憧れのマイホームを建てよう!と考えるとき、考えなくてはいけないのが住宅ローンについてです。
そして住宅ローンを借りるためには、まず頭金をいくら用意するかを決めなくてはいけません。
家を建てるにあたって「頭金をいくら用意すればいいのかわからない」「そもそも頭金って必要なの?」と悩んでいる方は是非この記事を参考にしてみてくださいね。
一般的に支払われている頭金の目安や、頭金を支払わない購入方法のメリットと注意点についても解説していきます。
また後半では頭金を払うべき人、払うべきでない人の特徴についてまとめていますので、ご自身の状況と照らし合わせながら参考にしてみてください。
家は人生で1番高い買い物とも言いますから、万全に下調べをして後悔のないように備えましょう。
利用料金 | サポート内容 |
---|---|
無料 | 新築サポート、ファイナンシャルプランナー紹介など |
対応エリア | 相談満足度 |
日本全国 | 97.2%※利用者アンケート(2024年5月調べ) |
- 専門家がコストダウンのコツなどを丁寧に解説
- 住まい探しの不明点をじっくり対面相談
- しつこいセールス・売り込みは一切なし
そもそも頭金とは
頭金とは、住宅価格からローンの借り入れ分を差し引いた金額のことです。
例えば4,000万円の住宅に関してなら、頭金として500万円支払うとローンは残りの3,500万円ということになります。
ローンを使ってものを購入する際、代金の一部を先払いすることで借り入れの総額を減らすためのお金のことを頭金と呼ぶのですね。
住宅タイプ別の頭金の平均額
一般的に支払われている頭金の目安についても見ていきましょう。
2018年度の「フラット35利用者調査」から、住宅タイプ別の頭金の平均額を紹介していきます。
注文住宅 | 636.5万円 |
---|---|
土地付注文住宅 | 447.0万円 |
新築マンション | 714.1万円 |
中古マンション | 310.5万円 |
建売住宅 | 293.2万円 |
中古戸建 | 203.0万円 |
検討している住宅のタイプから目安として参考にしてみてくださいね。
住宅購入時の費用に対する頭金の割合
同じく2018年度の「フラット35利用者調査」より、住宅購入時の費用に対する頭金の割合についても紹介します。
注文住宅 | 18.7% |
---|---|
土地付注文住宅 | 10.9% |
新築マンション | 16.1% |
中古マンション | 10.4% |
建売住宅 | 8.5% |
中古戸建 | 8.2% |
注文住宅と新築マンションは比較的高い割合ですが、それ以外は住宅価格の10%前後を頭金として支払うことが多いようです。
頭金には「必ず~万円支払う」というような指定された金額がないため、一体どれくらい用意すればいいのかわからないという方も多いと思います。
紹介した平均額と割合をもとに、用意する頭金の目安を割り出してみましょう。
頭金を払うメリット3つ
マイホーム購入時に頭金を払うメリットは下記の3つです。
- 住宅ローンの利息負担が減る
- 住宅ローンを借りやすくなる
- 月々の返済費が少なくなる
頭金を用意するのは大変ですが、その分メリットも多いです。
頭金を払うことにはどんな意味があるのかを理解したうえで、用意する金額を判断していきましょう。
住宅ローンの利息負担が減る
あらかじめ頭金を多く支払っておけば借り入れの総額が減り利息負担を減らすことができます。
低い金利で住宅ローンを組める可能性も高まるため経済的な負担を軽減することにもつながるでしょう。
同じ物件を購入するにしても、頭金を払うかどうかによる金利負担の違いは最終的に大きな金額の差を生むことになります。
頭金を払うほうが、初期費用はかかりますが結果的には支払い総額が少なく済むということですね。
住宅ローンを借りやすくなる
住宅ローンを借りる前には審査があるというのはご存じでしたか? 金融機関はその人の年収、職業、自己資金額などから「貸した金額を返すだけの経済力や稼ぐ力があるか」というところを判断します。
金融機関からしてみれば、家の購入をすべて借金で払おうとしている人よりも、少しでも頭金を用意してくる人の方が信用度は高いです。
そのため、先に頭金を支払っておくほうが審査に通る可能性が赤くなりローンを借りやすくなるということですね。
また、一般的に、住宅ローンの貸付の上限額は額面年収の7倍程度とされていますので、購入する住宅の価格を決める目安としてみましょう。
車のローンなどがあるとその分貸付上限は下がるので注意
車のローンやクレジットカードの残債があっても住宅ローンを借りることはできます。
ただ、貸付の限度額はそれらのローンをすべて含めた状態で計算されますので注意しましょう。
例えば年収が500万円の場合、住宅ローンとして借りられる上限額は一般的に7倍の3,500万円になります。
ただし車のローンが200万円残っていた場合はこの金額が差し引かれるため、貸付上限は「3,500万円-200万円=3,300万円」となります。
このように住宅ローン以外にも借金がある時には貸付上限から差し引かれることを覚えておきましょう。
月々の返済費が少なくなる
頭金を支払うことは住宅費用の一部を前払いするということですので、前払いした分純粋に月々の返済費が少なくなります。
住宅ローンの返済だけで家計が苦しくなってしまう状況を避けたいという方は、毎月無理なく返済できる金額になるよう、頭金をためてから住宅を購入するのが良いでしょう。
生活にもある程度の余裕を持てるような返済プランを立てることが大切ですね。
頭金0円のメリット3つ
頭金は必ず払わなければいけないものではありません。
そのため頭金0円で住宅を購入することもできます。
頭金0円で住宅を購入する際のメリットは下記の3つです。
- 住宅ローン控除の恩恵が大きくなる
- 手元に多くの現金を残しておける
- 欲しい土地、物件をすぐに買える
最近では「家を買うなら頭金を払うのが当たり前」という認識も変化してきています。
頭金を払わない購入方法のメリットについて理解し、自身にとって最適な方法はどちらなのかを見極めていきましょう。
住宅ローン控除の恩恵が大きくなる
住宅ローン空所とは、所得税、住民税から年末の住宅ローン残高の1%が控除される制度のことです。
例えば年末時点でのローン残高が3,000万円だった場合、その1%である30万円が年末調整で戻ってくることになります。
1%と見ただけでは「それだけ?」と感じてしまうかもしれませんが、こうして金額を出してみるとかなり大きいですよね。
この控除制度は家を購入してから13年間受けることができます。
この減税のメリットが大きいこともあり、あえて頭金を支払わずに住宅を購入する方もいるのです。
世帯年収が低い場合は注意が必要
住宅ローン控除を活用したいときに注意が必要なのが、ローンの借り入れ金額に対して世帯年収が低い場合です。
世帯年収が低いということは、払うべき所得税や住民税の金額がもともと低いため、いくら減税額が多くてもその恩恵を受けづらいのですね。
手元に多くの現金を残しておける
手元により多くの現金を残しておけるのも頭金を支払わないメリットです。
近々大きな出費があることが予想されるタイミングであれば、手元にまとまったお金を用意しておく必要があります。
例えばお子様の大学進学や結婚、出産などですね。
大きな頭金を払うとこうした別件の出費に対して対応できなくなってしまうこともあります。
タイミングによっては頭金を払わない、払いすぎないほうがいい場合があるということです。
欲しい土地、物件をすぐに買える
自分の理想にピッタリな土地、物件を見つけた時、「じゃあこれから頭金を貯めよう」と考えていたら別の誰かに取られてしまうことでしょう。
この機会を逃したくない!というときには、頭金を支払うだけのお金が手元になかったとしても、頭金0円で購入に踏みきることもできます。
ただ、収入が安定していて無理のない返済ができるなら問題ないかもしれませんが、思い切りだけで決めてしまうとローンの返済に苦しむことも。
頭金なしだとローンの審査も厳しくなる傾向があり、落ちてしまう可能性も高くなります。
計画性なく住宅購入に踏み切ることはリスクも大きいため、焦ってしまう気持ちもわかりますが一度冷静になって考えるよう心がけましょう。
短期間でも完済が可能になる
同じ時期にマイホームの購入を検討し始めた場合、例えばこれから500万円の頭金を貯めて家を購入する人より、頭金なしですぐに家を購入した人の方が早くローンを完済することができますよね。
返済が早めに終わることによって、老後の資金を確保しやすくなります。
退職金や年金でローンを完済しようとする方もいるかもしれませんが、年金が十分にもらえる場合でないと安定した生活資金が確保できるか不安が残ります。
借金の返済を早期に終わらせることがその後の生活の余裕にもつながっていくのですね。
余計な家賃を払わなくていい
賃貸に住みながら頭金を貯めようとすると、その間家賃を払い続けることもなります。
それなら早めにマイホームを購入して家賃分のお金をローンの返済に充てたほうが、効率がいいということですね。
家賃は掛け捨てだからもったいないという考え方もあり、頭金なしでも早めにマイホームを購入しようという方もいます。
マイホームで家族と過ごせる時間が増える
お子さんがいる家庭の場合、住宅の購入が遅れるとせっかくのマイホームでお子さんと過ごせる時間が短くなってしまいます。
お子さんの独立、一人暮らしまであと何年程か考えてみると、頭金を貯めるための数年も惜しいと感じる方もいます。
家族で過ごす貴重な時間のために、早めにマイホームの購入をすることを優先するという考え方もあるのですね。
頭金0円で住宅を購入する際の注意点3つ
頭金0円で住宅を購入することには注意点もあります。
最適な購入方法を判断するためにはメリットだけでなく、デメリットについても理解することも大切です。
頭金0円で住宅を購入する際の主な注意点は下記の3つです。
- ローンが増えるため利息負担も増える
- もし途中で売ることになった時リスクが大きくなる
- 初期費用が0円というわけではない 順番に詳しく紹介していきます。
ローンが増えるため利息負担も増える
頭金が0円ということは住宅価格のすべてをローンで支払うことになり、借り入れが高額になる分利息負担も大きくなります。
つまりは住宅購入にかかるトータルの費用が増えるということですね。
初期費用を抑えられるのはうれしいですが、結果的には費用が高くなってしまうことを理解しておきましょう。
また、頭金を支払う場合よりも毎月の返済額が多くなるため家計を圧迫してしまうこともあります。
長期的に見て無理のない返済プランを立てておくことが大切ですね。
もし途中で売ることになった時リスクが大きくなる
家を建てるなら長期的に住むことが前提であることが多いと思いますが、時には転勤や両親との同居などを理由にやむを得ず売却することもあるかもしれません。
その際、売却のタイミングにもよりますが、頭金を支払っていなかった場合は住宅ローンの残債が多く残っていることが考えられます。
もし住宅ローンの残債よりも売却価格が大きければ、売却したお金でローンを完済することができます。
しかし、家の価値が下がってしまい住宅ローンの残債よりも売却価格が少なかった場合には、足りない分を自己資金から捻出しなくてはいけなくなります。
利息負担も大きくなっているため、さらに出費がかさむ可能性があるということですね。
初期費用が0円というわけではない
頭金が0円というのは、初期費用0円で住宅を購入できるという意味ではありません。
住宅を購入するためには物件の購入費用だけでなく、それに付随する様々な諸費用の支払いが必要となります。
これらの諸費用は不動産の購入費とは別物ですので、まとめて住宅ローンに含むということはできません。
また諸費用の支払いは基本的に現金一括払いです。
頭金を払わないといっても、手持ちの資金0円で住宅を購入できるわけではないということを理解しておきましょう。
マイホーム購入時の諸費用
お伝えしたように、マイホーム購入時には不動産の購入費以外にも諸費用が発生し、基本的に現金での支払いが必要となります。
主な諸費用について一例を紹介しますので参考にしてみてください。
主な諸費用の一例
現金での支払いが必要な主な諸費用は下記のとおりです。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 手付金
- 固定資産税・都市計画税
- 不動産取得税 等
諸費用は注文住宅や新築マンションの場合では住宅価格の3%~6%。
中古住宅、建売住宅、新築一戸建てのお場合は住宅価格の6%~9%が目安と言われています。
諸費用ローンもあるが利息負担はさらに増える
諸費用を支払う際に使える「諸費用ローン」というものもありますが、基本的にはおすすめしません。
先ほどお伝えした通り、諸費用は住宅ローンに組み込むことができません。
つまり諸費用ローンを組むということは住宅ローンと二重で借り入れをするということですから、おのずと利息負担も増えることになります。
収入が多いか経済面に余裕がある場合は問題ないかもしれませんが、そうでない場合は余計に家計を圧迫することになります。
諸費用ローンの利用は慎重に検討するようにしましょう。
貯金をすべて頭金にしてしまうのはNG
ローンの額を減らして利息負担を少なくしたいという気持ちはわかりますが、だからと言って預貯金のすべてを頭金に回してしまうのは危険です。
確かに利息負担は減り、毎月の返済額も少なくなりますが、ある程度まとまったお金を手元に残しておかないといざというときにリスクが大きいからです。
マイホーム購入後病気や怪我で収入が下がってしまう可能性なども0ではありません。
そういった万が一の備えとなる生活の予備費のことも考えながら、頭金を設定するようにしましょう。
生活を維持できるローンの目安は一般的に年収の25%以内と言われています。
また、先にお伝えしていた現金での支払いが必要になる諸費用のことも忘れないように気を付けましょう。
住宅ローンの頭金を払うべき人・払うべきでない人の特徴
マイホーム購入時に頭金を払う場合、払わない場合の利点や注意点について解説してきました。
ここまで紹介してきたことをもとに、住宅ローンの頭金を払うべき人・払うべきでない人の特徴についてまとめていましたので参考にしてみてください。
頭金を払うべき人の特徴
頭金を払うべき人の特徴は以下の通りです。
- 毎月の返済を楽にしたい
- 利息負担を減らしたい
- 世帯年収がそこまで高くない
このように感じている方は頭金の支払いをして住宅を購入する方法がおすすめです。
年収がそこまで多くない方の場合は住宅ローン控除の恩恵を受けづらいこともあり、払わないデメリットの方が目立ちやすいです。
それであれば頭金を払って、毎月額を減らし利息負担も少なくて済むほうが得策です。
もし余力があるようであれば先に頭金を支払っておきましょう。
頭金を払うべきでない人の特徴
頭金を払うべきでない人の特徴は下記の通りです。
- 住宅購入とは別に大きな出費がある
- 頭金を貯める間の家賃がもったいない
- 世帯年収が高い
このように感じている方は、頭金を払わずに住宅を購入する方法がおすすめです。
賃貸でかかる家賃がもったいないと感じている方は、頭金なしで早めにマイホームを購入することで余計な家賃を支払わなくて済みます。
また年収が高い方であれば払っている税金も多いため、住宅ローン控除によって大幅な減税を受けられます。
これは大きなメリットですから、あらかじめ自分が払っている税金と住宅ローン控除で見込める減税額を把握しておくとよいでしょう。
お子様の進学、結婚、出産などで大きな出費が予想されるときには頭金を払いすぎると対応できなくなってしまうことがあります。
住宅購入のタイミングによっても頭金を払うべきかどうかは変わってきますので、ご家族のライフイベントなども考慮した計画を立てることが大切ですね。
国や市区町村の支援制度を活用しよう
国や市区町村が住宅購入に関する支援策を実施しているのを知っていましたか。
こうした様な支援策をうまく活用することで、よりお得にマイホーム購入することができるかもしれません。
自分が対象となる制度がないか確認し積極的に使っていきましょう。
下記は住宅購入に関する支援制度の一例です。
住宅借入金等特別控除 | 住宅ローン控除とも呼ばれ、住宅ローン控除残高に応じた減税を受けることができる。 |
---|---|
すまい給付金 | 特定の期間内に住宅を購入した場合に最大50万円の補助金を受けることができる。 |
認定住宅新築等特別税額控除 | 現金で住宅を購入した場合に減税を受けることができる。 |
域型住宅グリーン化事業 | 国から認定を受けた業者によって建てられた木造建築が対象の制度 |
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金 | 大幅な省エネルギーの実現と再生可能エネルギーを取り入れた住宅が対象の制度 |
グリーン住宅ポイント制度 | 「新たな日常」及び「防災」に対応した追加工事や様々な商品と交換できるポイントを発行する制度 |
頭金を払うかどうかは状況によって異なる
頭金を払ってマイホームを購入する方法と、支払わないで購入する方法、それぞれの利点や注意点について解説しました。
頭金を払うべきかどうかは、収入の状況や購入のタイミング、頭金を貯める間の出費の捉え方などによっても変わってきます。
記事で紹介した頭金を払うべき人、払うべきでない人の特徴と自身の現状を照らし合わせながら、頭金の金額を検討してみてくださいね。