ガレージ付きの注文住宅では車の保管場所と居住スペースをまとめて設計できます。
住宅の内部に駐車スペースを組み込む「ビルトインガレージ」は車から玄関までの移動や荷物の運び入れをしやすくする設計方法の一つです。
ただし、車体が収まる広さだけでなくドアの開閉、乗り降り、収納に使うスペースも必要です。
建築費に加え、換気・騒音・耐震性への対応も確認しなければなりません。
この記事では、注文住宅にガレージを設ける際の広さと費用の目安、メリット・デメリット、シャッターや電気設備の選び方、設計時の注意点を解説します。
| 利用料金 | サポート内容 |
|---|---|
| 無料 | 新築サポート、ファイナンシャルプランナー紹介など |
| 対応エリア | 相談満足度 |
| 日本全国 | 97.2%※利用者アンケート(2024年5月調べ) |
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注文住宅のガレージに必要な広さと費用の目安
ガレージの広さは、駐車する車の寸法・台数と、乗り降りや荷物の積み下ろしに必要なスペースを合わせて決めます。
費用は、面積だけでなく建物の構造、出入口の幅、シャッターや換気設備の仕様によって変わります。
車体の寸法と駐車に必要な広さを分けて考える
車の全長・全幅・全高は、車検証やメーカーの主要諸元表で確認します。
例えば、現在の軽自動車の規格は長さ3.4m以下・幅1.48m以下・高さ2.0m以下です。
ただし、この寸法に合わせてガレージをつくるだけではドアを開けたり車の周囲を通ったりする余裕がありません。
車体の寸法と、人が乗り降りできる駐車スペースの寸法は別です。
ドアやバックドアを開いた状態、サイドミラー、ルーフキャリアなども含めて必要な広さを確認してください。
以下は、1台分を幅3.0m×奥行6.0mと仮定し、横並びに駐車する場合の面積を計算した例です。
| 駐車台数 | 検討用の寸法例(幅×奥行) | 寸法例から計算した面積 |
|---|---|---|
| 1台 | 3.0m×6.0m | 18㎡・約5.4坪 |
| 2台・横並び | 6.0m×6.0m | 36㎡・約10.9坪 |
| 3台・横並び | 9.0m×6.0m | 54㎡・約16.3坪 |
※上記は広さを検討するための計算例であり、法令上の最低基準や、すべての車種に適した寸法を示すものではありません。1㎡=0.3025坪で換算しています。
※駐車や乗降に使うスペースの例であり、壁・柱・収納棚などに必要な面積は別に検討します。複数台の場合は、車同士の間隔や構造上必要な柱の位置によって寸法を調整してください。
チャイルドシートへの乗せ降ろしや車いすでの移動を想定する場合は、さらに余裕が必要になることがあります。
実車でドアを開き、乗降時の動きを確認してから設計に反映しましょう。
自転車・バイク・タイヤ・アウトドア用品なども置く場合は、駐車スペースとは別に収納場所と通路を確保します。
参考:パナソニック ホームズ「ビルトインガレージで必要な寸法は?」
費用はガレージの面積・構造・設備で変わる
費用の参考として、パナソニック ホームズではガレージ部分の坪単価を60万~80万円程度、4~5坪のガレージの費用を240万~400万円程度としています。
ただし、これは同社の解説で示された目安であり、全国平均や個別プランの見積額ではありません。
参考:パナソニック ホームズ「ガレージハウスの費用相場やメリット、実例を紹介」
見積もりでは、ガレージの躯体工事だけでなく、次の費用がどこまで含まれているかを確認してください。
- 基礎・柱・梁・壁・床などの工事費と、必要な構造上の補強費
- シャッター、換気、照明、コンセント、EV充電設備などの費用
- 地盤改良、外構・排水、設計・申請などの費用
2台・3台用のガレージは、出入口の幅や柱の配置によって構造計画も変わるため、1台分の費用を単純に倍にした金額では判断できません。
注文住宅でガレージハウスを建てるメリット
メリット1】外部の駐車場代を抑えられる
所有する車を敷地内に駐車できれば、月極駐車場などを別に借りる必要がなくなります。
仮に月2万円の駐車場を借りている場合は年間24万円の賃料が不要になる計算です。※駐車料金は地域や物件によって異なります
また、ガレージには建築費や維持管理費がかかるため、賃料が不要になることだけで経済的に有利とは判断できません。
雨の日の乗り降りや荷物の運び入れがしやすくなる
ガレージから室内へ直接入れる出入口を設ければ、雨の日でも屋外を通らずに移動できます。
買い物の荷物を運ぶ機会が多い場合は、玄関収納やパントリーにつながる動線を検討できます。
子育てや介護の際の移動を短くできる
車と室内の距離を短くすると、子どもを抱えて移動する際や家族の乗り降りを介助する際の負担を減らせます。
また、チャイルドシート側のドアを十分に開けられる幅や、ベビーカー・車いすで通れる経路を整備することで更に使いやすくなります。
参考:大和ハウス工業「ビルトインガレージのメリット・デメリット」
車を外から見えにくくして防犯設備を設けやすい
壁やシャッターで囲むガレージは、車や保管品を外から見えにくくできます。
出入口に照明や防犯カメラを設けることも、防犯対策の一つです。
ただし、自宅のガレージに置けば盗難や車上荒らしを防げる、というわけではありません。車から離れる際は施錠し、貴重品を車内に残さないようにします。
ガレージから住宅内に入れる設計では、室内側の出入口の施錠も必要です。
参考:神奈川県「自動車の盗難対策」/神奈川県警察「防犯カメラの設置を考えている方へ」
趣味や道具の収納スペースとして使える
駐車とは別のスペースを設ければ、自転車の手入れ、工具やアウトドア用品の収納などにも使えます。
作業台や収納棚を置く場合は、車のドアやバックドアの開閉を妨げない位置に配置します。
子どもが使う場所にする場合も、車の出し入れと遊ぶ時間を分け、工具などに触れないよう管理してください。
容積率の計算からガレージ部分を除外できる場合がある
容積率は敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合です。
自動車車庫などの用途に使う部分は、同一敷地内の建築物の各階の床面積の合計の5分の1を限度として容積率を計算する際の延べ面積から除外できます。
例えば、建物全体の延べ床面積が150㎡で、そのうち対象となるガレージが30㎡の場合、ほかの緩和を考慮しなければ容積率の計算に使う面積は120㎡になります。
※容積率の計算上の扱いでありガレージや土地が固定資産税の課税対象外になる制度ではありません。ビルトインガレージは、原則として家屋の一部として固定資産税の対象になります。
注文住宅でガレージハウスを建てるデメリット
建築費と維持管理費がかかる
ビルトインガレージは屋外の駐車スペースと比べて、壁や構造部材、シャッター、換気設備などの費用がかかります。
完成後もシャッターの点検・修理や設備の交換などに費用が発生する場合があります。
固定資産税も含め、建築後の支出まで予算に入れてください。
1階の居住スペースが減る場合がある
同じ建物規模で比較すると1階の一部をガレージに割り当てる分、居室や収納に使える面積は減ります。
ガレージの上階を居住スペースに使う方法はありますが、ビルトインガレージにすれば居住面積が必ず確保できるわけではありません。
建ぺい率・容積率・高さ制限などを踏まえた計画が必要です。
1階に寝室や水回りが必要な場合は、ガレージと両立できる広さがあるかを先に確認します。
2階にリビングを置く場合は、買い物の荷物を階段で運ぶ負担も考慮してください。
エンジン音・シャッター音や排気への対策が必要
住宅とガレージが一体になっていると、車の出し入れやシャッターの開閉音が隣接する部屋や上階に伝わる場合があります。
早朝・深夜に車を使う場合は、寝室をガレージから離す、静音性を確認してシャッターを選ぶ、壁や天井の遮音対策を検討するなどの対応が必要です。
排気ガスについても臭いだけでなく一酸化炭素への注意が必要です。
車庫内など換気の悪い場所では駐車中にエンジンをかけたままにしないでください。
出入りの際はシャッターを十分に開け、駐車後はエンジンを停止することを徹底しましょう。
大きな開口部に対応した耐震設計が必要
ビルトインガレージでは車の出入口を確保するために1階の壁や柱の配置が制約されます。
そのため、開口部を広くする場合は、建物全体のバランスを踏まえて構造を検討する必要があります。
ビルトインガレージがあることだけで耐震性が下がる訳ではありませんが、耐力壁の量と配置、柱・梁・接合部、基礎、ガレージ上部の荷重などを含めて設計し、必要な構造確認をおこなう必要があります。
ガレージシャッターの選び方
ガレージのシャッターは、材質・収納方式・開閉方法に加え、出入口の有効寸法、安全装置、維持管理の条件を比較して選びます。
材質と手入れの方法を確認する
ガレージ用のシャッターやドアには、スチール・アルミ・ステンレス・天然木などが使われます。
| 材質 | 選ぶ際に確認したいこと |
|---|---|
| スチール | 価格、塗装・表面処理、傷やさびへの対応、再塗装の必要性 |
| アルミ | 表面の仕上げ、色、清掃方法、設置環境への適合 |
| ステンレス | 表面の仕上げ、汚れやさびを防ぐための清掃方法・頻度 |
| 天然木 | 木目や色合いに加え、再塗装などの維持管理条件 |
アルミやステンレスも、手入れが不要になるわけではありません。清掃の頻度や方法は、材質と設置環境によって異なります。
天然木と木目調の金属製品では、見た目が似ていても維持管理の方法が異なるため、材質を確認してください。
収納方式と開口部の寸法を確認する
代表的な収納方式には、上部のボックスに巻き取る方式と、天井に沿ってパネルを収納する方式があります。
| 収納方式 | 仕組み | 設計時の確認点 |
|---|---|---|
| 巻き取り式 | シャッターを上部のボックスに巻き取って収納する | ボックスを納める場所と、開口部の有効高さ |
| オーバースライダー式 | パネルを持ち上げ、天井に沿って収納する | 天井側のレール・パネル・開閉機のスペースと、照明や収納との干渉 |
開閉音や速度は、方式だけでなく製品・サイズ・施工条件によって変わります。早朝や夜間に使用する場合は、実物やメーカーの資料で確認しましょう。
また、シャッターを設けたあとの有効幅・有効高さが車両の出入りに支障のない寸法になっているかをチェックする必要があります。
電動式は安全装置と停電時の操作も確認する
電動式は車内からリモコンなどで開閉でき、雨の日の乗り降りを減らせます。
ただし、電動式の場合は障害物を検知する機能の有無や内容、停電時の開放方法、点検・修理の窓口などを事前にチェックしておこないとリスクに繋がる可能性があります。
安全装置があっても、動いているシャッターの下を人や車が通ってよいわけではありません。開閉時は周囲を確認し、停止するまで近づかないようにしてください。
停電時の手動操作は製品ごとに異なります。無理に動かさず、取扱説明書に従って操作する必要があります。
ガレージのコンセントは用途とEV充電の有無に合わせて計画する
ガレージで掃除機や電動工具などを使う場合は、駐車した状態でも手が届く位置にコンセントを設けます。
電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電を考えている場合は、一般用コンセントとは別に、充電設備の計画が必要です。
EV・PHEVの充電設備には専用の電源回路が必要です。車両・充電器に対応した電圧と容量、漏電保護、接地などを電気工事業者に確認します。一般用の100Vコンセントを設けるだけで、どの車でも充電できるわけではありません。
将来設置する場合も、新築時に分電盤の余裕や配管ルート、充電器を置く場所を検討しておくと、後から必要になる工事を整理できます。
充電口の位置は車種によって異なるため、ケーブルが通路を横切らないか、車で踏まないかも確認してください。
参考:パナソニック「EV・PHEV充電設備の設置ガイド・戸建住宅」
注文住宅でガレージを設計するときに気をつけたいこと
ガレージから家への動線を意識する
駐車位置から玄関や収納までの経路を、車のドアを開いた状態でチェックしましょう。
買い物の荷物を運ぶ機会が多ければ、玄関収納やパントリーに近い出入口を設ける方法があります。ただし、出入口の扉と車のドアがぶつからないか、通路に荷物を置いても移動できるかを確認してください。
子どもを抱える、ベビーカーを押す、車いすで通るといった使い方も想定し、出入口の幅や段差を決めましょう。
車の買い替えと前面道路からの出入りを考える
将来、大きな車に買い替えたり保有台数を増やしたりする予定がある場合は、候補となる車両の寸法を設計時に伝えます。
車高だけでなくバックドアを開いた高さ、ルーフキャリア、シャッターや梁の位置もチェックしましょう。
ガレージの中に車が収まっても前面道路が狭いと切り返しが難しくなる場合があるため、道路幅、出入口の位置、電柱や塀、道路との高低差を踏まえておく必要があります。
駐車中の影を考慮して照明を配置する
照明は、車を停めた状態で足元・乗降場所・室内への通路が見えるように配置します。
天井の中央に照明を一つ設けるだけでは、車体や開いたドアの影で見えにくい部分が生じることがあります。必要に応じて側面や出入口にも照明を設けてください。
作業台を使う場合は、ガレージ全体の照明とは別に手元灯を検討します。人感センサー式を選ぶ場合も、作業中に消灯して支障がないかを確認しましょう。
換気・断熱・排水を住宅全体と合わせて計画する
ガレージの換気は、排気が室内や近隣の窓・給気口へ流れ込みにくい位置を含めて、設計者と検討します。
ガレージに居室が隣接したり、上階に部屋があったりする場合は、その境界となる壁や床の断熱・気密・遮音の仕様もチェックしてください。
床は、雨で濡れた車の出入りや、予定する清掃方法に合わせて勾配と排水を計画します。ガレージ内で水洗いをする予定がある場合は、あらかじめ設計者に伝えましょう。
ガレージ付きの注文住宅は駐車・居住・維持費を合わせて計画する
ガレージの広さは、車体の寸法だけでなく、乗降・荷物の積み下ろし・収納に必要な余裕があるかどうかも必ずチェックする必要があります。
ビルトインガレージにする場合は、居室や水回りに必要な面積を確保できるか、耐震・換気・騒音への対策が含まれているかを、住宅全体の図面と見積もりで確認しましょう。
また、容積率の緩和と固定資産税は別の制度です。建築費だけでなく、税金、シャッターや設備の維持管理費も含めて予算を組みましょう。
敷地に余裕がある場合は、独立したガレージやカーポート、屋外駐車スペースも比較し、必要な使い方に合う計画を選んでください。
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