土地の査定価格を知りたいときには不動産業者に問い合わせるのが一般的でした。
しかし、近年では人工知能の技術を使ったシミュレーションを活用できるようになっています。
AIによる自動シミュレーションとは一体どのようなものなのでしょうか。
正確さや有効性、使い方のコツなどを広く理解し、土地の査定を受けるときに有効活用できるようになりましょう。
土地査定の自動シミュレーションの特徴
土地査定を受けるときには不動産会社に問い合わせなければならないと思っているかもしれません。
しかし、自動シミュレーションを使うと不動産会社に連絡しなくても査定価格を知ることができますが、一体どのようなシステムになっているのでしょうか。
AIが土地の価格を自動査定
土地査定の自動シミュレーションは人工知能を活用しているシステムです。
運営サイトにアクセスして土地の住所や面積などの基本的な情報を入力すると、自動的にAIが土地の価格がどのくらいかを査定して表示してくれます。
土地だけでなく建物の査定についても自動シミュレーションできるシステムがあり、土地と家を一緒に売りたいと思っているときにはとても役に立つでしょう。
概算価格が数十秒で算出できる
土地査定の自動シミュレーションはAIによってオンラインシステム上で稼働しているのが特徴です。
このシステムが稼働しているサーバーでは年間約120万件もの依頼を処理できるようになっています。
年間が365日なので、一日で3287件もの情報を処理できるということになります。
1分あたりに換算すると2件以上ということになり、ほんの数十秒の間に査定結果を出してくれるシステムなのです。
業者としてはシステムを稼働させていれば良いだけで人件費もかからず、気軽に提供できるサービスになっています。
土地査定シミュレーションの使い方
土地査定シミュレーションの使い方を、実際の査定シミュレーションサーヒスを用いて解説していきます。
今回利用する土地査定シミュレーションは、すまいステップの匿名簡易査定シミュレーションを用いて解説します。
サービス名 | 不動産一括査定サイト【すまいステップ】匿名簡易査定シミュレーション |
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運営会社 | 株式会社Speee |
本社所在地 | 東京都港区六本木4-1-4 黒崎ビル5階 |
設立 | 2007年11月29日 |
免許・登録 | ― |
【Step1】物件種別で土地を選択
住まいステップの匿名簡易査定シミュレーションにアクセスできたら、査定額が知りたい物件種別を選択します。
査定額の算出ができる種別は、戸建て住宅、マンション、土地の3種類から選べます。
今回は、土地価格の査定を行うので、種別は「土地」を選択します。
【Step2】土地の情報を入力
種別を選択したら、査定対象の所在地を入力していきます。
入力する情報は、以下の4点です。
- 都道府県
- 市区町村
- 町名
- 土地面積
【Step3】シミュレーション結果を確認
土地面積まで入力を終えたタイミングで、血の想定売却価格が算出されます。
算出された数値は、類似する売却事例と>国土交通省の「地価公示データ」と「都道府県地価調査データ」の2つのビックデータベースに記録されている情報を基に算出された数値になります。
【Step4】シミュレーション結果を基に売却を検討
すまいステップの簡易匿名シミュレーションで算出できるものは、売却査定額だけではありません。
仲介売却時にかかる仲介手数料の合計費用と土地価格の相場推移、そして査定を行った土地の売却を得意とする不動産会社の紹介まで行ってくれます。
なお、地方や地域によっては、不動産会社の紹介がありません。
土地査定の自動シミュレーションと従来の査定との違い
昔から土地の価格を知りたいときには不動産業者に問い合わせをして土地を査定してもらう方法が用いられてきています。
不動産業者の店舗に行って査定してもらう方法だけでなく、オンラインで気軽に利用できるネット査定も利用できるようになりました。
土地査定の自動シミュレーションはこのような従来の査定方法とはどのような違いがあるのでしょうか。
特にネット査定とは混同されてしまうことが多いので違いを詳しく比較してみましょう。
今までのネット査定はあくまで利用者と業者の仲介
これまでずっと行われてきたネット査定は確かにオンラインで土地の情報を入力するだけで査定結果を教えてもらえるという点で自動シミュレーションに似ています。
しかし、今までのネット査定は入力された情報に基づいて不動産業者が査定を行い、利用者に査定結果を連絡するという仕組みになっていました。
あくまで利用者と業者の仲介をするシステムとして使われているのです。
それに対して自動シミュレーションはサーバー上で全てが完結するので業者との仲介をすることはありません。
自動シミュレーションは不動産会社に個人情報が一切もれない
今まで行われてきた不動産業者によるネット査定では土地の情報だけでなく、利用者の氏名や住所、電話番号やメールアドレスなどの個人情報を入力しなければならないのが普通でした。
査定結果を業者が伝えるために欠かせないのも確かですが、その後に土地売買の仲介についての営業をするための連絡先を獲得する目的もあって入力が強制されています。
しかし、土地査定の自動シミュレーションでは個人情報の入力が不要で、不動産業者に個人情報が漏洩してしまうことはありません。
土地の査定額を自動シミュレーションするメリット
土地査定の自動シミュレーションを使って土地の査定額がいくらになるかを見積もるのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ネット査定とあまり違わないではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、業者との仲介をしているネット査定と違って、AIが全てのサービスを提供してくれる自動シミュレーションには大きなメリットがあるので確認しておきましょう。
個人情報が流出する可能性が低い
土地査定額のみの算出ができるシミュレーションサービスの多くは、氏名や住所、メールアドレスなどの個人情報を入力する手間がなく、そのまま査定したい物件種別の選択と所在地の2点を入力するだけで、売却査定額が算出できます。
個人情報を入力しないため、匿名性を帯びた状態で査定額を瞬時に調査できます。
またシミュレーションの中には、アカウント作成を必須にしているものもあります。
しかし、個人情報を記入したとしても、それが不動産会社に行くということはありません。
しつこい営業をシャットアウトできる
ネットを介して査定額を算出する方法には、一括査定と査定シミュレーションサービスなど、多数のサービスがあります。
中でも一括査定は、ネットを介して査定額の算出ができるサービスであると同時に、価格調査を行ってくれた不動産会社とメールや電話等を通じて簡単なやり取りを行わなければなりません。
ましてや、査定終了後、しつこい勧誘電話や営業メールが来る可能性もあります。
一方の査定シミュレーションサービスは、個人情報の登録を不要とする完全匿名制で査定額の調査が行えるため、不動産会社に個人情報が漏れる心配がありません。
査定額の推移グラフなども提示してくれる
もう一つのメリットとして挙げられるのが、自動シミュレーションでは様々なサービスを受けられることです。
ただAIによって土地の価格がどのくらいかを見積もってくれるだけでなく、土地の売却をするときに役に立つ情報も合わせて提供してもらえるシステムになっています。
例えば、売るタイミングを見計らうためには査定額の推移に関する情報が欲しいでしょう。
自動シミュレーションでは過去のある時点における査定額も算出できるので、推移グラフを提示してもらうことも可能です。
どの地域の土地も高精度の査定ができる
AIによる自動シミュレーションで土地の査定をするとどの地域であっても客観的なデータに基づいた査定価格を知ることができるのもメリットです。
土地の売買が盛んで査定や仲介のニーズが高い地域の場合には、不動産業者が豊富な情報を持っているので信頼できる査定結果を得やすいでしょう。
しかし、そのような質の高い査定ができる不動産業者があまりない地域もあります。
自動シミュレーションは業者の良し悪しの心配をする必要なく利用できるという点で優れているのです。
査定価格をスピーディに算出できる
自動シミュレーションが優れているのは処理速度がとても早くてあっという間に査定価格が出てくることです。
先ほどの算出結果からも数十秒で査定結果がわかるという試算になっています。
業者に依頼するとどんなに早くても数十分から数時間はかかってしまい、翌日以降になってしまうことも少なくありません。
高い処理能力を持っているAIなら繁忙期でもほとんど待たされる心配はないでしょう。
土地の査定額を自動シミュレーションする際の注意点
土地の査定額の自動シミュレーションはとても魅力的だと感じた人もいるでしょう。
ただ、自動シミュレーションは決して万能というわけではありません。
利用する上でどんな点に注意しておいたら良いのかを理解しておくことが必要です。
AIではできないことは何かという視点から、どんな問題が生じ得るかを考えてみましょう。
AIは土地の現状を確認できない
AIによる自動シミュレーションでは土地の状態が反映されないのが問題点になります。
土地の現状がどのようになっているかをAIは見てくることができないので、一般的な状況の土地ならこの価格という形で査定することになるのです。
例えば、土地の周辺環境はわからないのでビルに囲まれていて日当たりが悪いから減額査定という判断はできません。
管理は行き届いていてすぐに売れる状態か、土壌が汚染されているかなどといった様々な点を加味して評価することはできないということは念頭に置いておきましょう。
AIは買主のニーズを想像できない
土地を売りたいという場合には最終的に重要なのは買主のニーズです。
是非ともこの土地が欲しいという人がいるならかなり高い価格で売りに出しても買ってもらえるでしょう。
過去のデータに基づくととても高いニーズがあるエリアでも、近くにもっと魅力的な住宅街ができて住みたい人が減ってしまっているケースもあります。
それがまたデータとして示されてようやくニーズの影響を反映させられるようになるのです。
AIにはニーズを想像する力はないと覚えておきましょう。
土地査定シミュレーションをしても売却はできない
所有する土地や戸建て住宅などの不動産を売却する場合、不動産会社の訪問査定を受けなければ、市場に出すことができません。
大まかな理由は、取引法とシミュレーションが査定額を算出するときに利用している情報が関係しています。
土地売却時は必ず査定を行ってから契約に至る
土地や戸建て住宅などの不動産を売却する時、国が発行する免許がなければ取引ができません。
ついては、免許を持たない個人が個人と取引を行えば、不正取引とみなされます。
正式な取引を行うには、国が発行する免許を持つ不動産会社の助力が必要不可欠です。
もちろん、売却を成立させるためには、不動産会社に訪問査定を依頼して、査定シミュレーションでは、反映されてなかった評価額を洗い出してもらう必要があります。
その後、媒介契約を締結し、売却活動、売買契約の締結、決済・引き渡しに至るのです。
自動シミュレーションはあくまで参考程度に使う
査定シミュレーションや一括査定サイト、机上査定などの査定方法は、類似する売却事例や国土交通省管轄のビックデータベースに集約されているデータ、そして、利用者が記入した情報を基に算出した概算にすぎません。
正式ともいえる売却価格を算出するには、現地に赴いて、土地周辺の環境や状況、土地や物件の特徴をくまなく調べ上げて、評価額を出さなければなりません。
これら要素は個別事情と呼ばれ、査定シミュレーションなどでは個別事情が反映されていません。
そもそも査定シミュレーションに搭載しているAIは、過去の成約結果に基づいて機械的に査定しているだけにすぎません。
査定シミュレーションがはじき出す数値は、過去の事例に基づいて算出された概算にすぎませんので、利用するときは、表示された価格を真に受けず、参考程度に利用するのが最善です。
おすすめの土地査定シミュレーションサービス
土地の査定額のみを、その場で知ることができる査定額シミュレーションサイトが11種類になります。
サービス名 | 調べられる物件種別 | 匿名査定の可否 |
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10秒でDo! | 戸建て住宅・マンション・土地 | 不可 |
LIFULL HOME’Sの匿名査定 | 戸建て住宅・マンション・土地 | 可能 |
すまいステップの匿名査定シミュレーション | 戸建て住宅・マンション・土地 | 可能 |
SUMiTAS スピード査定 | 戸建て住宅・マンション・土地 | 可能 |
イエウール | 戸建て住宅・マンション・土地 | 不可 |
すむたす買取 | 戸建て住宅・マンション・土地 | 可能 |
HowMA(ハウマ) | 戸建て住宅・マンション・土地 | 可能 |
IESHIL(イエシル) | マンション | 可能 |
らくらく不動産査定 | 戸建て住宅・マンション・土地 | 可能 |
三井のリハウス | 戸建て住宅・マンション・土地 | 不可 |
東急リバブル「スピードAI査定」 | 戸建て住宅・マンション・土地 | 不可 |
ここからは、1つずつおすすめポイントを紹介していきます。
10秒でDo!
「10秒でDo」は、HouseDo.comを運営する株式会社ハウスドゥが提供する無料査定アプリです。
お手持ちのスマホに「10秒でDo」をダウンロードして、家や土地の所在地を入力するだけで、仲介売却時と業者買取のいずれか選択したときの市場相場価格が表示されます。
ただし、サービス利用には氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を登録しなければなりません。
また入力情報に偽りがあれば、利用規約に則って賠償責任を問われる可能性があります。
サービス名 | 10秒でDo! |
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調べられる物件種別 | 戸建て住宅・マンション・土地 |
匿名査定の可否 | 不可 |
LIFULL HOME’Sの匿名査定
LIFULL HOME’Sの匿名査定は、不動産会社LIFULL HOME’Sが運営を務めているシミュレーションサービスです。
氏名やメールアドレスなどの個人情報を入力しなくても、所有する不動産の査定額の算出が行えます。
算出された売却額に対して詳しい説明を求める場合は、自分から会社側にコンタクトを取らねばなりませんが、そこで無駄な営業や勧誘を受けるということはありません。
サービス名 | LIFULL HOME’Sの匿名査定 |
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調べられる物件種別 | 戸建て住宅・マンション・土地 |
匿名査定の可否 | 可能 |
すまいステップの匿名査定シミュレーション
すまいステップの匿名査定シミュレーションは、株式会社Speeeが運営を務めている査定シミュレーションサービスです。
個人情報の入力を必要とせず、物件種別と所在地の2点を入力するだけで、売却価格が算出されます。
ただし、算出される金額は、参考にしているデータベースに集約されている過去の売却事例や現行の経済状況などを基にしており、査定対象が持つ個別事情は関与されていません。
あくまで参考価格を知りたいという方向けの、シミュレーションサービスです。
サービス名 | すまいステップの匿名査定シミュレーション |
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調べられる物件種別 | マンション・戸建て住宅・土地 |
匿名査定の可否 | 可能 |
SUMiTAS スピード査定
SUMiTAS スピード査定は、株式会社SUMiTASが運営を務めている不動産売却査定シミュレーションサービスです。
匿名制で調査したい物件種別の査定額がすぐに算出できるシミュレーションサービスです。
算出される金額は、全国の売却査定ビッグデータを基に出した概算になります。
さらに、仲介売却や業者買取のどちらかを選択できるよう、2通りの査定額を提示してくれます。
仲介売却にするか、業者買取にするかを迷われている方におすすめのシミュレーションサービスです。
サービス名 | SUMiTAS スピード査定 |
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調べられる物件種別 | マンション・戸建て住宅・土地 |
匿名査定の可否 | 可能 |
イエウール
イエウールは、株式会社Speeが運営している一括査定サイトです。
1度の査定で最大6社までの査定額の比較が行えるうえ、登録されている不動産会社の多くがテレビCMなどでも見かける有名な大手業者になります。
しかし、会社評判が高くても、担当者に対するクレームが多い業者に対しては、契約解除などの厳しい処分を設けているので、効率よく自分に合った会社選択が行えます。
サービス名 | イエウール |
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調べられる物件種別 | マンション・戸建て住宅・土地 |
匿名査定の可否 | 不可 |
すむたす買取
すむたす買取は匿名で査定することができるサービスです。
基本的にAI査定は、AIに査定を頼る査定サービスですが、すむたす買取はAI査定をおこなった後に不動産売買のプロが査定結果をチェックする取り組みを行っているので、より精度の高い査定額を知ることができます。
精度の高い査定に加えて最短1時間で査定結果がわかるので”正確でスピーディーに知りたい!”という人におすすめです。
サービス名 | すむたす買取 |
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調べられる物件種別 | 家・マンション・土地 |
匿名査定の可否 | 可 |
HowMA(ハウマ)
ハウマは物件情報をAIが評価して査定を算出するサービスで、不動産会社の介入がありません。
不動産会社の介入が無い為、個人情報の入力が不必要で匿名で査定して欲しい人に最適です。
ただしAI査定の精度より不動産会社の査定の方が精度が高いと判断している人もいるので、査定結果は参考程度にしておきましょう。
サービス名 | HowMA(ハウマ) |
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調べられる物件種別 | 家。・マンション・土地 |
匿名査定の可否 | 可 |
IESHIL(イエシル)
イエシルは膨大な不動産売買データから査定額を算出してくれるサービスです。
不動産会社が介入することがないので、匿名で査定を行えます。
イエシルのサービスは不動産売買のプロが何度も査定テストを行っているので、AI査定の中でも精度の高い査定結果を知ることができます。
ただし対応エリアが首都圏のみとなっていているので、地方の土地を査定して欲しい人は別のサービスを利用しましょう。
サービス名 | IESHIL(イエシル) |
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調べられる物件種別 | マンション |
匿名査定の可否 | 可 |
らくらく不動産査定
らくらく不動産査定は、位置情報サービスを活用したAI査定です。
位置情報サービスを許可して、簡単な物件情報を入力すれば査定結果が出ます。
ザックリとして査定価格を知りたい人におすすめでスピーディーに結果がわかるので査定結果を早く知りたいという人にも適しています。
サービス名 | らくらく不動産査定 |
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調べられる物件種別 | マンション・家・土地 |
匿名査定の可否 | 可 |
三井のリハウス
三井のリハウスは、大手不動産会社で通常の査定・AI査定サービスを提供しています。
個人情報の入力が必要になりますが、家や土地・マンションの査定を大手不動産会社が行ってくれるので信頼できる査定結果がわかります。
また、三井のリハウスはAIリハウス査定も提供しており、AI査定でマンションの査定価格を知ることができます。
三井のリハウスが持っている売買仲介データから算出しているので、精度が高くいつでも最新の不動産価格がわかります。
サービス名 | 三井のリハウス査定 |
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調べられる物件種別 | マンション・家・土地 |
匿名査定の可否 | 否 |
東急リバブル「スピードAI査定」
スピードAI査定は大手不動産会社”東急リバブル”が提供しているサービスです。
個人情報で一番重要な電話番号を登録する際に入力する必要が無く、その場でAI査定結果をチェックできるので、安心して利用できます。
スピードAI査定に登録するMyページで査定データをチェックすることもできるので、しっかり査定価格を分析したい人におすすめです。
全国の物件に対応しているので、地方に住んでいる人も気軽に利用してみてください。
サービス名 | スピードAI査定 |
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調べられる物件種別 | マンション・家・土地 |
匿名査定の可否 | 否 |
土地査定シミュレーションのおすすめ活用方法
土地査定の自動シミュレーションには様々な活用方法があります。
土地を売りたいと思い立ったときには特に役に立つケースが多いので、代表的な活用方法を確認しておきましょう。
いかにして失敗しないようにするかという視点を持つと有効利用できるシーンを想像しやすくなります。
土地の売却で成功したと思えるようにするために有効な使い方を三つ紹介するので参考にしてみましょう。
①シミュレーションから売るべきか・いくらを目指すかを決定
自動シミュレーションの結果を使って、そもそも土地を売るかどうかを判断したり、売るからにはこのくらいの価格を目指そうという目標を決めたりすることができます。
査定結果を見てみてこんなに高いならすぐに売ろう、推移を見ると価格が上がっているからもう少し待とうという考えを持つことができるでしょう。
買主との価格交渉のときにも落とし所をどこにするかの判断材料の一つになるのでシミュレーション結果を知っているに越したことはありません。
②シミュレーション額を基準に複数社の査定額を比較
どの不動産業者に仲介してもらって土地を売却するかで悩む人は多いでしょう。
まずは複数社で査定を受けて結果を比較して決めるという方法がよく用いられていますが、査定額を知っても結局どの業者が良いのかわからずに困ってしまうかもしれません。
しかし、自動シミュレーションの査定結果を知っていれば相場がおよそどのくらいかがわかります。
シミュレーション額を基準にすれば業者の良し悪しを判断しやすいのです。
③シミュレーションからかけ離れた評価の業者はリスクが大きい
業者に査定をしてもらったときに、本当にその業者が信頼できるかどうかを判断するのにもシミュレーション結果が役に立ちます。
自動シミュレーションは客観的なデータから判断して適正な価格を出していると考えられるでしょう。
業者が出す査定価格を見てみて同じような価格であれば信頼できます。
しかし、大きくかけ離れている評価の場合には詐欺のリスクもあると考えて慎重に良し悪しを考えられるのです。
土地査定シミュレーションを活用するタイミング
土地査定シミュレーションを活用する時とは、どんな時であるかを簡単に紹介します。
土地査定額をすぐに知りたいとき
査定シミュレーションの一番のメリットともいえる査定額を瞬時に算出できるという特徴から、査定額を知りたいというときに使用されることが最も多いです。
業者に依頼して査定を行う訪問査定や一括査定などは、査定額算出までに時間がかかるうえ、永木用途のやり取りも行わねばなりません。
特に私生活が忙しくて、業者に査定依頼を出している暇がないという方に、査定シミュレーションは、おすすめのサービスです。
とはいえ、算出される金額はあくまで概算であり、個別事情を含めた金額ではありません。
大まかな査定額を知りたいとき
訪問査定を依頼する前に大まかな査定額を知りたいというときにも、査定シミュレーションはおすすめです。
算出される金額は、概算になりますが、過去の売却事例や現行の経済滋養卿などを鑑みて算出された金額になるので、大まかな金額範囲を知ることができます。
また金額次第では、仲介売却ではなく、業者買取や土地活用などの活用方法を検討することも可能です。
査定依頼の手間を省きたいとき
業者に査定依頼を出した後にくる勧誘や営業電話などを極力受けたくないという方や、コンタクトを取る手間を省きたいというときにも査定シミュレーションを活用できます。
シミュレーションの中には、個人情報の入力を求めてくるものもありますが、入力した情報が会社側に漏洩するということはありません。
また匿名で査定シミュレーションが行えるものなら、業者からの営業や勧誘を受けることなく、査定額のみを知ることができます。
土地価格を自分で算出する3つの方法
所有する土地価格の算出が瞬時に行えるシミュレーションは、いずれも便利なものですが、AIに頼らず、自力で土地の査定額を算出する方法が4つ存在します。
土地価格を自力で算出する方法
- 固定資産税評価額
- 地価公示価格
- 路線価
ここからは1つずつ、計算方法を紹介していきます。
固定資産税評価額から算出する
土地価格を、役所から毎年送られてくる固定資産税評価額から算出する場合、以下の計算式を用いります。
計算式
土地の相場=固定資産税×0.7
土地の相場価格は、固定資産税評価額の70%に当たります。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の場合、土地の相場価格は700万円です。
なお、固定資産評価証明は、最寄りの役所でいつでも発行できます。
地価公示価格から算出する
国土交通省が毎年1月初頭に公表している土地価格データ「地価公示価格」を用いる場合、標準地・基準値検索システムにアクセスして、査定額を知りたい物件種別がある都道府県を選択します。
その後、以下の計算式を用いて算出していきます。
計算式
土地の相場=地価公示価格×1.1
路線価から算出する
路線価とは、地域の路線に面する土地1平方メートルあたりの評価額を指し、主に国税庁管轄の路線価図・評価倍率表にてデータが集約しています。
路線価を知る際は、この路線価図・評価倍率表にアクセスして、調べたい物件種別がある所在地を選択することで調べられます。
路線価が分かったあとは、以下の数式を用いることで、土地価格が算出できます。
計算式
土地の相場=路線価の価額×面積×0.8
土地査定シミュレーションの精度は高い?
土地査定シミュレーションは瞬時に査定結果がわかる優れものですが、精度の問題がきになる人が多いです。
これから土地査定シミュレーションの精度について詳しく解説していくので、なるべく高い精度で査定して欲しい人は参考にしてください。
AIの精度によって査定結果が大きく変わる
土地査定シミュレーションは、AIが登録している土地情報や取引情報によって査定結果が大きくかわります。
査定時点で登録されていない最新の情報や、土地周辺の環境変化などを織り込んで算出していないので、実際の売却価格と大きく離れた査定結果になることもあります。
例えば直近に大型商業施設が出来た物件を売却する際に、土地査定シミュレーションで査定をすると、大型商業施設が出来た情報を織り込んでない査定結果が出ます。
不動産会社に査定依頼を出すと大型商業施設ありの査定結果がわかるので、土地査定シミュレーションと大きく差が出てしまいます。
物件の面積・場所以外の情報は考慮できない
土地シミュレーションは査定するAIの情報量によって査定結果が大きく変わって来る為、不動産会社の査定より精度は低くなります。
ただし膨大な取引情報を持っている最近のAIは精度が高くなって来ているので、どうしても土地シミュレーション査定を利用したい人は、精度高めの土地シミュレーションで査定しましょう。
土地査定シミュレーションと不動産会社の査定どちらに依頼すべき?
土地査定シミュレーションはAIを使って簡単に査定できるサービスですが「不動産会社の査定とどちらを使えばいいの?」と迷う人もいますよね。
土地査定シミュレーションは、不動産会社のやっている査定とは異なる利点もありますが、不動産会社の査定の方が優れている部分もあります。
〇〇 | 土地査定シミュレーション | 不動産会社の査定 |
---|---|---|
相性の良い目的 | 大まかな査定価格を知りたい | 土地の売却価格を決めたい |
査定スピード | 即時~数十分 | 数日間 |
査定精度 | 実際市場価格と異なる可能性もある | 限りなく売却相場に近い |
各査定方法の利点を知った上で、自分の査定目的と照らし合わせて相性の良い査定方法を選びましょう。
査定スピード重視は土地査定シミュレーション
「とにかくスピーディーに査定結果を知りたい!」という人は土地査定シミュレーションが向いています。
土地査定シミュレーションはAIが既存の売買情報や土地相場の情報から査定価格を算出してくれるので、即時に結果を知ることができます。
一方で不動産会社は、不動産会社が持っている情報を元に人が算出してくれるので数日から1週間程かかります。
その場ですぐ知りたい!という人は土地査定シミュレーションを検討してみてください。
正確な査定結果を知りたい人は不動産会社の査定
査定スピードより、市場の売却相場を知りたい!という人は不動産会社に査定を依頼しましょう。
土地査定シミュレーションは、土地の場所と面積などから算出しますが、不動産会社は土地の場所や面積以外の部分も換算して算出してくれます。
また、不動産会社は担当と話し合って売却価格を決める所まで親身にサポートしてくれるので売却予定の土地を査定するのに適しています。
土地を売却する予定の無い人は土地査定シミュレーションでも充分ですが、売却を検討している人は不動産会社に依頼する方がスムーズに売却できます。
土地査定シミュレーションに関する質問
ここでは、土地査定シミュレーションを使用する前に知っておきたいことや、解決しておきたい疑問について解説して行きます。
土地査定シミュレーションと従来の土地査定との違い
従来の土地査定は、専門家が物理的に現地に赴き、土地の大きさ、地形、近隣の状況などを調査して査定額を決定するという流れで査定額を算出しています。
一方、土地査定シミュレーションでは、これらの情報をデジタル化した情報を基にAIや高度なアルゴリズムを使用して査定額を出します。
従来の方法に比べて時間と手間を大幅に節約できる一方、精度に関してはサービスごとに差があります。
土地査定シミュレーションは匿名で査定依頼を出すことができる?
一般的には、土地査定シミュレーションは匿名で利用できます。
必要な情報は、地域、面積、形状、利便性などの土地の基本的な特徴で、個人を特定する情報を入力する必要はありません。
ただし、サービスによっては、より詳細な査定を行うために連絡先を求める場合もあるため、利用前に各サービスのプライバシーポリシーを確認しましょう。
土地査定シミュレーションを使用して営業や勧誘の連絡は来ない?
土地査定シミュレーションを利用する際のプライバシー保護は、サービス提供者によります。
基本的には、ユーザーが許可しない限り営業や勧誘の連絡が来ることはありません。
しかし、サービスによっては、査定結果と一緒に不動産会社からの連絡を受けることもあるので、それが不要であれば、設定や条件を確認してから利用しましょう。
土地査定シミュレーションが出す査定額は何を参照して価格を出しているの?
土地査定シミュレーションは、土地の面積、形状、所在地、近隣の環境、周辺の物件売買価格、地価公示価格、アクセスの良さなど、多くの要素を参照して査定額を算出します。
また、AI技術が進化することで、過去の取引データや不動産市場の動向も考慮に入ります。
土地査定シミュレーションを活用して売却依頼を出す会社探しは行える?
土地査定シミュレーションは土地の売却を考えている方にとって、不動産会社の選定にも役立つツールです。
査定結果に基づいて、多数の不動産会社から見積もりを集め、それらを比較できます。
このことにより、売却依頼を出す適切な不動産会社の選択に資するとともに、売却価格の適正化にも繋がります。
ただし、シミュレーション結果はあくまで参考の一つであり、最終的な売却価格は現地査定によって決定されることを念頭に置くべきです。
土地査定シミュレーションは活用次第で高額売却のカギになる
土地査定の自動シミュレーションを受けてもそのまま土地の売却に直結するわけではありません。
しかし、その査定額を活用すれば優良業者を選び出し、高額売却を実現させられる可能性もあります。
土地を売りたいと思ったときには有用なツールとして自動シミュレーションを使ってみましょう。