そのため、売却時に「無料で譲ります」といっても喜ばれないことがほとんどです。
家具・家電をそのままの状態で家を引き渡すことも可能
逆に、不要な家具を置いたままで引き渡せるケースもあります。
これは、売り主が「家具付きでどうですか」と提案し、買主が承諾した場合です。
契約段階でいきなり打診すると、契約をキャンセルされかねません。そこで売り出し段階で広告に「家財道具付き」などと記載しておく必要になります。
上手くいけば処分のお金が掛かりませんが、この条件が希望者の幅を狭めてしまうこともあり得るので注意しましょう。
家具・家電などの残置物の価格分を上乗せはできる?
家を引き渡す際に残しておくもの(残置物)がある場合、残した家具・家電の価格分だけ売却価格が上乗せされることは原則ありません。
前述の通り、家を売る際は家具・家電などは処分するのが一般的で、何らかの事情で処分できない場合に、残置物をおいたまま引き渡さざるを得ないというパターンがほとんどだからです。
むしろ、一般的には処分費用を売主が支払うことになるため、その分を売却価格から値引きするケースの方が多いです。
ただし、引渡しの条件や価格設定はあくまで売主と買主の合意によって決まるので、たとえば最新式の家電が備え付けになっている場合などは、買主の合意を得て価格を上乗せできることもあります。
エアコン・照明などの備え付け設備はそのまま引き渡すことが多い
エアコン・照明などの備え付け設備は、取り外さずそのまま引き渡すことが多いです。
これらの設備(付帯設備)は壁の中に埋め込まれていることも多く、取り外し・取付に高額工事費が必要になります。
備え付け設備の引継ぎには付帯設備表の用意が必要
照明やテレビのアンテナ等の付帯設備がついている状態で売りに出す場合は付帯設備表を作成しておかなければなりません。
付帯設備表は、販売活動を行ってくれる不動産会社が用意してくれることがほとんどです。
付帯設備表に何を残していくのか事前に記入しておくことで、引き渡しの際に物件と一緒に引き渡すことが出来ます。
エアコンなどを置いて行く場合は、当たり前ですが、入念に掃除して購入希望者にいい印象を与えることが必須になってきます。
備え付け設備が故障していても取り外しは原則不要
備え付け設備が故障している場合も、買主に事前告知しており、承諾を得ていれば、故障している場合でもそのまま引き渡すことができます。
そもそも、引渡し後に買主が設備をそのまま利用するとは限りません。事前に買主と相談せず、売主側で設備修繕をしてしまうと、無駄な出費になってしまう可能性があります。
ただし、メーカーが回収を募集している欠陥品や、人体に害を及ぼす可能性があるものであれば、売却時にマイナスとなる可能性が高いので、事前に処置を不動産会社と相談する必要があります。
家を売る際に家具・家電を片付けるタイミングは内覧前と引き渡し前の2回
物件を売却するときには、前もって売り手が室内を片付けておく必要があります。
ここでは、室内を片付けておく必要のあるタイミングを2つ説明していきます。
【1回目】購入希望者が内覧に来るとき
購入希望者への第一印象をより良いものにするために、内覧に来る前に部屋の片づけと掃除を済ませて、きれいな状態にしておくことは非常に重要です。
物件の状態によっても異なりますが、一般的には物件広告からのお問い合わせのうち、およそ5件に1件が内覧に進むと言われています。
内覧で契約を断られると、引渡し時期がどんどん後ろ倒しになってしまうため注意が必要です。
【2回目】家を引き渡すとき
物件の引き渡し時には、新居にもっていく予定のない不要な家財道具はすべて売り手が処分する必要があります。
食器棚や本棚はもちろんのこと、エアコンやカーテンなどの後から取り付けたものはすべて撤去します。
家を売却する際は、内覧時は家具・家電を整理しつつ、そのまま対応し、引渡しまでに処分するケースが多いです。
不要品を片付けておくと家が高く売れやすい
不動産を売却するときには、不要な荷物などをすべて撤去して空き家にしておいた方がすぐに売ることができる可能性が高いです。
空き家の状態にしておけば、売却依頼をしている不動産会社に物件の合鍵を預けておくことができます。
不動産会社が物件の合鍵を管理していれば、いつでも好きなタイミングで内覧の案内をすることができます。
不動産会社や購入希望者が好きなタイミングでいつでも内覧が可能というのは、不動産を売却することにおいては非常に大きなメリットになります。
空き家にしておいた方が広く見えて第一印象が良くなる
部屋の中に家具や電化製品がない空き家の状態の方か部屋自体を広く感じさせることができます。
また、家具がない方が、購入希望者が内覧に来たときにも家具や電化製品の配置について自由に想像することができます。
内覧においては、部屋や物件自体をより広く感じさせることは非常に重要なポイントです。
そのため。あらかじめ室内を片付けておいた方が、買い手の心をつかむことができるかと思います。
不要な家具を処分する方法
不要な家具は処分するのにもお金がかかってしまいます。
引っ越しにはお金がかかるので、家具の処分にお金はできるだけかけたくないですよね。
そこで家具をお得に処分する方法について紹介していきます。
ブランド品は骨董店へ
代々受け継がれてきた価値ある品物や絵画、ブランド家具などは、価値を見極めてくれる骨董店やジュエリー店へ持ち込むのが最良です。
大手の雑貨店やオンラインオークションで売ると、その価値が理解されず、思っていたより安い価格で売られてしまう可能性があります。
意外と高額な金額がつくこともあるので、ぜひ試してみてください。
実用的な家具はオンラインオークションに出品
機能的な家具や新しめの品物なら、オンラインオークションで売るのが適しています。
ただし、オークションの取引成立までには時間がかかることがあります。したがって、時間に余裕を持って手続きを開始しましょう。
オークションで売れない場合はリサイクルショップへ
古い扇風機などは、リサイクルショップへ持ち込むのがベストです。
きれいに掃除してから持ち込むと、買取価格が多少なりとも上がることがあります。
オークションよりも価格は低くなる可能性がありますが、売れる確率は高まります。
古着店・古本店では価格がつかなくても処分可能
衣服や本などは、古着店や古本店に持って行くのが良いでしょう。
これらの店のメリットは、商品に価格がつかなくても、不要なものを店側に処分してもらえることです。
家具の回収サービスを利用すると料金がかかることがありますが、店に持ち込むことでそのコストを抑えることができます。さらに、思わぬ所から少額でも現金を得ることができるかもしれませんね。
以上のような方法で、不要な家具を有利に売ることができます。一番大切なのは、そのアイテムが何であるかを理解し、適切な場所で販売することです。このようにすれば、不要な家具から最大限の価値を引き出すことができるでしょう。
買い取ってもらえなかった家具はどう片付ける?
買取をしてもらえるものとしては、以下のようなものが挙げられます。
電話 | iPhone、スマートフォン、電話機 |
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家電 | DVDプレーヤー、コンポ、カメラ、ストーブ、スピーカー、テレビ、デスクトップPC、ビデオデッキ、ミシン、ラジオ、洗濯機、冷蔵庫、旋風機など |
家具など | ソファー、タンス、テーブル、食器棚、ベッド |
その他 | バッグ、楽器、骨とう品etc… |
その他の品でなかなか売れなかったら、低コストで処分をしましょう。
大型家具を処分する場合は費用がかかってしまうので、なるべく少額か無料で処理をしたいものです。
ここからは、いらない家具を低コストで処分する方法を紹介していきます。
処分も対応している引っ越し業者に頼む
処分業者に家具の片づけを別途依頼すると、費用が余計にかかってしまいます。
そこでおすすめなのが、引っ越しと同時に家具処分もしてくれる業者に依頼する方法です。
家具処分が無料というところはなかなかありませんが、何より手間が省けるので楽です。
粗大ごみの受付センターに持っていく
回収業者に依頼するより安いのが、自治体が運営している粗大ごみ受付センターを利用する方法です。
まず自治体に問い合わせて、予約した日時にいらないものを持っていきましょう。
運搬の手間はかかりますが、処分費用が安上がりで済みます。
無断で家具・家電を残した場合の罰則
不動産の売買契約では、一般的に家具・家電は処分することが明記されています。
この条件を守らずに、残置物を残したまま取引をしてしまった場合は、契約不適合責任(民法第563条)に触れてしまいます。
- 民法第563条
- 前条第1項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
- 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
- 履行の追完が不能であるとき。
- 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
- 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
- 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
- 第1項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。
このようなケースに陥った場合、具体的には下記のようなペナルティが発生します。
- 代金の減額(買主から請求)
- 契約の解除
- 損害賠償(買主から請求)
家具・家電を片付けて売るか迷ったら業者に相談しよう
家財道具を処分すべきか判断できない場合は、不動産会社に相談してアドバイスをもらうようにしましょう。
不動産会社はトータルの利益を考えて、どうすべきか判断してくれます。
ただ、彼らはこれまでの実績を踏まえて経験からアドバイスをするので、会社によってアドバイス内容がかなり変わってしまいます。
意見が違うのは家財処分だけでなく、これらの項目も同様です。
- 査定額
- 家の解体の必要性
- 検査結果
- お得な節税方法
- 最良の売却方法
- 成約までの見込み期間
それぞれ回答が異なる中で最良の契約先を見つけるには、複数社の話を聞いた上で比較検討するのがおすすめです。
1社だけの話を聞いて全てを決めると、知らぬ間に大損をしている可能性もあるので注意しましょう。
不動産一括査定サイトは複数社を比較したい方におすすめ
不動産会社の対応・査定額を比較したい方におすすめなのが一括査定サイトです。
簡単な物件情報を60秒ほどで入力すれば、対応している地域の業者に一括で査定依頼ができる優れものです。
今までは地域に対応する不動産会社を探し、1社ごとに電話で相談予約を取っていましたが、その手間が大幅に省けます。
また、今までは自分で全部探したはずが思わぬ優良業者を見逃していることが多々ありました。
隣県の優良業者が査定対応しているケースも不動産ではあるのですが、ネットを使えば一切見逃すことがなくなりました。
査定額を比較すればどこが高く売ってくれるか検討がつきますし、それぞれに電話相談をするのも容易です。
この時に家具・エアコンの片付けについて相談してみると、かかる費用なども簡単に比較できます。