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【実話・元ネタ】70代女性が63億円詐欺の犯人?…Netflixドラマ「地面師たち」で話題の地面師の手口 モデルとなった積水ハウス詐欺事件の事例を解説

地面師たち 元ネタ 実話
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2024年現在、Netflixドラマ「地面師たち」が話題となっています。

ドラマのあらすじは、不動産詐欺を働く、通称「地面師」(じめんし)が、グループを結成し、大手デベロッパーグループに対して100億円相当の土地をターゲットとした詐欺を働くというものです。

この事件は、2018年に明るみになった積水ハウスがターゲットの63億円詐欺事件をモデルにした実話であり、2018年12月20日、逃走していた地面師グループの犯人・カミンスカス操容疑者(当時59)が逮捕されています。

積水ハウス地面師詐欺事件とは?
2017年6月に、積水ハウスが地面師グループに五反田の約600坪の土地の購入代金として63億円を支払い、結果的に総額55億5千万円がだまし取られた事件。2024年現在は、旭化成グループが正式に同土地を取得している。

地面師(じめんし)という言葉を今まで聞いたことのある方は少数でしょうが、実は長年にわたって不動産詐欺を働いてきた人達であり、企業だけでなく多くの個人が詐欺の対象になっています。

今回は、ドラマ「地面師たち」のストーリーや元ネタの話を交えつつ、功名な詐欺手口の全貌から、騙されないための対処法について解説していきます。

地面師とは何ですか?
土地の所有者になりすまし、印鑑証明書や委任状などを偽装して転売や詐欺を働く詐欺集団(または集団に属する詐欺師)。
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ドラマ「地面師たち」の元ネタ|積水ハウス地面師詐欺事件を徹底解剖

実話をモデルとして制作されたドラマ「地面師たち」には、積水ハウス地面師詐欺事件という元ネタがあります。

逮捕者15名を出した積水ハウス地面師詐欺事件は、55億5千万円もの高額な被害が起きた不動産詐欺事件。以下に詐欺事件の流れをまとめました。

  1. 2017年4月3日|地面師たちが中間買主と連絡を取り、申し込み証拠金2,000万円を受け取る
  2. 2017年4月4日|地面師たちが積水ハウス営業次長に土地売却の話を持ちかける
  3. 2017年4月24日|売買契約を締結し、積水ハウスが手付金14億円を地面師たちに支払う
  4. 2017年6月1日|残金を支払ったのち、契約した所有者が偽物だと発覚する
  5. 2017年6月9日|新宿警察署に被害届を提出する
  6. 2017年10月|地面師たちのグループ主犯格を逮捕した

およそ7か月間続いた詐欺事件は、主犯格である人物がATMから高額な現金を引き出したことにより終結に至りました。

なお、積水ハウス地面師詐欺事件の犯人たちは逮捕され、東京地裁から計10億円の賠償金支払い命令が下されています。だまし取られたお金は戻ってきておらず、積水ハウスは大打撃を受ける事件となってしまいました。

地面師たちの犯人は?
まるでドラマのような詐欺事件を働いたグループの主犯格として有名なのが、カミンスカス操という人物です。ドラマ「地面師たち」のメインキャラクターであり、ハリソン山中という名前で登場。社会的影響が大きい犯罪であったことから、現在は懲役14年が求刑され、東京拘置所で拘留されています。

積水ハウス五反田で起きた地面師詐欺事件の概要│おとりの素人女性にプロが騙された理由


東京・五反田駅から徒歩3分という好立地に海喜館という古い旅館がありました。

こちらの土地が約600坪あり、大手住宅メーカーの積水ハウスが分譲マンション用地として購入を検討していました。

積水ハウスは土地所有者を名乗る高齢女性と契約を交わして代金63億円を支払ったのですが、この高齢女性が実は土地所有者でもなんでもない赤の他人。積水ハウスは巨額をだまし取られてしまいました。

おとり女性は不動産の素人 それでも詐欺が成功した理由

さて、おとり役になった70代女性ですが、過去に不動産会社に勤めた経験などもない素人。大手業者が少し話せば、すぐに偽物だと分かるはずの人選です。

では、なぜ積水ハウスほどの大企業がたったひとりの素人に騙されてしまったのでしょうか。それには以下の3つが理由として挙げられます。

  1. 周囲の人が土地の権利関係を把握していなかった
  2. タイミング的な要因
  3. 背後にいる地面師グループへの規制が曖昧

【理由1】周囲の人や親族が土地の権利関係を把握していなかった

旅館のように戦前から引き継がれている不動産は、権利関係を管理している書類もどこにあるのか分からず、周りにも昔の事情を知っている人はいないという状況になります。

今回の海喜館のケースだと、1990年になりすまし女性が土地所有権を持っていたようですが、この事件に際しそれが偽物だと周囲の人が疑問を抱くことはありませんでした。

その後、積水ハウスは無事に売買をおこなったはずが、もとの所有者がすでに亡くなっているということに後から気が付きます。所有権が親族に移っていることを知り、初めて詐欺と分かったようです。

つまり、当の親族すら、自分が旅館の所有者になったことを知らなかったということになります。女将が亡くなった時に旅館の権利関係はどうなっているのかを確認していれば、この詐欺事件を防げた可能性も十分あります。

【理由2】タイミング的な要因

五反田という一等地にある約600坪という広大な敷地面積は、大手ハウスメーカーからしても決して安い買い物ではありません。

しかし、購入で大損をする可能性がある一方で、大きな利益をハウスメーカーが得る可能性も高いです。

特に、2018年の都心では、不動産会社が利益を得やすい下記のような要因がありました。

  1. 景気が回復基調になったことによる、不動産投資熱の上昇
  2. 東京オリンピックなどの要因による、地価の高騰
  3. マイナス金利政策による、住宅ローン低金利の継続

その一方で、本格的な少子高齢化の進行や、いつ不動産投資ブームの収束・住宅ローン金利の上昇がみられるか分からない状況でもあり、上記のプラス要因が一過性で終わるという予測もありました。

こうした時期的な要因が、詐欺かどうかのチェックを曖昧にさせた可能性があります。

【理由3】背後にいる地面師グループへの規制が曖昧

地面師には長い歴史があり、古くは戦後間もない時期に被害が多発しました。

登記所の書類が空襲などで焼失してしまったこともあり、なりすましが容易だったからです。

その後、登記簿の管理が厳しくなったことで地面師たちによる被害は減少しましたが、バブル期に再び被害が増加します。

この頃は不動産価格が高騰していたこともあり、被害額も莫大なものに。その後、登記簿謄本の電子化などが進んで被害は減りましたが、近年、再び詐欺事件の被害が増えてきました。

このように長い歴史を持つ地面師ですが、逮捕されても起訴されるケースは少なく、同じ地面師グループが何度も詐欺事件を起こしているという説もあります。

今回の事件も、背景に有名地面師グループの存在がありました。法改正など抜本的な対策が必要になるでしょう。

企業ではなく個人が地面師たちの標的になることも

地面師たちによる不動産詐欺は、何も企業相手に限ったことではありません。個人が不動産売買をする時も詐欺被害にあう可能性は十分あります。

例えば、住み替え目的で家を売ったはずが、実は仲介業者が詐欺グループで、代金の振込先を隠し口座に変えた挙句逃亡したというケースもあります。

地面師は、売買契約が成立して半金を受け取った後、買主が不動産登記をして詐欺だと発覚する間を見計らい、逃亡をするケースも多くあります。つまり、国や自治体が詐欺だと突き止められたとしても、その間に行方をくらまし、身元が分からないということがあるのです。

地面師たちによる詐欺事件は国が注意喚起するまでに
消費者庁では「金銭などの被害をもたらす事業者の注意喚起」として、地面師たちを含む詐欺グループの被害を食い止めるため、日夜注意喚起を実施しています。

また、東急リバブル住友不動産販売などの大手不動産会社の名前を騙る詐欺手口もあるため、「有名な不動産会社からの連絡なら安心」とは一口に言えません。

家の売買は普通の人なら一生に一度経験するかどうかの手続きです。知識の浅さに加えて、全幅の信頼をおいていた仲介業者が実は詐欺師だったとなると、見破ることは難しいでしょう。

前述の通り、不動産業の電子化が進んだことにより、地面師たちが詐欺を働くのが難しくなっています。そのため、こちらが代金や書類を提出した後に目を離さなければ騙される可能性は低いです。

登記移転と代金受取は同時におこなう、お金の取引はなるべく現金でおこなう、契約の場には司法書士に同席してもらうといった対策をおすすめします。

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